平成12年に新しい法定後見制度が出来て20年近くになります。
ご隠居も行政書士を生業にしているので少し考えてみたいと思います。お前が後見制度を利用するような年ではないかといわれればその通りなんですがね。少し最近ぼけてきました。
平成12年には申立件数が約9000件でしたがその後平成24年には約35000件になりました。
その後は伸び悩み35000件程度で推移しています。
富裕層には成年後見制度は硬直化が目立ち、使い勝手が悪いと言われて「任意後見制度」と「家族信託」を併用したものが考え始めました。
まぁ誰でもが死を迎えるわけでそれが突然か老化によるものかの違いはありますが。
「おれは野垂れ死にするからいいや」などと言う人でもやっぱり人間として生まれて来たからには最後を考えておきたいものです。
死んでしまえば自分で葬式出したり区役所に行って年金の打ち切りの申請はできないので委任しておくことになります。
(1)見守り委任
家族がいれば継続的見守り委任契約などという難しい話にはなりませんね。今まで仲良くやっていれば大丈夫。
(2)財産管理(任意の財産管理委託契約)
(3)任意後見契約
任意後見制度は本人が判断能力のあるうちに後見人(受任者)との間で公正証書で任意後見契約を締結する。
あわせて(2)の任意財産委託契約もしておく。
本人が認知症等により判断能力が不十分となり請求により任意後見監督人が選任されると任意後見が開始されます。
任意後見の利点
本人の意思で最も適切と考える任意後見人を選任できる。
本人の意思、人生観、価値観等確かめることのできる制度です。
任意後見契約は必要性を感じたら最寄りの公正役場の公証人等に相談して任意後見人受任者を選び契約できます。
(4)尊厳死(終末医療)宣言
任意後見契約において尊厳死などの終末医療に関する意思表示などもしておきましょう。
人の死
(5)遺言(公正証書)
遺言は自分が長年の間築き守ってきた大事な財産を相続人など誰にどのように配分して後世に役立たせるかの行為です。
遺言は要式行為。つまり意思表示が一定の書面の作成やその届出などによることが必要です。
現在1年間に全国で作成される遺言公正証書は10万件超えているそうです。争いが多いのです。
「争族」の回避、「相続税対策」に有効でしょう。
遺言の欠点
遺言はいつでも書き換えられる。遺言者の判断能力の低下に付けこむ「悪魔の甘いささやきによる遺言」
訳の分からない女性あるいは男性が出てきて「私にも財産もらえるように書き換えて」などと言われて一番新しい日付になればそれが有効になる。
相続人全員の合意で遺言を「反故」できる。
平成10年7月31日東京地裁判決
遺言の内容が相続分および分割方法の指定である場合は遺言膝行者には遺産分割協議の内容に立ち入る権利も義務もなく遺言執行者には遺産競技の無効を確認する利益は認められない。
成年後見人が遺言の存在を知っていても、安易に相続財産(不動産)を売却して遺贈の対象を消滅させる。
自署証書遺言の場合には関係者による隠匿破棄の恐れもある。
(6)死後事務委任
祭祀用金銭管理信託契約
残った家族がいれば心配ないでしょう。
これでやっとこの世の煩悩からときはなれられて、あとは天国に行くか地獄に行くかはあなたのこの世の行い次第です。
功徳を積みましょうね。 続く