日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

思い切って外に出かけよう

2011-04-12 11:06:16 | 編集手帳

  4月11日付 読売新聞編集手帳


  「普段通りの生活をしても、死者を悼むのを止(や)めたことにはならない。
  犠牲を無駄にしないため我々がまずできることは、普段の生活を取り戻すことだ」

  10年前に起きた米同時テロの11日後、
  当時のルドルフ・ジュリアーニ・ニューヨーク市長は市民にこう語りかけた。
  市民以外の人々にも、
  ニューヨークに買い物に来るよう呼びかけた。
  「いつも混んでる店も今なら空(す)いている」と。

  同時テロと今回の震災を安易に比べることはできないが、
  災厄がもたらした悲しみを乗り越え、
  前進しようという人々の強い決意は変わらない。
  自粛が行き過ぎ、
  社会の活力が失われてしまっては復興は遠のくばかりだ。

  米紙は震災後、
  繁華街から人混みが消え、
  選挙運動までおとなしくなった日本の様子を、
  「ジシュクが国民的な強迫観念になった」と皮肉った。
  だが、桜が満開になった東京では、
  宴会自粛の看板をはずす公園もあり、
  花見客も増えてきた。

  震災から1か月。
  余震や原発事故に苦しむ被災者のためにも、
  家に閉じこもらず、
  思い切って外に出かけよう。
  普段の生活に戻るのが、
  日本の活力を取り戻す第一歩だ。
コメント