9月8日 NHK海外ネットワーク
APECに合わせて誕生した新たなランドマーク ルースキー橋。
首脳会議が開かれているルースキー島と市内を結ぶ巨大なつり橋である。
斜めに張ったワイヤーで橋げたを吊る“斜張橋”としては世界最長を誇る。
人口60万人の港町ウラジオストクは
太平洋艦隊の司令部がおかれ
ソビエト時代は外国人の立ち入りが禁止された
いわゆる“閉鎖都市”だった。
ソビエト崩壊後も
モスクワをはじめロシア中央部に比べて発展が遅れていたが
APECの開発を機に大規模な開発が進められている。
市内と空港を結ぶアエロエクスプレス。
市内から空港までは約50キロ。
これまでは列車がなく空港への道は常に渋滞し
2時間以上かかることもあった。
今は列車で48分に短縮された。
運賃(市内~空港)
ビジネス 約900円
スタンダード 約500円
海岸沿いの遊歩道もAPECに合わせて整備された。
近くにはおしゃれなカフェや洋服店が立ち並ぶ通りもあり
ヨーロッパ風な街並みをかもしだしている。
オペラやバレエの劇場も建設中である。
APEC準備のためロシア政府は日本円で約1兆7000億円を投じた。
市民の生活や仕事にも変化が見られ始めている。
港の通関業務を行う会社で働くコワリチュク・ワレリアさん(32)。
アジア各国の経済成長に伴って会社で扱う貨物量が大幅に増え
業績はこの5年間で4割増えた。
「仕事が増えて収入も増えました。
ウラジオストクが海外ぬもっと知られ
貿易がより活発になることを期待しています。」
ワレリアさんは週に3回 市内のダンス教室に通っている。
15歳の娘アリョーナさんも一緒。
1人あたり月に6,000円以上かかるが
給料が上がり趣味を楽しむゆとりが出てきたと言う。
ウラジオストクは大きな変貌を遂げつつあるが
街を一歩はいると舗装もされていない道路や
老朽化した建物がまだ数多く残されている。
ロシアの発展から取り残されてきた極東が
アジアとの窓口として発展を続け
格差を埋めることができるかどうか
APEC後にその真価が問われる。