9月15日 おはよう日本
おさまらないヨーロッパの信用不安。
14日に開かれたユーロ圏の財務省会議では
今最大の焦点となっているスペインへの支援について協議が行われた。
ヨーロッパ中央銀行がスペインを念頭に
国債を買い取る際の条件などについて意見交換がされたが
今回の会議では具体的な対応について先送りされた。
この背景には
支援を受ける側のスペイン
支援をする側のドイツの双方とも
難しい課題を抱えている実情がある。
ユーロ圏で第4の経済規模を持つスペインは
ギリシャに続き
今や信用不安の大きな要因になっている。
国内の銀行が多額の不良債権を抱えているのに加え
地方財政も危機的な状況に陥り
国民生活に影響が広がっているのである。
東部のバレンシアは
過去に行った大規模な公共工事で多額の負債を抱える一方
景気の低迷で税収が落ち込み厳しい財政状況が続いている。
病院でのデモでは人々が黒い服に身を包み
まるで葬式のような様相である。
予算が切りつめられる中
医療や教育など公共サービスがおろそかになるのではないか
という懸念が広がっている。
「最高水準の医療保険制度が
緊縮策のせいで危機に陥ってしまう。」
ある病院では下請け業者への支払いが滞り工事もストップした。
経営の一部を民営化する計画も検討されている。
高まる一方の人々の不安。
スペイン政府は地方の状況の改善に乗り出す方針であるが
ただでさえ厳しい財政状況のなか
資金を確保するにはEUなどからの支援をあてにするしかない。
一方で
支援を要請すればさらに厳しい緊縮策を求められ
かえって国民の怒りをかうことにもなりかねない。
スペイン ラホイ首相
「支援を要請するかさらに検討し
本当に必要か見極めて決断する。」
支援の必要性がますます高まる一方で
これ以上の緊縮を迫られることは何としても避けたい。
スペインは身動きが取れないジレンマに陥っている。
危機に陥った国々を支える最大の支援国ドイツもまたジレンマに陥っている。
今週 ドイツではヨーロッパの行方を左右する
重要な裁判が開かれた。
“財政難に陥った国々を支援するユーロ圏の新たな基金に
資金を拠出することが憲法に違反するのではないか”
野党議員らの訴えに裁判所がどのような判断を示すのか
注目が集まった。
裁判長
「基金の差し止めを求める訴えを棄却する。」
財政規律を守らなかった国々の救済に税金が使われることに
不満を募らせてきた国民は裁判所の判断に強く反発している。
「支援は解決策にならない。
むしろ状況を悪くするだけ。」
「裁判所には失望です。
政治や経済から独立した判断を期待していた。」
最新の世論調査では
54%が基金の見直しが必要だと答えている。
これまで
ユーロ圏が破たんすればドイツ経済も行き詰まると訴え
他の国の支援に理解を求めてきたメルケル首相。
裁判所の判断を歓迎しながらも厳しい国民感情も配慮して
無制限な支援はあり得ないと強調している。
ドイツ メルケル首相
「欧州のためなら何でもするわけではない。
本当に必要な支援のみ行う。」
ヨーロッパ一の経済力を背景に
ユーロ圏を支えることが期待されているドイツ。
しかし国内の世論を気遣い
さらなる支援には慎重にならざるを得ないのが実情である。