5月15日 編集手帳
往年の名レスラー、
ブルーノ・サンマルチノさんが先月、
82歳で世を去った。
筋肉隆々の体とパワーで「人間発電所」と異名をとった人である。
昭和のプロレスは外国人レスラーといえば、
異名がつきものだった。
アンドレ・ザ・ジャイアント氏も、
忘れがたい。
身長2メートル20、
体重230キロを超す巨体で「人間山脈」と呼ばれた。
舞台は異なるけれど、
当世大相撲にもその体格、
肩や背の筋肉の盛り上がりでため息をつかせる人がいる。
ジョージア出身、
関脇・栃ノ心がそうだろう。
持ち前の怪力で夏場所初日、
国技館をわかせた。
きのうのスポーツ報知で尾車親方が絶賛している。
不利な体勢から上手を伸ばすや、
一気に相手を宙(ちゅう)吊(づ)りにした相撲はまるで「クレーン車のよう」だと。
儀式と礼節を重んじる大相撲にプロレス風の異名がふさわしくないのは承知しているものの、
協会幹部でもある親方の見立てに意を強くして申し上げたい。
まさに「人間クレーン車」だろう。
一時はケガで幕下55枚目まで落ち、
そこから努力ではい上がった。
こういう力士は応援したくなる。
昇進のかかる今場所、
一気に大関“吊り”だ。