大人の私にも奇跡が起こらないかな?なんて思って・・・・。
京都シネマにて鑑賞。是枝監督の新作です。
何と主役には、関西のお笑いキッズ“マエダ、マエダ”。是枝監督がオーディションで出会い、彼らを抜擢したそうです。
先日NHKの大阪放送に出演して、今回の映画について話していました。監督も途中から登場。彼らにかなり惚れ込んでおられ、当初の内容と大幅に変更して台本を書きなおしたくらいだそうです。
今後の抱負を聞かれると、「まあマイペースでぼちぼちとやっていきたいですね」と12歳の男の子の言葉とは思えないものでした。
さあそんな2人がどんな演技をしているのか?是枝監督が魅了したという2人に、興味もあり、早速観て来ました。
はい。凄いです。自然体ですね。無理はしていない。地のまま等身大の子どもを演じている。何処かの家族の姿を覗いているような気がしました。状況設定も身体で覚えるんでしょうね。勘の良さに驚くばかりです。もちろんそれは監督の演出も凄いからでしょうが。
あらすじ
九州新幹線が全線開業の朝、博多から南下する“つばめ”と、鹿児島から北上する“さくら”、二つの新幹線の一番列車がすれ違う瞬間に奇跡が起きて願いが叶う……。そんな噂を耳にした小学6年生の大迫航一(前田航基)は、離れて暮らす4年生の弟・木南龍之介(前田旺志郎)と共に奇跡を起こし、家族4人の絆を取り戻したいと願う。二人の両親は離婚し、航一は母・のぞみ(大塚寧々)と祖父・周吉(橋爪功)、祖母・秀子(樹木希林)と鹿児島で、龍之介は父・健次(オダギリジョー)と福岡で暮らしているのだ。兄弟は、友達や両親、周りの大人たちを巻き込んで、壮大で無謀な計画を立て始める。そしてその計画は、様々な人々に奇跡を起こしていくのだった……。
かるかん作りに再び挑戦祖父、航一に味はどうや?と聞くシーン。何んやぼんやりした味やと答えていましたね。
2004年の「誰も知らない」と同じく子どもの姿を描いていますが、まったく違ったものです。今回は子どもが観ても楽しめるって感じですよね。そう言えば何人かの子どものお客さんの姿もありました。そして場内では主演の2人のやり取りに大爆笑の渦でした。監督が彼らを想定して作られた作品だけあって、絶妙なシーンもたくさんあります。でも私、何かウルウルきてしまいました。何だろう?
お兄ちゃん役(実際も兄)の航基君は、繊細で瞬時に大人の状況に把握するというタイプ。この作品の中でもそういうタイプです、大阪から母の実家鹿児島へやって来たんですが、環境に馴染めず。。。。。その一番は桜島の火山灰。神経質な彼は灰で汚れた衣服や洗濯物に付いたりするもので、うんざり気味。それを気にせず暮らしているここに住む人の気が知れないとため口を吐く毎日。
両親が離婚したことで、家族がバラバラになってしまった現実に寂しさを感じていた。何とかまた4人で暮らせる日を!と弟に連絡を取りながら情報収集。父親に恋人が出来ていないか?等と弟に聞きます。
それに比べて弟龍之介は離れて暮らす今の生活に上手く順応し、友だち作りや父のライブの受けつけをして楽しく?暮らすという非常にポジティブな性格。(それなりに努力しているのでしょうね)
印象深くて面白かったのは家族でたこやきを食べているシーンで両親の喧嘩!
母のぞみが父健次が職を辞めたことで突然切れるシーン。たこ焼きを投げて顔に当たるので、龍之介はビビる。兄はその仲裁で大変でした。このシーンは本当に驚いたとか。母役の大塚寧々の変貌ぶりにびっくりだったらしい。
「俺たちは見えない糸で繋がっているから大丈夫!」と龍之介
クラスメイトの恵美が、「家族でも会わないと忘れちゃうよ」と忠告する。そう彼女はスナックを経営する母と2人暮らし。父がいなくて寂しい思いをしていたんですね。
子ども同士のやりとりにもそう言ったそれぞれに抱えた悩みや思いが伝わってくる。子ども目線から大人の知らない思いも見えてきたり。友情にもホロっとしてしまいます。
さて壮大な計画が子どもたちによって決行されます。そう奇跡が起こるという場所に行こうという計画なんです。
航一、佑、真は奇跡計画を本格的に立て始めた。一方、龍之介は恵美たちに説得されてやはりこの計画に参加することに。半年ぶりに兄弟は再会することに、、、、。
知恵を絞ってお金集め。しかし学校を3人一緒に早退とは難しい?そして考え付いたのは祖父周吉に助けを求めるというものだった。
仮病をした3人、怪しまれる(笑)保健室の先生の助けを借りたりと大変。坂上先生に危うくばれそうになった時、おじいちゃんはやって来たのでした。まで連絡していないのにね。
何とか妨害などをかいくぐり熊本の川尻駅で降りる航一たち。そして向かい側のホームには龍之介たちが。
いよいよ奇跡を求め新幹線が見える高い場所を探すために皆の冒険が始まった。
仲間 蓮登の迷子騒動から、警察官に怪しまれ・・・・。ところが恵美の機転で見知らぬ老夫婦に助けてもらう。これってラッキー!いやこれも奇跡かもしれないね。
人の縁はどこにあるか?分からないもんです。まあ良いご夫婦だったから良かったけど(笑)
泊めてもらい、その上新幹線が見える場所に、、、、。
ということで、願いは叶う?そしてどうなるのかな?
子どもの映画だから大人は脇役。そんなことで大人のアップは少なめだったらしい。
祖母役の樹木希林さんの一言だったようです。それにしても見えない糸で繋がるとか、見知らぬ人の出会いでまた繋がって。
作品紹介(goo映画より)
『誰も知らない』の是枝裕和監督が、再び子供たちの視点で日本の家族を問う。両親の離婚を経験し、離れ離れに暮す兄弟が、小さな反逆を企てながら、成長するまでの物語。福岡と鹿児島は、幼い兄弟にとっては遠い町。鹿児島に引っ越してきた兄・航一は、火山灰の中で人間が暮す意味が分からない。唯一の理解者である筈の弟も少しずつ自分から離れていくようで、航一は“奇跡”に夢中になるのだった。主演は、前田航基、前田旺志郎。小学生漫才コンビ“まえだまえだ”として活躍している二人だが、是枝監督の演出の下、演技でもその才能を発揮。共演の林凌雅、永吉星之介ら子役も個性的で、特に樹木希林との家族共演を果たした内田伽羅に注目したい。
メディア | 映画 |
上映時間 | 128分 |
製作国 | 日本 |
公開情報 | 劇場公開(ギャガ) |
初公開年月 | 2011/06/11 |
ジャンル | ドラマ |
映倫 | G |
これぞ奇跡!というような奇跡は出て来ませんが、、、、。でも出会いや繋がりってある種、奇跡のようなものかもしれませんね。
是枝監督の舞台挨拶が6月19日、京都シネマにてあります。残念ながら行けませんが。
http://kiseki.gaga.ne.jp/