ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ベイビー、イッツ・ユー (Baby, It's You)/山根麻衣

2005年07月01日 | 名曲

 もう20年以上も前、化粧品メーカーの資生堂が「気分はフェアネス」というタイトルのキャンペーンを行っていて、CMとタイ・アップした同名の歌がスマッシュ・ヒットしていた。歌っていたのが山根麻衣(現・麻以)である。


     
     『気分は、フェアネス』(モデル:アンジェラ・ハリー)


 「will」というアルバムに収められていたこの曲、アメリカン・ポップス風の味付けが施されていて、けっこう気に入っていた曲ではあったが、ぼくがドギモを抜かれたのが、アルバムでは「フェアネス」の次に収められていた曲である。
 それが「ベイビー・イッツ・ユー」だった。


 オリジナルはマック・デヴィッド、バート・バカラック、バーニー・ウィリアムスの共作で、1962年にシュレルズがヒットさせている。ビートルズもファースト・アルバムでこれをカヴァーしているので、ご存じの方もたくさんいるはずだ。
 少々ノスタルジックな雰囲気の、典型的なオールディーズだが、この「麻衣ヴァージョン」は全く違っていた。


 まず、佐橋佳幸のギターを中心としたタイトな演奏に耳を奪われる。
 タイトなだけではなく、ワイルドで熱さが伝わってくるような演奏である。
 めちゃめちゃぼく好みなのだ。
 そして、やや抑えぎみに入ってくる麻衣のヴォーカル。
 しかしクライマックスに近づくにつれ、彼女のハスキーヴォイスはどんどん感情むき出しとなり、荒々しさを増してゆく。なんてエキサイティングなんだろう!


     


 この、「麻衣ヴァージョン」は、1960年代後半の「スミス」というバンドのアレンジを踏襲したものだと思われる。「スミス」の演奏は、ホーン・セクションの入った、R&Bフレイヴァー豊かで濃いものだ。もちろんこれもとても好きなものである。


 残念ながらせっかく買ったレコードは行方知れず、CDも、グズグズしている間に、ぼくが買ってもいないのにさっさと廃盤になってしまった。残ったカセット・テープをなるべく劣化させないよう、マザー・テープからコピーしたものを大事に聴いてきたのだが・・・。
 今、いちばん欲しいCDが、山根麻衣の、この曲が入ったアルバム「will」なのである。







ベイビー・イッツ・ユー/Baby It's You
  ■歌
    山根麻衣
  ■作詞
    マック・デヴィッド/Mack David
  ■作曲
    バート・バカラック & バーニー・ウィリアムス/Burt Bacharach & Barney Williams
  ■編曲
    バンド・オブ・ナイト・ファミリー/The Band of Nite Family
  ■プロデュース
    知久悟司
  ■録音メンバー
    知久光康(guitar)
    近藤敬三(guitar)
    佐橋佳幸(guitar)
    佐々木隆典(bass)
    野口明彦(drums)
    小島良喜(keyboards)
  ■収録アルバム
    will (1982年10月)



コメント (2)
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