ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」。ジャズ・バー店主、認定心理カウンセラー、ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ビートルズと修学旅行と英語の授業

2005年10月03日 | 随想録

                          ♪今ぼくが持っているビートルズの楽譜は1129ページもあります。重い。


 中学1年と3年の時の担任だったハラダキミコ先生には、中学時代の3年間、英語を教えて頂きました。
 英語は好きでも得意でもなかったんですが、気さくな人柄のハラダ先生には何かとかわいがってもらったり、心配して頂いたりしていたので、投げやりに授業を受けることはありませんでした。


 あれは修学旅行中だったと思いますが、ぼくはバスの中でハラダ先生のすぐ近くに座っていました。みんなに人気のある先生でしたから、先生を中心に、話に花が咲いていました。
 ぼくは、暇つぶしのつもりで持ってきていた「ビートルズ80」という、ビートルズ・ナンバーの歌詞つきコード譜をなんとなく眺めていたんですが、先生が「その本見せてごらん」と不意に声をかけてきたんです。


 ちょうど「I Saw Her Standing There」のページが開かれていて、先生はおもむろに即席の英語の授業を開始。
 「この時の『Standing』は進行形の用法じゃなくて、『立っているのを』、と訳すのよ~」
 それから、おもに曲のタイトルの和訳をみっちりやりました。


 「I Want To Hold Your Hand (抱きしめたい)」では「Want To ~」についてのレクチャー。そして、直訳では「あなたの手を握りしめたい」となること。
 「Don't Let Me Down」では「否定の命令」と「Let ~ Down」について。
 「涙の乗車券」でも「to」の用法。「『Ticket To Ride』、つまり『乗るための券』だから『乗車券』ってこと。『涙の~』は、レコード会社が考えた、日本語タイトル用の言葉ね」
 あと、前置詞の用法とか、過去完了形とか、いろんなことを教わったのを覚えています。


 歌詞に関しては、「難しいから」という理由であまり触れませんでした。「特殊な用法や難しい英文がワンサカ出てくるので、英語の教師でも手こずるのよ」ってことでした。


 「即席授業」を受けると、明らかにタイトルがスラスラと訳せるようになりました。訳ができるようになると、タイトルの意味がはきっきりと解るようになります。意味が解るようになると、曲の内容も想像がつくようになるでしょう?
 すると、ビートルズの曲を聴くと今までと違って聴こえるので、レコードを聴くことがさらに楽しくなっていたんです。


 今考えると不思議ですね。
 だって、旅行気分でとっても浮かれていたはずなのに、その『即席授業』がまったく苦にならなかったんですから。教室ではなくて、バスの中、という変わった環境も良かったのかな。
 

 この経験のおかげで英語に対する苦手意識がなくなりました。むしろ英語の授業が楽しみになったくらいです。3年の終わり頃には、2年の時に比べると、びっくりするくらい英語の成績があがっていたんですよ。
 高校では英語の先生がキライなタイプだったので、またもや成績は下がってしまいましたけど


 でも、あれはとってもいい体験でした。
 英語が苦手なひと、英語はこわくないですよ~


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コメント (4)
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