箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「いま」しか見えない

2019年11月05日 07時01分00秒 | 教育・子育てあれこれ








不登校の生徒のなかには、学校で嫌な思いをしたとか、いじめを受けたという明確な理由がなく、学校に行けなくなる子もいます。

不登校の子にとって、家族や先生などのおとなの言葉は重みがあります。

子どもが学校に行かなくなると、親は当然ですが、焦ります。

つい、こんな言葉を発していまいます。

「学校に行くのがふつうでしょ。なぜふつうのことができないの」

「あなたのことを思って言っているのよ」

「この先どうするの」

しかし、明確な理由や原因がなく、学校に行けない子にとって、これらの言葉は、本人とっては、堪える一言です。

だって、本人にしても、学校に行きたいのに行けないことに、「ふつう」でないことに悶々としているのです。

「これから先どうするの」と言われたって、本人には「今」しかないのです。 

「今」しか見えていないときに、過去も将来も見えてきません。

「わたしはずっとこのままかもしれない」という不安な気待ちでいることが多いのです。

だから、おとなは焦らず、現状を受け入れ、いま学校に行けない状態を認めることが必要なのです。

親が焦らず、「いま、この子はこういう状況なのだ」と思うと、子どもの気持ちは落ち着くことが多いものです。

そして、不登校を認めたうえで、たとえ1時間だけでも登校できないかとか、家に友だちとか先生が来てくれたら会ってみようかなど、いま少しでもできること、前に進めることがないかを考えていくのが望ましいと思います。

(本文の内容と写真の人物は、関係がありません。)