箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

制服を着たい生徒たち

2021年04月18日 07時16分00秒 | 教育・子育てあれこれ
先日、テレビで朝の情報番組を見ていました。

その中で取り上げていたのは、学校の服装でした。

制服か私服か選択制かについて、番組のコメンテーターはおおむね、選択制の支持に傾いていました。

多様性を尊重して、それぞれの生徒や保護者が制服か私服を選択できる幅があることが望ましいという理由からでした。

ところが、生放送中に視聴者アンケートをした結果が出ると、出演者一同が意外そうでした。

制服支持が一番多く、次に選択制、最後に私服支持となったからでした。

でも、わたしはこの結果が順当だ思いました。

今の制服は、高校ではブレザーにスラックスかチェックをあしらったスカートが圧倒的に多く、ファッション性の高いものや、デザイナーがデザインした制服もあります。

生徒たちは気に入っています。

また、いまは制服をブレザーにしている中学校も増えています。男子の詰襟学生服もありますが、女子のセーラー服の学校も多く、この時期にしか着れない服なのです。

以上が、現場に身を置いていたわたしが考える生徒の実感です。

1970年代には、生徒会が学校に制服廃止、私服を認めさせる運動をした時期が、かつてはありました。

わたしの通った大阪府立の高校は、私服の着用を認めていた(標準服という制服のよくなものはありました)、当時にしては珍しい学校でした。

それでも、毎日私服を着ていた生徒は、ほとんどいませんでした。

コメンテーターが、番組の最初で、選択制が多いだろうと予想したのは、多様性を認める時代を意識してのことでしょうが、感覚が少々ズレていたようです。

今は、ファッショナブルな制服が多く、その学校の生徒であるというアイデンティティを示すものとしての役割を果たしています。

生徒たちは、「この制服を着ることができるのは、今の時期だけ」とわかっています。

だから、今の時代、制服支持が多くなるのです。