東京弁護士会が行なった調査では、過去5年の間に、警官から職務質問を受けた経験のある外国人は6割にのぼりました。
そのうち、2回以上の人は7割でした。
「外国人はあやしい」
「犯罪を起こすのは外国人」
このようなきめつけ自体は問題ですが、きめつけに「治安を維持するために」という大義名分の公権力が絡んでくると、人の人格を脅かす行為が平然と行われることになります。
プロファイリング(profiling)とは、きまった集団の特徴を詳しく調べて、「こんな人たちである」と、そのプロフィールをつくるあげることです。
これが人種、民族、肌の色、宗教で集団を特定して、「この集団は、このような犯罪を犯す」と犯罪捜査の分野で用いられと、きめつけが起こり、レイシャルプロファイリングになります。
その捜査には、警察権力が介在するので、高圧的な事情聴取になることも、少なくありません。
近年、日本に住む外国人が増えてきて、レイシャル・プロファイリングにあたる職務質問や強制捜査への批判が高まっています。
ここまで読まれて、「でも外国人は犯罪を起こしやすいよ」と思う人がいるかもしれません。
たしかに、直近の報道では、ベトナム人グループや大阪のユニクロからたくさんの品物を万引きした事件が報じられました。
しかし、わたしが言っているのは、外国人すべてが犯罪を起こすわけではないということです。
真面目に、まっすぐに暮らしているは人が、疑われて、あやしまれて、警察から引き止められて時間を奪われ、心を傷つけられることが公権力により行われることは、重大な問題なのです。