学校に通ってくる児童生徒の家庭背景や幼少期から育った環境はいろいろです。
「あなたは、悪くない」でした。
大人への十分な愛着が形成されずに育ってきた子は、あまり大人への信頼を寄せません。
十分な愛情を受けなかった子は、学校でひねくれたり、すねたりすることが多くあります。
自己肯定感が低いことが多く、クラス集団の中でも、「どうせオレなんか」「わたしなんかいなくったって・・・」が口ぐせのようになっている場合が多くあります。
その子たちに愛情をかけ、人との出会いなおしをさせ、前向きに生活を送っていけるように支えていくのは、教師の役目です。
「あなたは、悪くない」
映画「Good will Hunting/旅立ち」(グッドウィルハンティング 旅立ち)は、1997年にアメリカで公開されました。
その映画の中で、心理学者ランボーが、青年グッド・ウィルに言った言葉が、
薄幸の生い立ちのトラウマを引きづり、暴れて、おどけて、大声でどなる青年。
そうなると、人が近づかなくなり、孤立して、余計に他者に悪態をつき、悪循環に陥ることも多いのです。
しかし、ランボーはちがっていました。
相手を責めず、受けとめ、青年を抱きしめました。
そうして、苦しむ青年もまた自分を抱きしめ、自分を許すようになるのです。
そして自らに言うのです。「あなたは悪くない」と。
学校教育の中でなら、こうして築いた人間関係は信頼関係に変わります。
これが教師にとっては、教師をつとめる醍醐味です。
子どもを見捨てずにかかわるのです。
この映画のテーマを体現したような楽曲が国内にもあります。
「最後のカタルシス」という曲です。
歌詞の意味をかみしめたいと思います。
最後のカタルシス(2012年)
作詞:秋元康 作曲:伊藤心太郎
やさしい瞳で
叱ってくれたね
あなたは
母親のように…
まわりの大人は
あきらめてたのに
どうして
名前を呼んだの?
路地裏のネオン
雨に打たれた猫
荒んでた心に
希望の光が射す
もう一度 生きようか?
ここから抜け出すんだ
ボロボロの過去なんて
捨ててしまおう
もう一度 生きようか?
未来は外にあるよ
眠ってた魂は
最後のカタルシス
少ない金貨を
握らせてくれた
あなたに
返しに来るから
道のゴミ袋
誰かの怒鳴り声
望まれず生まれて
望まれる夢を見てた
俺なりに生きてみる
やりたいようにやるさ
この世に正解も
間違いもない
俺なりに生きてみる
何かが始まるだろう
傷ついたその分だけ
祈りはカタルシス
もう一度 生きようか?
ここから抜け出すんだ
ボロボロの過去なんて
捨ててしまおう
もう一度 生きようか?
未来は外にあるよ
眠ってた魂は
最後のカタルシス
俺たちは生きるんだ
たとえ何があっても
そのドアを開けてみろ
すべてはカタルシス
カタルシス(catharsis)は、浄化と訳されることが多いです。
心の奥底にしずんでいたネガティブな感情を吐き出して解放して、重くイヤな気持ちを浄化します。