箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

生きづらさを感じる子どもたちへ

2024年07月24日 08時27分00秒 | 教育・子育てあれこれ

とくに中学生までは、場合によっては高校でも、子どもの集団の特徴はふつう同質的です。ですから内部では同調圧力が強くはたらきやすいのです。

 

自分だけちがうということが、集団の中で際立ちやすいのです。

 

そこで、「みんな」とちがっていることを理由に、排除しようとする言動がいじめにつながることもあります。

 

ですから、子どもには「みんなと同じでいたい」という思いが強くはたらき、他とちがっていることを、子どもは極度におそれるれるようになりやすいのです。

 

ところが、心の中では一方で、「わたしはあの子とはちがう。あんな子のようにはなりたくない」とも思うのです。

 

そのように10代は「自分がどういう人間になるのか」を考えるのに一生懸命になる時期です。

 

そのとき他人を見て、他人を否定することで、なりたい自分を探そうとします。

 

ただし、ほんとうは人というものは他人から見えるのはほんの一部分・一面だけなのですが、それに気がつかないのです。

 

しかし、大学生にもなると、ようすがかわってきます。

学生がさまざまな地域からやってきて、いろいろな環境で過ごしてきた人が集まり、集団は多様性がふつうになってきます。

 

この段階になり、悩んでいた子は、同質性という呪縛からやっと解放されることになります。

 

以上の点から、「あの人とわたしはちがう」と決めつけることなく、幅広い見方ができるようになるのが10代の成長の課題です。

 

だれもが多かれ少なかれ生きづらさを抱える時期なので、狭い人の見方やものの見方でなく、幅広い見方を得ることで、次第に生きづらさを抜け出していけます。

 

とくに中学生の時期は、今いるここだけが人生のすべてだと思ってしまいがちです。

 

が、じつはそうではなくて、人生のほんの一部に過ぎないのです。

 

だから早まった行為に走るのではなく、その先に自分の人生はあり、生きる場所はあるのです。

 

生きづらさを感じる人は、あきらめるのではなく出口を探してほしいと願うのです。



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