箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

小説を読むのはかけがえのないこと

2021年03月30日 08時02分00秒 | 教育・子育てあれこれ
高校では、新学習指導要領が2022年度(来年の4月)から、「論理国語」の新しい授業が始まります。

これは実用的な文章を生徒が読み、論理的に読み取っていく読解力重視の授業になります。

この影響で、小説を軽視することにならないかという懸念が報道されています。

わたしも同感です。

思春期の子どもの思いは、理屈では語れないものです。

そんな思春期・青年期には、文学こそが生徒にとって実用的なのです。

たとえば、悩みや迷いの多い10代の子が、太宰治の小説を読むと・・・

残念なことに、小説を読んでも悩みや迷いに対する答えはないかもしれません。

「そういうことだたのか、わかった!」というようなスッキリとするような奇跡はないかもしれません。

でも本は、人生とは何かを語ることができる友になってくれるのです。

それが若い子が小説に触れて、読む意味なのです。

論理的に読解していく力も必要ですが、小説をおろそかにしてはなりません。

小説を読むのはかけがえのない営みです。


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