「こないださあ~、子供が友達のうちへ行って、ガスコンロ見て驚いたらしくてさあ~。ほら、うち、オール電化だろ。はじめて火を見たらしくてさあ。」
「あ~、そうそう、最近の子って、へたするとクラスの半分くらい、火を見たことないらしいよ。
「ほんと、こっちがビックリしちゃったよ。最近はたき火もキャンプファイヤーもやらなくなったからなあ。でもこれってなんかやばいよな~。いざとなったらサバイバルできないよな~。」
「そうだよね~。火を使うのは、人間の根本的な能力だからね~。でも、ほんと、火を使う機会が減ってるんだよね~。煙草も吸わないからライターもないし。せいぜいバーベキューか花火ぐらいか。」
「そうなると、どうやって理科とか教えるんだろうね~。」
おおう。なんと。
きょうもどろんこになりました~、と、ぐったりしながらのった帰りの電車の中。家を買ったらしい若いサラリーマンのおとうさんたちの会話。
いや~、世代というのは変わるもんですね~。そんな話を聞くと、どろんこな姿の我が身と比べて、ますます次世代が宇宙人に思えてくる???
まあ、次の大きな時代のとっかかりにいるのかもしれないけれど。
でも、時代においていかれるのだとしても、手仕事って、やっぱり、好きなんだなあ~。
炎を使って、竹をいぶしたり、撓めたり、炭を作ったり。
雑草を燃やして草木灰にすれば、畑にはとてもいい肥料になる。
火をうまく扱う時、みんなほんのちょっと、誇らしげな顔になる。
むかし小学生だった頃、夏休みの林間学校でキャンプファイヤーを前にして、校長先生が言ったのを思い出しますね。
「この炎をじっと見つめてご覧なさい。心が安らいでくるでしょう?皆さんの遠い遠い祖先が、きっと同じようにこの炎を見つめていたはずです。」
炎は希望であり祈りであり生命である…。良く使うか否かは皆さんの心がけ一つ。
やっぱり、人間の全ての能力の源なんだなあ。最低限の扱い方は覚えたいものですねえ…。
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