河口公男の絵画:元国立西洋美術館保存修復研究員の絵画への理解はどの様なものだったか?

油彩画の修復家として、専門は北方ルネッサンス絵画、特に初期フランドル絵画を学んできた経験の集大成を試みる

最近買った本

2020-08-05 16:36:47 | 絵画

正直言って、あまり本は買わない。特に最近は。

①デイリー六法、平成31年版 (1850円+税)

 民法、商法改正。働き方改革関係法改正。

 何故このような法律の本を買ったかと? 実は3年前から隣の敷地から、我が家の屋根に樹木がかかり、一部折れて瓦の 上に落下するなどして被害が生じた。他にも切り土の崖の上から落石があるなどして、隣地の所有者(稲荷神社)に対応を申し入れたが、手紙3通にもかかわらず無視され、「妨害排除訴訟」を起こすに至った。当方が原告で被害の立証の他、敷地境界の証明など、多岐にわたって準備書面を用意することとなったが、被告側は弁護士を雇い、(これが法律を操る暴力団の様なもので暴言、妄言の繰り返しでくたびれた)一つ一つ相手の申し立てに、法的根拠を持って反論する必要があった。事件は民法の範囲になるが、かつて西洋美術館在職中のパワハラに対して刑事告訴しようかと考えて購入した六法全書(平成14年版、有斐閣、約1万円なり)(結局告訴はしなかったが)では書かれていないことが、その後の判例で付け加えられた項目を確認しておかねばならないことを知って、浜田市立図書館で見つけた最新の改訂版を購入した。勿論役に立った。

 しかし、訴訟というものは勝つ見込みがあっても、そうそうやるものではないと理解した。7月22日に判決があったが、当たり前のことに3年も煩わされて、人生の無駄をした。只、相手を無視すれば、それで済むと思っている者が許せなかった。

②反日種族主義 19年11月15日刊 たしか文芸春秋社

 この本は韓国人6人の著者による、韓国内での反日行動に関する潜在的国民性を資料を基に明らかにした資料として購入した。まだ全部読んでいないが、知人に勧めて貸し出した。著者たちが韓国内で蔓延する反日行動が「韓国人の未来にとって不幸な結果をもたらす」という趣旨で、思い込みや作為を正す意図で書かれていて、決して日本側の主張を援護するものではないことが、人に勧められる点である。

③死の美術大全 ジョアンナ・エーベンシュタイン(北川玲 訳)河出書房新社 (6000円+税)18年10月30日初版発行

この本も浜田市立図書館で見つけて借り出したが、2週間で読み切れずに、結局本屋に直行し注文取り寄せ。田舎の町の図書館にあった本としては、私のためにあったのではないかと・・・思う。図版の面白さは病理解剖学的な視点から、様々な項目に加え、グラフィックデザイナー、写真家とか様々な仕事をかけ持つバイタリティーある内容になっている。

私としては、自分の絵画イメージの世界が「生と死と」であるので、思いっきり興味をそそられた。

訴訟が終わったので(控訴はしない・・・めんどうくせい!!)ゆっくり自分の世界に浸りたいと思っている。

④「高文脈文化」日本の行間 シンシア・リー 扶桑社 (1500円+税)20年6月5日 初版発行

この本はネットで紹介されていて、日本語と韓国語の違いを説明し、言葉、言語の成り立ちから精神文化の違い、背景を紹介している。まあ分かり易いというか。これまで言語の直接的な意味以外に、その言葉の使い方にある見えない部分を「行間を読む」として開設している点も、私は普通の日本人レベルだと思っていたけどこのリーさんの感性の新鮮さに驚かされて、改めて日本語に興味を感じた。

私は日本語が表す(日本人が表す)曖昧さが好きではなくて、具体的に、直入的に、しかも論理的に話すことが大事だと思っていたが、(この考えは別に改まるわけではないが)「感性で読む、理解する」ことの面白さは今回教えられた。このリーさんは日本に滞在して3年、あと2年で日本に帰化できると言う生粋の韓国人であるが、日本に来るまで韓国では歯科医であったが、休業してこの国にやって来た。子供のころから日本語に親しみ、日本語にあこがれて熟達。そこいらの日本人よりよほど日本語を理解し、愛しているところは見習いたい。他にも韓国についていろいろ書いた著作があるようだが、まずこの本をお勧めだ。・・・まだ読み終わっていないから、もしまた面白い点に気が付いたら話すことにする。

おっと、猫のご飯の時間だ!!