河口公男の絵画:元国立西洋美術館保存修復研究員の絵画への理解はどの様なものだったか?

油彩画の修復家として、専門は北方ルネッサンス絵画、特に初期フランドル絵画を学んできた経験の集大成を試みる

音を立てて食べても良いだろうか?

2022-08-30 00:39:03 | 絵画

テレビのコマーシャルで「相撲取りの遠藤」がお茶漬けを食べ、どんぶりから最後をかき込むと「うぇー!」と一声を出す。私は「あちゃー、こりゃいけん!」とチャンネルを変えた。遠藤は若くハンサムで人気上昇中だったが、それから二度と応援しなかったし、永谷園の茶漬けも食べなくなった。そう言えば、この国ではビールを飲んでも「んぅー!!」とか言う人が多い。特にこの国の飲食時の反応は、外国から来たクーリエ(美術品の添乗員)の接待時には要注意だった。皆目を白黒させる。口に食べ物を入れて、そのまましゃべると時々小さな食い物が飛んで出る。ヨーロッパのほとんどの国では「一度口に入れたもの」は出してはいけない。ブドウの種、魚の骨でも・・・・一度口に入れたらそのまま飲み込まなければいけない。招待された席では尚更である。

イギリスのラファエロ前派の展覧会で久留米のブリヂストン美術館に着いた夜、夕飯にイギリスから来た女性を連れて行き、皆で珍しいものを注文して、女性に出した。「これはナニですか?」と聞かれて、みんな英語の単語が分からなかった。ポケット辞書を引いて、「シーアネモニ」だと答えた。私も食べたことがなく「有明海の珍味」だと言われて一口食べたら・・・こりゃなんじゃ!!の代物。皆はその女性に「たべて、たべて」と勧めたら涙目になってグスンになった。「いやいや、食べなくていいよ、いいよ」と言ってももう遅い。実はそれは「イソギンチャク」だった。正直、おいしくない!!私も涙目でグスればよかった。

イギリスでは食事を勧められたら「断れない」「まずくても必死で食べる」のが礼儀なのだ。実に可哀そうなことをした。彼女は「図鑑で見たことがある」と申し訳そうにしていたので・・・本当に悪いことをした。

ある時、やはり海外からのクーリエを上野の「薮そば」に連れて行ったとき、注文して出てきたざるそばを見て「私は食べれません」と言って手を付けなかった。そこに奥から職人がが出て来て「うちのソバ食えねぇのならくるなー」と怒鳴ったのだそうだ。私がいたら殴ってやったのだが。客に対して余りに失礼で、えらそうにするなと思うから、二度と薮そばには行かなくなった。イギリス人もフランス人も食べ物を「ちゅー」と吸い込むのが出来ない。そういう食べ物が無いのだ。しかもすすれば音が出て、背筋がゾクッとしてあり得ない反応をする。

なんでこんな話を書くのか?と言われれば、今日の夕飯は台所で立ったまま、行儀も悪いが「そうめん」をずずーっとすすって食べたのだ。周りには猫しかいないから、ずずーと音が猫達にも気になるほど立てて食べた。そして食べたあと「うふぁー!!」とやった。どうだい!!これぞ独居老人のマナーだ。しかし人前ではやりません。


猫の手も借りたい 2

2022-08-27 22:40:03 | 絵画

猫の手も借りたいが、背中がかゆい時は、やはり優しい女性の手で掻いて欲しい・・・。

何をいまさらと言われるだろうが。・・・で、しかたがないから「孫の手」を取り出してゴシゴシ、ガリガリ。血が出るほど搔きまくる。痒いときには直ぐ手の届くところに孫の手は無くてはいけない。だから100円ショップで5本ほど買って、家のあちこちに置いてある。他に携帯用の小さなもの、燻竹(いぶしだけ)で出来た品のいいものも2本あるので・・・何とかなる。

家の中にたくさん無いとイライラするものに料理用の包丁が・・・菜っ切り包丁、刺身用の柳葉包丁、出刃包丁、小魚用の小出刃、肉切り包丁、洋食包丁、ドイツで買った小刀包丁、他に結婚式のカタログで手に入れた安物のステンレス包丁、100円ショップで買った、菜っ切り、柳葉、などが10本、他に今住んでいる家の元の商売が干物屋だったため、置いて行った魚を手早く下ろす小出刃が5本ばかりと、玉石混交だが、物にはそれぞれ「使い方」がある。それが分からぬのが同僚の学芸員だった。私の家にはトンカチが10本以上あると言ったら「心療内科の専属医」をよこした。誰の指示で来たのか聞いたら「個人情報」は言えないとぬかしよった。私を診断して誰に報告するのかは想像がつくが、患者の診察内容を他者に漏らせば、それこそ個人情報保護違反になると思うが。

で、そのトンカチだが大工用(釘打ち用)大中小、木槌、ドイツ製木工ノミ用ハンマー、ゴムハンマー、金属用のハンマー、石を叩く石頭(セットウ)、コヤスケ(石より硬いタンガロイ刃が付いたハンマー)、ピトンハンマー(杭を打つ)、かけや(木の杭を打つ)、他に100円ショップで買ったハンマーが10本からある。

モノには用途があり、技術者は技術の繊細な追求で発明してきたのだが、机について文献資料ばかり読んで、肝心な美術作品をよく見ようとしない学芸員、美術史系研究者(?)が観念の世界に埋没していることに気が付いて欲しいものだ。

で、痒い所に手が届く人生は意外と大変で、知ろうとしなければ大事な事実を見過ごす。

おい!!そこのニャンコ!!背中を搔いておくれ!!・・・・無視する・・・大事な事実を・・・知らん!


ねこの手も借りたいが

2022-08-23 11:57:33 | 絵画

確かに忙しい時は猫の手も借りたいが、彼らは仕事の邪魔こそすれ、役には立たないのに、どうして猫の手も借りられようか??先月に受け入れた子猫4匹、これがめちゃくちゃで襖二枚を骨にした。部屋はその表張りの紙屑でゴミ箱状態だ。ライトスタンドは倒す、扇風機も倒す、夜中に突然4匹が大暴れして、ガタン、ボコンとミャー!!

それでなくても私は頻尿で夜中に起きてしまうから、睡眠が足りない。何も仕事にならない。

子猫たちは元々野良の子たちだから、家の中での生活にならせるために、二階の居間を提供した。勝手にニャン走しないために、百円ショップへ行って金網を買ってきて扉の一部を部屋の内部が見えるようにして、少しは開放的にして閉じ込めた生活を始めた。もう少しづつ大きくなって元気は全開、エネルギーは有り余り、為れなかった子たちは私の膝の上で大暴れするからズボン下のももにはひっかき傷が絶え間ない。

まあ仕方ない。野良で過ごせば余命は短い子猫たち。雨に濡れて体温が下がると意外と簡単に死ぬ。三日以上食べないと死ぬ。生後三週間までは確実に母乳を飲まないと直ぐ病気にかかるし、体も小さく長生きできない。

彼等は暴れるついでに畳の上に水をひっくり返し、カリカリも水浸し。ベッドの上にべっとりとしみが出来ているが、これは何だ!!しかし今の所ベッドの上にウン子はしていない。

しかし、てめーら!!掃除でもしろ!!

 

 

 


コロナによる個人事業者助成金

2022-08-21 11:36:12 | 絵画

多くの助成金が支払われ、多くの詐欺師も暗躍した。逮捕されたのはほんの一部にすぎないであろう。手続きも簡単でずさんで、一つ一つ丁寧に調査できなかったであろう。

特に飲食業は世界一多く、毎年、開業と失業とを毎年繰り返す数は同数ほど多く、今回の調査に嘘をついても明確な証拠もなかっただろう。

何故、飲食店が多いのか?それは商売として最も安易で資金さえ調達できれば誰でも挑戦できる商売だから。飲食業を支えるのはサラリーマンが昼食に弁当を持って行かないから、外食が中心で夜も近所の中華料理屋か飲み屋で一杯という文化があるからだろう。ヨーロッパの国にお昼の外食がないわけではないが、ロンドンではサンドイッチ屋が繁盛していたし、美術館では職員用に食堂があった。ドイツでもベルギーでも博物館や図書館、大学の食堂は外部からの客も利用できて、昼からビールやワインとかも飲めた。

しかし街の中に安価な小さな食堂とかは見当たらず、レストランの数も少なく、たまには行ってみようとすると、そこではランチと言えば少々高めの昼食となる。そうしたレストランは夜の格式ばったディナーが主なのだ。ドイツの図書館で働く労働者は朝6時ごろから働いて午後は自宅に帰って昼食し、そのままガーデニングや伴侶と散歩に出かける人も多い。個人主義の国は個人の主体性で、どこかの国のように集団で寄り集まり行動するのとは違う。

だから街の雰囲気もびっくりするほど異なり、伝統文化の形成が職業意識の面でも感じさせられた。日本の都会では歩いて移動できて、色んな業種が軒を連ねることが出来るが、地方の小さな田舎町ではスーパー(夜8時に閉店)などの大型店によってシャッター通りにされてしまい、個性的多様性はこの国では長生きできない。政治も金融も中央集権的な在り方で田舎の者には情報があっても物に変わらない。8時過ぎると街を歩く人もなく、だから飲食業も数が少なくファミリーレストランやチェーン店ならあるが、何処に行っても同じようなものだ。

限界集落という言葉は限界田舎町になってきた。浜田を離れて山口に行こう。山陰と山陽ではちょっと文化が違う。

伝統文化に守られてゆっくりと時間が流れるヨーロッパの町の「変化がなさすぎる」と感じていたあの頃がなつかしい。


他人のことはどうでも良い?

2022-08-18 12:44:02 | 絵画

猫を見習って欲しい。

個人主義の猫だが、身勝手に振舞っているわけではない。ちゃんと自分をわきまえて行動し、死ぬときは人知れず身を隠して死ぬ。個人責任を身に着けていて、分相応で無理はしない。無論子猫の時は無理だけど、どの様に行動するかを身に着けていく。個性がハッキリして個体ごとにそれぞれ違うのは見事だ。

誰もこうしろとは教え込むことはできない自立心がある。彼らの個人主義を誤解する人も居るが、利己主義では決してなく、集団の秩序があり自律している。野良猫は夕方に複数集まって「猫会議」を頻繁に行う。家猫は不妊・去勢手術をされていると少し事情は違うが、家という秩序を乱す野良が突然やってくるとみんなで排除しようとする防衛本能を集団で発揮する。

仲間のグルーミング(毛づくろい)をしてやるなど家猫だけでなく、野良も仲間を大事にする。しかし彼らは権力に迎合することはしない。不満であれば自主的に離れる。彼等には食事より大事なものがある。それは主体性と自由だ。日本人にはこの二つがない人が多くいる。

宗教に転ぶのは「自分を大事にするエゴ」が分かっていないからだ。子供の時から身に着ければ自分の生きる道に悩むことも少ないであろうが。自分がどうしようとしているのか分からなくて迷って他者の言葉に影響される。これが洗脳だ。今感じている自分より大きなものに出合うと信仰してしまう。それが犯罪的カルト集団であろうが。

猫を見よ!!彼らが私のプランターにウン子をしても「良いこと」をしたと満足している。すばらしい!!