「底抜けに明るく、善意のみで行動するが、往々にしてやり過ぎてしまう」 。それがジャイアン、と書いたけれど、ジャイアンのそれは結果として多くの人に迷惑を撒き散らしてしまう。本人にその自覚がないから、「性質が悪い」と言い切れないのが、また困る。
アメリカの場合はちょっと違う。自覚はある。自覚はあるけど、「国益のためだ。それもしょうがない」、と完全に割り切って実行する。つまり「性質が悪い」と言い切れる。
けど、当人たちは「それはしょうがない。何しろ国益のためだから」・・・。迷惑なことこの上ない。じゃ、支那は?
それはまた別の機会に。
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裏切られたフィリピン人民兵はマニラ郊外サンファン橋を挟んで米軍と睨み合った。そして1発の銃声が轟いた。
盧溝橋に似る。米軍はそれを合図に即座に大攻勢をかけた。優勢な火器にもの言わせ、フィリピン人民兵の3分の1を殲滅してしまった。1発目はもちろん米軍からだった。もう嘘と策略だらけだった。
盧溝橋に似る。米軍はそれを合図に即座に大攻勢をかけた。優勢な火器にもの言わせ、フィリピン人民兵の3分の1を殲滅してしまった。1発目はもちろん米軍からだった。もう嘘と策略だらけだった。
壊走するアギナルド軍が山に逃げ込むと司令官アーサー・マッカーサーが「山に逃げたらもはや正規軍ではない」と一方的にゲリラ認定した。相手がゲリラなら彼らを拷問しようが殺そうが国際公法は関係ない。お構いなしになる。
かくてフィリピン全土が戦場と化し、街中で拷問と処刑が派手に行われた。
20リットルの泥水を飲ませる水責めが最も流行った。「それでも土人が自白しないと膨れた腹に巨漢の米兵が飛び降りた」「土人は6フィートも泥水を噴き上げて死んだ」(米上院公聴会での証言)
「1週間処刑」も行われた。1日目に捕虜の左膝を撃ち、2日目に右肩、3日目に右膝、4日目に左肩、そして5日目の金曜日にやっと頭を撃って殺した。
米軍の一方的な戡定(かんてい)戦が続く中、ルソン島の東、サマール島でパトロール中の米軍2個小隊が民兵に襲われ、38人が殺された。
アーサーはその報復にサマール島と隣のレイテ島の島民10万人を皆殺しにしろと命じた。ただし「10歳以下は除け」と一言付け加えた。
掃討が終わったあと部下が報告に来た。「10歳以下の子供は一人もいませんでした」
アーサーの息子ダグラス・マッカーサーは先の大戦でフィリピンに戻る再上陸地点にレイテ島を選んだ。
「土人どもは日本軍と過ごしてすっかり日本人に懐いている」と彼は思った。それで米軍に楯突けばどうなるか。「レイテみたいに皆殺しにする」という含意だ。
レイテと聞いてフィリピン人は40年前を思い出して日本軍から離れていった。アーサーの残虐さはその当時も今もフィリピン人の悪夢に出てくる。
ラオスで開かれた東アジアサミットでオバマはフィリピン大統領デュテルテが麻薬売人を2000人も殺したことについて人道的に許せないと指摘する気だった。
南沙の支那問題より大きいと思えぬが、そこは白人キリスト教国家を代表する立場だ。野蛮な原住民どもにたしなめの一言は要る。
対してデュテルテは米国がフィリピン人をさんざ騙し、ためらいなく40万人も虐殺した歴史を彼に質(ただ)した。米国は他国を批判できるのかと公式の場で問うた。
彼は実は皆殺しにされたレイテ島のわずかな生き残りの子孫なのだ。
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