長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

291. 青木画廊開廊55周年記念本『一角獣の変身』刊行記念展

2017-05-22 19:18:01 | 個展・グループ展
20日。東京銀座三丁目の青木画廊で開廊55周年を記念して2年半がかりで企画出版された記念本『一角獣の変容』の刊行記念展がオープンした。この日は、掲載され今展に出品した作家同士のサイン会も行われるということで出品作家の1人として午後から銀座に向かった。午後4時過ぎに遅れて会場に着くと溢れんばかりの関係者と祝いのワインの臭いで満ち溢れていた。

青木画廊は1961年に先代の青木外司(あおきとし)氏の頃から今日まで国内外のシュールレアリズム、幻想美術の作家を、目まぐるしく移り変わる現代の美術やその流行の中で左右されることなく一貫して企画、紹介してきた稀有な画廊である。まさに「日本アート界のレジェンド」と言っても過言ではないだろう。

その画廊の企画展の歴史、軌跡、数多くのアーティストたちと作品群は画廊のホームページや今回の分厚い記念本を手に取ってご覧いただけば理解できるのでここでは省略する。

そもそも僕がこの画廊に通いだしたのは20代の初めだったので、彼是36年前まで遡る。1980年代当時、ウィーン幻想派やドイツのカール・コーラップ、ホルスト・ヤンセン、シュレーダー・ゾンネンシュターンといった個性的で魅力的な画家たちの企画展を開催し、詩人で美術評論家の滝口修造やフランス文学者の澁澤龍彦が訪れる画廊としても美術界でよく知られていた。「みずゑ」という美術雑誌の裏表紙には青木画廊の広告がその月の個展の画家の作品写真と共にいつも掲載されていた。

そう、僕にとっては雲の上の憧れの画廊であった。その後、美術学校を卒業し、版画により作品を発表し続けていたが、それから18年後にこの画廊でドローイングの個展を開催するとは夢にも思っていなかった。一度は筆を折り二度と描くことはないと思い込んでいた絵画作品を「うちで版画ではなく絵を描いて発表してみなよ」と言って描くように薦めていただき、発表の機会を与えてくださったのも現オーナーの青木径(あおきけい)氏である。以後、グループ展への参加や個展での新作発表を通してずっとお世話になり今日に至っているというわけである。

今回、記念本の中で一番年長者は親の世代の方もいらっしゃる幻想絵画の諸先輩たちに交じって作品写真やアトリエでの写真、個展リーフレットでの紹介文など分厚くディープな内容の中でチラチラと登場させていただいている。画廊の55周年もたいへんなことだが、僕にとってのこの画廊での18年というのも灌漑深いこととなってきている。
青木画廊のような画廊は他には存在しない。是非、今後も60周年、65周年を目指し、古より、いつの時代にも存在し続けてきた幻想美術を企画紹介し続けていってほしい。ますますその存在意義が大きくなっている画廊に感謝と乾杯!!

展覧会は6月2日(金)まで。記念本の『一角獣の変身』は大手書店、amazon、画廊ホームページよりご購入いただけます。青木画廊のアドレスは以下の通り。

東京都中央区銀座3-5-16 島田ビル2F&3F http://www.aokigallery.jp

美術ファン、幻想美術フアンの方々、是非この機会に展覧会を観てください。そして画廊のメモリアルである素敵な記念本を御手に取って見てください。

                        






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1 コメント

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マイブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。 (uccello)
2017-05-30 22:14:27
ブロガーのみなさん、いつもマイブログにお立ち寄りいただきありがとうございます。いいね!をいただいた方々、感謝いたします。
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