今月21日から東京池袋にある僕の母校、創形美術学校に銅版画の直刻法の実技実習の指導に行っている。このブログの388回で投稿した銅版画実習の続きであるが、前回がまだ専攻を決めていない1年生の『銅版画・基礎(エッチング)』の実技実習であったのに対して今回は2年生の版画専攻の学生たちが対象となっている。つまり今月は銅版画の「集中実技実習月間」となっているのである。
『銅版画・直刻法』とは、エッチングのように薬品などの腐食によって銅板を彫って行くのではなく、専門的な工具を使用してダイレクトに彫って行くさまざまな技法をさす版画専門用語である。その代表的な技法には、エングレーヴィング(ビュラン)、ドライポイント、メゾチント、ルーレット等があげられる。
今回の課題テーマは『人間像』。友人、知人、家族や恋人の肖像、著名人の肖像、街を行きかう人々の群像、自分のイメージの中の人等々といった様々なヒトの姿から下絵を描き、版に転写して彫り込んで行くと言う内容。但し「自画像」は人物画の中でも特別な意味、性格を持ってしまうので不可とした。それから上記、工具の他に文具のカッター、釘、サンドペーパーなどによる彫り?の実演も行い「銅版画は版に傷を付けてインクが引っかかれば版になる」という趣旨を強調して伝え、その道具の中から3種類以上を使用して1点のモノクローム作品を制作するというミッションも同時に与えた。それから2年生も1年生同様に中国からの留学生が多く、参加学生14名中、約半数をしめている。彼らは日本語が上手く日本人の学生に混じってワイワイと楽し気で集中するときには驚くほど静かに制作している。
昨日、プレス機を使用した印刷の実演も行った。あとは学生たちの彫っては試し刷り、彫っては試し刷りの繰り返しである。銅版画の直刻法というのは数多くの現代版画技法の中でも彫刻刀で彫る木版画と並び最もシンプルでダイレクトな表現ができるテクニックである。これから来週末の講評会までにどんな瑞々しい力作が完成するのか今から楽しみにしている。
画像はトップが実習で使用した彫りのテスト・プレートと各種彫版道具。下が向かって左から銅版と専用工具、エッチング・プレス機、実習の内容を説明したホワイト・ボード、制作中の学生(2カット)、卒業生のドライポイント作品(部分)、銅版画の巨匠、長谷川潔のドライポイントによる風景作品(画集より部分転載)。
『銅版画・直刻法』とは、エッチングのように薬品などの腐食によって銅板を彫って行くのではなく、専門的な工具を使用してダイレクトに彫って行くさまざまな技法をさす版画専門用語である。その代表的な技法には、エングレーヴィング(ビュラン)、ドライポイント、メゾチント、ルーレット等があげられる。
今回の課題テーマは『人間像』。友人、知人、家族や恋人の肖像、著名人の肖像、街を行きかう人々の群像、自分のイメージの中の人等々といった様々なヒトの姿から下絵を描き、版に転写して彫り込んで行くと言う内容。但し「自画像」は人物画の中でも特別な意味、性格を持ってしまうので不可とした。それから上記、工具の他に文具のカッター、釘、サンドペーパーなどによる彫り?の実演も行い「銅版画は版に傷を付けてインクが引っかかれば版になる」という趣旨を強調して伝え、その道具の中から3種類以上を使用して1点のモノクローム作品を制作するというミッションも同時に与えた。それから2年生も1年生同様に中国からの留学生が多く、参加学生14名中、約半数をしめている。彼らは日本語が上手く日本人の学生に混じってワイワイと楽し気で集中するときには驚くほど静かに制作している。
昨日、プレス機を使用した印刷の実演も行った。あとは学生たちの彫っては試し刷り、彫っては試し刷りの繰り返しである。銅版画の直刻法というのは数多くの現代版画技法の中でも彫刻刀で彫る木版画と並び最もシンプルでダイレクトな表現ができるテクニックである。これから来週末の講評会までにどんな瑞々しい力作が完成するのか今から楽しみにしている。
画像はトップが実習で使用した彫りのテスト・プレートと各種彫版道具。下が向かって左から銅版と専用工具、エッチング・プレス機、実習の内容を説明したホワイト・ボード、制作中の学生(2カット)、卒業生のドライポイント作品(部分)、銅版画の巨匠、長谷川潔のドライポイントによる風景作品(画集より部分転載)。