こころ模様Ⅲ

のんびり、ゆっくり、気の向くままに…

清荒神・清澄寺を行く

2008-09-16 22:10:04 | お出かけ


まだ夏のような暑さが残るある日、「清荒神」へ出かけました。

「お荒神さん」は、かまどの神様でいただいたお札を
台所の神棚に祀ります。

ここへはよく待ち合わせをしてお参りしたものです。
もう8年ほど前になるでしょうか。

故郷の病院で入院中、同じ病気で同室だった方と知り合い、
退院後にご夫婦と西宮北口で待ち合わせをし、
宝塚南口からタクシーで荒神さん参りをしておりました。




長い参道を抜け、山門をくぐると大きな銀杏の木が目に
入ります。 樹齢500年だとか。
雄木と雌木があり、樹皮に5円玉を挟んだものでした。
ご主人がお参りの仕方を詳しく説明してくださるのです。

いつも笑みを絶やさずご夫婦仲がよくて、人生の大先輩として
見習いたいと思っていました。

私が知り合ったのは、奥様が心臓の病で入院されてた時。
同室の方々とは、同じ病気と闘っている「戦友」だという
意識があって、皆仲良しでした。
そこへご主人が毎日お見舞いに来られ、差し入れのお好み焼き
などを一緒にいただいたり。
ご主人も心臓バイパス手術を受けたとお聞きしました。
何度も入退院の繰り返しだそうで、奥様はその都度
人に勧められ、清荒神へお参りされたとか。

ご主人は代議士の秘書をなさっていて、お付き合いで
毎日の美食が祟ってこんな体になったと、
冗談めかして言っておられたのですが。



本堂 「なでぼとけ・おびんずるさま」
触るとそこの部位の病気が治るといわれています。



「荒神影向の榊」
供えられたお賽銭を持ち帰り、次回倍にして返すという風習。

いつも小銭(5円と1円)とローソクを忘れて来た私は、
ご夫婦からいただいていました。



「火箸納所」
厄年の人が火箸で厄をつまみ出してもらうとされる。



「一願地蔵尊」
1つの願い事を念じるとご利益がある。




「龍王の滝」
体調がよければ、ここまでお参りをしました。



滝の左側の岩肌に不動明王が祀られている。
木陰に入った所にあるので、心地いい涼しさです。



引き返して、鉄斎美術館前の休憩所でひと息つきます。



ここでご夫婦は、決まって「オロナミンC」を飲むのです。
私もごちそうになりました。

奥様は私の母と同年代ですが、いつも綺麗にお化粧を
されていました。「女性としての身だしなみだから」と。
今もお茶の先生をなさっていらっしゃいます。
子どもの時、
これからの時代は、女性でも手に職を持つべきという
躾を受け、お茶と和裁を習ってたそうです。

お二人は日帰りで淡路へ帰られるので、余りゆっくりとは
出来ませんでした。




「鉄斎美術館」へは、この日初めて入ってみました。
静かな環境の中で、短時間ですが「富岡鉄斎」という人物を
記憶に留め、絵葉書2枚を購入しました。



あの時も暑い陽がさす一日でした。
参道を下っていた時、少しご主人の息遣いが苦しそうでした。
途中でニトロを服用され、何とか無事に西宮北口へ。
お二人は淡路まで帰られました。

それが、ご主人を見た最後の日でした。
数ヵ月後に、お亡くなりになったとお聞きしました。

奥様は今もお元気で、母が月に1度専門外来で顔を会わせると
言っておりました。
今度淡路へ帰るときは、またお宅へお伺いしたいな。


今年のお荒神さん参りは、いろんな思いがこもった一日でした。

コメント (4)
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