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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

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X線天文学の誕生50周年記念に… “MAXI”X線新星を発見

2012年06月28日 | 宇宙 space
6月14日、国際宇宙ステーション(ISS)の全天X線監視装置“MAXI”が、“へびつかい座”方向に新しいX線源をとらえました。

この天体に気付いたのは自動検出でなく、実は人による目視なんですねー

“MAXI”が1日おきにとらえた画像(1枚目)に、特異な赤色に輝く揺らぎのような新星が現れていたのが見つかっていました。


6月14日からの5日間にMAXIが検出した天体
aが今回のX線新星“MAXI J1647-227”
bは2007年に発見され、
最近再び現れた“IGR J17191-2821”
cは球状星団“Terzan 2”の中の中性子星
dも中性子星の再活動が速報された“さいだん座X-1”


でも、観測条件が悪かったため、画像ノイズとの区別が難しかったんですねー
けっきょく半日分のデータを溜めて、ようやく確認できたとか…
これが“MAXI”による9個目の発見となりました。

この発見を受けて、アメリカのガンマ線観測衛星“スウィフト”でも追跡観測が行われ新X線天体を確認しました。
その後、可視光でも観測され「青みがかった暗い星」であることが分かりました。

このX線新星“MAXI J1647-227”から10度ほど離れた位置にあるのが“さそり座X-1”です。
ちょうど50年前の1962年6月18日に、世界で初めて発見されたX線源なんですねー

当時、ほとんどX線だけで輝いている天体の発見は、天文学者だけでなく世界の科学界に衝撃を与えました。
この結果、天文学の世界に中性子星やブラックホールが登場し、現代天文学の礎が築かれることになります。

今回のX線新星では、中性子星の特徴である「爆発的なX線放射」が見つかっています。
これにより、“さそり座X-1”と同類の天体だと分かったんですねー

MAXIの発見は、X線天文学の誕生50周年に記念すべきものとなりました (^^