宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

火星で見つかった丸い石

2012年10月04日 | 火星の探査
NASAの火星探査車“キュリオシティ”が、川の流れによって運ばれてきたと思われる丸い小石を発見しました。

“キュリオシティ”が発見したのは、むき出しになった礫岩の周囲の小石です。







火星で見つかった丸い小石(左)と、
地球で見られるよく似た石



その大きさは、砂粒程度からゴルフボールまで様々なんですねー

角張ったものもあるのですが、多くは丸い形をしています。
このことから小石がどこかから運ばれてきたことや、そのサイズから風ではなく水の流れによって運ばれたことが想像できるんですねー
周辺地域の地形と合わせて、かつて水が存在した火星の過去を探る手がかりとなりそうです。

画像を解析して、この流れがどんなものであったかを推定したところ、
深さは人間の足首からお尻あたり、速さは秒速0.9メートルぐらいだと分かりました。

この流れは数千年から数百万年も続いたとか… まぁー 期間を特定するには、さらなる調査が必要になるようです。

火星地表の流れの痕と思われる、溝状の地形についてはこれまでも研究されてきました。
でも、実際に水によって運ばれた石が直接見つかったのはこれが初めてなんですねー

発見場所は、直径が154キロの“ゲール・クレーター”。
北端の崖縁から、クレーター内部に向かって広がる扇状地の先にある領域です。






小石の発見場所と、その周辺地形
探査機“マーズ・リコナサンス・オービター”が撮影




地球で見られるこうした扇状地は、ほとんどの場合で水の流れで作られているんですねー
なので、今回“キュリオシティ”が見つけた小石は、この領域に水が流れていたことを示す強い証拠になります。

その形から、小石はクレーター縁上の高地から長い距離を運ばれてきたようです。
また、扇状地の先端付近に見られる溝状地形からは、その流れが一時的なものではなく、長期にわたって存在していたものであることが分かるんですねー

“キュリオシティ”は石の元素組成を分析し、この地形が作られた環境について調べる予定です。
小石が元あった場所であるクレーターの縁周辺のサンプルとなるので、多くを調べればさらに広域レベルでの地形調査になるかもしれません。

“キュリオシティ”は2年間のミッションで、“ゲール・クレーター”中央にある“マウント・シャープ”を目指します。
その途中で、クレーター内にかつて微生物に適した環境が存在したかどうかを探っていきます。

生命が存在したかどうか? まだまだ、これから進む探査しだいですねー