宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

地球の生命体は、どこ生まれ?

2012年10月05日 | 宇宙 space
微生物が流星体の中に閉じ込められた状態で、生きたまま宇宙空間を旅することができるとしたら…

ひょっとすると地球上の生物は、他の恒星系からやってきたものかもしれないし、その逆のバターンもあり得るのかもしれません。

これらの可能性が今まで考えられていたより高いとする研究が発表されました。

今回の研究では、比較的速度の遅い岩に関するコンピュータ・シミュレーションが行われています。
そして、太陽系が誕生して間もない時期に、地球と他の惑星系との間を1兆回にわたり岩が行き来していた可能性があることが分かったんですねー

今から数十億年前、太陽は同じ時期に生まれた他の星と星団をなしていて、地球や近隣の惑星系には多くの隕石が衝突していたそうです。
流星体が我々の太陽系を離れ、他の恒星系に属する地球型惑星に舞い降りる可能性については、これまでも検討されてきました。

でも、こうした動きに関わる天体の速度からいって、その可能性は非常に低いというのが今までの結論だったんですねー

岩は非常に高速で放たれるので、速度が速すぎて別の星にとらえられることないと考えられていました。

これに対して今回の研究では、新たなシナリオ(低エネルギー移動))が検討されています。
他の条件に加え、これまで考えられていたよりも「かなり遅い」秒速100メートル程度の移動を考慮に入れたんですねー

これにより“リソバンスペルミア説”が成り立つ可能性が大きく高まることが判明しました。
“リソバンスペルミア説”とは、
生物物質が衝突などの現象によって、宇宙に放たれた惑星由来の岩を通じて広まったという仮説です。

生まれて間もないころの太陽系は、同時期に生まれた恒星からなる星団に属していたと考えられています。
その当時は恒星同士が近い距離にあって、その相対速度は非常に低速でした。

今回の研究によれば、この星団がゆっくりと散らばっていく前に、“リソバンスペルミア”が実際に起きる可能性がある時期があったということになるんですねー

地球上で見つかる隕石には火星由来のものも多く、月に由来するものもあるので、岩のやりとりは、すでに太陽系内でも起きていることなんですねー
なので、ある星団の中の異なる惑星系の間で、大型の岩が行き交っている可能性もあるということになります。

低エネルギー移動のシナリオでは、
太陽系や、太陽と同じ時期に生まれた近隣の恒星系から放たれた岩1万個のうち、多い場合では12個が他の恒星系にとらえられた可能性があることが分かりました。
このシナリオでは、一定の条件下で生命体が含まれた岩が他の恒星系に送り込まれる可能性も大幅に上昇することになります。

ただ、細菌の胞子などの微生物は、紫外線や宇宙線などの危険に満ちた宇宙の旅を生き抜かないといけないんですねー
まぁー 岩が大きければ大きいほど、生命体が長い間その中に隠れ、恒星間の旅を生き延びる可能性も大きくなるのですが…

現在地球上に存在する生命は、地球で生まれたというのが定説になっていますよねー
でも、生命が低エネルギー移動のシナリオで、他の惑星からやってきたものだとしたら…

ひょっとしたら地球上の生命が、他の惑星へ行き着いているのかもしれませんね。