宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

地球と同じくらいの質量をもつ惑星を発見 “ラシーヤ天文台”

2012年10月29日 | 宇宙 space
太陽系からもっとも近い恒星系“リギルケンタウルス”に、地球と同じくらいの質量の惑星が見つかりました。





“リギルケンタルスB”と
惑星の想像図



“リギルケンタウルス”は、南半球の空ではよく目立つ1等星です。
でも、何より有名なのは、この星が太陽系から4.3光年しか離れていないことなんですねー
実際には“リギルケンタウルスA、B”と“プロキシマケンタウリ”の3つの恒星が連星を成している3重星です。



“リギルケンタウルス”は
南半球ではよく見える
明るい星ですが、
日本では沖縄など限られた
地域でしか見れない



“リギルケンタウルス”に惑星が存在するかどうかは、19世紀から議論されてきたのですが確認できませんでした。

今回初めて、南米チリにある“ラシーヤ天文台”のHARPS(高精度視線速度系外惑星探査装置)と、
3.6メートル望遠鏡を用いた観測で、“リギルケンタウルスB”の周りを回る惑星が発見されました。

研究チームは、軌道を回る惑星の重力によって、“リギルケンタウルスB”がゆるやかに引き寄せられたり、引き離されたりする現象をとらえています。

ドップラーシフト法と呼ばれるこの観測法は、恒星の光の波長がわずかに短くなったり、長くなったりするのを検出します。
今回は、秒速51センチ(時速1.8キロ)という極めて小さい動きを検出しているんですねー
これはドップラーシフト法としては、史上最高精度の観測となります。

“リギルケンタウルスB”は太陽より少し小さくて暗いのですが、太陽ととてもよく似ています。
見つかった惑星は、地球より少し重く、主星からは600万キロほど離れています。

太陽系で言えば、水星よりも内側の軌道を回っていることになるんですねー
3.2日の周期で“リギルケンタウルスB”を公転しています。

なので、この惑星は主星に非常に近く、生命が存在するには熱すぎる場所になります。
まぁー 今回発見したのは、恒星系にある惑星の1つに過ぎません。
HARPSや“ケプラー宇宙望遠鏡”の観測結果から、このような恒星系には低質量惑星が複数存在することが多いと示されています。
ひょっとすると他にも地球に似た惑星は存在するのかもしれません。

1995年に初めて太陽系外の惑星が見つかって以来、すでに800個以上の系外惑星が発見されています。
でも、その多くは地球よりはるかに大きいガス惑星“ホットジュピター”です。

なので次は、ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)にある、地球サイズの惑星を検出。
そして、その惑星の性質を解明することが次の挑戦になるんですねー
今回の発見は、その第一歩となるようです。