ビッグバン理論によれば、生まれたばかりの宇宙には密度にムラがあったそうです。
そのムラが物質の構造を形作り、
フィラメント(繊維状のもの)がつながったクモの巣のような“宇宙の大規模構造”を、
作っているようです。
宇宙の進化をコンピュータでシミュレーションすると、
網の目のような構造ができ、巨大銀河団をつなぎ目として、
長いフィラメント構造が広がる様子を見ることができます。
このようなフィラメントは、
主に暗黒物質(ダークマター)でできているので、観測は非常に難しくなります。
でも、今年に入って初めて、その一部が見つかったんですねー
観測技術の進歩はすごいものです。
さらに、今回の研究ではフィラメントの3次元構造を再現していて、
2次元での検証よりも信頼性の高いものになっています。
今回の研究では、マルセイユ天体物理学研究所の研究チームが、
巨大質量銀河団“MACS J0717”周辺領域の精細な画像と、
銀河団中の銀河の分光観測データを組み合わせています。
これらの観測データを一緒に解析することで、
銀河団の外まで広がるフィラメントの視線方向における形を調べることができるんですねー
そして研究では、いくつかのポイントを利用してフィラメントの3次元構造を得ています。
まずは、観測対象の選定です。
宇宙進化の理論によれば、銀河団は複数のフィラメントが交差するところで作られ、
フィラメントから物質が少しずつ流れ込みます。
この点において、銀河団“MACS J0717”は活発に成長していることが分かっていて、
最優良のターゲットになりました。
次に、重力レンズの利用です。
フィラメントの材料の大部分である暗黒物質は目には見えません。
でも、その質量による重力で、光は曲がるんですねー
なので、ハッブル宇宙望遠鏡を使って周辺領域の像のゆがみをとらえて、
暗黒物質の質量分布を把握することに成功しています。(左図)
そして、3次元モデルの構築に必要となる、銀河の距離と動きの測定です。
ハワイのマウナケア山頂にある
“すばる望遠鏡”、“CFHT望遠鏡”、“ケック望遠鏡”、“ジェミニ北望遠鏡”を利用して、
フィラメントに含まれる数千個の銀河の位置を特定し、その多くについて動きを測定しています。
このようにして再現された3次元構造は、
これまでの理論やシミュレーション研究の予測を大きく広げるものになりました。
6000万光年以上の長さを持つ“MACS J0717”のフィラメントは、
天文学的スケールとしても非常に大きいものとなったんですねー。
また、今回の対象となった構造が、巨大銀河団のそばにある平均的なものとすると…
網の目の結び目同士をつなぐフィラメントは、
理論的な予測より多くの質量を、暗黒物質として抱えている可能性があります。
ひょっとすると、宇宙の全質量の半分が、
こうした構造の中に潜んでいるのかもしれません。
そのムラが物質の構造を形作り、
フィラメント(繊維状のもの)がつながったクモの巣のような“宇宙の大規模構造”を、
作っているようです。
![]() |
フィラメントが網の目のように広がる“宇宙の大規模構造”のイメージ図 フィラメントの結合部に銀河団が形成される |
宇宙の進化をコンピュータでシミュレーションすると、
網の目のような構造ができ、巨大銀河団をつなぎ目として、
長いフィラメント構造が広がる様子を見ることができます。
このようなフィラメントは、
主に暗黒物質(ダークマター)でできているので、観測は非常に難しくなります。
でも、今年に入って初めて、その一部が見つかったんですねー
観測技術の進歩はすごいものです。
さらに、今回の研究ではフィラメントの3次元構造を再現していて、
2次元での検証よりも信頼性の高いものになっています。
今回の研究では、マルセイユ天体物理学研究所の研究チームが、
巨大質量銀河団“MACS J0717”周辺領域の精細な画像と、
銀河団中の銀河の分光観測データを組み合わせています。
これらの観測データを一緒に解析することで、
銀河団の外まで広がるフィラメントの視線方向における形を調べることができるんですねー
そして研究では、いくつかのポイントを利用してフィラメントの3次元構造を得ています。
まずは、観測対象の選定です。
宇宙進化の理論によれば、銀河団は複数のフィラメントが交差するところで作られ、
フィラメントから物質が少しずつ流れ込みます。
この点において、銀河団“MACS J0717”は活発に成長していることが分かっていて、
最優良のターゲットになりました。
次に、重力レンズの利用です。
フィラメントの材料の大部分である暗黒物質は目には見えません。
でも、その質量による重力で、光は曲がるんですねー
なので、ハッブル宇宙望遠鏡を使って周辺領域の像のゆがみをとらえて、
暗黒物質の質量分布を把握することに成功しています。(左図)
そして、3次元モデルの構築に必要となる、銀河の距離と動きの測定です。
ハワイのマウナケア山頂にある
“すばる望遠鏡”、“CFHT望遠鏡”、“ケック望遠鏡”、“ジェミニ北望遠鏡”を利用して、
フィラメントに含まれる数千個の銀河の位置を特定し、その多くについて動きを測定しています。
このようにして再現された3次元構造は、
これまでの理論やシミュレーション研究の予測を大きく広げるものになりました。
6000万光年以上の長さを持つ“MACS J0717”のフィラメントは、
天文学的スケールとしても非常に大きいものとなったんですねー。
また、今回の対象となった構造が、巨大銀河団のそばにある平均的なものとすると…
網の目の結び目同士をつなぐフィラメントは、
理論的な予測より多くの質量を、暗黒物質として抱えている可能性があります。
ひょっとすると、宇宙の全質量の半分が、
こうした構造の中に潜んでいるのかもしれません。