akikoの「活動」徒然記

活動弁士佐々木亜希子の身の周りの出来事やふと感じたこと

九国第二回サイレントシネマミュージアム

2007-03-04 | 活弁
九州国立博物館ミュージアムホールで、現在開催中の特別展「若冲と江戸絵画」の記念イベントとして、第二回サイレントシネマミュージアムを開催いただきました。伊藤若冲の生き活躍した江戸時代、天明から明和にかけてを舞台にした『江戸怪賊伝 影法師』(阪東妻三郎主演)と、『荒武者キートン』(バスター・キートン主演)の2本立て。

全然テイストの違う作品です。かたや、江戸の街中を闊歩した小粋な大泥棒の話、捕り物シーンも多く躍動感に満ちていて、かたや、サイレントであることを最大の強みとして数々のシュールなギャグを展開してくれるキートンの作品。台本の書き方も、語り方も全然違うので、「活弁」と一口に言ってもいろいろなんだと感じていただけたのではと思います。

お天気も良く「若冲と江戸絵画」展はずいぶんにぎわっていました。
私も拝見させていただきましたが、やはり今人気を集めている伊藤若冲の絵が群を抜いて面白かったですね。当時としては、どちらかというと正統派絵画ではなく、いわゆる異端、エキセントリックな画家だったわけですが、その斬新さと芸術性は、今も私たちに驚きを与えてくれます。
<紫陽花双鶏図>や<雪中鴛鴦図>の色使いの鮮やかさ、ただの鶏が鳳凰のように見えるその造詣の美しさー。墨でさらさらと描いた鶴の群像<鶴図屏風>は、曲線と直線が非常に美しいバランスでその筆遣いにもほれぼれしてしまいます。私のお気に入りは<葡萄図>。これも墨の濃淡で描かれているのですが、実にモダンで、アールヌーボーの作風を思わせます。
そして、やはりなんといっても驚きは<鳥獣花木図屏風>。六曲一双の屏風に、鮮やかな原色で、しかも細かいモザイク画にして描かれた、動物たちの楽園です。そこには、麒麟やバク、獅子など想像上のものも含めたくさんの鳥と動物が、まるで現代のイラストのようにポップな感覚で描かれています。江戸の絵画の既成概念を振り払う、圧巻の作品でした。
やっぱりいいものはいいですね

展示に関連して活弁上映を企画いただいたことに、心より感謝申し上げます。

それにしても、時代劇、非常~に楽しかった。阪妻もかっこいいし、脇役たちのキャラも面白い。時代劇の語りのリズムは洋画とまた違う面白さがありやみつきになります。都内でも、時代劇そのうちやりたいですね
いらして下さった皆様、ありがとうございました。

P.S. 差し入れの2.23ケーキ、感激(T T)でした。
コメント (3)
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