そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

心の居場所 その2

2020年05月18日 | どんぐり屋のつぶやき
この事件に巻き込まれて、重症を負った女性といっしょにバスに乗っていて亡くなられた方は、この女性が娘さんの不登校に悩んでいたときに、相談に乗ってくれていた方でした。
その人の遺志を継ぎたいという想いもあって、女性は事件後に「ほっとケーキ」という名前の不登校の子供とその親のためのフリースペースを立ち上げます。

事件を起こした少年は、医療少年院に送られました。
事件から5年後、その女性は少年院からの依頼で、少年と会います。

成人していた元少年は、深々と頭を下げ謝罪の言葉を口にしました。
隣に座った女性は「許したわけじゃない。これからの生き方を見ているから」と言い、元少年の背中をなでて「つらかったね」と言葉をかけました。
元少年の後の苦労を想うと、涙が流れたそうです。

その面会後、手紙が届きます。
「泣いてくださったとき、自分の罪深さと温かい思いが同時にわき起こりました」とあったそうです。

女性はその後も2回会って「なぜ事件を起こしたのか、いつか教えて」と呼びかけていました。
その後、退院した元少年から弁護士を通じて手紙が届き、事件を起こした理由について、自分なりの言葉でつづっていたそうです。

「もっと深く掘り下げて本心を聞きたい」と弁護士宛に手紙を出しますが、それに対する返信はありませんでした。

元少年の母親から電話で相談を受けた精神科医の町沢静夫さんは、この事件の背景にはいじめや引きこもりなどの問題があったと言います。そしてまた、
「気が弱く、苦しむ子供を救うには、徹底的に話を聞いて心の問題を解決していくしかない」とも。

この大けがで顔に深い傷が残ったけれど、「これが私。事件がなければ今の私はいないから」と手術を受けない女性を、私は深く尊敬しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
少年犯罪は、いまも起きています。
でも、徹底して心の内をきいてくれる人が、いったいどれほど居るのでしょう。
傷つき、もがき苦しむ少年少女の胸の内を、傷ついた魂を、せめて思いやることの出来る大人がそばにいてくれたら、どれほど救われることか・・・
もちろん、多くの関係者の中に、そういう方もいらっしゃることは知っていますが。

私も、いろいろあって思春期は大荒れでした。
そんな私に手を焼いた母が、あるとき「私はあなたのことを周りの人たちに謝るために生れてきたのではないんだよ! いいかげんにしてくれない?!」と言いました。
「謝ってくれって、私は頼んだことないよ」と言い返したかったのをこらえて、一人で泣きました。
荒れる原因を作ったのは家庭なのに、なんで私が責められるの?」
これは甘えだったのでしょうか?
この事件の元少年もそうだったでしょうが、「心の居場所がない」「心の安まる場所がない」ことのつらさは、大人にはなかなか想像ができないのでしょう。

つらさを一人で抱え込んでしまうと、耐えられない。
狂うか自死するか・・・
この事件の元少年は、自分のために涙を流してくれる人と会えて、本当に良かったです。

色々な事件が起きる度に、その犯人には冷たい目が向けられます。
それは当然のことかもしれませんが、「そんな生き方をするしかなかったその人の人生」に、涙を流してくれる人と巡り会えたら、立ち直るための大きな力が沸いてくるのではないかと思うのです。

罪は罪として償わねばなりません。それは人として当然のことです。
ですが、犯人も一人の人間。
その抱えている心の闇に、少しでも目をむけられる人がいて欲しいですし、自分はそういう人で有り続けたいと、いつも思っています。

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心の「居場所」 その1

2020年05月17日 | どんぐり屋のつぶやき
5月3日の新聞にこんな記事が載っていました。

>隣の席 彼に居場所があれば 「西鉄バスジャック事件20年」

20年前のこの事件を覚えておられる方は多くはないでしょうし、ご存じない方も少なくないと想います。

この日、九州の西鉄の高速バスで、当時17歳だった少年によるバスジャック事件が起き、牛刀で少年から切りつけられた乗客の、3名の方が死傷という大変な事がありました。

その時に、少年とは通路を挟んで隣の席に座っていて、一緒に居た友人が亡くなり、ご自分は10箇所以上も切りつけられて重症を負った一人の女性がいます。

直後は、自分の運命を呪いましたが、事件の前に不登校から高校中退、家庭内暴力が悪化して療養所に入院していた少年の生い立ちが、いじめが原因で不登校になった長女の姿と重なって、彼にも居場所があればこんな事件は起きなかったかも・・・と考えるようになられたそうです。

この女性の顔には、左頬から口にかけて大きな傷跡が残って冬になると痛むそうですが、手術を受けるお気持ちは無いとか。
「これが私。事件がなければ今の私はいないから」と。   (続く)
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白ヤマブキみつけた!

2020年05月09日 | 3~5月の草木
通りがかった道ばたの小さな植え込みに、白いヤマブキの花を見付けました!

枚方に居たときは近くの花壇の隅っこに、毎年咲いていたのですが、此処へ引っ越して来てからは、長く見ていませんでした。

普通の黄色い花のヤマブキは、あちらこちらで見かけますが、白はなかなか見ないので、調べてみたら、自生しているのは中国地方だけと、図鑑にありました。それでは、なかなか見ないはずです。

バラ科というところまではヤマブキと同じですが、シロヤマブキ属とあり、独立した属を持っている様子です。
そういえば、このシロヤマブキは実が出来ます。
黄色いヤマブキは<実の(蓑と掛詞)ひとつだに無きぞ悲しき>の歌で有名なように、実が出来ません。(と書きましたが、ブログの友人の「かぜくささん」から、メールを戴きました。  
>黄色いヤマブキで実がならないのは八重咲きの種類ですね。
野山に生えている一重咲きには実が出来ています。
調べてみたら
八重咲のヤマブキはおしべが花びらのようになってしまっていて
花粉ができないのだそうです。
また、めしべも退化しているのだそうです。
こうしたことは初めて知り、驚きました。


かぜくささんは植物に関してとても博識でいらっしゃるので、ご指摘をいただけて有難かったです!

言われてみれば、咲きに書きました有名な「みの一つだに無きぞかなしき」の歌も、出だしの部分は<七重八重花は咲けども・・・>と詠まれていたのでした。

野山に自生する一重咲きのヤマブキって、見る機会がなかったものですから、気がつきませんでした。もうしわけありませんでした。

そして、先日の記事の続きの部分を続けます↓

シロヤマブキの実は黒くてつやつや光っているのが、一つの花の後に4個集まってできます。

この写真では、ふたつが 落ちてしまっていますけれど。

ひさしぶりに見付けたので、古い友人に出会ったような懐かしさを感じました。


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校庭の白い文字に励まされ!

2020年05月02日 | 身辺雑記
スーパーへ行く途中に学校があります。
いつもなら、サッカー部や野球部が練習をしていたり、試合中だったりするので、フェンス越しに楽しみつつ通るのですが、もう長い間、人影はなし。寂しいです。

それでもふと校庭に目をやると、何やら文字が書かれているのです。
???
高さの都合でよく見えないのですが、それでもこちらに向かって書かれているので、じっと見ていると読めました!!

コロナニ マケルナ ガンバレ 金剛> 
そう書かれて、四つ葉のクローバーが添えられています。

金剛と言うのは、この辺りの地名です。
大阪で一番高い山「金剛山」を仰ぐ街だから!

毎日の自粛生活にちょっと疲れてしょんぼり歩いていたので、このエールには、励まされました。
学校の先生が、運動会の時のように石灰の白い粉で書いてくださったのでしょうか?

よっしゃ、頑張るで
と、心のj中で!!

家に帰える道すがら出会った近所の友人に話したら、その人も見に行ったらしいです。
そして、「あれはいいなあ~元気出たよ!」と。

気持ちが沈んでいるときのひと言って、こんなに嬉しいとは
コメント (4)
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