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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

信州の伝統野菜や自家製調味料で作る夏のオリジナル料理。小森ナスのおやき、ミニトマトの冷製パスタ、ゴーヤチャンプルー、鰊冷麦、ナスイタリアン、牡丹胡椒、自家製ケチャップのナポリタン(妻女山里山通信)

2023-08-25 | 男の料理・グルメ
 アマゾンに3回も行きましたし、暑いのはむしろ得意です。在京時代は通勤電車の強すぎる冷房と事務所のこれまたパソコンなど電子機器がたくさんあるので強冷房。それと外気の温度差が凄すぎていつも自律神経失調症に悩まされていました。とはいえこの夏の猛暑はさすがに厳しい。アマゾンより暑いです。アマゾンは暑くなると必ずスコールがあり10度ぐらい気温が下がりましたから。雷雨はあるのですが短い。千曲川は渇水期ギリギリの流量です。

「信州の夏野菜の冷製パスタ」。素麺、冷麦、ざるうどんなどがある日本ならではのパスタ。ミニトマト、コーン、玉葱、ピーマン、枝豆にミニトマトで作った自家製のトマトソース。バジルと松の実入り。小森ナスとピーマン、玉葱は先にオリーブ油で炒めておいて冷まします。コーンは蒸して冷ます。味付けはコンソメパウダー。途中に味変でハラペーニョソースを。

「小森ナスのおやき」。赤紫蘇、青紫蘇、ミョウガの葉でつつんで蒸します。粉は幻の伊賀筑後オレゴン。具は手作り信州糀味噌をごま油で溶いたもの。何回も作ると味変したくなり、牛豚合いびき肉を入れたり、エビをたたいて入れたり、ツナを入れたり。豆板醤や食べる辣油とか、自家製の焼いた青唐辛子を刻んで麹と醤油漬けにしたものを混ぜたり。市販のものはナスが薄すぎるのでぶ厚くします。祖母、母、妻へと伝わった我が家の伝統食です。粉と味噌が余ったらボタンコショウやピーマンのおやきを作ります。私はこれが大好きでした。

 おやきは、包んで蒸すもの、灰焼き、蒸して焼く、焼いてから蒸すと色々ありますが、「挟みおやき」というものもあります。これは伝統野菜の小森ナス以外に、玉葱、ボタンコショウ、ケール、牛豚合いびき肉が入っています。調味料は味噌以外に豆板醤、食べる辣油、牡蠣ソース、業務スーパーの葱姜醤と炒り粉。生地には伊賀筑後オレゴンに日穀製粉のホームラン。炒り粉、卵、とろろを入れてあります。とろろを入れると軽くなり冷めても固くなりません。山に撮影に行く時にも持っていきます。

 これは昔、父が作っていた信州の伝統野菜小森ナス。小布施ナスも有名です。ただ本当にオリジナルか交雑していないか調べる方法があります。水に浸ける。本物の小森ナス、小布施ナスなら沈みます。そしてしばらくすると水がポリフェノールでまっ紫に染まります。ならなければ交雑しています。それでも充分に美味ですが。本来の種ではありません。種の保存というのは本当に難しいのです。長野県は伝統野菜を認定し保存に努めていますが、決して簡単なことではありません。父は私や家族のために新鮮な野菜をたくさん送ってくれました。私も家族で帰省した際になるべく多くの野菜を持ち帰れるように、レオーネのツーリングワゴンを買いました。150キロは積めます。冬に上京する時に息子達が「わ〜ネギ臭いよ〜」と言ったことも笑い草です。

「育てたゴーヤでゴーヤチャンプルー」。材料はゴーヤ、デンマーク製のランチョンミート(スパム)、焼き豆腐、小森ナス、ピーマン、玉葱、ケール、ニンニクみじん切り、味付けはコンソメパウダーと昆布出汁のつゆ。ごま油とキャノラー油で炒め卵で閉じます。次男が低学年の時にゴーヤの自由研究をしました。彼が発表しましたが、ある時まで沖縄ではある昆虫のためにゴーヤが作れなかったことを知っていますか。

「鰊の煮物、ナスの天ぷら、オクラの冷麦」。出汁は塩皮鯨と炒り粉、鰹出汁。鰊は甘露煮ではなく薄味で煮ます。その汁もつゆに加えます。調味料は生前に父がたくさん作ってくれておいた自家製の七味唐辛子。これを味わうたびに父を思い出します。思えば農家の長男なのに金のかかる美大への進学を許してくれて応援してくれたこと。まあ、南米放浪の際には、何を考えているのか分からんと母に言っていたそうですが、それは帰国してからちゃんと話しました。本当に感謝しています。名門の陸軍第九師団で暗号をたずさわっていたのですが、一度も戦闘せずに終戦。もしそのまま沖縄に駐留していたら私は生まれていなかったでしょう。人生努力は必須ですが、運だけはどうしようもない。戦争でも自然災害でも仕事でも、それはどうしようもない。

 信州伝統野菜の小森ナスを、洋風で食べたい。昔、ブラジル・アマゾン放浪の旅に出る時に、サンパウロの叔父の奥さんが長距離バスで食べる様にと米ナスのピザを持たせてくれました。これは美味でした。やはりナス料理の洋風というとイタリア料理が思い浮かびます。今回作ったのは、なんていうかイタリア風です。カポナータでもイオンヴォルティーニでもマリネでもないし、我流です。「自家製ベーコンと小森ナスとミニトマトのチーズ焼き」とでもいいましょうか。ニンニクとオリーブ油で炒めてチーズをのせて焼きます。仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノをとパセリをのせて少し焼きます。調味料はオレガノが決め手。酒は白ワインかグラッパがおすすめ。それにしても、夏は飽きました。もう要らない。でも10月まで暑いと聞いて天を仰いでいます。この反動は必ず来ます。この冬は要注意です。特に春先の大豪雪。

 7月にアップしたのですが、手軽で美味しいので再びアップします。「鯖の水煮缶詰の冷や汁」。サバ缶は汁ごと入れます。これはひとり用の小缶ですが、大きな缶なら2、3人分になります。キュウリ、木綿豆腐、青紫蘇、すり胡麻、手作り信州糀味噌、業務スーパーの人気商品・姜葱醤(ジャンツォンジャン)と氷水。バックの手ぬぐいは、朝ドラ「らんまん」のモデル牧野富太郎と関係の深い南方熊楠の粘菌(変形菌)です。浜辺美波の昭和大女優の様な美しさと凛とした姿にメロメロです。
日本の植物分類学における 南方熊楠と牧野富太郎の交流。
富太郎と熊楠:これは非常に面白い。稀代の奇人変人天才の同類反発の見本か。必読です。できれば朝ドラで南方熊楠をやって欲しい。でも牧野富太郎より難しいかも知れません。拙書のエッセイの粘菌のページで彼のことを書いていますが、森永キャラメルの箱に粘菌を入れて昭和天皇に献上したなんていうエピソードは可愛いもんです。国立科学博物館の特別展には息子と行ってモジホコリももらってきました。粘菌好きは植物学者レベルではない変わり者が多い。まあ私もその一人ですが。粘菌特集のブログはアクセスが多いです。YouTubeには世界中からアクセスとコメントが来ます。すぐ下のリンクでスライドショーが見られます。
粘菌(変形菌)図鑑。妖しく奇妙で美麗なマクロの世界。ツノホコリ、キフシススホコリ、マメホコリ、クダホコリetc(妻女山里山通信):動物でも植物でもない魅惑的な粘菌の世界。3つのスライドショーも必見ですよ。

「ポテトぼたんこしょうとジャンボピーマンとひき肉のアンチョビーカレー炒め」 ぼたんこしょう(牡丹胡椒)は信州北部の伝統野菜でトウガラシ科。実の先端が牡丹の様でこう呼ばれます。辛いです。信濃町辺りでは訛ってぼたごしょうといいます。郷土料理の「やたら」にも必須。ジャンボピーマンは大きなピーマンで苦味やえぐみが少なく子供でも食べやすい。ポテトはキタアカリで拍子切りにして水に晒します。アンチョビーで塩気が入るのでコンソメパウダーは少なめでニンニクみじん切りとオリーブ油で炒めます。カレー粉はエスビーの赤缶。仕上げに白ワインでフランベ。ご飯のおかずにもビールやハイボールのつまみにも最適です。

「手作りベーコンと手作りケチャップのナポリタン」 産直売り場で完熟トマトが800gで200円。二つ買いました。一つはトマトソースに、もう一つはトマトケチャップを作りました。トマトケチャップは初めて作りましたが馬鹿旨。ケチャップの起源は、中国や東南アジアの魚醤だそうで、それが英国に渡ってウースターソースやトマトケチャップになったそうです。ですからトマトではないケチャップというのもあるのです。野菜は他にボタンコショウ、ジャンボピーマン、長ナス、タマネギです。自家製ケチャップは病みつきになります。作り方はネットにたくさん転がっています。とりあえず私のレシピ。
トマトケチャップ:完熟ミニトマト500g、キビ糖大さじ2、タマネギすりおろし1/8個、ニンニクすりおろし小さじ1、塩コショウ小さじ1、リンゴ酢かワインビネガー大さじ3。オールスパイス・シナモン・ローリエ適量。ミキサーでひいて鍋で煮て適当に水分を飛ばしてできあがり。
トマトソース:完熟トマト800g、タマネギ300g、オリーブ油大さじ3、ニンニク大さじ3を炒める。ローリエ3枚、タイム大さじ1、オレガノ大さじ1、塩小さじ2、キビ糖小さじ1、赤ワイン大さじ3、バジル10枚ぐらいを炒めたところへ加える。仕上げにエキストラヴァージンオリーブ油を大さじ3入れて広口瓶詰めにする。

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