モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

貝母の実はすくすくと大きく。イカリソウ、ホタルカズラ、ガマズミ、クサノオウ、虫こぶ、山藤の花(妻女山里山通信)

2021-04-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 GW初日の29日(木)は、ほぼ一日中雨でした。明けて30日(金)は、午前中は晴れていましたが、午後は曇りに。週末の天気も不安定な様なので、陣場平に歩いて登りました。先に鞍骨山へ向かった人達もいた様です。

 雨露に濡れて光るイカリソウ。まだつぼみ(蕾)のものも多いので、来週いっぱいは楽しめるでしょう。

 漢名はインヨウカク(淫羊霍)といいいますが、その昔、一日に何回も交尾するヤギが、この草を食べていたという故事によります。イカリインという強精強壮成分を含みます。

(左)ナルコユリもつぼみをぶら下げています。アマドコロと同様に、根が黄精と呼ばれ強精強壮に効きます。小林一茶が愛飲していたことで知られます。(右)林道脇のシダ植物も雨で生き生きとしています。

 長坂峠から、左奥に天城山(てしろやま)。峠を左へたどると10分足らずで貝母群生地のある陣場平。右へ向かうとすぐに斎場山(旧妻女山)。山頂は古代科野国の円墳です。写真右手前の黒い木はオオムラサキの幼虫の食草のエノキ(榎)です。

 左がガマズミ、右がコバノガマズミ。ガマズミの方が、葉も花も、秋になる実も大きいので分かります。

(左)リョウメンシダの葉の裏。胞子嚢が並んでいます。(右)ゴヨウアケビの花も全部開きました。

 陣場平への入り口。妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで、毎年、ハルジオンやオオブタクサなどの除去作業をしているので、随分と少なくなりましたが絶滅はしていません。7月にメンバーを集めて、除草作業と草刈りをします。コゲラのドラミングが聞こえました。まもなくサンコウチョウもなくでしょう。

 陣場平の貝母。白く見えるのが残花ですが、ほとんど散りました。真ん中にあるクマノミズキも若葉が出始めています。

 昨年に比べると結実している数が段違いに多いと思います。天気がよく、セイヨウミツバチがたくさん受粉してくれたからでしょう。来年が楽しみです。7月には、周囲に散った球根を掘り出して真ん中に植える作業をします。

(左)貝母の実は、現在直径5〜10ミリぐらいですが、最終的には20ミリ以上になります。(右)貝母の群生地の中に、ミツバツチグリが咲き出しました。

 長坂峠のクヌギの幼木に不思議な物が。クヌギエダイガフシという虫こぶ(虫えい・ゴール)です。クヌギエダイガタマバチが寄生することによりできます。虫こぶの世界は、大変深いものです。

 やや遠いので近くで確認できませんでしたが。マルバアオダモの花穂(かすい)でしょう。

(左)ウバユリ(姥百合)の若葉。(右)クサノオウ(瘡の王)。道の脇に咲いているので遠足に来た児童が触ることがありますが毒草です。草汁に触れるとかぶれるので要注意です。

 妻女山山系のあちこちで、ヤマフジ(山藤)が咲き始めました。綺麗ですが、太くなると直径50センチにもなり、樹木に巻き付いて枯らして倒してしまいます。私が貝母を見つけたときも、山藤が倒した木でできたギャップに貝母が咲いているのを見つけたのです。よって、陣場平のヤマフジは大きくなる前に伐採しています。
 陣場平に加えて、妻女山駐車場でウスバシロチョウが舞っていました。GW明けには大量のウスバシロチョウがあちこちで見られるでしょう。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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妻女山は11度。寒風の中散る貝母。なんとイカリソウが咲き始めました(妻女山里山通信)

2021-04-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 26日(月)は、北風が吹き、なんと妻女山の気温は11度。北風が寒いです。陣場平の貝母(編笠百合)は、北風が吹くたびに散っていきます。

 妻女山松代招魂社の八重桜が満開です。小布施の千曲川の堤防の八重桜も満開です。例年ならGWに満開になるのですが、今年は色々な花がすでに咲いています。

 たくさんの方が訪れてくれた陣場平の貝母(編笠百合)も、散り始めました。

 強い北風が吹くと花びらが散り、種が現れます。ひと月もすると2センチぐらいに成長します。

 貝母とシロバナヤブケマン。シロバナヤブケマンは、5月中旬すぎから、妻女山山系に舞い始めるウスバシロチョウの幼虫の食草です。

 陣場平の東の端に咲く桜。ヤマザクラやカスミザクラは散ってしまったので、それではありません。葉の形も違います。なに桜でしょうか。

 セリバオウレンの葉も、随分と成長しています。

 陣場平の下にマルバアオダモが咲いているのを見つけました。まだ小さな木なので花穂(かすい)も小さいのですが、大木になると見事な花穂を揺らします。

 GW後に咲くホタルカズラも咲いたことから。もしやイカリソウもと群生地へ行くと、咲いていました。

 こんなに初夏の訪れが早いと、この先どうなるのだろうと心配になります。激しい気温差に、自律神経失調症が治まりません。イカリソウは、淫羊霍(インヨウカク)といって強精強壮効果で有名な生薬です。ただ、貝母同様に副作用もあるので注意が必要です。里ではリンゴの花も咲き出しました。いやはや。
 GWの天気は、かなり不安定ですね。人が大勢集まるようなところには行かないようにします。里山はオススメです。新緑が眩しい森の道を、小鳥のさえずりを聞きながら、フィトンチッドを浴びながら歩くと元気になりますよ。今日は、コゲラのドラミングが聞こえました。GWには、サンコウチョウの月日星ホイホイホイという鳴き声も聞こえるでしょう。カッコウやウグイスも鳴き始めます。
 明けて27日(火)は、用事があってノイバラやヤマフジの除去を少ししただけですが、なんとウスバシロチョウを初見しました。昨年は5月6日ですから、10日も早い出現です。

 帰りに畑に寄って、植えてあるタラの芽と山うど(山独活)を採取。夜は、旬のアサリとボンゴレビアンコに。味付けは、パスタの茹で汁、白ワイン、エキストラ・ヴァージンのオリーブ油と塩のみです。アサリの旨味がたっぷりの美味しいパスタでした。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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散り始めた貝母の儚い美しさ。鹿島槍ヶ岳と蓮華岳。猪のヌタ場。山菜の季節(妻女山里山通信)

2021-04-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母(編笠百合)は散り始めたのですが、たくさんの人が訪れてくれました。散り始めた貝母もいいものです。花びらが落ちて、種がむき出しになったものが見られます。カスミザクラやヤマザクラが散って花吹雪も見られます。コゲラのドラミングも聞こえます。猪が2頭、猛スピードで駆け抜けて行きました。

 仁科三山の鹿島槍ヶ岳。右に氷河と認定されたカクネ里が見えます。谷の下に平家の落人が住んだといわれています。

 左に目をやると蓮華岳と右奥に針ノ木岳。まだまだ冬山です。この時期は、爆弾低気圧の発生もあるので、要注意です。

 陣場平の貝母は散り始めましたが、まだまだ見頃です。花びらが散ると、実が大きくなり始めます。ひと月ほどすると2センチほどになります。その頃には、氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウが舞い始めます。

(左)ウワミズザクラが咲き始めました。花穂(かすい)が、微風に揺れて美しい。(右)ヒメグルミの花も咲きました。山のクルミは処理が面倒ですが、味が濃くて美味です。

(左)野生のノビル(野蒜)。葉の断面が三日月型。ノビル味噌、ノビルのおやき、ノビル餃子。絶品です。(中)ヨモギ。天ぷら、ヨモギ餅、ヨモギ団子などなど。制癌効果が証明されています。(右)貝母の周りに山蕗。皮を剥く必要がありません。ソフト鰊や干しホタルイカと煮物にします。放射能さえなければ、農薬の心配も化学肥料の心配もありません。左のブックマークのリンクから、モリモリレシピで詳細なオリジナル・レシピがご覧いただけます。

 斎場山(旧妻女山)への道から見る天城山(てしろやま)。春紅葉。

 桜が舞い散る猪のヌタ場。水浴びに来た猪の足跡が見られます。泥をこすり付けた跡が谷に続いています。

(左)コバノガマズミのつぼみ。ガマズミの花もまもなく咲きます。赤い実は抗酸化作用が強く、ルビー色の美味しいリキュールができます。(右)ゴヨウアケビの花。ミツバアケビもあります。実はミツバアケビの方が大きく美味です。

(左)ハナヤスリのアップ。胞子が育っています。その形状からは、とてもシダ植物には見えませんね。(右)翌日は、仲間を連れてある山にコシアブラを採りに行きました。道もない藪山を2時間弱彷徨いました。

(左)コゴミ、タラの芽、仲間と栽培している原木椎茸の天ぷらです。うどんは信州の地粉。亡き父が作った七味唐辛子を添えて。馬鹿旨です。(右)タラの芽。コシアブラ、山椒の若葉、山蕗のとう立ち。タラの芽は天ぷらに。コシアブラは、天ぷらと炊き込みご飯に。山椒の若葉は、山椒味噌と煮物に。山蕗のとう立ちは、ソフト鰊と煮物にします。里山の滋味を堪能します。

 里山の原風景。北アルプスの絶景。小鳥のさえずり。足元のスミレ。気持ちのいい爽風。心が溶けていきます。

25日(日)もたくさんの方が訪れてくれました。散り始めた貝母ですが、その儚さを感じていただけるのもいいと思います。ハナヤスリや咲き始めたウワミズザクラも紹介していますが、なんとホタルカズラが咲いていました。例年ならGW明けに咲く花です。蕾は赤紫で、咲き始めは桃色。完全に咲くと綺麗な青になります。小さな花ですが可憐です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山の貝母は残花に。種も見られます。見頃は今週末まで。仁科三山と白馬三山(妻女山里山通信)

2021-04-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 21日(水)も、たくさんの方が訪れてくれました。貝母は満開を過ぎて散り始めていますが、まだまだ見頃です。花びらが落ちて種と雌しべだけになったものが見られるのも貴重です。訪れてくれた方々には、貝母の歴史や、12年かかったここの整備の歴史、陣場平の川中島の戦いのことなどをお話しています。
「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
 これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
 意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 満開のカスミザクラの下で咲く貝母(編笠百合)。貝母の鑑賞は、午前中がオススメです。午後になると強風が吹き始めるからです。ピクニックランチを持って登ってこられる方も多いですね。拙書でも紹介の鞍骨城へ登る途中に立ち寄る方も多いです。

(左)花も全開しなくなりました。下から上に向かって咲いていくので、下からしなびて散っていきます。(右)右は花びらが散って雌しべとさく果だけになったもの。まだ小さいのですが、最終的には、直径2センチ以上になります。さく果といってホウセンカのように弾けて飛びます。その時、東風(こち)が吹くことが多いので西へと増えていったのです。

(左)初めて訪れた方は、必ず歓声をあげます。今年もたくさんの人達の目と心を楽しませてくれた貝母に感謝です。妻女山里山デザイン・プロジェクトの保全作業は、7月まで続きます。(右)セリバオウレンの種も褐色を帯びてきました。

 昼食は堂平大塚古墳のログハウスを借りました。ホットサンドにはまっていて、今回はベーコンとポテトとアスパラの卵とじ。クマバチの羽音を聞きながら北アルプスを眺めながらまったりと過ごしました。堂平大塚古墳は、横穴式で古墳時代末期のもの。横穴式なのでリユースができます。

(左)脇に咲く花桃も満開です。(右)ハナネコノメの群生地があります。

 春のバラ科の黄色い花はたくさんあって同定が難しいのです。ヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴ、オヘビイチゴ、ミツバツチグリ、ツルキンバイなどなど。みな似ています。これは、葉の枚数などから、キジムシロでしょう。

(左)ログハウスの下にある蟹沢(がんざわ)の泉に咲く山葵(ワサビ)の花。(右)ハナヤスリ目ハナワラビ属の一種だと思います。希少で貴重です。

 堂平大塚古墳から望む仁科三山の爺ヶ岳。山頂の左に見える黒い影は、近くを飛ぶ鳶(トンビ)だと思います。

 鹿島槍ヶ岳を挟んで右に五竜岳。山頂右下の有名な武田菱は、暖かさでつながっていますね。しかし、北アルプスはまだまだ冬山です。

 妻女山(旧赤坂山)展望台からの白馬三山。手前の茶臼山中腹は、リンゴの産地です。花が咲くのも今年は早いでしょう。その手前は、篠ノ井の町並みです。激しい気温差で体調が最悪なので、早めに下山して温泉へ向かいました。

 22日(木)、23日(金)も大勢の方が訪れてくれました。リピーターも多いのですが、山登りに来て私の説明を聞いて訪れた方もいます。初めて見る方は、やはり驚かれます。散り始めましたが、週末までは、まだまだ見頃です。森の中の日当たりが悪いところの貝母は、まだ開いています。あちこちでウワミズザクラも咲き始めました。堂平大塚古墳では、ヤマツツジも咲き始めました。午後は、2時過ぎぐらいから風が強く吹くので、お弁当を持って午前中に訪れるのがいいでしょう。今日は、陣場平に入ろうとしたら、猪が二頭、猛スピードで駆け抜けて行きました。

妻女山陣馬平の貝母を発見してからの保全活動の歴史。今年も満開です(妻女山里山通信):2009年の写真などは、現在と全く異なる風景です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山陣場平の貝母が散り始めました。見頃は今週末まで。ヤマツツジ。斎場山(妻女山里山通信)

2021-04-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 20日(火)は、最低気温4度から気温が急上昇。24度を超えました。もう少しで夏日。気温差が20度。自律神経失調症が酷く、体や指がしびれています。じっとしていても良くはならないので外出します。

 まず午前中は、用事を済ませて某里山へ。酷い藪山の中で、コシアブラを採取しました。その後、堂平大塚古墳へ。なんとヤマツツジが咲き出していました。早い! まだ日当たりの良い一部ですが、来週にはあちこちで咲くでしょう。ここには、猛毒のレンゲツツジも植えられています。絶対に蜜を吸ってはいけません。

(左)ログハウスのKさんが植えたヤマウドも芽吹きました。我が家の畑のウドも見に行かなければ。(右)ログハウスへの道の脇には、ヒトリシズカ。これも例年より早く咲くでしょう。

 貝母(編笠百合)の群生地がある陣場平。登り始めた時に上から三人の女性たちが。テレビで貝母のことをやっていて観に来たけどどこか分からないというので案内しました。ガイド付きでラッキーと言っていただきました(笑)。写真は、貝母と山蕗が大きくなったもの。茎が柔らかくて美味しいのです。女性たちには、長坂峠のヨモギを採っていくように勧めました。制癌作用もある優秀な野草です。天ぷら、おひたし、ゴマ汚し、草餅、ヨモギ団子に。

 長坂峠に戻ります。途中のご天上から見る斎場山(旧妻女山)。

 長坂峠から見る天城山(てしろやま)。もちろん両山とも拙書に載せています。国土地理院の地形図が載っているのは私の本だけです。イラストや略図では、迷った時に役に立ちません。山の歴史や自然にも言及しています。駐車場と立ち寄り温泉が載っているのも好評です。10本のエッセイが大好きという方も。読んで面白くためになるトレッキングの本です。

 長坂峠から西へ少し登ると斎場山。山頂は、古代科野国の古墳です。

 古墳の最上部。円墳なので山頂は丸く平らです。川中島の戦いの時に、最初に上杉謙信が本陣とした場所として伝わっています。盾を敷き、陣幕で囲み、鼓を叩いて舞を舞ったという伝説があります。武田軍が全軍を海津城に入れた後は、前述の陣場平に七棟の陣城を建てて本陣としたと伝わっています。甲陽軍鑑の編者、小幡景憲がその絵を描いています。東北大学の狩野文庫に収蔵されています。当ブログでは、許可を得て掲載しています。川中島の戦いでブログ内検索して下さい。

(左)下る途中で見たリョウブ。若葉は茹でて塩で揉みご飯に混ぜるとリョウブ飯に。まあ、ウコギ飯の方が美味いですけど。(中)あちこちにタチツボスミレが咲いています。(右)某里山で採ってきたコシアブラとハリギリ。旬のサザエと一緒に煮込んで、蕎麦のつゆにします。

妻女山陣馬平の貝母を発見してからの保全活動の歴史。今年も満開です(妻女山里山通信)

臼山有旅と妻女山陣場平の菱形基線測点。地理史の重要な文化財(妻女山里山通信)

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妻女山陣場平の貝母の見頃は今週末まで。ハナヤスリ。菱形基線測点(妻女山里山通信)

2021-04-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 19日(月)は快晴でした。前夜にかなりの雨が降ったので貝母も一息ついたでしょう。たくさんの人達が訪れてくれました。季節の移ろいが速すぎて付いていけません。やれやれ。

 まず堂平大塚古墳へ。ログハウス脇の亡き大事な里山保全の協力者で友人のKさんが植えた枝垂れ桜が満開で、散り始めました。日当たりのいい場所のヤマツツジは既につぼみになっています。

(左)彼が植えたコシアブラも開き始めました。例年なら4月下旬です。(右)タラの芽も開いています。私が畑に植えたタラの芽も、週末には収穫できるでしょう。

(左)日当たりの良い斜面に咲くカキドウシ(垣通し)。別名をカントリソウ(癇取草)といい、子供の夜泣きや引きつけの薬でした。 漢方の生薬(しょうやく)名を 「連銭草」(れんせんそう) といい、利尿、消炎薬です。カキドオシ茶、カキドオシ酒等で販売されています。(右)古墳に下る道沿いに咲いているアオイスミレ。春いちばんに咲くスミレで、葉が徳川の家紋であるフタバアオイに似ていることから、その名がつきました。今年はタチツボスミレとほぼ同時に咲きました。

 貝母(和名:編笠百合)の群生地へ。森の中から群生地を見たカット。森の中の群生地は、種が東風に乗って増えたものです。ただ、ここは畑地だったので周囲の山とは土質が異なります。よって、無制限に増えることはないでしょう。

 下から撮影すると、和名の編笠百合の由来が分かります。逆光に透けた花びらが美しい。スマホでは下から上に向けて自撮りモードで。雌しべの基部に六角形の種になる部分がすでに形成されています。雄しべは、基本は6本ですが、9本のものもあります。

 貝母の間で日向ぼっこをする越冬したヒオドシチョウ(緋縅蝶)。ルリタテハと共に春の到来を告げる蝶です。武士が纏う紅色の緋縅に似ているからの命名です。

 貝母の周りに群生するシロバナヤブケマン (白花藪華鬘)。5月中旬から舞い始める、氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの幼虫の食草です。これも貝母と同様に毒草です。

(左)最初にサイハイランかと思いましたが、どう見ても葉が違います。あ〜思い出せないと思っていたら、今日訪れた男性が、お〜凄い、ハナヤスリだと。そうです。思い出しました。そうは見えないと思いますが、シダ植物です。真ん中に見える胞子嚢穂が棒ヤスリに似ていることに由来します。今後観察し撮影します。(右)これが分かりません。左の葉は8センチぐらい。ラン科の植物でしょうか。観察を続けていきます。

 貝母を観に来た方々にはお話しているのですが、陣場平の北東の角にある菱形基線測点(りょうけいきせんそくてん)。これを探す目的で、酷い藪だらけの陣場平にやっと入り、2009年のGWに偶然わずかに残っていた貝母を発見したのです。里山はほぼ全て私有地です。当時集落の世話人や役員をしていた父に頼んで、ここの整備をすることを了承していただきました。もっとも今では、自分の山がどこなのか知らない方ばかりです。このままでは、里山は荒廃してしまいます。里山は、数百年の間、人が手入れをして保全されてきたものなのです。自然に任せればいいじゃないというのは違います。

妻女山陣馬平の貝母を発見してからの保全活動の歴史。今年も満開です(妻女山里山通信):どれほど酷い藪だったかが分かります。現在の状態にするのに12年かかりました。必見です!

茶臼山有旅と妻女山陣場平の菱形基線測点。地理史の重要な文化財(妻女山里山通信):松代群発地震の頃に大活躍しました。そのデータにあった緯度経度でここを探し当てました。貴重な地理の遺産です。


(左)クサボケ(草木瓜)も、あちこちで咲いています。実は地梨といい、薬酒になります。(右)山椒の若葉も出始めました。山椒味噌に。焼き魚や焼きおにぎりに。実はちりめん山椒に。私は佃煮ではなく、薄味で煮込みます。春の滋味。馬鹿旨です。これから、次々とイカリソウやホタルカズラ、ナルコユリなどが咲き、ウスバシロチョウやゼフィルスが舞います。ハルゼミ、エゾハルゼミが鳴き始め、サンコウチョウもさえずります。ノスリが悠々と空を舞い、7月には国蝶のオオムラサキが出現します。妻女山山系は、貴重で豊かな里山なのです。幼児でも高齢者でも、ゆっくり登れば楽しめる里山です。毎週毎月訪れる人もいます。季節の移ろいが感じられる里山です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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陣場平の貝母は完全に満開です。石像の覆屋の設置。ブドウの苗の植え付け(妻女山里山通信)

2021-04-18 | アウトドア・ネイチャーフォト
 17日(土)は終日雨でした。18日(日)は、晴れたり曇ったり、雨が降ってきたりとドラスティックな天気でした。それでも、何人もの方が貝母を観に訪れてくれました。

 まず、林道入口に設置した石像に、覆屋をかぶせました。建築業のN氏の力作です。まず雨を流す溝を掘ります。そして、覆屋をかぶせます。基盤の石に接着剤を塗ってあります。

 格好がつきました。この石像の由来は、よく分かっていません。横田の長円寺にあったものだそうですが、仲間のK氏が譲り受け我が家の山に設置しました。一説には、戦国時代の戦没者を慰霊するために作られたとか。年代的にはそう古くはなく、文化文政の頃ぐらいかと思われます。

 その後、登って貝母が完全に満開になった陣場平へ。初めて訪れてこの光景を見た人は、必ずわー、凄い!と歓声をあげます。知らずに山登りに来た方が、上から大勢人が下りてくるので、何かあるのですかと聞いて訪れてくれることも。三度、四度と訪れる方も。鞍骨山登山の途中で訪れる方もいます。

 雨露がついてキラキラと光っています。今週、私はできる限り現地で案内や撮影、保全活動をするつもりです。見かけたらお気軽に声をかけて下さい。

(左)ヤマエンゴサクにも雨露が。(右)シロバナケマンはそろそろ終わりです。

 雨が降る前に、ブドウの苗を植えなければいけないと下山しました。カスミザクラも散り始めました。ウワミズザクラは、これから咲くでしょう。

 台木は2種類ですが、ブドウの種類はメルローです。まず穴を掘ります。

(左)苗木です。(右)本当は堆肥がいいのですが、なる前の落ち葉を混ぜて、炭も混ぜて植えていきます。

(左)タンポポ。マメ科のカラスノエンドウやクローバーが生えています。マメ科の植物は、窒素根粒菌を形成するので、窒素肥料が要りません。(右)やっと遅い昼餉です。ノンアルコールビールで乾杯。さて、この葡萄で作ったワインは、いったいいつになったら飲めるのでしょう。

 私がタイのお姉さまからいただいた鶏足の煮物。コラーゲンがたっぷりです。豚の軟骨と、なにか内蔵と得体の知れないものが入っています。美味いと皆に好評でした。なんで日本の人は鶏足食べないの?肌にいいのにと言われました。

(左)ノドグロの塩焼き。ノドグロは小さくても脂が乗っていて美味です。(右)猪のジンギスカン。野生の滋味を堪能しました。
 この後、私は午後3時頃に陣場平に戻りました。ご夫婦と、拙書を参考に鞍骨山へ登ってきた女性たちを案内しました。突然雨が降ってきて下山し、温泉へ。忙しい一日でした。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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実は中森明菜の大ファンなんです! 集大成(妻女山里山通信)

2021-04-17 | BABYMETAL・LOVEBITES・XG・宮本佳林・ジャズ・クラシック

 実は中森明菜が大好きなんです。学生時代はもちろん。アートディレクターになってからは、レコード会社からアイドルの試聴盤LPが送られてくるのですが、彼女のは自前で買っていました。当時は、無理やりアイドルというジャンルに閉じ込められていましたが、その歌唱力は今のMISIAなどと比べられるほどハイレベルでした。

★飾りじゃないのよ涙は 井上陽水 中森明菜 玉置浩二

22歳。井上陽水、玉置浩二をバックに、なんですかこの貫禄。この歌唱力。

DESIRE 中森明菜

中森明菜スローモーション

中森明菜 少女A

中森明菜 セカンド・ラブ
可愛すぎて萌え死にそうです。

★中森明菜 - ミ・アモーレ-3-1

19歳ですか! ブラジルのカーニバルを実際に観て参加した私は感無量です。

★【中森明菜】 難破船 (cut version from 夜hit)

加藤登紀子作詞作曲の名曲。彼女の美しさと儚さ。

★中森明菜  十戒

曲の途中で彼女が笑ってしまうお宝映像です。

中森明菜・異邦人 (MV 2002年)kitiusa


大好きな久保田早紀さんのカバー。これも大好きです。

中森明菜はなぜ「かけがえのない存在」であり続けるのか 小倉ヲージ氏の証言とともにライブ映像を振り返る
 非常に深い洞察と分析です。関連動画も必見。

中森明菜 夜ヒット メドレーリレー ①

中森明菜 人気曲 ♪♪ JPOP BEST ヒットメドレー ♪♪ 邦楽 最高の曲のリスト

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妻女山陣場平の貝母は満開。オオヤマザクラにカスミザクラも満開です(妻女山里山通信)

2021-04-15 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母(編笠百合)は、満開です。たくさんの人が訪れてくれました。週末は雨模様ですが、貝母は雨では散りません。見頃は、20日過ぎまで続くでしょう。保全作業や撮影をしながら、案内もしています。来週の天気予報を見ると、最低気温が意外に低いので、25日ぐらいまでは十分に見頃が続くかもしれません。ウワミズザクラも咲き始めるかも知れません。お弁当を持ってハイキングに訪れてください。

 ほぼ無風で穏やかな貝母の群生地。貝母は下から咲いて行きますが、一番上のつぼみも咲き始めました。向こうのオオヤマザクラも満開です。時々、コゲラのドラミングが聞こえてきます。まもなくサンコウチョウも鳴き始めるでしょう。

 和名の編笠百合の名前は、花の中を見ると分かります。酷い藪の中で8畳ほどの群生地を見つけて、ここまでにするのに12年かかりましたと言うと皆さん驚かれます。そして、感謝してくださるので妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーもやりがいを感じているはずです。帰化植物やノイバラの除去は、毎年行わないといけません。ハルジオンも脅威です。

 セイヨウミツバチがたくさん吸蜜に訪れていました。たくさん受粉してくれるでしょう。昔は、ニホンミツバチもいたんですけれど。ラウンドアップなど、ネオニコチノイド系農薬で絶滅したのでしょう。次に絶滅するのは人間です。欧米では既に製造や販売が禁止されている国があります。当ブログでは、ネオニコチノイド系農薬の危険性を記した記事を何本もアップしています。必読です。

 満開のオオヤマザクラ(紅山桜)。貝母の群生地の周りに三本あります。この後、ウワミズザクラも咲きます。

 満開のカスミザクラ。カスミザクラとヤマザクラの区別は、本当に難しいですね。ヤマザクラの方が早く咲き、葉が赤みを帯びています。カスミザクラは、同じ様に若葉も同時に出ますが、緑です。遠くから見た様子が霞のように見えることに由来します。ただ、この二種は交雑することもあるようで、正確な同定は難しい様です。

(左)どちらでしょうね。赤みを帯びてヤマザクラにも見えますが、完全に開いた花は純白です。交雑種なのでしょうか。すぐ隣には、既に散ったヤマザクラがあります。(右)貝母の群生地の中に咲くヒメオドリコソウ。春の野草でお馴染みですが、ヨーロッパ原産の帰化植物です。

 今は亡き友人のログハウスがある堂平大塚古墳から望む鹿島槍ヶ岳と西山。眼下に千曲川の流れ。手前から、国道18号、しなの鉄道、北陸新幹線の橋です。

 若葉の頃は、樹種により葉の色が違うので美しい。最低気温が低いので、アントシアニンのせいで春紅葉も見られます。

 山吹も咲きました。本当に早いです。「七重八重 花は咲けども 山吹の 実の(箕)ひとつだに なきぞ悲しき」兼明親王(かねあきらしんのう)。太田道灌の逸話で有名ですね。

 桃の花も満開です。奥の樹木がまばらなところは長坂峠。右が斎場山(旧妻女山)。山頂は、古代科野国の円墳で、川中島の戦いの時に最初に上杉謙信が本陣としたところと伝わっています。

 のらぼう菜越しに見る斎場山。のらぼう菜は、東京の奥多摩の伝統野菜で、オランダから伝わったといわれています。セイヨウアブラナの原種に近いといわれます。昔、奥多摩へフライフィッシングに通っていた時に知りました。苦味がなく甘く美味しいので、種を取り寄せ亡父が栽培してくれて種をとり、集落の人達に配りました。そのためあちこで栽培されています。秋の彼岸の頃に蒔き、春にとう立ちをポキっと折って食べます。おひたしや炒めもの、ボンゴレビアンコや中華炒めと応用が効く美味しい野菜です。

 今年は、山菜も早いです。天ぷらにしました。

 翌16日金曜日も、午前中は晴れていたので、大勢の方が訪れました。以前いらした松代の野草愛好会の方々も。以前、千曲市の野草愛好会の方たちも訪れてくれました。私は観ていませんが、テレビでも紹介された様で、来週も訪問者が多いでしょう。できる限り現地で案内や解説をしたいと思います。テングチョウが舞っています。春型のキアゲハも舞っているのですが、2頭いて縄張り争いをしているので撮れませんでした。

(左)下山途中に見つけたムラサキケマン。妻女山はシロバナが多いので、逆に貴重です。(右)登り口にある桜。植樹されたものでしょう。

 展望台の下にある桜。葉が赤っぽいのと花が赤みを帯びているのでヤマザクラでしょうか。

昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。2009年の整備途中のヤブだらけの写真は、現在とは全く異なる風景で、驚かれるでしょう。

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お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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4月11日(日)。たくさんの人達を案内しました。妻女山陣場平の貝母の見頃は20日過ぎまで続くでしょう(妻女山里山通信)

2021-04-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平で、貝母(編笠百合)がほぼ満開になりました。前日より気温も上がったのでたくさんの人が訪れてくれました。10時過ぎから午後5時まで、保全作業や撮影をしながら案内をしました。今回は以前案内したことのある人達もたくさん。斎場山を知って初めてきた地元の男子高校生三人組とか。貝母を撮影して同級生の女子達を連れてくるといいよとアドバイス。インスタ映えしますしね。幼児連れの家族も。何も知らないで登ってきて看板を見て来た人も。12年ですからリピーターが多いですね。

 俯いて咲く慎ましやかな貝母三兄弟。撮影は風のない午前中が最適です。スマホの場合は自撮りモードでこういうカットが撮影できます。基本的には、雄しべ6本で、花びらも6枚なのですが、右の花は雄しべが7本、花びらも7枚ですね。9枚とかも探せば見つかります。

 林道から鉄の陣場平の看板の小道を歩いて、最初に目にする群生地の風景です。初めての方は、わー!凄いと言いますね。日本中で山中の群生地はここだけですから。2009年にひどい藪の中に小さな群生地を発見して、ここまでにするのに12年かかっています。ヨシやノイバラが繁茂したり、帰化植物に悩まされたり、それは大変でした。その戦いは今も続いています。

 ほぼ満開ですが、よく見るとてっぺんがまだ蕾ですね。これが開いて本当の満開になります。花期は長いので、見頃は20日過ぎまで続くでしょう。その頃には、カスミザクラやウワミズザクラも満開になるでしょう。昼は長男が来てくれたので案内。昼は東福寺のそば処安心で彼に引っ越し蕎麦をごちそうしました。二八蕎麦にくるみダレ、季節の天ぷらと小鉢もついて1600円。美味でした。地元で人気の店です。平日のランチはオススメ。その後戻って再び案内しました。

(左)群生地のほぼ真ん中にあるクマノミズキの樹液です。出るとすぐに発酵して樹液酵母になります。拙書のコラムでもエッセイがありますが、楓のシロップ(メープルシロップ)が有名です。これでパンを焼いたりビールを作ったりしています。(右)シロバナケマン。ムラサキケマンが有名ですが、妻女山山系はこれが主流です。6月に舞う氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草です。

 ヤマエンゴサク(山延胡索)。陣場平の近くで群生地を見つけました。ケシ科キケマン属の多年草です。

 貝母の群生地から離れたところにひっそりとあるハナヤスリ。そうは見ませんがジダ植物です。名前は胞子嚢穂が棒ヤスリに似ていることに由来します。菌根菌と共生関係にあるギンラン、キンランとかも同様。園芸店で売られていたら全て盗掘品です。育ちません。ラン類は愛好者が多いのですが、本当に自然を愛する人は里山で見るだけで満足するでしょう。拙書でもたくさん野草を紹介していますが、盗掘される可能性のあるものは載せていません。

(左)今は亡き友人のログハウスがある堂平大塚古墳へ。彼が植えた花桃が咲き出しました。彼には里山整備や林道整備のために重機を出してもらって本当に助かりました。GWの頃には、彼が植えたたくさんのツツジが咲きます。猛毒のレンゲツツジや純白のリュウキュウツツジも。立入禁止とありますが、古墳を見学するのであれば入って構いません。弟さんが管理していますが、いたら見学させてくださいと言って下さい。(右)下山途中に邂逅したニホンカモシカ。拙書で載せているのは、シロというマダムの子供。これはその子のブランカの昨年生まれた子供だと思います。
 今年は春の移ろいが早すぎて、本当に大変です。次はどこに撮影に行くべきか迷います。花粉症と自立神経失調症で体はボロボロだし。でも季節は待ってくれません。気力で乗り切ります。17日は仲間と里山保全の活動もします。体が二つ欲しいです。

 昔オランダから入ったという奥多摩の伝統野菜のらぼう菜とハリギリ、タラの芽で、ホタルイカと釜揚げシラスで春のパスタ。馬鹿旨です。山菜がもの凄く早いです。

昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。現在と全く異なる風景です。本当にひどい藪でした。

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週末の妻女山陣場平の貝母はほぼ満開です。たくさんの人が訪れてくれました。明日もガイドをします(妻女山里山通信)

2021-04-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平で、貝母(編笠百合)がほぼ満開になりました。たくさんの人が訪れてくれましたが、タイムラグがあるので三密にはなりません。明日は日曜日。気温も上がるので今日以上に訪れるでしょう。長野市は、新型コロナで大変なことになっていますが、対策をしっかり行っていただければ、里山は大丈夫です。

 俯いて咲く慎ましやかな貝母。和名は編笠百合ですが、分かりますね。雄しべは6−8本、雌しべは先端が三つに別れ、基部に六角形の部分がありますが、これが種になります。スマホで撮影する時は、上に向けて自撮りモードで。なお、このカットは一眼レフのバリアングル液晶を使ってマクロレンズで撮影しています。

 貝母は、下部から咲き始め上に向かって咲いていきます。まだ最上部は蕾ですね。これが咲いたら本当の満開です。

 充分に見頃です。奥に咲くピンクの花はオオヤマザクラ(紅山桜)。カスミザクラも咲き始めました。

(左)群生地の中にアブラナ科のタネツケバナ。(右)これはランの一種でしょうか。セリバオウレンは、結実しています。

(左)貝母の葉の先端は、くるっと巻いています。これで互いに結びつき、この時期訪れる爆弾低気圧の暴風雨から身を守っています。(右)ミヤマウグイスカグラも咲き出しました。

(左)ズミは満開です。昔はりんごの台木として使われました。(右)カスミザクラも咲き始めました。ウワミズザクラは、もう少し先。

 堂平大塚古墳のKさんのログハウス脇に咲く枝垂れ桜。完全に枝垂れではないので、接ぎ木なのでしょうか。桜は種類が多すぎて同定には困難を極めます。

 そこから望む仁科三山の鹿島槍ヶ岳。鹿島神宮との関係や、右の平家の落人が隠れ住んだというカクネ里。新発見の氷河など、興味あることが満載の岳です。
 明日も陣場平で作業やガイドをします。気軽に声をかけてください。若い人も来てくれています。貝母の慎ましやかな美しい群生を見られるのは、日本でここだけです。楽しんで下さい。癒やされてください。

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鮫ヶ尾城跡は春爛漫。カタクリ、オオイワカガミ、トキワイカリソウ、キクザキイチゲ、ショウジョウバカマ、コシノコバイモ(妻女山里山通信)

2021-04-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 貝母の陣場平で、鮫ヶ尾城のカタクリが満開ですという情報を得ました。昨年は同じ頃にコシノコバイモを撮影に行ったのですが、降雪がほとんどなく咲き終わっていました。今年はかなりの積雪があったので、まだ咲いているのではと出かけました。花粉症と激しい気温差で自立神経失調症と、体調は最悪でしたが、満開の花が癒やしてくれました。

 本郭東のすぐ下にある郭(くるわ)のカタクリの見事な群生地。遠く直江津の海、日本海が見えます。

 山頂(本郭)の四阿が見えます。桜は咲き初め。登山道脇にはずっとカタクリが咲いています。ギフチョウを三頭ほど目撃しましたが、風も強く止まって吸蜜してくれないので撮影できませんでした。昨年は撮影できたんですけどね。信州の里山にヒメギフチョウを求めて行きましょうか。

 オオイワカガミが咲き始めていました。満開になるのは一週間後ぐらいでしょうか。登山道のあちこちに群生地があります。光沢のある大きな丸い葉の上に鮮やかな花が咲き誇っていました。

 トキワイカリソウ(常磐碇草)。花時に越冬葉が残るのが、大きな特徴です。中国植物名は淫羊藿(いんようかく)といって、性ホルモンの分泌を盛んにする強壮剤として知られます。天然のバイアグラ。

 キクザキイチゲ(菊咲一華)キンポウゲ科イチリンソウ属。アズマイチゲですよと言われている方がいましたが、葉の切れ込みが深く垂れ下がっていないので、キクザキイチゲだと思います。

 白花のキクザキイチゲ。池の畔でわずかに見られました。

 ショウジョウバカマ(猩々袴)の残花。メランチウム科ショウジョウバカマ属。長野市の里山では、ピンク色ですが、ここのは白色です。

 山頂からの妙高山(2,454m)。妙高山は、フォッサマグナ(糸魚川ー静岡構造線)の東に位置する二重式火山で、北信五岳の一つです。火打山と活火山の焼山を合わせて、「頸城三山」といい、越後富士ともいわれ、信仰の山です。当ブログの関山神社の記事をお読み下さい。まだまだ冬山ですね。
関山神社の記事

 案内所からずっと下って、コシノコバイモ(越の小貝母)を撮影に行きました。群生地といえるほどのものではないので非常に貴重です。私が妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーと保護活動をしている中国原産の貝母と比べると草高が10センチと凄く小ぶりです。案内所は、10日にオープンします。

 昼は、道の駅あらいの新しい東側の売店で買った笹寿し。具が手作りで非常に美味でした。右は海鮮市場で買った茹で紅ズワイガニ(1500円)とノドグロ6匹(800円)。塩焼きにします。小さいけれど脂はのっています。夕食用にウニ・イクラ丼。

 妻女山陣場平の貝母の4月7日(水)の開花状況です。最高気温が20度近くの日が続いたので、開花も速いのでしょう。ただ水木金と寒気が来て冷えるので、やはり満開は週末以降になると思います。見頃は、20日位までと予想します。午後2時を過ぎると強風が吹き、砂嵐が起きるので、見学は午前中か午後1時位までが最適です。10日(土)11日(日)は、10時過ぎから1時過ぎまで現地にいて保全作業や案内をします。

 春の恵みを使ったパスタ二種。左は、ノドグロの塩焼きと妻女山のコゴミと原木栽培している椎茸のパスタ。味は本味醂と塩のみです。右は、旬のホタルイカととう立ちした野沢菜と椎茸のパスタ。野沢菜の苦味がデトックス効果。二つとも春の滋味です。

昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。

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妻女山陣場平の貝母は見頃です。妻女山展望台からの北アルプスの絶景(妻女山里山通信)

2021-04-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母の4月6日(火)の開花状況です。最高気温が20度近くの日が続いたので、開花も速いのでしょう。ただ水木金と寒気が来て冷えるので、やはり満開は週末以降になると思います。午後2時を過ぎると強風が吹き、砂嵐が起きるので、見学は午前中か午後1時位までが最適です。おにぎりを持ってピクニックもオススメです。

 林道から小道を歩いて最初に目にする群生地の風景です。撮影や観察のために群生地の中に入ることもかまいません。踏まないように気をつけて欲しいですが、誤って小さなものを踏んでしまってもそれで絶えてしまうほどやわな植物ではありません。そこの丸太のベンチでボーッとするのもオススメです。畑で薬用に作っている箇所はいくつか知っていますが、山中でこれだけの群生地は日本でここだけです。極めて貴重な群生地なので、妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーで保護活動をしています。

(左)林道から群生地への小道も草が生えてはっきりとしてきました。(右)山蕗の葉で休むこれはヤマトシジミでしょう。他にヒオドシチョウ、ルリシジミ、モンシロチョウ、春型のキアゲハが舞っていました。春型のキアゲハは、ヒメギフチョウと似ていますが、妻女山山系には食草がないのでいません。

 かなり上の方まで咲き出しました。花の中には和名の編笠百合の元になった網目模様があるので、寝転んで撮影するか、iPhoneなら自撮りモードで上に向けて撮影してください。

 淡い色でうつむいて咲くので鮮やかではありませんが、逆に静かな華やかさを感じます。その趣のある姿からか、4月の茶花としても親しまれています。

 妻女山展望台へ下りてきました。途中で貝母を見に行くご夫婦と邂逅。状況を説明しました。北に善光寺平。左に戸隠連峰。戸隠富士と呼ばれる高妻山の勇姿。右に飯縄権現を祀る飯綱神社がある長野市民の山、飯縄山。拙書では、その歴史を詳しく記しています。世界一登山者の多い東京の高尾山の薬王院は、飯縄権現を祀っています。手前の千曲川の堤防には、セイヨウアブラナが咲いています。

 展望台からソメイヨシノ越しに見る白馬三山。カスミザクラやウワミズザクラは、これからです。河川敷や堤防内の畑では、桃の花が咲いているのが分かるでしょうか。

 白馬三山を望遠レンズで。左から鹿島槍ヶ岳、杓子岳、白馬岳。手前の右は崩壊した茶臼山南峰。左に信里小学校の校舎や農協の建物が見えます。

 仁科三山の名峰、鹿島槍ヶ岳。右に日本5番目の氷河と認定された、下に平家の落人が隠れ住んだといわれるかくね里があります。鹿島神宮とも深い関係があります。きれいな双耳峰なので、息子達が小さい頃は、トトロの山だよと言っていました(笑)。毎日北アルプスの絶景を見て暮らせる幸せ。これを求めて長野県に移住する人もいます。

 戊辰戦争以降の戦没者を祀った妻女山松城招魂社のソメイヨシノも満開で散り始めています。ここまで来る車道には、散った桜の花びらの絨毯が。

(左)妻女山展望台です。北アルプスや戸隠連峰、四阿山や根子岳、志賀高原の山々の素晴らしい展望が見られます。(右)もしやと思い某所にあるコゴミの群生地へ。出ていました。半月早いです。今年はうっかりしていると山菜を採りそこなってしまうかもしれません。超特急で走り去る信州の春です。
 明日は上越市の里山へ、カタクリとギフチョウを求めて旅をする予定です。

●昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。https://blog.goo.ne.jp/morimorikids/m/202004

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山陣場平の貝母が咲き出しました。満開は10日ごろから(妻女山里山通信)

2021-04-03 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母が咲き出しました。昨年より少し早いですね。満開は、10日頃でしょうか。20日頃までは充分に見頃が続くと思います。既に毎年訪れている方たちが何人も来ています。これだけの群生地は、日本中でここだけです。私が主宰する妻女山里山デザイン・プロジェクトでは、保護活動で球根や種の植え付けを行っており、群生地は現在の二倍ぐらいになる予定です。貝母が満開になると、カスミザクラ、オオヤマザクラ、ウワミズザクラ、ヤマザクラなども咲きます。

 陣場平入り口の小道の脇に咲く貝母。西日が当たるので、ここの貝母が毎年真っ先に咲きます。

 下から見ると和名の編笠百合という名前の意味が分かります。4月の茶花です。

「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
 これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
 意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 4日の日曜日は、花散らしの雨になりそうです。杏や桜は散るでしょうけれど、貝母は大丈夫です。ご覧のように日当たりの良い場所から咲き始めています。貝母は下の花から咲き始め、徐々に上に向かって咲いていきます。

 森の中の貝母は、日当たりが悪いのでまだつぼみです。時間差で咲くので長く楽しめるのです。

(左)枯れて種が飛ぶのは7月頃。その時に東風(こち)が吹くので、貝母は西へ西へと増えていきます。ただ増えていくのは、昔畑だったところだけです。(右)最高気温は20度。あまりの暖かさにアマガエルも出てきました。

(左)妻女山の駐車場から右の林道を15分ほど上り、長坂峠に出たら分岐を左へ。300mほど歩くと陣場平入り口へ。(右)この看板が目印です。小道を数十メートル歩くと貝母の群生地に出ます。

 妻女山松代招魂社のソメイヨシノも満開です。

 陣場平の分岐を右へ300m下ると堂平大塚古墳。その脇のログハウスにある枝垂れ桜も咲き始めました。

(左)陣場平下のズミも咲いていました。(右)タチツボスミレも咲いていました。

 高速のトンネルを抜けて妻女山へ。入り口の上杉謙信槍先の泉の上の桜も満開。薬師山トンネル入口のレンギョウも満開です。

 翌日の4日(日)の貝母です。たった一日ですが随分と開花が進みました。何組かの人たちが訪れてくれました。

 来週末の10日(土)、11日(日)には、間違いなく満開になっているでしょう。私は撮影や保護活動をします。訪れた方にはガイドもいたします。また、17日(土)には、妻女山里山デザイン・プロジェクトの保護活動を実施します。

(左・中)陣場平の看板の近くに毎年咲くスミレ。同定できていません。コスミレの仲間でしょうか。この株以外に近くに同じ花が見られないのも不思議です。スミレは日本に200種以上あるアリ散布植物です。トゲアリとか山のアリはたくさんいるのですが。(右)シロバナケマンも咲き出しました。6月に舞う、氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草です。

昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の記事がいくつもあり、貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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信州のあんずの里が満開です。桜も満開。こんなことは初めての杏源郷(妻女山里山通信)

2021-04-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 3月26日に杏の花が開花したのですが、ここのところの暖かさで一気に満開に。ついで桜も咲きだしてほぼ同時に満開になりました。帰郷して十数年になりますが、こんなことは初めてです。ただ、これを地球温暖化と結びつけるのはどうでしょう。ミランコビッチ・サイクルというものがあります。

 拙書『信州の里山トレッキング』東北信編:川辺書林の大峯山の記事で、ほぼ同じアングルでの写真を掲載しています。左の高い一群は杏ではなく桜です。杏と桜が同時に満開なんて初めてです。レンギョウやユキヤナギ、モクレンも満開です。樹下では、スイセンやクリスマスローズが咲いています。

 観龍寺の、これも桜です。ここには母方の祖先の絵師の絵が奉納されています。ここから大峯山への登山ルートは拙書で紹介しています。

 あんずの里の最上部の風景。もう上まで満開ですね。驚きです。例年なら7〜15日頃が満開なのですが。

 杏の花越しに雪を纏う白馬三山。左から尖った白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。

 樹齢300年を超えると伝わる杏の大木。森のアンズは、天和年間(1681~1683年)元禄時代、伊予宇和島藩主伊達宗利侯の息女豊姫が、松代藩主真田幸道侯に興し入れの際、故郷の春を忘れじとして国許よりアンズの苗木を取り寄せ、松代東条地区に植え付けたのが始まりとされるのですが、それ以前にも少しはあった可能性はあります。安永年間(1772~1780年)松代藩は、森村・倉科村・生萱村・石川村などへ苗木を配布し、栽培を奨励しました。

 毎年必ず撮影する在来種の杏の花。老木です。

 禅透院の鐘楼と在来種の杏の花。左奥はやはり満開のサンシュユ(山茱萸)。

 母方の祖母が眠る興正寺へ。山門越しに枝垂れ桜。このアングルは毎年撮影しますが、毎年少しずつ違います。外連味のある大胆な構図が好きです。

 その興正寺の山門にある「子持龍」は、天才・立川和四郎富昌の作。一見の価値があります。和四郎富昌は八幡の武水別神社の再建中でした。そこで、森出身の弟子・宮尾八百重を案内役に住職、世話人、名主らが建築現場に赴き建築を依頼。引き受けた富昌は三月頃から、父富棟が寛政二年(1789)に建築した善光寺大勧進の表御門形式を参考に絵図面を制作。四月には八百重の家に投宿し近くの薬師山に登って酒宴を催し、満開の杏花を愛でたといわれています。夜は篝火の下で鼓を鳴らし謡曲の「鞍馬天狗」を吟じ、見事な龍を描き上げ、村人や近郷近在の話題をさらい、村では日本一の宮大工が来たと喜んだそうです。興正寺は、浄土宗西京大谷知恩院の末派で、創立年は不詳。
 彼の木彫は、京都御所の建春門の「蟇股(かえるまた)の龍」、遠州の「秋葉神社」、諏訪の「諏訪大社下社拝殿」、善光寺大勧進御用門「江梁の龍」、松代町西条の白鳥神社の「神馬」などがあります。また、同市屋代の須々岐水神社にも富昌の作があります。左右にある波の彫刻は、葛飾北斎の影響を受けたものともいわれていますが見事です。

 興正寺の上からのあんずの里。私が屋代高校の頃に教室から見た景色は、藁葺き屋根が多く杏の花も在来種が多かったため、ピンク色というよりも、やや黄ばんだコーラルピンクの色でした。

 あんずの里スケッチパークを訪ねました。旧家の門構えを修復して、昔のあんずの里の原風景を再現しています。

(左)「信州大実」名前の通り身が大きく酸味が少なく生食用に向いています。有名な品種です。(右)「稲玉丸」古くから栽培されている、干し杏に適している小粒で酸味の強い品種です。干しあんずはつまみにもなります。あんずおこわも美味。

(左)「平和」主な品種のひとつで、花も美しく生食でも加工しても美味しいので、よく栽培されている品種。栽培にも手がかからないようです。(右)「昭和」酸味がやや強めですが、実がしまっておりシャキシャキ感が楽しめる杏です。

(左)「ハーコット」カナダ生まれ。酸味が少なく大実で生食すると美味しいあんず。在京時代に森の伯父がいつもこれと、酸味の強い在来種あんずの組み合わせを送ってくれました。生食用では、これが一番人気ですかね。花も美しい。(右)「楊貴妃」原産地は中国。かなり甘いあんずでジューシーな様です。楊貴妃は若さと美貌を保つために、全身に杏仁油を塗っていましたが、杏仁にはシアン化合物が含まれているんですが、中国のものにはないとか。保湿抗菌清浄作用があるそうなので果実を食べるだけでなく杏仁油も利用したのでしょうが、楊貴妃からはいつも杏仁の香りがしたのでしょうね。楊貴妃の体臭は杏仁豆腐の香りだったのでしょうか…。

 観賞用の花杏。

 スケッチパークのすぐ北の道にある在来種の木。

 その花のアップ。在来種は全てが同じではありません。花の色も実もそれぞれバラバラです。在来種は、集落の中で多く見られますが、昔に比べるとずいぶんと少なくなりました。

 杏の花で吸蜜するヒオドシチョウ。越冬して待ちに待った春を堪能しています。

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