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モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ムカゴの素揚げ胡麻味噌和え:新信州郷土料理(妻女山里山通信)

2008-10-28 | 男の料理・グルメ
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 長芋は、掘る前につるを壊して燃やします。本当は堆肥にできればいいのですが、つるが固いので燃やして灰にして、それを肥料とするのです。この季節、千曲川沿岸の長芋畑では、このつる燃やしが風物詩となっています。つるが乾いていると写真のように相当の煙がでますが、消防署に地区から連絡が入っているので、火事と間違えられることもありません。ただ、高速道路が近くにあるので、万が一のためにパトロールカーが待機していたりします。

 そのつる燃やしの副産物といってもいいのが、長芋のつるにたくさんなるムカゴです。これを専門に集めて売る人もいるのですが、手間が大変です。そこで普通は自家用に拾って料理します。「ムカゴご飯」も有名ですが、「ムカゴの素揚げ胡麻味噌和え」が、私の最もお気に入りで、子供達も大好きで弁当に入れていったりします。

 そしてもうひとつ、つるを燃やしている中にアルミホイルに包んだサツマイモを放り込んでおくのです。作業が一段落する頃に美味しいホックホクの焼き芋ができあがります。これは抜群に旨い。秋色に染まりつつある妻女山をのんびりと見ながら冷たい金木犀茶や烏龍茶でいただきます。空が少しずつ大きく高くなってきたなあと感じる今日この頃です。

 日曜のきのこ狩りの帰りに、ガマズミを集めてきました。前回はコバノガマズミでしたが、今回は、やや実の大きい鈴生りのガマズミの木を見つけたので、大量に摘んできました。そして作ったのがガマズミ酒。砂糖を加えないドライタイプを作りました。効能は滋養強壮、抗酸化作用。一週間ほどで飲み頃になります。秋の夜は、寝酒にこれを飲みながら読書に耽ろうと思います。

 新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。日本料理に、ムカゴの素揚げ胡麻味噌のレシピアップしました。*印がついています。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。
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シロノハイイロシメジというややこしい名前のキノコ(妻女山里山通信)

2008-10-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 午前中だけの予定で斎場山へ。山は乾いています。毒キノコさえ見あたりません。そこでいつもとはコースを変更して、未知の谷へ入ってみました。急な沢をひとつ越えようと渡り始めると白いきのこが目に入りました。それが写真のキノコです。一瞬シロシメジかと思いましたが、よく見るとシロノハイイロシメジです。シロシメジは、傘全体に茶褐色のまだら模様が出ますが、シロノハイイロシメジは、中央に灰褐色の色が付きます。なにより臭いが酷い。

 このややこしい名前のキノコ。山渓のきのこ図鑑では、アメリカでは食用とされるが、暖かい部屋に持ち込むとスカンクのような変な匂いがすると書いてあります。日本ではややまれとありますが、埴科、更級辺りの山では普通に見られるキノコです。これをなんとか食べられないかと、色々試行錯誤してみましたが、どうやっても臭くて食べられませんでした。これを食べられるのは、嗅覚が麻痺している人だけです。味はシメジなので美味しいそうです。

 このキノコ、従兄弟のおじさんは毎年普通に食べていたそうですが、人によっては当たるそうですし、酒との相性が悪いようです。ホテイシメジと似ていますね。同じキシメジ科ですし、同属なのでしょう。いかにも美味しそうなキノコなのですが、当地では毒?キノコとして食べないのが一般的です。しかし、何事もなく食べている人もいると思います。もちろん天然キノコですから生食は厳禁。最近、マッシュルームサラダがあるためか、キノコを生食するひとがいるようですが、基本的にキノコは生食厳禁です。白いキノコは、ドクツルタケの様に死につながるものがあるので、安易に手を出すべきではありません。

 気候が暖かいせいか、クサノオウとウシハコベが咲いていました。クサノオウには、ホソヒラタアブが盛んに吸密していました。まるで春のようでした。それでも山は少しずつ秋色に染まってきています。妻女山展望台には、観光客が何組か訪れていました。『風林火山』の余韻でしょうか、それとも来年の『天地人』の予習でしょうか。

 今回の山行は、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】で、アップしました。ご高覧ください。
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きのこ狩りラプソディー(妻女山里山通信)

2008-10-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 今年初もののムラサキシメジが採れたので、ではと皆できのこ狩りへ。ところが雨が降っていないものですから、山はカラカラ。それでも湿った登山道の真ん中にムラサキシメジが一本。菌輪はないかと周囲を探すと、藪の中にささやかな菌輪。それでも7、8本を採りました。

 去年は長男と山梨の山で、尾根の窪んで蛇行して登る山道にムラサキシメジが、道案内のように並んで生えていて、嬉々として採りながら登ったものでした。ムラサキシメジは、大きな菌輪を作ることが多く、出合うと一度に大量に採れるのが魅力ですが、今回はダメでした。

 月の輪熊の棲息地で頻繁に目撃例がある所なので、かなり神経を使いましたが、ないものはない。やはり雨が少ないからですね。今週末の雨に期待しましょう。それでも実際は、出始めのクリタケ、ムキタケ、ナメコ、遅出のハナイグチなど、写真の5、6倍は採れました。

 ムラサキシメジは、早速豆腐と澄まし汁に。なんともいえない秋の味です。枯葉臭いとか土臭いという人がいますが、南関東のものより、そういう臭みがないように思います。もっとも多少の枯葉の香りこそが自然の恵みなわけで、それが理解できないひとは食べる資格がないということでしょう。天然のきのこは、風味も格段強烈です。それが野生の力なのです。

 今回は、まるで卵が転がっているようなスッポンタケの幼菌と強烈な臭いを放つ成菌を見つけました。思わずのけ反るほどケミカルで強烈な臭いのグレバは取り除いて採ります。水にさらして茹でこぼし、中華スープの具にします。中華街では結構な高級食材なんです。

 そして、粘菌(変形菌)のコマメホコリの子実体。直径5ミリ以内で、未熟の時は本当にきれいなピンク色をしています。それらは、小さな虫たちのエサにもなり、てんとう虫の幼虫が食べているのを撮影したことがあります。ぜひ、ネイチャーフォトの【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】変形菌をご覧ください。

 粘菌といえば、前に紹介しましたイグ・ノーベル賞を受賞した中垣さんの記事。粘菌が迷路を通れるといって知能が高いとかいうことにはならないそうです。しかし、生命の不思議を感じますね。この間のノーベル賞の、ビッグバンからゆらぎで物質と反物質のバランスがくずれ宇宙が生まれたという記事と関係があるのでしょうか。全ての物質はスピンしています。宇宙も原始レベルでも。スピンが物質の本質なのかもしれませんね。かのウィトゲンシュタインもそう言っています。スピンの作り出すものがスパイラル。遺伝子もスパイラル。回って回って回る~。

きのこ料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。
今回のきのこ狩りのフォトレポは、モリモリキッズでご覧ください。
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ガマズミ酒とケルンコンサートと秋のソナタ(妻女山里山通信)

2008-10-20 | 男の料理・グルメ
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 一週間前のきのこ狩りの帰りに道すがら、鈴生りのコバノガマズミをひと枝折ってきました。そして作ったのがガマズミ酒。子供の頃、きのこ狩りに山に入るとおやつ代わりにこの甘酸っぱいガマズミの実を口にほおばって種をプププッと吐き出したものです。コバノガマズミ(小葉莢迷)は、スイカズラ科ガマズミ属で、樹高は2~3m。ガマズミより葉や実が小さいのが特徴です。グラスは随分前に神楽坂の店で見つけた江戸切り子です。
 
 妻女山には、葉も実もやや大きいガマズミと小さなコバノガマズミが自生しています。今回は、可愛いコバノガマズミ。レシピというほど大袈裟なものではありません。実を洗って焼酎に入れ、適量のグラニュー糖を加えるだけ。一週間もすれば飲み頃です。透明な酸味のあるピンク色のガマズミ酒ができあがります。効能は滋養強壮に、抗酸化作用もあるようです。なにより、森の恵みをいただくという感じが好きです。

 信州の秋の里山の林道を走るのには、キース・ジャレットのケルンコンサートが似合います。リリカルなピアノソロの調べは、たとえば「 マイルス・デイヴィス・アット・フィルモア」での過激なオルガン演奏とは全く異なるもので、人によってはきれいなだけ、聞き込む音楽ではないと言う人もいますが、ジャズ史のピアノソロにおいて、間違いなくひとつの金字塔といえるアルバムでしょう。色付き始めたヌルデやヤマウルシの間をぬって山道のワインディングロードを走るとき、キースの調べは非常に心地よく心に入ってきます。もう少し標高の高い錦秋の高原の道では、マルタ・アルゲリッチのショパン『英雄ポロネーズ』なんかも気分が高揚しますね。もちろん、ポリーニでもホロヴィッツでもいいのですが…。

 そして、車を降りて枯葉を踏みしめながら静寂の森をひとりで歩くと、イングマル・ベルイマンの名作映画『秋のソナタ』を想い出します。ベルイマンの映画は特に好きで、日本に来た作品は殆ど全部見ている私ですが、中でも『沈黙』、『ある結婚の風景』と並んで特に好きな作品のひとつです。岩波ホールに通いました。ノルウェーの片田舎を舞台に母と娘の微妙な関係を描いたこの作品は、イングリット・バーグマンの最後の作品でもあります。その枯れた美しさは筆舌に尽くしがたいものがありました。

 今日は、宅配便を送る帰りにちょっと予感がしてわが家の山に寄りました。週末に人が入っているので、キノコはないだろうと思いましたが、誰もが目にする所でハタケシメジが20本ほど。土と枯葉の色と同じなので見えないんですね。そして、だれも探さないだろうという森の隠れたポイントで、なんと今年初のムラサキシメジを採りました。

 新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。

 ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコにハナイグチをアップしました。
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ポテトサラダ&ボヘミアンラプソディ:新信州郷土料理(妻女山里山通信)

2008-10-17 | 男の料理・グルメ
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 ジャガイモは、キタアカリ。カボチャは、坊ちゃんカボチャというミニカボチャ。人参、玉葱、ピーマン、リンゴは、秋映。ゆで卵、ロースハム。短く折ったパスタ。味付けは、市販のマヨネーズ、まるでレアチーズケーキのようなコクの野辺山高原ヨーグルト、塩、コショウに自家製ピクルスの漬け汁。野菜は、ほぼ全て自家製の無農薬無肥料。
 
 ポテトサラダにカボチャを入れると、甘さと複雑なコクが出ます。ヨーグルトを入れるとマヨネーズだけより、ちょっと高級な味に。ピクルスの酢は、まろやかさとアミノ酸。リンゴを入れると軽快なアクセントがつきます。

 ボヘミアンラプソディは、クイーンの名曲ですが、ポテトサラダとはなんの関係もありません。信州の里山も、ヤマウルシやヌルデが赤く色付き初めて、なんとなく秋だなという感じです。そんなところから、ボヘミアンだなと…。ラプソディ・イン・ブルーだと、なんとなく都会的な感じがするので、といってもTokyoではなく、NYの摩天楼の花火とともに流れるガーシュインのそれ。ウッディ・アレンのシネマ・マンハッタンのワンシーン。ボヘミアンというと、アート・ガーファンクルの「ジェラシー」を想い出します。キース・ジャレットのケルン・コンサートがふんだんに使われた、いい映画でした。

 ナナカマドにダケカンバも色づいて、信州の高原は、錦秋の見頃です。そろそろ、ステファン・グラッペリとメニューインの共演による「枯葉」が似合う季節です。

 ウェブの仕事も一段落、千曲川の柳の木の下に、ハヤ(ウグイ)がたくさん集まっていたので、明日は畑仕事の前に釣りかな。

 新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。
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「天地人」の上杉景勝と直江兼続が布陣した赤坂山と鞍掛山(妻女山里山通信)

2008-10-16 | 歴史・地理・雑学
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 1582(天正10)年から甲斐・信濃・上野で繰り広げられた徳川家康と北条氏直の戦、天正壬午の乱(てんしょうじんごのらん)が起きました。上杉景勝と北条氏政が川中島四郡支配を争った際に氏政は、子氏直と弟氏照に信濃の勢力拡大を命じたのです。

 『景勝一代略記』によりますと、1582(天正10)年7月上野国から佐久郡を経て小県郡に侵入した北条氏直は、小県方面の諸士に服属を求めました。その勢の強大なのを見て、真田昌幸をはじめ祢津、望月氏などは、氏直に臣属を約しました。武田氏の旧臣であった春日弾正忠は、先に上杉景勝に属して海津城将として在城していましたが、北条氏直の小県侵入によって、武田氏の旧臣の多くがこれに従ったので、真田昌幸と密かに通じ、氏直を川中島方面に引入れ景勝と戦わせ、自身は海津城から氏直に呼応して景勝に叛き、氏直に勝利を導こうとしました。しかしこれは事前に発覚して、弾正忠は捕えられ殺されました。このとき景勝は氏直の川中島出陣に備えて海津城を出て清野鞍掛山(鞍骨山)の麓赤坂山(現在の妻女山)に陣したと伝えられています。そして、清野鞍掛山に登って旌旗を立てたともいわれています。

 赤坂山(現在の妻女山)の麓は、現在長芋の杭を抜く作業が始まっています。つるを枯れさせて燃やしたり、堆肥にした後で長芋掘りの作業が始まるわけです。ちょうど川中島の濃霧が発生する頃、つまり第四次川中島合戦の頃になります。この妻女山麓の長芋は、火山灰土のものに比べて味が濃いのでファンが多いのです。特に冬越しの長芋の旨さは特筆ものです。とろろはもちろんですが、薩摩揚げや長芋100パーセントのお好み焼きにすると最高です。長芋料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。

 掲載の写真ですが、一番上は赤坂橋とその上流に建設中の新赤坂橋です。西方を見たところで、遠くに武田信玄が陣所と江戸時代に書かれた茶臼山が見えます。そして、南に目をやると二番目の写真ですが、鞍骨城のあった鞍掛山(鞍骨山)から右手へ支城天城城のあった天城山(てしろやま)、さらに右(西)へいくと上杉謙信が陣所と伝わる陣場平を経て、謙信本陣と伝わる斎場山(本来の妻女山)、そして下って赤坂山(現在の妻女山)と続きます。

 ところが、赤坂橋のある場所は、赤坂という地名ではありません。川南川向新田といって昔は千曲川の左岸、つまり川中島だったところです。赤坂橋という名は、赤坂山の先にあることから命名されたものです。さしずめ現在なら妻女橋でもよかったのです。三番目の写真が、赤坂という地名からのものです。数百メートル上流になります。昔は赤坂河原と呼ばれたところです。このすぐ上流が十二河原、さらに上流が戌ガ瀬になります。戦国時代ファンなら分かる地名でしょう。赤坂山と鞍骨山の位置関係は、天城山を中心として、海津城に対向するような位置にあり、ここにずらりと上杉景勝の御旗が並んだならば、さぞや強烈な威嚇になっただろうと思われます。

 真冬に鞍骨城趾に登ったことがありますが、清野氏が作り上杉景勝がさらに固めたとも伝わる鞍骨城からは、海津城が遙か眼下に手に取るように望めます。赤坂山からは約90分の距離ですが、猪や月の輪熊の棲息地なので、充分な注意と用意が必要です。また夏場はオオスズメバチがいます。

 赤坂山(妻女山)から鞍骨山(鞍掛山)へのトレッキング・フォトドキュメントは、「鞍骨城トレッキングルポ」をご覧ください。上杉景勝と直江兼続が見たかも知れない壮大な風景がご覧いただけます。
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時候坊の菌輪と粘菌でイグ・ノーベル賞(妻女山里山通信)

2008-10-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 前回採り残した場所へ午前中だけいってきました。時間を節約するために林道を走り、登山道をショートカットして尾根を直登。狙っていた森に入ります。そこは月の輪熊が頻繁に目撃されている所なので、熊鈴をつけ、時に笛を吹き、東北のマタギの人が効果があると言っていたペットボトルをつぶしながら歩きました。ペットボトルをつぶすと、かなり大きな音が出ます。それが自分より大きな個体が枯れ枝を踏みつぶしながらやってくると思い、熊が逃げていくというのです。本当かどうか分かりませんが、なにか効きそうです。

 お目当ての場所には、残念ながら思ったほどたくさんはありませんでした。そこで、以前から目を付けていた場所へ行ってみることにしました。ただ、より月の輪熊の棲息地に近く、通り道なので神経を使います。ヤブ山を越えてその場所へ行ってみると、尾根筋から時候坊が列を作って並んでいます。斜面を見ると、あちらにも菌輪、こちらにも菌輪。上にも下にも左右にもあります。舞い上がる心を静めてから順番に採り始めました。

 深山なので、他の人が来る心配はまずありませんが、といっても、いつ熊さんが通りかかるかもしれません。注意を四方八方に払いながらのきのこ狩りです。たくさんあるので老菌や虫食いの酷いものは採りません。それでも大きな袋がアッという間にいっぱいになりました。持ち帰るのが大変でしたが、途中菌糸をよさそうな場所にばらまきながら下山しました。きのこ狩りは、これが大事なんです。信州の低山は、時候坊の季節ももうこれが最後です。寂秋は、確実に深まっていきます…。

 そしてキノコではないのですが、菌つながりの話題をひとつ。私も撮影を続け、カフェギャラリーでの展覧会に写真を出したり、フォトギャラリーにもアップしている粘菌(変形菌)ですが、脳を持たない原生生物である粘菌に迷路を最短ルートで解く能力があることを発見した北海道大の中垣俊之准教授ら6人が、ノーベル賞ならぬユーモア溢れる意義深い独創的研究に送られるイグ・ノーベル賞の「認知科学賞」を受賞しました。

 わが家も、国立科学博物館でいただいた粘菌のモジホコリをペット「モジ太郎」として飼ったことがあります。これは、その時のレポです。飼育室(シャーレ)から逃亡を試みたり?なかなか可愛いやつでした。迷路を抜けられるからといって賢いとか知能があるとかということとは違うのですが、生命の不思議を再認識させてくれます。

 NHKスペシャルの「月と地球」で、生命の誕生の鍵を握っていたのは鉄であるというのをやっていました。地球にあった水、窒素、アンモニアなどに、小惑星から隕石が衝突して生命が誕生したと。その生命の元、アミノ酸を作ったのが鉄であるというものでした。鉄は古来より信仰の対象で、古事記など日本の神話や登場人物の名も鉄に関連するものが殆どです。信濃の国のシナも鉄を意味する言葉のひとつといわれています。信濃の枕詞「御(美・水)篶刈る」も鉄バクテリアや高師小僧など鉄との関係がいわれています。そんなアミノ酸から生まれ、最も原始的な生物として私達の身近にいる粘菌。散歩やきのこ狩りのときなどに、少し意識して探してみると面白いと思います。

 【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】のキノコに、時候坊(ハナイグチ)の写真追加しました。

 ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】もよろしく。
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松代藩 真田十万国まつり(妻女山里山通信)

2008-10-12 | 展覧会・イベント・コンサート
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 松代で行われた「真田祭」へ行きました。斎場山、尼厳山、狼煙山、象山、戸神山脈、戸隠連山、鹿島槍ヶ岳、白馬三山など歴史と信仰の山々を背景に繰り広げられる歴史絵巻は、史実とは別に歴史物語への想像力をかきたてるに充分でした。真田家は必ずしも松代藩の住民に心から慕われていた訳ではありませんが、城下町松代の石杖を築いたことは間違い有りません。特に真田三代は、フィクションが先行しすぎている嫌いはありますが、それほど江戸時代の人々にとっては、心躍る物語を秘めていたのでしょう。真田十勇士など、フィクションと分かっていても心躍らされるものがあります。

 時代絵巻に先立って訪れた真田邸は工事中で、大正天皇が皇太子の時に妻女山(赤坂山)を訪れて、松を植樹された時に建てられた御遊覧所(といっても単なる四阿ですが)が、庭園にあるらしいというので訪れたのですが、工事中でどうやら撤去されているようでした。

 可愛いお姫様も、懐かしい真田節もよかったのですが、保存会の皆さんによる轟音を轟かす火縄銃はすごかったですね。空砲なのでより音が大きいのでしょうが、あれが50とか100で一斉に射撃したら、戦場はさぞものすごい音で包まれたのでしょうね。想像するだに恐ろしい気がします。

 遅い昼に蕎麦を食べようと象山神社方面へ、土壁の通りを歩いたのですが、松代は気軽に立ち寄れるオープンカフェが無いですね。洋風ではなく、老いも若きも立ち寄れるような、街にマッチした和風の店、あるいは昭和スタイルのカフェやカフェギャラリーがあれば、いいなと思いました。今夜はジャズライブもあるようですが、ライブハウスなどもあるといいですね。

 もっとも平和であればこそ、こういう祭も可能なわけで、これが戦争になったり、世界恐慌にでもなれば、開催は不可能でしょう。来年も再来年も続けられる日本、世界であって欲しいものです。
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信州はジコボウの季節(妻女山里山通信)

2008-10-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 いつもとは違うコースで本格的なきのこ狩りへ。山の感じは、例年より10日から2週間は遅れているでしょうか。今回は完全に月の輪熊の棲息地です。親戚のものも、遭遇しています。全員熊鈴をつけて、笛を持っての入山です。青く怪しく咲く花は、猛毒のヤマトリカブトです。

 お目当ては、信州では時候坊、ジコボウと呼ばれるハナイグチ。主に唐松林に出るきのこですが、その強烈なぬめりと独特な風味は、信州では一二を争う人気のきのこです。一本見つかると、たいてい輪菌となって何本も見つかることが多いのも人気の秘密でしょうか。イグチ科のキノコは、猛毒のものはないのですが、ドクヤマドリは気を付けなければなりません。また、間違ってニガイグチが入っていると、煮もの全体が苦くなって台無しになります。

 今回は、5人で5時間かけて405本採れました。食べ方ですが、最も一般的なのは、湯がいて信州の青大根(どこを切っても緑色の生食用中国大根)の摺りおろしたものと和えて出汁醤油でいただくもの。次にぶちこみうどん。甲州のほうとうに相当するものです。そして、保存用に塩漬け、さらに今回は、出汁と味醂、酒で煮込んで瓶詰めも作りました。翌日の昼食には、ハナイグチのチーズパスタを作りました。生ポルチーニに勝るとも劣らない味といえるでしょう。レシピは、いずれMORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)でアップします。さて、ジコボウは終わり、しばらく端境期。次のきのこの発生まで少しお休みです。

 今回のきのこ狩りは、モリモリキッズでいずれアップします。珍しいスッポンタケの幼菌を発見。その断面写真も載せます。
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ワカバグモと『自分が一番』の病理(妻女山里山通信)

2008-10-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 インターネットをしていたら、液種ディスプレイの前になにやら黄緑色の小さな虫が下りてきました。じっと見つめると、どうやら目があったのでしょうか、慌ててそそくさと上がっていきます。パソコンラックの上に置いたプリント用紙の所で止まり微動だにしません。若緑色の透明な体をした小さな小さな蜘蛛です。

 そっと席を立ち、デジカメを取りスーパーマクロで撮影しました、早速パソコンに落としてディスプレイで確認。手ぶれでもうひとつ不鮮明。慌てて三脚にデジカメをセットしてキーボードテーブルに乗せ、スーパーマクロ撮影をやり直し。レンズを近づけすぎて用紙に当ててしまい、蜘蛛は逃走。しかし、プリント用紙の端に行ってしまうと180度Uターンして戻ってきました。可愛いヤツです。しばらくそっとしておくと落ち着きを取り戻したのかジッとしています。ファインダーを見て、直接ジッと見つめないことがコツです。

 静かにレンズを寄せてその距離3センチ。シャッターを切りました。それがこの写真です。わが家は、きのこ狩りをしたり山菜採りをするので、家の中を虫が這っていることも珍しくありません。農作業のついでに服に付いてきてしまうことも度々あります。この小さな蜘蛛は、どうやって侵入したのでしょうか。大量に生まれて、それこそ蜘蛛の子を散らすように離ればなれになり、多くは何かのエサになり短い命を終えたでしょう。庭の手入れに行ったときに私に付いてきたのでしょうか。それとも彼の意志で?

 さて、この蜘蛛ですが、おそらく以前調べたカニグモの仲間だろうと目星を付け探すと、ありました。やはりカニグモ科のワカバグモでした。成虫の体長は8~12ミリだそうですが、この写真の蜘蛛は、4ミリなのでまだ子供なのでしょう。脚を入れても10ミリしかありません。徘徊性の蜘蛛で、葉の裏で前足を広げて獲物を待つようです。獲物はダニやアブラムシなど。自分より大きなアブを襲うこともあるようです。体が透き通った緑色なのは、葉の上での保護色になるからでしょう。太陽に透けた葉を擬態しているとか。葉の裏で獲物を待ちかまえて飛びかかるわけです。8個もある単眼は、同時に色々な方向を見ることができます。小さな体に高機能満載です。

 キャーッ!蜘蛛だとつぶしてしまうのは簡単。しかし、小さな命ですが、彼らも宇宙船地球号の重要な乗組員です。わが家には昔、キンチャンというハエトリグモが代々住んでいて家族で可愛がっていました。地球上の生物に無駄な命はひとつもないのです。
 などと書きながら、秋が遅かったせいか、いつまでもいるヤブ蚊をペシッ!とつぶす今日この頃、寂秋の到来です…。

 昨今教育の崩壊や社会正義やモラルの崩壊ばかりがいわれていますが、敗戦後の神無き個人主義の蔓延が破綻をきたしているのでしょうか。蜘蛛の登場は、ちょうど「教育の崩壊 教育改革と自己責任の危うさ」というサイトを読んでいたところでした。特に『自分が一番』の病理と日本の個人主義の病理などは一読をお薦めします。現在問題を起こしている年代が、まさに戦中派でもっともアメリカナイズされた渇望の世代というのも特徴的です。無神論者が多いのもこの世代。といっても科学者のような唯物論者でもなく、ただ国より家より個人が一番、個性が一番、自分が一番の世代。その影響を受けた子や孫が問題を起こしているのは当然と筆者は綴ります。といっても筆者は戦前へ戻れとか国家が一番と言っているわけではありません。結局、宗教でも科学でも哲学でも、信じることは思考の停止を意味し、権力者の都合のいいように愚民化するだけなのです。
 戦争は、戦死者を出し国家の財産を破壊するだけでなく、人の精神を破壊するのです。戦国時代の言葉に「七度の飢饉より一度の戦(いくさ)」という言葉があります。結局のところ戦争は、誰も幸せにしません。戦争で平和が得られるなら、人類はとっくの昔に平和になっているはずです。戦争が生み出すのは文化の破壊ばかりだけでなく、心を破壊してしまうのです。
 「機能不全家族」で検索を。

 流行りの「みんなちがって、みんないい」という金子みすずの言葉も、本来は寛容の精神と相互理解を表現したものなのに、自分が一番、人と違って何が悪い、同じはいやだと拒絶と孤立の表現にすり替わっていることが多いように思います。個性の過大評価もそんな現れでしょうか。そんなに違おうと思わなくてもいいんじゃないと茶々も入れたくなります。仏教でもキリスト教でも自我というのは本当の自分ではないと教えています。亭主に梅毒を移されて自殺した彼女は哀れですが、言葉だけが都合良く一人歩きしているような気がします。

 ワカバグモを、そっとアクリルの物差しに乗せて陽射しを浴びた窓辺に置きました。蜘蛛は外気の流れを感じたのかサッシの溝を辿り、小さなすき間から外へ出ていったようです。

 ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
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コムラサキの光る林道倉科坂線の秋(妻女山里山通信)

2008-10-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 午前中所用で松代へ行くことになりました。普通に行けば車で10分足らずですが、それではつまらないと、林道倉科坂線を使うことにしました。一般車通行禁止ですが、わが家は入口に山を持っているので、林業関係者ということでいいでしょう。というわけで約6キロの林道に入りました。この林道は、最近鞍骨城趾へ登る際にも使われているようです。このところ激しい雨が何度か降ったので、崩落箇所があるかもしれないと、スコップも積み込んで出発。まだ本格的な秋の前なのでヤブも心配でした。

 「上杉謙信槍尻之泉」近くでは、わが家の庭にもある小紫式部(コムラサキ)が、鮮やかな紫の実を鈴生りに付けていました。三つ葉通草(ミツバアケビ)、サワフタギ、アサマブドウ、ミズキ、サンショウ、キツネササゲなど、秋の実は紫色のものがけっこうあります。中でもコムラサキは、ひときわ艶やかで目立ちます。

 林道は、初めこそフラットで走りやすい路面でしたが、すぐに轍のえぐれたラフな路面になりました。そして予想通り、林道の両側はひどいブッシュ。我が愛車は、色付き始めたヤマハギや刺のあるエビガライチゴ、イラクサやススキのビンタを受けながら果敢に林道を進みます。時折頭上からはクズのつるが垂れ下がり、轍の中央に生えて枯れた草が愛車の腹に当たってカリカリと音を立てます。谷側は崖、山側は側溝がありと、一瞬たりとも気を抜けません。

 眼下に我が母校の清野小学校が見えると、その手前の谷は、第四次川中島合戦の折りに上杉軍の兵士が千人隠れたという千人窪。林道の名前の由来にもなった大村から倉科へ二本松峠を越える倉科坂を横切ると、道は思いの外アップダウンを繰り返し尾根をいくつか回ります。清野氏の鞍骨城趾の下に来ると深山という地名の通り深山の雰囲気。車を止めて出ると、緊張感に包まれます。どこから月の輪熊や猪が現れても不思議はない感じ。路傍の関東嫁菜(カントウヨメナ)の淡い紫がそんな心をほぐします。

 林道走行は、思いの外順調でした。ところが、あと2キロぐらいで里に下りられるというところで、大きな倒木に遭遇。行く手を阻まれてしまいました。スコップは持ってきましたが、チェーンソーは持っていません。やむなく撤退です。倒木の手前に僅かですがUターン出来る場所があったのが幸い、なければ数百メートルをバックするはめになるところでした。そして、泥だらけになった愛車で街に向かいました。

 ある林道の途中で、目星を付けてきのこ狩り。熊鈴を持ってこなかったので、きのこを探しながらも周囲に五感を張り巡らします。信州では時候坊と呼ばれるハナイグチを27本採りました。山を見てきのこのありそうな所を推定し、当てるのは嬉しいものです。ジコボウは、さっと湯がいておろし醤油で。もう一品は豆腐と味噌汁にしました。信州は、いよいよ本格的なきのこシーズン突入です。

 今回の林道走行は、モリモリキッズこちらのフォトレポをご覧ください。ナギナタコウジュやカントウヨメナのマクロ写真に、ヤマウルシ、ヌルデ、クサギなどの樹木。林道から撮影した川中島や松代のパノラマ写真があります。

 ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。

 MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)日本料理に、今回採れた「ジコボウのおろし醤油」三パターンのレシピアップしました。おすすめの「ジコボウの和風パスタ」もリンク。
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ササクレヒトヨタケのバター炒め:新信州郷土料理(妻女山里山通信)

2008-10-06 | 男の料理・グルメ
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 雨上がりの昼、畑のくず野菜などを捨てる穴の土壁にへんなキノコが出ているというので、早速カメラを持って駆けつけました。大きいもので高さが15センチを超える白いキノコがたくさん生えていました。すぐにササクレヒトヨタケと分かりました。写真の背後は、妻女山です。

 食菌ですが、ヒトヨタケ(一夜茸)というように、すぐに傘が開いて黒くインク状に溶けてしまうので、今まで食べ頃のものを見つけたことがありませんでした。これはラッキーと、撮影をしてから袋に入れて持ち帰りました。さて、どう調理したものかと思い調べると、和風もいいようですが、くせがなく歯切れがいいようなのでバター炒めにすることにしました。

 まず下ごしらえ。ドロを落とし、ささくれを爪でこそげ落とします。その後塩水に15分ほど漬けて虫を追い出します。ザルにあげて水気を切ったら食べやすい大きさに切ります。キノコは金気を嫌うので、できればセラミックの包丁があるといいですね。
 フライパンに油を敷きベーコンを炒めてから、ササクレヒトヨタケを入れて炒めます。白ワインでフランベしてから、香ばしさを出すためにニンニク醤油を小さじ1/2ほど入れます。仕上げにバターとコショウを入れて、塩味を見て足りなければ塩をふればできあがり。

 傘は、トロンとした食感、軸はシャキシャキとした食感で、味はほのかにきのこの旨味を感じる程度ですが、ゴミ捨て場(笑)に出たとは思えないほど上品。草地や道ばた、家の露地などに出るので食べるのを敬遠するむきもあるようですが、なかなか捨てがたい食菌です。ただ、前述しましたように、食べ頃のものを見つけるのはかなり困難です。傘が開いたものや、黒い胞子が傘にみえるものは美味しくないようです。もし食べ頃を見つけたら、幸運と思って召し上がってみてください。

 新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。

 ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコにササクレヒトヨタケをアップしました。
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真田宝物館へ。戦国時代の英雄史観について(妻女山里山通信)

2008-10-05 | 歴史・地理・雑学
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 松代にある「真田宝物館」へ行きました。「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」のサイトを立ち上げる際に、「松代文化財ボランティアの会」のサイトより文章を引用させていただいたので、そのお礼を兼ねて挨拶に伺おうと思いました。ところが、事務所の住所が分かりません。そこで、会員の方が案内をされている「真田宝物館」へいけば分かるだろうと訪れたわけです。ちょうどテーマ展示で「江戸時代の旅をのぞいてみよう!」も開催中。旅好きで知られた六代藩主・真田幸弘が描かせたという、道中の様子を描いた絵巻物も気になります。

 早速ボランティアの会の方に、案内をお願いしました。こちらはひとりでしたが、快く案内してくださいました。真田家のことや松代城のことは、私も概略は知っていましたが、真実かどうかは別として、伝わる逸話や、嫁入り道具の細かな調度品の数々、大正時代に作られたという花の丸御殿の緻密な模型などは興味深いものでした。今回は、見ることができませんでしたが、狩野派の描いた大きな龍虎図は大迫力で一見の価値があります。そして真田幸弘の松代から江戸までを描いた道中絵図は、特に岩野の笹崎越や土口の謡坂などが、克明に描写されていて、大変参考になりました。平野部の道の描写は、特徴が無く平板になりがちですが、峠などは描写のポイントであり、作者も自然と力を入れる所なのでしょう。

 そんな、話の中で色々やりとりしている内に、わが家と松代藩の話などをし、妻女山(斎場山)の研究をしている旨を話し、史料を探している旨を話すと、学芸員のHさんを紹介してあげるので聞いてみたらいいと言われました。渡りに舟とずうずうしくも事務所を訪ねました。Hさんは、わざわざ貴重な時間を割いていただき、妻女山に関する史料や絵図を探してくださいました。中でも『眞武内傳』より前の正保4年(1647)年に幕府の命令によって作られた『正保国絵図(しょうほうくにえず)』に、既に斎場山が妻女山と書かれていることを確認できたのは、今回の収穫でした。つまり、江戸時代中期の初めには、既に妻女山という名称があったということです。

 Hさんの話で、最も興味深かったのは、戦国時代を語ったり表現したりする時に、例えば大河ドラマや時代小説、歴史研究家の書籍などに共通する英雄史観についてでした。私自身これには違和感を覚えながらも、第一級史料のない戦国時代においては、充分に注意していても、つい江戸時代に創作された物語の世界に入りがちで、それをそのまま戦国時代の話としてしまいがちでした。第四次川中島合戦は、その第一級史料のなさから、真っ当な歴史研究の対象外であるということを知っていても尚、でした。

 Hさんのアドバイスは、江戸時代の川中島合戦という視点で研究したらどうですか、というものです。それをそのまま戦国時代の話として持っていくからおかしいなことになると。歴史学の立場からすると『甲陽軍鑑』の本格的な研究は、まだまだ始まったばかりだそうですから。民俗学的な見地から、純粋に江戸時代の人にとっての川中島の戦いを研究することは、まだされていないので、やってくださいと言われてしまいました。これは、非常に面白いテーマかもしれません。

 私は、郷土史家というより、むしろナチュラリストとして地理的な面で斎場山の研究に入ったのですが、あまりに時代に翻弄された斎場山(妻女山)を知り、つい歴史研究にも首を突っ込んでしまったというわけです。Hさんは、古代史が専門だそうですが、古代科野の国と斎場山について、ぜひ解明してくださいと勝手な期待をしてしまいました。

 Hさんから、戦国時代の新しい考証として参考になる人を教えていただいたので、早速午後、図書館に出向いて探しました。借りてきた本は三冊。『飢餓と戦争の戦国を行く』『戦国の村を行く』藤木久志:朝日選書。『文書にみる戦国大名の実像 武田信玄と勝頼』鴨川達夫:岩波新書です。信玄の弱気と強気、男色がからむどろどろした人間関係など、従来の英雄史観の信玄とは異なった人物像を文書から紐解いています。『戦国の村を行く』は、数ヶ月前に読んだばかりで、非常に感銘を受けましたが、改めて読み込んでみたいと思います。私と同じように英雄史観の戦国時代に違和感を持っている方はぜひ一読されることをお薦めします。

 さて、写真の肖像画は、幕末に生きたわが家の祖先で、岩野村の名主(なぬし)を長きに渡って務めた林逸作です。作画は、松代藩の御用絵師、青木雪卿(せっけい)重明(1803享和3年から1903明治36年)。家が近所でひとつ違いのためか、近しい関係にあったようで、友の為にと書かれています。逸作爺は、善光寺御開帳の時にたまたま隣り合わせで意気投合した夫婦から、縁ができ養子に来た人物で、享和4年(~2月10日)文化元年(2月11日~)(1804)の生まれ。天保2年(1831)の古文書(妻女山の霊水騒動が起きた頃)、弘化4年(1847)の名寄帖、安政2年(1855)の古文書があり、描画は元治元年(1864)61歳とあることから、少なくとも27歳から51歳、あるいは60歳まで名主を務めたということになります。時代は、天保の大飢饉、天保の改革失敗、善光寺大地震、黒船来襲と一気に幕末から明治へと移る激動期です。松代は尊皇攘夷に固まり、官軍として戊辰戦争に参加。その功績から明治新政府には松代から多くの人が入ったそうです。

 青木雪卿ですが、彼は生涯独身でした。一説には松代城のお姫様にいたく気に入られ、結婚できなかったとか(これに関しては、後日子孫の方から新事実を教えていただきました。こちらの記事のコメント欄をお読みください)。けさへえという養子をもらい、その妻と子供達と暮らし、なんと100歳まで生きたということです。今回、青木雪卿を紹介したのは、真田宝物館に絵が展示されていたからです。真田宝物館へは、一度足を運ばれることをお薦めします。そして、ぜひ松代文化財ボランティアの会の方々に、案内を頼んでみてください。より深く面白く展示を鑑賞することができるはずです。
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今や幻の少納言小豆・無農薬無化学肥料。限定発売!(妻女山里山通信)

2008-10-02 | 男の料理・グルメ
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 信州は久しぶりの晴天、小豆の収穫をしました。小豆は粒の大きい大納言ではなく、より味のいい少納言です。しかも無農薬無肥料。除草剤も使っていません。写真のキノコは、その小豆の下に生えていた、おそらくムジナタケだと思いますが、これこそが無農薬の証です。胡麻についていたシモフリススメの大きな芋虫もたくさんいました。なお、ムジナタケは、ナスと油味噌にすると美味しいそうです。

 写真は、妻女山の麓にある少納言の畑。川式(川敷)という小字にある御榊下(おさかきした)という名前の畑です。これは、江戸時代に千曲川が妻女山へ向かって流れていた頃に、洪水の水が村に来ないようにと榊の神木を植えたことからついた名称です。昭和30頃までその大木があったのですが、リンゴの栽培に伴って病気が榊の木を媒介に蔓延することを恐れて、残念なことに伐採されてしまいました。今は地名だけが残っています。千曲川流域では、洪水予防の祈願に榊の木が植えられたところが各所にあるそうです。

 今や小豆は中国産が殆ど。加工されて入ってくるので、豊かな風味はありません。安全性の問題もあるかもしれません。国産の小豆でも丹波や北海道産も殆どが大粒の大納言です。糖度が高く実割れしないので加工や調理が楽です。大納言も美味しいのですが、やや大味。それに比べて少納言は味が緻密で小豆(しょうず)と呼ばれ、特有の豊かな風味や味があります。

 関東では、赤飯にササゲを使いますが、少納言は煮ると皮が破れやすいので武士が嫌ったとか。しかし、風味は少納言の方がずっと豊かだと思います。これで作るおはぎやぜんざいは、絶品です。桜餅にあんパンもいいですね。深い味わいが楽しめます。

 ただ、小粒で収穫が大変なのと、実割れするなどの理由から、現在ではあまり流通していません。特に無農薬無肥料となると、ほとんど無いと思っていいでしょう。昔は赤いダイヤと呼ばれ、投機作物の代表だった小豆ですが、和菓子の衰退や、お月見など伝統行事をしなくなったことなどで消費量は昔とは比べものにならないようですが、近年は五穀米に入れたり、自然食の見直しなどで、再び注目されているようです。

 この少納言は、自家用に作ったものですが、思いの外収量がありました。ご希望の方がおられれば、お分けしたいと思います。但し量に限りがあります。
●無選別で1キロ:1500円 (最後の5キロになりました。5キロ7500円でお分けします。ゆうパック送料別。今なら無農薬無化学肥料の白ゴマ黒ゴマと名産の長芋をおまけにつけます。無くなり次第今期分は終了です。今年の分は、9月下旬からの販売となります。このブログでお知らせいたします。)
無選別です。だれでもできる簡単な選別方をお教えいたします。

料金先払いでお願いします。
ご注文やお問い合わせは、contactコンタクトのページからメールでお願いします。
◆申し訳ありませんが、現在は販売をしておりません。

 新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。
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