モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ゴルデン・ウィークの好日にワイン用のぶどう畑できつい農作業(妻女山里山通信)

2019-04-29 | 男の料理・グルメ
 世間では、ゴールデン・ウィークで海外旅行だ国内観光だと大騒ぎですが、妻女山里山デザイン・プロジェクトの面々は、欠席のひとりを除いてぶどう畑での農作業に勤しみました。信州は観光地なので、善光寺や松本城、軽井沢や上高地などは激混みです。国道も県外車でいっぱい。しかし、畑ではあちこちで農作業をする人が。周囲の里山は、山桜が満開。長閑な風景が広がります。

 今回は、ワイヤーを張る杭を立てることと、それを支えるアンカーの打ち込み作業です。抱きスコで掘る前に、スコップである程度の穴を掘っておきます。

(左)アンカーです。(右)アンカーを打ち込むための道具に刺し、打ち込む鉄の棒を差し込みます。

 そして、打ち込みます。土がそこそこ固いので何十回も打ち込みますが、これが重労働です。スコップで穴を掘るのも重労働です。カーンカーンという音が住宅地に響きます。ご迷惑をおかけしました。お詫び申し上げます。

(左)二人一組で打ち込みます。打ち込んだら埋め戻します。(右)表情を見ても分かるように、かなりの重労働です。ご近所の方が、何やっているんだいと見に来たり。

(左)用水路を挟んだ隣の畑で同じ作業をします。腕に力が入らなくなってきました。(右)ワイヤーを張る留め具を付けるためにドリルで穴を開けますが、穴があかずに苦労しました。

 同じ角度で綺麗に並びました。ワインの出来の殆どはぶどうの出来で決まるといいます。いいぶどうができるといいのですが。作業後は温泉に入り刺し身を買って帰宅。プラスコシアブラの天ぷらを作りました。ゆるゆると家呑みです。明日は雨。ゆっくりと過ごしましょう。4日にまた作業があります。いずれ里山整備もしましょう。

 翌日は雨模様。前日の変な筋肉痛をいたわりながら、新年からずっと忙しくてできなかった柿酢を採取しました。桶の柿が半分ぐらいになっていました。上澄みを一升瓶に入れます。1.7升ほどできました。柿酢は色々な効能があります。作り方は、桶を熱湯かアルコールで消毒し、ヘタを取った柿を目一杯詰めます。洗ったり拭いたりしてはいけません。和紙か不織布で蓋をして年明けまで放置すると柿酢ができます。鯛や鮮魚の刺し身に塩をし、昆布で挟んで柿酢で一晩置くと、極上昆布しめのできあがり。毎日水や湯で割って飲むと健康になります。寿司酢や餃子のタレ、酢豚などにも。二日酔いにも効果あり。地方では柿が成りぐされして誰も食べないもったいない状況があちこちで見られます。柿酢簡単です。今秋ぜひお試しください。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。近年の里山ブームで、県外からわざわざ訪れる人も増えました。里山は必ずしも標識が整備されてなく、作業道や獣道などの枝道も多く、地形図がないと迷ったら危険。拙書は地形図が載っています。コンパスも必須です。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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県の天然記念物モイワナズナが満開。生島足島神社。あられ降る激寒の独鈷山(妻女山里山通信)

2019-04-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ゴルデンウィーク初日、皆の空いている日がこの日しかなく激寒の中を独鈷山へ登りました。南面の宮沢コースを登ったのですが、これがとんでもない危険なコースでした。

 上田 道と川の駅の少し北、77号線の半過岩鼻にある県の天然記念物のモイワナズナが満開でした。北海道を除くと本州で自生するのはここだけです。極めて貴重です。GW中は観られると思います。

 いわゆるナズナと比べると花が大きいのです。拙書でも虚空蔵山のページで紹介しています。可憐です。

 半過岩鼻の崖。柱状節理が見られます。この右にモイワナズナの群生地があります。一部はフェンスの中に、その右の石碑の近くには目の高さに咲いています。

 半過岩鼻の崖の上には、なんと千曲公園があり、車で行くことができます。そこからの北の眺め。右は、やはりモイワナズナがある岩鼻。鉄塔のあるところは和合城跡で、右へ虚空蔵山、太郎山と続きます。もちろん拙書でも詳しく載せています。その奥は村上義清の葛尾城跡。その上は五里ヶ峯。人気の里山です。

(左)生島足島神社へ。信濃一ノ宮の諏訪大社より古いといわれる神社です。(中)農村歌舞伎の舞台。中には武田信玄の願文や朱印状の写真と解説が。舞台は回り舞台や奈落があり、地下に入って見学できます。必見です。(右)諏訪社の梶紋が入った鬼瓦。歌舞伎舞台の瓦には武田菱。

(左)宮沢上の千本桜から独鈷山に登ります。ネコノメソウの仲間ですね。ネコノメソウは色々種類があって同定はかなり難しいです。(中)ヒトリシズカの群生地があちこちに見られました。(右)もっとも多く見られたのが毒草のハシリドコロ。

(左)沢に沿ってゆるく登ります。(右)杉林からは急登。登山道は狭く落ち葉が積もって滑落の危険があります。登山口には山頂近くでの滑落事故が多発のため注意との看板が。

 ゆっくり登って1時間45分で山頂。西風が冷たい。とてもゴールデン・ウィークの気候ではありません。

 南面の眺望。手前中央の谷が登ってきたコースです。谷の開けたところに千本桜。散り始めていました。下の谷は254号線が通り、左へ行くと平井寺トンネルを経て塩田平、上田。右へ行くと三才山トンネルを経て松本です。

 浅間山は雲の中でした。美ヶ原にも雪雲が。

 北には溜池のある塩田平。信州の鎌倉と呼ばれます。手前の尾根はモイワナズナの咲く半過岩鼻。その向こうの右へ続く尾根は和合城跡から虚空蔵山、太郎山へ続く山脈。拙書でも写真を載せていますが、逆さ霧で有名です。その奥は、太郎山から鏡台山へ続く山脈。
 昼食を食べたのですが、あまりの寒さに撤収。下山することにしましたが、ここで私の脚が寒さと脱水症状で痙攣。初めは脱水症状に気が付かず、途中で気がついて水分を補給。仲間の気遣いもあって時間がかかりましたが無事に下山できました。冷え切った体を温めるべく戸倉上山田の万葉超音波温泉へ。

 そして慰労会は、篠ノ井消防署隣の長崎亭へ。五島列島直送の激旨の刺し身や生ホタルイカの天ぷら、アジの丸天。鯨の刺身など。本場の皿うどんとチャンポンも馬鹿旨でした。生ビールに日本酒、二階堂の一升瓶をお湯割りで。これで5人で食べて飲んで2万円でお釣りがくるのです。最高の慰労会でした。

 翌日は気温も上がったので貝母の様子を見に陣場平へ。見頃もそろそろ終わりですね。たくさんの人が訪れてくれました。東京から訪れてくれた拙書を持ったご夫婦。噂を聞きつけて訪れてくれたご夫婦や、山野草に詳しいご夫婦。そして松代から20人ぐらいのグループが訪れてくれました。マスコミで紹介されたり、私のブログをご覧になって、おそらく300人ぐらいの人が訪れてくれたと思います。仲間と苦労して保全活動をしてきたので嬉しいことですね。全国でもこれだけの群生地はないと思います。ここまでにするのに10年かかりました。

 午後は茶臼山へ。友人たちが作った北アルプス展望台へ。仁科三山。左から爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳。手前は里山の原風景ともいえる山布施の集落。大彦命を祖とする望月氏の後裔がこの地に移り住み布施氏を名乗りこの地を治めました。平安時代には荘園を営み、米や大麻を生産し栄華を極めました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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貝母満開の陣場平へ保全作業に行ったのですが…。夏日で28度! 堂平大塚古墳で早い昼食の後温泉へ(妻女山里山通信)

2019-04-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 山鍬(やまぐわ)を持って貝母が満開の陣場平へ。ノイバラの除去をしました。着くと前日知り合った女性が撮影をしていました。貝母の群生地の発見から現在まで10年かかった話や、そのきっかけとなった菱形基線測点の話などを。カタクリの群生地に行きたいと言うので場所を教えました。途中に咲くキブシも教えてあげましたが、無事に観られたでしょうか。数千株が咲く群生地ですが、知る人は僅かです。中に猛毒のヤマトリカブトの群生地もあります。
 で作業を始めたのですが、小一時間もすると暑さで参ってしまいました。この日の最高気温は28度。これは熱中症になるなと、早々に作業を切り上げ今は亡き友人のログハウスで早めの昼食をとり、色々花を撮影しながらまったりと過ごし、温泉に向かいました。

 朝、ホームセンターに寄って帰りに千曲川左岸から撮影した妻女山と斎場山、天城山(てしろやま)。斎場山は、山頂が円墳です。手前の堤防にはセイヨウアブラナが。満開の桃の果樹園の下にはタンポポ。妻女山の風に散るソメイヨシノ。林檎の花も咲き始めました。この時期の信州は、さながら桃源郷です。

 陣場平の貝母(編笠百合)は、先端のつぼみも咲き始め、まさに満開です。今週末までが見頃でしょう。これだけの群生地は、他にはないと思います。春にだけ姿を現すスプリング・エフェメラル(春の妖精・春の儚い命)です。慎ましやかに咲き風に揺れるさまは本当に美しい。

 日当たりの良い貝母の葉が黄色くなっています。枯れ始めたというより、雨がまったく降らないためのものだと思います。右は周りで咲いているオオヤマザクラ(ベニヤマザクラ)。白いカスミザクラも咲き始めました。白い花穂(かすい)が揺れるさまが美しいウワミズザクラは、もう少し先です。

 共にシソ科のヒメオドリコソウとホトケノザ。拙書の髻山の写真では、キャプションで間違えてしまいました。私も校正は、朝日新聞のPR誌などたくさんしてきましたが、自分の書いた文章を校正するのは本当に難しいのです。まあ、普通はやりませんね。双方とも可愛らしい花ですが、耕作放棄地にはびこる雑草と思われています。

 アブラナ科のタチタネツケバナの仲間。小さな小さな花です。陣場平の貝母の空き地に咲いていました。右はカキドウシ。別名は、カントリソウ(癇取草)で、子供のひきつけや夜泣きに用いられた薬草です。ゲンノショウコと共に古来から使われた薬草で、利尿、消炎薬として黄疸、胆道結石、腎臓結石、膀胱結石などに用いられました。対症療法の西洋医学への盲信への反省から、こういう漢方や和薬への関心が高まっています。

 あまりに暑くて疲れたので早めに亡き友人のログハウスで昼食と休憩を。枝垂れ桜が満開です。モンキチョウとモンシロチョウが舞っていました。林道ではルリタテハとヒオドシチョウも。蟹沢(がんざわ)の向かいの山に行くと、シュッという威嚇音が。ニホンカモシカです。拙書の鞍骨山に掲載のシロの子供か孫でしょう。

 ログハウス横の堂平大塚古墳の花桃も満開です。北アルプスの仁科三山は花曇りに霞んでいました。ゆるゆると昼食をし景色を眺めて戸倉上山田温泉の万葉温泉へと向かいました。

 キジムシロ。春のバラ科の黄色い花は皆似ていて同定が難しいのです。近くにはミツバツチグリもありました。ヘビイチゴ、オヘビイチゴ、ツルキンバイ、ミツバツチグリ、キジムシロなど。分かりますか。右は咲き始めたヤマブキ。太田道灌の逸話で有名です。「七重八重 花は咲けども 山吹の、箕(実の)ひとつだに なきぞ悲しき」

 桃の畑と赤坂橋の向こうに桜が咲く皆神山。鶯も鳴き出しました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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松代夢空間主催の自然と歴史のハイキングで、斎場山(旧妻女山)、堂平大塚古墳、貝母満開の陣場平へ(妻女山里山通信)

2019-04-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 21日(日)は、松代夢空間主催の妻女山ハイキングで、花と自然いっぱいの里山を皆さんと歩きました。約4キロ弱で、子供でも歩けるコースです。私が歴史や自然の説明をお話しながら正午ちょっと過ぎまで歩き、下山後は近くの「はなや」であんず御膳をいただきました。大学の生物学や民俗学の講座を三つ四つぐらい受ける話と昼食がついてなんと2000円。非常にお得なハイキングだと思います。参加の皆様には拙書をたくさんお買い上げいただきました。感謝申し上げます。花粉症と寒暖差での自律神経失調症でたくさんのサインをするのは結構大変でしたが(笑)。おそらく200人以上が訪れています。今週末までは見頃だと思います。保全のため道具を持って車でほぼ毎日登りますが、お会いしたら必ず声をかけています。駆け足の春なので、あちこちに撮影や観察にいかなければならないので、本当に忙しい毎日です。

 快晴の前日に下調べと保全活動をした写真からアップします。春の日を浴びて輝く貝母。ほぼ満開ですが、一番上の方がまだつぼみだったりします。次の週末ぐらいまでは見頃かもしれません。落葉松で作った丸太のベンチがあるので、腰を掛けてゆっくりと花見と森林浴をするのもおすすめです。
皆さんには、これだけの群生地にするのに10年かかった話などをしました。今回私がしたのは里山ガイドとかインストラクターではなくて、インタープリターといわれる活動です。里山を案内するだけでなく、自然の生態系や歴史まで詳しく講義するというもので、近年生まれた言葉なのです。

 貝母の和名は編笠百合ですが、その理由は花の中を見ると分かるとお話しました。慎ましやかに咲く4月の茶花です。前日はサンコウチョウが月日星ホイホイホイと鳴いていたのですが、当日は残念ながら聴けませんでした。咳の薬の薬草ですが、筋肉弛緩剤の成分ですね。誤って食べ過ぎると心臓が止まるかもしれません。閾値(しきいち)がありますが、薬草は毒草でもあるのです。毒草は薬草になるともいえます。毒草でなくても春の山菜は、毒素を排出する苦味があったり、抗酸化作用があったり、非常に高い効果を有するものです。

「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
 これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
 意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 散り始めたソメイヨシノの向こうはヒノキ(檜・桧)の林です。寒暖の差があり朝晩は寒かったのでアントシアニンで春紅葉でしたが、ここのところの暖かさで緑色になってきました。上の鞍部は長坂峠です。すぐ右に斎場山(旧妻女山)、山頂は古代科野のクニの円墳であり、謙信本陣跡と伝わる場所です。西に400mほど下ると、国指定史跡の土口将軍塚古墳(前方後円墳)があります。

 山の日当たりの良いあちこちでクサボケ(草木瓜)が咲き始めました。オオヤマザクラ(ベニヤマザクラ)、ズミも開花。カスミザクラやヤマブキも咲き始めました。まもなくウワミズザクラやマルバアオダモも咲き始めます。ブログで逐一開花情報をアップするので、ぜひ御覧ください。

 会津比売神社の枝垂れ桜。白っぽいのは珍しいですね。ソメイヨシノはハイブリッドですが、他にも桜はたくさんの種類があり、同定は大変です。

 会津比売神社についての話もしました。諏訪社系の神社なんですが、御柱はありません。全国でたった一社という非常に珍しい神社です。
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 上杉謙信の布陣した山として妻女山(旧赤坂山、旧妻女山は斎場山のこと)を訪れる人は多いのですが、薬師山トンネルの陰にひっそりと佇む会津比売神社(あいづひめじんじゃ)を 訪れる人は稀です。里俗伝によると、古来は山上(斎場山西の御陵願平か)にあったが川中島合戦の折に上杉謙信が庇護していたため、武田信玄によって焼かれてしまい、武田滅亡の跡に現在の山陰にひっそりと再建された、ということです。

 この会津比売神社の祭神、会津比売命(會津比賣命)ですが、このところ貞観地震で有名になってしまった『日本三代実録』貞観8(866)年6月甲戌朔条(最初の行)の記述に、「授信濃國-無位-會津比賣神 從四位下」と出てきます。官位のない会津比売命に従四位下の位を授けますよということです。かなり高い位を授かっています。

 その理由なんですが、会津比売は、諏訪大社の祭神、建御名方富命(たけみなかたとみのみこと)の子、出速雄命(いずはやおのみこと・伊豆早雄)の子といわれているからなのです。しかも、神武天皇の子、神八井耳命(かむやいみみのみこと)の子孫といわれる、大和王権より初代科野(信濃)国造に任ぜられた武五百建命(たけいおたつのみこと)[古事記]の室(妻)といわれているからなのです。

科野国造 武五百建命と妻 会津比売命の家系図(諸説あり)
神武天皇--神八井耳命--武宇都彦命--武速前命--敷桁彦命--武五百建命--健稲背
          大国主命--建御名方富命--出速雄命--会津比売命(出速姫神)


 つまり、出雲系の出速雄命一族は、娘の会津比売命が、天皇系(大和系)の科野国造 武五百建命と結婚したことにより、官位を授与され、後に諏訪に戻って大祝(おおほうり)家となったわけです。貞観年間に、無位となっていた出速雄命、会津比売命の官位授与を申請したのは、当時の埴科郡の大領であった金刺舎人正長といわれています。金刺氏は諏訪系統の流れで、貞観4年(862)に、埴科郡大領外従7位金刺舎人正長とあります。『日本三代実録』[信濃史料]
 無位にあった自分の先祖の復権をすべく申請したということでしょう。古代科野国は、出雲系と大和系が結ばれてできたといえるのです。

 会津比売神社はいわゆる式外社(しきげしゃ・『延喜式』神名帳に記載の無い神社)ですが、「国史現在社」です。「国史現在社」とは、式外社ですが、『六国史』にその名前が見られる神社のことを、特に国史現在社(国史見在社とも)と呼びます(広義には式内社であるものも含む)。『六国史』とは、『日本書紀』、『続日本紀』、『日本後紀』、『続日本後紀』、『日本文徳天皇実録』、『日本三代実録』をいいます。

貞観地震と仁和地震と会津比売神社
•貞観元年(859年)河内・和泉両国の陶窯用の薪山争い起こる。饒益神宝を鋳造する。
貞観2年(860年)出速雄神に従五位下〔延喜元年(901年)の日本三代実録〕
•貞観3年(861年)4月7日、直方隕石が落下。落下の目撃がある世界最古の隕石。
貞観4年(862)埴科郡大領外従七位金刺舎人正長。廿日戊子 信濃國埴科郡大領-外從七位上-金刺舍人-正長(日本三代実録)
貞観5年(863)信濃国諏訪郡の人右近衛将監正六位上金刺舎人貞長、姓を大朝臣と賜わる。これ神八井耳命の苗裔(びょうえい)也。
•貞観6年(864年)富士山噴火(貞観大噴火)
•貞観8年(866年)閏3月10日、内裏朝堂院の正門・応天門が放火によって炎上、これを巧みに利用して伴氏・源氏の追い落としに成功した藤原良房は、同年8月19日、天皇の外祖父であることを理由に人臣初の摂政に任命された。応天門の変。
貞観8年(866年)に會津比売神に従四位下
•貞観10年(868年)7月8日、播磨国で地震。日本三代実録によれば官舎、諸寺堂塔ことごとく頽倒の記述。前年から引き続き、毎月のように地震があったことも見受けられる。
•貞観11年(869年)格12巻が完成。貞観地震とそれに伴う貞観津波が発生。貞観の韓寇。
•貞観12年(870年)貞観永宝が鋳造される。
•貞観13年(871年)式20巻が完成。貞観格式の完成。鳥海山噴火。
貞観14年(872年)出速雄神に従五位上
•貞観16年(874年)開聞岳噴火。
•元慶2年(878年)相模・武蔵地震(現在の関東地方における地震)伊勢原断層の活動によるM 7.4の大地震
元慶2年(878年)出速雄神に正五位下
•仁和3年(887年)8月22日(8月26日)に仁和地震(南海地震、M 8.0~8.5。東海・東南海との連動説も有り)。
 八ヶ岳が突然水蒸気爆発をおこし崩壊。千曲川・相木川を堰き止めて“大海(南牧湖)”や“小海湖”を造った。天狗岳と硫黄岳の東側斜面が大きく崩れた跡が今でも見られる。
•仁和4年(888年)決壊し、善光寺平までその被害は及んだ。
•寛弘8年8月3日(1011年9月3日)に再決壊。下流域に再び災厄を撒き散らして完全に消滅した。
 長さ3kmに達した「小海」は、古地図等からその後600年以上、江戸時代初期まで残っていたことが確認できるが、いつどうやって消滅したのか判っていない。
•延喜元年(901年)の日本三代実録。会津比売神社は式外社となる。
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 会津比売神社の参道。私が子供の頃は上に団塊の世代もいて、こんな小さな集落でも子供はたくさんいました。春秋の祭りには、この参道にたくさんの出店が出ましたが今は昔。

 斎場山を見学の後訪れたイノシシの大きなヌタ場。ここでイノシシの生態の話などをしました。知り合いに猟師がいて猪や鹿の肉をもらいました。現在は少なくなりましたが、鹿が見られるようになったのが気がかりです。

 堂平大塚古墳で古代科野のクニの話をしました。またこの古墳の所有者の話も。たくさんの逸話が残る古墳です。枝垂れ桜が満開で、花桃も咲き始めていました。次にすぐ下にある謙信の陣用水と伝わる蟹沢(がんざわ)を訪れ、説明を。

 最後に貝母が満開の陣場平へ。ここでは10年かかった貝母発見と大変だった保全活動の話と、信濃柿で作る柿渋や柿酢の作り方などをお話しました。時間がたっぷりあったので、色々なお話をすることができましたね。「はなや」の昼食後でもお買い上げいただいた拙書にサインをしたり、皆さんの質問に応えたりと充実した時間が過ごせました。解散後、花粉症の症状が酷いので、戸倉上山田へ。来年も行われると思いますので里山や歴史に興味のある方は、当ブログをご覧になるか、松代夢空間にお問い合わせください。
 皆さんにはURLカードをお渡ししましたが、何かお知りになりたいことがありましたら、メッセージからメールを下さい。これは非公開です。コメントも、非公開でお願いしますと書いていただければ公開しません。お気軽にお問い合わせください。

松代夢空間ホームページ
GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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風に揺れる妻女山陣場平の貝母(編笠百合)の花が満開です

2019-04-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母(編笠百合)の花が満開です。午前中は強風でしたが、訪れた人もいました。柔らかな茎は倒れやすいのですが、丸まった葉先で互いを結んで絶えていました。

 山蕗に続いて春の山菜が出始めました。

 左上から右回りに、ハリギリ、タラノメ、コゴミ、ヨモギです。衣に塩を入れて天ぷらにしますが、コゴミは多いのでお浸しにもします。信州の本格的な山菜のシーズンはこれからです。コシアブラ、アイコ(ミヤマイラクサ)、シドケ(モミジガサ)、ワサビの葉、行者ニンニクなどなど。

 風に揺れる貝母は、写真ではなかなか表現できないので4Kのムービーを撮りました。風の音が強いので音量は控えめに。YouTubeでは、フルスクリーンでご覧いただけます。週末は、たくさんの方が観に来られると思います。

◉風に揺れる貝母(編笠百合)の花
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妻女山陣場平の貝母が満開。見頃です。キブシ、カタクリ、アオイスミレ。人知れず積石塚古墳(妻女山里山通信)

2019-04-18 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今週は、陣場平の貝母群生地の手入れをしています。ノイバラやヤマフジの除去。次に大きな山桜の落枝の除去。群生地にある灌木の剪定と忙しい毎日でした。毎日、貝母を目当てにたくさんの方が訪れてくれました。亡き父に集落の皆に許可を得てもらって除伐作業をし、仲間が手伝ってくれてヨシやノイバラを地下茎まで除去した話をすると、皆さん驚かれます。それはもう大変でした。そこに蒔いた種や球根からも発芽しています。たった四畳半の貝母を発見してからここまでの群生地にするのに10年かかりました。夏には帰化植物の除去もしないといけません。里山は毎年保全をしないとすぐに荒れてしまいます。

 茎の先端にまだつぼみが残っていますが、満開といっていいでしょう。葉先も丸まってきました。4月の茶花で慎ましいその姿が人気です。モンキチョウに春型のキアゲハ、越冬したルリタテハやヒオドシチョウも舞っています。

 2009年のゴールデンウィークに藪の中で見つけたときは四畳半ほどでした。そのままなら数年で絶滅していたかもしれません。仲間の協力で、ここまで増えました。といってもどこまでも増えていくわけではなく、昔畑だったところだけです。周囲とは土質が異なるのです。奈良時代に入ってきたともいわれる貝母ですが、万葉集に一首読まれているともいわれています。二つ前の記事を御覧ください。昔は全国に薬草畑があったようですが、これほどの群生地はここだけかもしれません。

 カタクリがそろそろ咲いているだろうと林道を1キロほど歩いて群生地へ。途中で咲いていたキブシ(木五倍子)。キブシの髄はスポンジ状で、昔は灯芯などにも使われたようです。髄を取り出すと中空になるので、酒樽の呑み口にも使われたとか。また、江戸時代には既婚の女性はお歯黒にする習慣がありましたが、キブシの実も利用されました。釘や鉄粉を食酢につけて酸化した液に、ヌルデの実、五倍子(ごばいし)やキブシの実の粉末をつけて、歯につけると黒く染まるそうです。

 カタクリが咲いていました。猛毒のヤマトリカブトの中に咲くカタクリも。
「もののふの 八十(やそ)乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花」大伴家持(万葉集)
 当維持29歳の大伴家持が、赴任先の越中国府の伏木(現在の富山県高岡市伏木に5年間赴任)で、寺井の井戸(井泉の跡と歌碑がある)の周りにたくさん咲くカタクリを宮中の乙女になぞらえ、都を懐かしんで詠んだ歌だといいます。そう思うと写真のカタクリが、美しい乙女に見えてくるから不思議です。
 もののふとは、宮廷に仕える文武の官のことで、物部と書きます。八十(たくさんという意味)にかかる枕詞ですが、数が多い氏と発音の同じ宇治川の宇治から、宇治川を導く枕詞となったということの様です。昔もやたらと役人が多かったのでしょうか。もののふとは、後に武士そのものを指す言葉に変化します。右のカットは、猛毒のヤマトリカブトの中に咲くカタクリです。山菜のニリンソウと似ているので要注意です。毒草は閾値(しきいち)以下であれば薬草になります。それが閾値のない放射能との決定的な違いです。

 十人平(じゅうにんびら)と呼ばれる場所にある積石塚古墳。馬産を伝えたツングース系の高句麗の人々の墓だそうです。大室古墳群と同様に故郷の方角、北を向いています。ここに至る道がないので、地元でも知る人はわずかです。

 林道脇に小さな小さなスミレ。本当に小さいです。アオイスミレだと思います。葉が徳川の家紋である葵(あおい)に似ていることによります。

(左)コナラの巨樹にからみつくヤマフジ(山藤)。根本は直径が50センチぐらいあります。山藤は一日8センチも成長します。さて、どうやってあんな高いところまでたどり着いたのでしょうか。考えてみてください。(右)貝母の群生地に戻って山蕗を採取。こんな大きな蕗は食べられないと思うでしょうが、これが絶品です。花や葉を取り除いて茎を食べます。塩茹でしてお浸しに。柔らかく苦味と旨味が絶妙です。採ってすぐなら茹でこぼす必要もありません。

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。満開の貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
松城夢空間ホームページ
GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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妻女山陣場平の貝母は八分咲き。スミレとヒオドシチョウ。あんずの落花。戸倉キティーパークの満開の桜(妻女山里山通信)

2019-04-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今日は用事がないのでまず陣場平の貝母の群生地へ。折れて貝母の上に落ちた山桜の枝を片付けをしました。ご婦人三人が貝母を観に来ました。林さんですかと。そう言われることが多くなりました。2009年に偶然に発見し、亡き父が集落の人がほとんど入っている仏恩講(ぶっとんこう)の世話役をしていたので、陣場平の除伐と貝母の保護の許可を取付けてもらいました。そこから仲間も加わって数年かかって大変な作業をし、ここまで増えました。しかし、里山は常に保全活動をしていかないと荒れてしまいます。帰化植物の除去など非常に大変な作業が今年も待っています。昔は全国各地にあったと思われる群生地もほとんど絶滅してしまったようです。極めて貴重な群生地だと思われます。

 日当たりの良い場所の貝母は八分咲き。21日のハイキングの記事が、長野市民新聞にも載ったそうです。まだ間に合うと思います。21日は、信濃毎日新聞の取材もあります。

 俯いて咲く慎ましやかな花です。下から見ると和名の編笠百合の意味が分かります。当ブログをご覧になって、遠くは東京や金沢とか県外からも訪れるようになりました。薬草ですが、かなり強い毒草です。百合根に似ているので誤って食べてしまうことも考えられます。野草は毒草が多いので愛でるだけにしましょう。やはり野に置け蓮華草(貝母)。

 スミレが咲き始めました。一見するとタチツボスミレ(立坪菫)ですが、葉を見ると三角形で少し長い。典型的なタチツボスミレの葉とは違います。花も違います。スミレサイシンでしょうか。

 こちらはタチツボスミレで間違いないでしょう。茎に毛があり葉には赤茶色の斑入り。アカフケタチツボスミレでしょうか。スミレは難しいですね。アリが種のエライオソームを食べるため巣に持ち帰り、種を外に蒔くことで増えます。アリ散布植物といい、日本には200種以上あります。

 陣場平の丸太に止まったヒオドシチョウ(緋縅蝶)。成虫で越冬した個体なので翅がぼろぼろです。気持ちよさそうに日向ぼっこをしていました。ルリタテハやシジミチョウも舞っています。

 落葉松林の半日陰の貝母はまだ蕾です。明日は快晴で気温も上がるので、週末には満開になるでしょう。

 千曲市森のあんずは落花し始めました。道路にはあんずの花びらの絨毯が。風で舞い上がります。桜は今が満開。レンギョウも満開。ユキヤナギやモクレンも咲きました。

 温泉に入るために宮坂峠を超えて戸倉上山田へ。キティーパークの満開の桜。大勢の人が花見に訪れていました。北海道は、なんと夏日とか。信州も明日は暖かさを超えて暑くなりそうです。信州の春は駆け足で通り過ぎていきます。

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。満開の貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
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GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

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妻女山陣場平の貝母が次々に開花。堂平ではルリタテハなど蝶も舞い始めました(妻女山里山通信)

2019-04-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 花冷えだった信州も今日は初夏を思わせる気候。一気に花が咲き始めました。今日は陣場平へノイバラやヤマフジの除去に行きました。貝母は、昔は奈良を中心として信州にもあちこちに薬草畑としてあったようですが、現在はこれだけの群生地はどこにもないようです。非常に貴重です。
「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
 これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
 意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 日当たりの良い場所から咲き始めています。落葉松林の中の群生は、まだ蕾ですが、かなり膨らんでいます。作業をしていると、顔なじみが次々に訪れました。偶然に立ち寄った男性も。今週末に、松代夢空間主催のハイキングが行われ、私がインタープリターをしますが、満開になっていることでしょう。参加者には、この山の自然と歴史を、大学の講義を聴くぐらいの濃い内容を分かりやすく面白くお話します。

(左)陣場平に氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草のシロヤブケマンが一輪咲いていました。(中)ノビル(野蒜)。こじきネギなんて呼ばれますが、栄養豊富で古事記にも登場する山菜。古事記葱と呼ぶべきです。二株ほど採取してノビル餃子にします。絶品です。(右)ウバユリ(姥百合)の若葉。山菜ですが、片葉が出てから開花するまで7年はかかる植物です。一度食したことがありますが、以後は採らないようにしています。小さな群生地には10株ほど生えていました。

 堂平大塚古墳からの眺め。21日のハイキングでも訪れ、ここの歴史の説明をします。古代から現代まで驚愕の歴史がある場所です。千曲川河川敷のドロヤナギの緑も濃くなってきました。

(左)ムスカリで吸蜜するルリシジミ(瑠璃小灰蝶:Celastrina argiolus Linnaeus)シジミチョウ科ルリシジミ属。幼虫の食草はマメ科、バラ科、ミズキ科、タデ科、ミカン科などの花。食草の種類が多いためか、北信濃では比較的よく見られるシジミチョウです。ヤマトシジミと似ていますが、後翅の斑紋の違いや濃さ、目の色がルリシジミは黒、ヤマトシジミは灰褐色などで分かります。飛翔の際の大きなオスの瑠璃色の羽はとても美しく見応えがあります。(右)テングチョウ(天狗蝶、学名:Libythea celtis)は、チョウ目タテハチョウ科テングチョウ亜科のチョウの1種。鼻先が長く天狗のようです。なかなか翅を広げたカットを撮影するのは困難です。

 妻女山(旧赤坂山)展望台から西の仁科三山。中央は爺ヶ岳、右に日本で五番目、信州で初めての氷河が確認されたカクネ里の大きな谷が。平家の落人伝説があります。鹿島神社とも深いつながりが。

 北には右に白狐に載った烏天狗が祭神の飯綱神社がある飯縄山。年間250万人が上る東京の高尾山薬王院の祭神でもあります。烏天狗の古代ユダヤ人説、徐福伝説。左に戸隠連峰と戸隠富士と呼ばれる高妻山。もうすぐ千曲川河川敷の桃が咲き、土手の菜の花が咲き、桃源郷が生まれます。今日は、陣場平や展望台で、たくさんの方にこの山の自然や歴史をお話することができました。

 早速、夕食に作った野蒜餃子。雨が降っていないので少々筋っぽいのは残念でしたが、味は抜群でした。ノビルは有史以前に中国から帰化した植物で、「古事記」にも登場するなど昔から利用されてきました。栄養も豊富な他に薬効もあり、強壮、食欲増進、健胃、鎮咳、整腸、保温、虫さされに効果があるといわれています。
ノビル餃子のオリジナルレシピ

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。満開の貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
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GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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妻女山と松代城の桜が満開。あんずの里では杏の花と桜が共演。古代科野の村では鯉幟が泳ぐ(妻女山里山通信)

2019-04-15 | アウトドア・ネイチャーフォト
 用事や買い物を済ませて温泉に行く前に、花の名所を巡りました。まずは妻女山松代招魂社へ。
 当ブログをご覧の方は分かっておられると思いますが、国土地理院の地形図にある妻女山はここですが、地元では赤坂山と呼んでいた山で、小字妻女山ですが地名は赤坂山です。三角点を置いた時に、本来の妻女山(本名は斎場山)の名称をこちらに移してしまったのです。国土地理院はこういう暴挙を全国各地で行っています。特にここは戦国時代の有名な戦地であったために、作家や歴史研究家に混乱と誤解をもたらしました。

 そんなことを我関せずと咲き誇る妻女山松代招魂社の桜。右の八重桜と鳥居の前のウワミズザクラが咲くのは、まだ先です。

 買い物の後に松代城へ。全国から花見客が大勢訪れていました。残念ですが櫓台は工事中で登れません。私の母校で、校章が真田の結び雁金の松代中学の桜も満開でした。世界的アコーディオン奏者のcobaやモーニング娘。19の羽賀朱音ちゃんも在籍しました。

 史跡松代城跡の図。天守閣はなく、居住は花の丸御殿。

 山本勘助が築城ともいわれる海津城から松代城、そして廃藩への長い歴史。
真田十万国「松代城(海津城)」の歴史 その1(妻女山里山通信)
真田十万国「松代城(海津城)」の歴史 その2(妻女山里山通信)

 温泉へ行く途中に森のあんずの花を。中央左の桜も咲きました。八分咲きぐらいですね。杏の花と桜が共演。梅もまだ咲いています。もうすぐ桃の花も咲きます。続いて林檎の花。

 山陰にあったため川中島の戦いの兵火を逃れたという観龍寺。桜が満開です。この古刹には、私の先祖の絵も奉納されています。

 温泉へ向かう途中、東日本最大の前方後円墳の森将軍塚古墳の麓の古代科野の村に鯉幟が。

 鯉幟は有名な歌が二つありますね。「屋根より高い鯉のぼり」と「甍(いらか)の波と雲の波」。
~鯉のぼり(いらかの・・・)~杉並児童合唱団



 紅梅と竪穴式住居と鯉のぼり。今日は強風でしたが、明日からは初夏を思わせる陽気になるということです。信州の春は短いのです。駆け足で通り過ぎて、あっという間に初夏になります。

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。満開の貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
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妻女山陣場平の貝母の見頃は、18日から25日。松代東条のあんずの花(妻女山里山通信)

2019-04-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 まず陣場平へ貝母の開花状況を見に行こうとすると、上から十数人のトレラン愛好者の人たちが下りてきました。林さんですかとひとりの女性。なんでも私に貝母を案内してもらったとか。もうひとりの男性も数年前に案内してもらったとか。もう何百人も案内しています。ブログや拙書を見て県外から訪れる人も増えています。奈良時代に薬草として入ってきたようですが、現在これだけの群生地はここだけかもしれません。

 咲き始めた貝母。薬草ですがかなり強い毒草です。葉の先が丸まってお互いスクラムを組んで、この時期に発生する爆弾低気圧の強風から身を守っています。

 和名を編笠百合という理由が、花の中を覗くと分かります。

 仲間が作ってくれた落葉松のベンチなんですが、イノシシが壊してしまったので再配置しました。見に来られたらここに腰掛けてゆっくりと鑑賞してください。ルリタテハやヒオドシチョウが舞い、鶯の鳴き声も聞けるかもしれません。ピンクのオオヤマザクラや白いカスミザクラも咲くでしょう。

 ついであんずの開花期には訪れたことのなかった松代の東条のあんずを観に行きました。あんず畑の向こう、松代の向こうには象山と戸神山脈。鏡台山から妻女山まで続きます。

 あんずの花と尼厳山。天の岩戸の神話が残る里山です。もちろん拙書でもその歴史を紹介しています。

 バックは皆神山。燃え上がるように咲くあんず。森のあんずのように売店もなく観光客も来ません。静かにあんずの花を愛でたい方にはおすすめです。

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。満開の貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
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信州千曲市あんずの里の杏が満開。杏と北アルプス、在来種の杏をテーマに撮影。うっとり(妻女山里山通信)

2019-04-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
 開花したものの花冷えで満開が遅れた森のあんずですが、週末に一気に暖かくなり満開になりました。あんずの花は花期が短く、満開と休日と晴れの日が重なるのが難しいのです。13日の土曜日は近年にない見頃でした。

 二つ前の記事と同じアングルでの撮影です。比べるとその違いが分かると思います。アクセントになる黄色いレンギョウ。桜も開花し始めました。集落の中のサンシュユ(山茱萸)も満開です。

 前回の記事では、わりと皆さんが撮影するベタな撮影スポットが多かったのですが(それでもアングルにはプロのこだわりが)。今回は、足を使ってほとんど人がいかないスポットからの撮影です。杏と北アルプス、在来種の杏をテーマに撮影しました。写真はあんずと北アルプスの白馬三山。左から尖った白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。

(左)観賞用に植えられた杏。色が濃くて桃の花みたいですがあんずです。(右)とある場所で、妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーと邂逅。屋代高校美術班の同窓生でもあります。水彩画を描いていました。なかなかの佳作。

 在来種の古木。在来種は遠目には肌色っぽく見える品種が多いのですが、こんな樹もあります。あんずは、桜と違って花の色も様々なのです。現在は外国の品種も加わって生食用、加工用など豊富です。スケッチパークで見られますが、表示がちょっと怪しいのが残念。作り直してほしいですね。樹下では、小さな女の子の姉妹をお父さんが撮影していました。桜は武士道とか樹下に死体が埋まっているとか厳しく儚いイメージがあるのですが、杏は童女のイメージがあります。杏の花には少女が似合うのです。ユーチューブのsaijouzanでは、そんなスライドショーをいくつかアップしています。
saijouzan:【信州の里山】 森のあんずを御覧ください。

 これも在来種。手前にお地蔵さん。在来種は、畑の角や集落の中に多いのですが、随分と少なくなりました。

 ほとんど訪れる人もない興正寺山門越しに見る枝垂れ桜。とても美しい雰囲気のある若い女性が参拝していましたが、どうして知ったのでしょう。何年も訪れていますが、墓参りに来た人以外に他の人に出会ったことはありませんでした。私はここに私をかわいがってくれた母方の祖母のお墓があるので、必ず立ち寄ります。山門は必見です。

 天才親子とうたわれた諏訪立川流の富昌作の子持ち龍。激しい波間中の親子の龍が見事に彫られています。非常に緻密に計算されていて、下から見上げて最もよく見えるように掘られています。諏訪大社秋宮も彼の作品です。春宮は大隅流。どちらも幕末から明治初期にかけて、信じられないほど高度な宮彫りを残しています。当ブログでは、信州の宝といえる宮彫りをたくさん紹介しています。

(左)子持ち唐獅子。子持ちを好んで彫った富昌。父親の富棟を尊崇していたのでしょうね。(右)葛飾北斎に影響されたともいわれる波の造形。見事です。

 その興正寺上からの上平方面の眺望。高校生の頃、屋代高校の教室から見るあんずの里は藁葺き屋根で杏も在来種がほとんどでコーラルピンクでした。集落のなかにはもっとたくさんの杏の樹がありました。今より柔らかい風景でした。時代と共に風景は変わっていきます。

 ほとんど人が訪れることのない岡地地区のあんずの花。倉科や松代の東条も訪れる人も少なく、静かに散策したい人にはおすすめです。お土産には天日干しのあんずと姫杏の焼酎漬けを。前回紹介したオカムラさんのものがおすすめです。またこの時期は春掘りの長芋が絶品です。冬を越した長芋は、水分が抜けて甘みが凝縮。とろろもいいのですが、郷土料理のニラの挟みおやきや海老しんじょやお好み焼きにすると絶品です。とろろにオクラ、納豆、メカブとろろ、ヤブカンゾウ、ノビル、卵などを混ぜたネバネバ丼が大好きです。体にもいいですね。
私のオリジナルレシピ>ニラのおやき

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
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川中島の戦いで上杉謙信が陣城を作った妻女山陣場平の貝母(編笠百合)の開花情報(妻女山里山通信)

2019-04-12 | アウトドア・ネイチャーフォト
 数輪開花した貝母ですが、その後どうなっているだろうと行ってみました。途中で天城山(てしろやま)まで登ったという男性と、貝母を見に来ましたという地元のご夫婦と邂逅。

 ここのところの冷え込みで開花はほとんど進んでいませんでした、ただ、蕾がほとんど下を向いているので、週末に気温が上がるので一斉に開花が始まると思います。後から登ってきたご夫婦に貝母の話や、この山の生態系の話、北東の角にある菱形基線測点の話などをしました。

 日当たりの良い場所から開花し始めています。4月の茶花なので、茶道を嗜む女性にはお馴染みです。俯いて咲く慎ましやかさが人気の秘密です。昔は全国各地に栽培地があったようですが、現在はほとんど残っていないようです。これだけの群生地は極めて貴重といえるでしょう。

 葉の先がクルッと丸まっているのも可愛らしい。隣の茎に巻き付いてお互いを繋ぎ、この時期に発生する爆弾低気圧の強風から身を守っています。満開になるのは来週の中頃からと思います。カスミザクラやオオヤマザクラも咲き出すでしょう。ルリタテハやヒオドシチョウの舞う姿も見られるかもしれません。

 左奥が2009年に私がものすごい藪の中で発見した場所です。四畳半ぐらいの群生でした。そのまま放置したら数年で絶滅していたと思います。そこから許可を得て藪を開き、仲間も加わって妻女山里山デザイン・プロジェクトを立ち上げ保護活動を初めて、ここまで増えました。写真左にはヨシやノイバラの群生地ができてしまったのですが、除去し貝母の球根や種を蒔きました。そこにも貝母が生えてきました。数年後には群生地が現在の二倍ぐらいになるのではと考えています。薬草ですが、かなり強い毒草なので持ち帰らないようにお願いしています。

 21日の松代夢空間のハイキングでもご案内する古代科野国の堂平大塚古墳のある堂平。今は亡き山仲間のKさんのログハウスがあります。横には古墳時代末期の横穴式古墳があります。私有地で立ち入り禁止とありますが、古墳見学だけなら大丈夫です。もし持ち主の方がいたら古墳を見学させてくださいとお願いしてください。ここからは眼下に千曲川と、その向こうに北アルプスの仁科三山(爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳)が望めます。紅梅が満開ですが、ログハウス後ろの枝垂れ桜も21日には満開になると思います。
 明日は、満開の千曲市森の杏を撮影に行こうと思います。

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
松城夢空間ホームページ
GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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信州千曲市あんずの里。あんずが見頃、全てが満開になるのは13日の土曜日。明日は雪?(妻女山里山通信)

2019-04-09 | アウトドア・ネイチャーフォト

 拙書でも載せているカット。里山の原風景が広がります。黄色い花はレンギョウ。ご婦人が土筆を摘んでいました。すぐ下にヤブカンゾウがあるので教えてあげました。春の山菜です。

 在来種のあんずの花。在来種も色々な花があり、色もバリエーションがあります。現在はピンク色が主流ですが、高校時代に教室から見たあんずの里は、コーラルピンクでした。大きなキャンバスを持っていって油絵を描いたものです。

 樹齢200年以上と伝わるあんずの古木。「森のアンズは、天和年間(1681~1683年)元禄時代、伊予宇和島藩主伊達宗利侯の息女豊姫が、松代藩主真田幸道侯に興し入れの際、故郷の春を忘れじとして国許よりアンズの苗木を取り寄せ、松代東条地区に植え付けたのが始まりとされるが、それ以前にもあった可能性はある。安永年間(1772~1780年)松代藩は、森村・倉科村・生萱村・石川村などへ苗木を配布し、栽培を奨励した」と伝わっています。

 スバル乗りなもので、毎年気になって撮影してしまいます。暗い里山(五一山脈)を背景に、杏の花が萌え立ちます。

 諏訪立川流の天才、和四郎富昌作の「子持ち竜」の木彫がある興正寺山門と枝垂れ桜。

「子持ち竜」。和四郎富昌は八幡の武水別神社の再建中でした。そこで、森出身の弟子・宮尾八百重を案内役に住職、世話人、名主らが建築現場に赴き建築を依頼。引き受けた富昌は三月頃から、父富棟が寛政二年(1789)に建築した善光寺大勧進の表御門形式を参考に絵図面を制作。四月には八百重の家に投宿し近くの薬師山に登って酒宴を催し、満開の杏花を愛でたといわれています。夜は篝火の下で鼓を鳴らし謡曲の「鞍馬天狗」を吟じ、見事な龍を描き上げ、村人や近郷近在の話題をさらい、村では日本一の宮大工が来たと喜んだそうです。興正寺は、浄土宗西京大谷知恩院の末派で、創立年は不詳。

 神龍山禅透院の鐘楼と鮮やかな在来種のあんずの花と黄色いサンシュユ(山茱萸)の花。禅透院は、曹洞宗佐久郡前山村貞祥寺末派で、弘治元年(1555)創建。

 禅透院の上からの眺め。昔は、民家の屋根がほとんど藁葺きでしたね。その頃のカラー写真は残っていないでしょうか。見たいですね。黒い瓦屋根とはコントラストが強くメリハリがありますが、藁葺き屋根は黄土色や茶色なのでもっと柔らかい風景だった記憶があります。

(左)禅透院の鐘楼と在来種のあんず。(右)あんずの里おもてなし食堂で「おしぼりうどん」を。辛味大根の絞り汁に味噌をといていただきます。信州でも旧埴科郡と更級郡でしかいただけない伝統食です。汁は辛くて甘い。それを「あまもっくら」といいます。他には野菜たっぷりの「おにかけ」もあります。野沢菜漬けと沢庵がつきます。両方共500円です。ほかにおやきとかもあり、おすすめです。

 あんずの花越しに見る飯縄山。飯縄神社の祭神は、白狐に乗った烏天狗。有名な東京の高尾山の薬王院の祭神でもあります。鎌倉の建長寺の裏山にも烏天狗が。失われた古代ユダヤ人説。徐福伝説も。明日は雪とか。上雪なので、北信より中信、南信の方が積雪が多そうです。スタッドレスから夏タイヤに履き替えてしまった人も多いでしょう。かく言う私もそうなのですが、出かけなければいけません。地温が高いので幹線道路は積雪はないと予想します。信州の春は、梅、杏、ソメイヨシノ、レンギョウ、菜の花、カスミザクラ、オオヤマザクラ、ズミ、クサボケ、リンゴと咲き乱れ、あっという間に駆け足で過ぎていきます。

 最後は、地元の受験生には有名なんですが、訪れる人もいない少し外れの岡地天満宮へ。菅原道真に関する重要な品があります。花は紅梅です。ここで、母の実家の従兄弟二人と娘さんと3歳の可愛い孫の女の子に邂逅。しばし歓談。その後、寒風で冷えた体を温めに、戸倉上山田の万葉超音波温泉に向かいました。
菅原道真の木像と、法華経妙荘蔵王品一基が所蔵されるあんずの里の岡地天満宮(妻女山里山通信)

(左)上から三つ目の杏の古木を少し登ると、オカムラさんのテントがあります。そこで買い求めた左は姫杏の焼酎漬け。農薬散布をするので普通は作れません、これは希少です。右は天日干しの干し杏とあんず焼酎。干し杏は天日干しに限ります。あんず焼酎は、アルコール分少なめで甘いので、更に焼酎や炭酸かお湯を足して飲むのがおすすめです。(右)妻女山陣場平の貝母(編笠百合)の開花状況です。ポツポツと開花し始めました。今週末から来週末が見頃です。これほどの群生地は、全国でも稀。本当に希少です。妻女山里山デザイン・プロジェクトの仲間と保全活動をしています。ぜひおいでください。4月の茶花でもあり、その慎ましやかな群生は誰もが心を打たれるでしょう。薬草畑の名残ですが、死亡することもある毒草です。愛でるだけにしてください。妻女山駐車場の奥に登山ノートと地図があります。もちろん拙書でも詳しく紹介しています。下山後は、拙書の販売もします。1700円で、書店で買うより少しお得です。希望があればサインもさせていただきます。
 土曜日にもう一度撮影と取材に行く予定です。寒の戻りで花も一番上まで満開になるでしょう。期待しています。

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
松城夢空間ホームページ
GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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妻女山陣場平の希少な貝母(編笠百合)が開花。見頃は13〜21日ごろ(妻女山里山通信)

2019-04-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山の陣場平の貝母(編笠百合)の群生地へ開花状況を観に行きました。蕾は下を向き始めました。暖かい日が続けば、今週末には見頃になるでしょう。

 上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたという陣場平の貝母です。あちこち探すと、日当たりの良い場所の貝母が二輪咲き始めているのを見つけました。昔は、全国各地に貝母の薬草畑があったようですが、ほとんど絶滅したようです。こんなに大きな群生地はここだけかもしれません。

 4月の茶花なので、茶道を嗜む女性にはお馴染みの花だと思います。下を向いて咲く慎ましい花ですが、これだけの群生が一気に満開になると、それは見事なお花畑になります。

 2009年のゴールデンウィークに偶然に発見したときには、ひどい藪の中に四畳半ほどの小さな群生地があるだけでした。許可を得てひとりで藪を切り払い、後に仲間が加わって保護活動を始めました。もっとも大変だったのは、切り開いたところにはびこったヨシとノイバラを除去することでした。
 貝母は、スプリング・エフェメラル。春の妖精といわれる薬草でありかなり強い毒草です。花後の種は東風に乗り西へ西へと増えていき、落葉松林の中まで群生地は広がってきました。ヨシとノイバラを除去したところには、種や球根を蒔いたのですが、それも発芽しました。数年後には群生地も二倍ぐらいになっているでしょう。

(左)咲き始めた貝母。(中)妻女山駐車場から20〜30分ぐらいで陣場平。(右)微かな踏み跡をたどって落葉松林の向こうへ。そこに貝母の群生地が現れます。そこへ信大生のカップルが。群生地に案内した後で、堂平大塚古墳へ。

(左)堂平大塚古墳。横穴式で古墳時代後期のものです。(右)その横にある今はなき山仲間のK氏のログハウスに案内しました。斎場山や会津比売神社の御由緒、古代科野国などの話をしました。やはり知的レベルの高い学生なので、非常に興味を持って聞いてくれました。ついでに拙書の宣伝も(笑)。紅梅が鮮やかです。

 その紅梅で吸蜜するナミホシヒラタアブ。ネオニコチノイド農薬が空中散布されると、ハチやハナアブは絶滅し、受粉ができなくなり生態系が著しく破壊されます。ラウンドアップや草退治などは絶対に使ってはいけません。水溶性なので洗っても落ちません。
ネオニコチノイド剤の使用が増え始めた2006年頃から、農薬散布時に自覚症状を訴える患者が増加。中毒患者には、神経への毒性とみられる動悸、手の震え、物忘れ、うつ焦燥感等のほか、免疫系の異常によると考えられる喘息・じんましんなどのアレルギー性疾患、皮膚真菌症・風邪がこじれるなどの症状も多くみられます。日本では、果物の摂食、次いで茶飲料の摂取、農薬散布などの環境曝露と野菜からの摂取も多い。受診した患者では、果物やお茶の大量摂取群に頻脈が見られ、治療の一環で摂取を中止させると頻脈が消失します。(東京女子医科大学東医療センター麻酔科医師 平久美子氏)
 ネオニコチノイド系農薬の人体への影響として、空中散布や残留した食品の多量摂取による心機能不全や異常な興奮、衝動性、記憶障害など、急性ニコチン中毒に似た症状が報告されています。
また、ネオニコチノイド系は胎盤を通過して脳にも移行しやすいことから、胎児・小児などの脳の機能の発達を阻害する可能性が懸念されます。(東京都神経科学総合研究所 黒田洋一郎氏):ダイオキシン国際会議ニュースレターより抜粋

(左)ナズナ(薺)。アブラナ科ナズナ属の越年草。ムギ栽培の伝来と共に日本に渡来した史前帰化植物といわれています。別名は、ペンペングサ、シャミセングサ。春の七草のひとつ。(中)ヒメオドリコソウ(姫踊り子草)。(右)ホトケノザ(仏座)。いずれも春を彩るシソ科の野草です。

 堂平大塚古墳から観る千曲川と鹿島槍ヶ岳。河川敷のドロヤナギが青々としてきました。梅、杏、ソメイヨシノ、レンギョウ、カスミザクラ、オオヤマザクラ、ユキヤナギ、ウワミズザクラ、マルバアオダモ、リンゴと信州の春は、猛スピードで咲き乱れていきます。

(左)陣場平の下のギャップに咲くサンシュユ(山茱萸)。(中)ニワトコ(接骨木)。(右)ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)。ダンコウバイも見られました。

 妻女山展望台からの善光寺平の眺め。左に戸隠連峰と戸隠富士と呼ばれる高妻山。右に拙書でも紹介の飯縄山。飯縄神社の祭神は白狐に乗った烏天狗。高尾山薬王院の祭神でもあります。烏天狗は、古代ユダヤ人という説も。
 長芋畑は収穫が終わり、春風が吹くと砂嵐が舞い上がります。手前のソメイヨシノの蕾もだいぶ膨らんできました。

 近所の畑の角にある杏の花も咲き始めました。千曲市森の杏も今週末には見頃になるでしょう。

4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。私がインタープリターをし、自然や歴史についてお話しながらハイキングをします。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
松城夢空間ホームページ
GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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