モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ゼフィルスを求めて森をさまよった猛暑の一日。国蝶オオムラサキとの邂逅(妻女山里山通信)

2018-06-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 朝から晴天となれば撮影に行かないわけにいきません。最高気温が34度が恐怖でしたが、オオミドリシジミの現場に着くともの凄い湿度。ああ、これは駄目だなと思った通り下に舞い降りて来ません。これでは撮影にならないと森の奥へ行くことにしました。望み薄ですが…。
 むせ返るような高湿度の中を林道を歩いて藪山へ。獣道ぐらいしかないので熟知していないと遭難します。2キロほど彷徨いましたがめぼしいものはありませんでした。諦めて昼食を食べてから少し湿度が下がった明るいギャップへ。

 いました。キマダラセセリ(黄斑せせり蝶)。幼虫の食草は、ススキなどのイネ科の植物、ミヤコザサなど。止まるときの翅の閉じ方が特徴的。地味なセセリチョウの中では、ひときわ派手なチョウです。セセリチョウ科セセリチョウ亜科。

 葉の上に止まったアカシジミと思ったら翅の色が薄い。文様の特徴などを調べたら、どうもキタアカシジミ(カシワアカシジミ)っぽい。以前近くで撮影したアカシジミと比べても、その差は歴然としています。アカシジミ(赤小灰蝶:Japonica lutea)。シジミチョウ科ミドリシジミ亜科。幼虫の食樹は、コナラ、クヌギ、カシワなどで、新芽を好んで食べます。カシワアカシジミといわれる所以でしょう。

 ツバメシジミ(燕小灰蝶)。シジミチョウ科ヒメシジミ亜科。食草はマメ科の植物。メスは翅の表面の色が青から茶褐色まで変異がありますが、これは茶褐色だったのでメスですね。ちょこまか動くので撮影が大変でした。葉の上に止まったときに、にじにじと回転するのはどういう理由があるのでしょう。

(左)開張したツバメシジミのメス。(右)ルリシジミ(瑠璃小灰蝶:Celastrina argiolus Linnaeus)シジミチョウ科ルリシジミ属。幼虫の食草はマメ科、バラ科、ミズキ科、タデ科、ミカン科などの花。食草の種類が多いためか、北信濃では比較的よく見られるシジミチョウです。ヤマトシジミと似ていますが、後翅の斑紋の違いや濃さ、目の色がルリシジミは黒、ヤマトシジミは灰褐色などで分かります。飛翔の際の大きなオスの瑠璃色の羽はとても美しく見応えがあります。

(左)ミナミヒメヒラタアブ(南姫平田虻:Sphaerophoria indiana)のオス。体長は10ミリもありません。以前メスを抱えて飛行しながら交尾する様を撮影したことがあります。下のリンクは、その記事。キタヒメヒラタアブはロシアまで。
ネオニコの空中散布のない長野市茶臼山は昆虫の天国(妻女山里山通信):2015年7月の記事です。リンク記事も必読です。虫の次に滅びるのは人間です。
(右)ホソヒラタアブ(細平田虻:Episyrphus balteatus ) 双翅目 ハナアブ科。複眼がくっついているのでオス。体長は9から11ミリ。腹部が平たく、太細の縞模様が特徴。器用にホバリングしながら吸密します。幼虫はアブラムシを食べます。人間にとっては益虫ですが、モンサントのラウンドアップなど、ネオニコチノイド系やグリホサート系の除草剤や殺虫剤を使うと絶滅し、野菜や果樹、野草の受粉ができなくなってしまいます。

(左)ミヤマウグイスカグラの赤い実。食べられますが冷やした方がいいでしょう。(中)ムラサキシキブではなくてコムラサキの花。小さな実がぎっしりとなります。(右)オカトラノオの群生地があちこちで見られます。

(左・中)なんだろうと思いましたがボタンヅルの様です。毒草です。センニンソウと共に初秋の花だと思っていましたが、今頃咲くこともあるのですね。これはもう結実しています。(右)森の中の朽木に粘菌のマメホコリ。拙書のコラムでも3ページに渡って南方熊楠にも触れて書いています。粘菌の写真も多く、人気のエッセイです。

(左)こんな怪しい獣道しかないような、知らなければとても歩けない森を辿ります。(中)十人平(じゅうにんびら)と呼ばれる檜の植林地。イノシシのヌタ場があります。(右)高句麗の渡来人(ツングース系の騎馬民族で馬産を伝えたという)が作ったといわれる積石塚古墳。いくつもありますが、ここに至る道がないため知っている人は僅かです。発汗が凄いので水分を摂りながら歩いたのですが、戻ったときは脱水症状での脚の痙攣が起きてしまいました。こういうときは経験上、水分だけでなく生の味噌が有効です。味噌きゅうりを持参しましょう。

(左)信州も6月29日に梅雨明けした模様。観測史上最速とか。土曜日は朝から撮影に。妻女山松代招魂社へ。19日に羽化は確認していましたが、雨が降らないので地面に下りてきません。前日雨が降ったので招魂社の社殿の左側、左から二枚目の戸の格子にオオムラサキが止まっています。(右)気配を殺してそっと近づくと、雨水が染みたところで吸水していました。すぐ先の道路に水たまりがあり、そこでも吸っていましたがこちらの方がお好みの様です。早朝にしたばかりのイノシシの糞を吸うこともあります。

 なかなかアップを撮らせてくれなかったのですが、粘り強く待ってやっと撮影できました。それ以外の時間は、ただ飛び回っているのを観察するか、どこかに消えてしまったので展望台に訪れた人にガイドしたり。いつ来るか分からない待ち人をひたすら待つだけなのです。今回ここで見られたのはわずか二頭。少ないです。心配です。これはオスですが、まもなくメスが羽化し始めます。多い年は、数十頭の群舞が見られたのですが、なぜ激減したのでしょう。2012年から2015年までの千曲市によるネオニコチノイド系農薬の散布が原因か。一日45000台が通る麓の高速道路と国道の排気ガスによる土壌の酸性化が原因か。赤松だけでなく、ネムノキ、ヤマザクラ、杉や檜も枯れています。

 妻女山展望台からの北東、中野市の高社山方面の展望。光っているのはエム・ウェーブです。エム・ウェーブ自体が光っているのではなく、太陽の光の反射がこの展望台にジャスピンで届いているのです。その右向こうが拙書にも掲載の高社山。さらに右へ志賀高原の山々。
 この日は東京、埼玉、群馬、地元からと歴史マニアが5組訪れました。撮影の合間にガイドをし、拙書やブログも紹介しました。皆さん歴史に対する興味や憧憬が深く、質問もしてくださって有意義な時間を過ごせました。今回は皆さんに長野インター近くの武田信繁の墓がある典厩寺をおすすめしました。ここの歴史館は必見です。おそらく全て本物です。長野市の最高気温は、35.4度の猛暑日。しかし、山の上は風が吹き抜け31度。暑い日は山に行くことをお勧めします。
武田典厩信繁の墓と全国随一の大きさの閻魔大王像がある典厩寺探訪(妻女山里山通信):お勧めです。展示品の一部を掲載しています。

 後日、買い物帰りに陣場平へ寄りましたが、ウラナミアカシジミを一頭見ただけ。空梅雨で梅雨明けが異常に早かったため、梅雨中にはなんとか出ていた樹液も出なくなりました。昆虫が異常に少ない。オオスズメバチもカブトムシもいません。オオムラサキも数えるほど。ミヤマフキバッタもほとんど見られません。花も例年ならオカトラノオの青海波の様な群生があちこちで見られるのですが、花穂が小さい。今後どうなるのか気がかりです。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。


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森の宝石オオミドリシジミの復活。あんずの収穫の季節。オオムラサキ初見(妻女山里山通信)

2018-06-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 先日の晴れた日の午前中に、ひょっとしたらオオミドリシジミかという一頭が高速で舞い去るのを見ました。復活したかという期待を持って、後日梅雨晴れの朝に妻女山奥へと撮影に向かいました。2012年から千曲市は。松枯れ病の空中散布の農薬をネオニコチノイド系のエコワン3フロアブルに変更しました。そして、当ブログを読まれている方はご存知でしょう。4年目の2015年7月には、空中散布した千曲市側の山の昆虫が絶滅しました。
 多方面からの働きかけにより、2016年から中止になりましたが、昨年も大量復活とはなりませんでした。そこで今回のオオミドリシジミの復活です。絶滅から6年、散布中止から3年かかりました。しかし、10数種類いたゼフィルスのすべてが復活したわけではありません。
ネオニコの空中散布のない長野市側は昆虫の天国。千曲市側は死の山(妻女山里山通信):2015年7月の記事です。リンク記事も必読です。虫の次は人間です。

 オオミドリシジミ(大緑小灰蝶:Favonius orientalis)は、チョウ目シジミチョウ科ミドリシジミ亜科に属するチョウ。オスの翅は、青緑に輝き非常に美しい蝶です。メスの翅は灰褐色。幼虫の食樹はブナ科のコナラ・クヌギ・ナラガシワ・カシワ・ミズナラなど。
 朝8時過ぎに以前たくさん見られた場所へ行くと、日当たりの良い小さなギャップにオオミドリシジミの大群がいました。大量のオスが高速で追いかけごっこをしたり円を描いてクルクル回ったりしています。いわゆるテリトリーの占有行動で、縄張り争い。疲れると日当たりの良い葉の上に止まります。シジミチョウの多くは、この時期に羽化して産卵するため、農薬散布をすると簡単に絶滅してしまうのです。同時期に林道脇などの除草もされますが、食草であるイボタノキやコナラやヤマザクラ、カシワの幼木や若木が切られると、大量の卵が死んでしまいます。行政はこういうことにあまりにも無知です。

(左)翅の裏は淡い灰褐色で白い線があり、後翅にはオレンジ色の文様が見えます。(右)羽化してけっこう時間がたった個体かと思われます。

(左)逆光に透ける翅。(右)完全に開張するかなと思ったら、別のオスに体当りされ飛び立ちました。テリトリーの争いは、10時半にはピタッと止みました。6年ぶりに見たオオミドリシジミの群舞は本当に感動的でした。

(左)そこで陣場平へ戻ると、ミズイロオナガシジミを発見。ミズイロオナガシジミ(水色尾長小灰蝶: Antigius attilia)。アゲハチョウ上科シジミチョウ科。翅の表は灰白色で、裏側が薄っすらと青みを帯びる白色。幼虫の食草は、クヌギ、コナラ、ミズナラ、カシワなど。(右)そのすぐ右下に5ミリぐらいの小さな羽虫が。ハエの仲間だろうなと帰って調べると、ニセアシナガキンバエではないかと。アブに近い仲間で、アブラムシを食べる肉食昆虫。たまたまミズイロオナガシジミの近くにいたので目に止まりましたが、普通は見えないほど小さな昆虫です。

 昼は堂平大塚古墳のあるログハウスへ。ちょうど生萱のSさんが来ました。今は亡きKさんが、このログハウスを建てる頃に何度か訪れたそうです。今回は妻女山(斎場山)を案内して欲しいと言われたので下見に来たそうです。ではと拙書を見せると、歴史も書いてあるし地図もあるしこれはいいわ買いますと。平安堂書店を紹介しました。

(左・中)そのSさんが、ログハウス建てる工事中に地中から戸隠鬼女伝説のことを書いた石碑が見つかったけど、まだどこかにあるかなと。探したのですが見当たりませんでした。代わりに見つけたのがこの石碑。判読が困難なのですが、「天宮大穴郷堂平(あめのみやおおなごうどうだいら)」とか「勅令(天皇が発した法的効力のある命令)」とか書いてあるようです。勅令とか、実はとんでもない貴重な石碑かもしれません。今度Kさんの弟さんの許可を得て拓本をとってみたいですね。(右上)小さな実をたくさんつけたヤマウルシ。(右下)結実したクマノミズキ。

 下って妻女山展望台から松代方面の眺め。ずいぶんと緑が濃くなってきました。梅雨の晴れ間で根子岳と四阿山も見えます。用事で松代城近くへ行ったのですが、大勢の観光客が訪れていました。

 温泉の帰りにあんずの里へ。収穫も始まっていますが、まだ完熟にはなっていない木も多く見られました。森のJAの売店で朝採りの大きなあんずが買えます。昨年は焼酎漬けにしましたが、今年は干しあんずを作ろうと思います。ブランデーやウィスキーに漬けたり、昔ながらの紫蘇巻あんずにしたり、タルトやジャムもいいですね。

 限られた時間とシャッターチャンスで満足できるカットを撮影するのは難しいのです。気まぐれな自然が相手ですからね。ということで後日の晴れの日に再び撮影にでかけました。テリトリーの争いは、前回の小さなギャップから周辺の森にまで広がっていました。
 バトルの途中で一休み。けっこう翅が傷んでいます。

 翅の表の色は鱗粉の色ではなく、オオムラサキと同様に構造色なんですが、けっこう乱れています。触覚の縞々と先っぽの灯りがついたようなオレンジがキュート。

 前述したように翅そのものが持つ色ではなく、光の干渉による構造色なので、見る角度によって色が変わります。眼がキュートですね。黒い線は偽瞳孔でしょうか。11時頃に占有行動が終了したので堂平大塚古墳のログハウスへ。ここでまったりとランチ。

(左)スジボソヤマキチョウかヤマキチョウか迷いますが、前翅の尖り具合からスジボソヤマキチョウ(筋細山黄蝶)かと。また翅の黄色が濃いことからオスと同定したのですがどうでしょう。アゲハチョウ上科シロチョウ科ヤマキチョウ属。(右)今季初見の国蝶オオムラサキのオス。なんとカラスの死骸の羽に前日降って染み込んだ雨水を吸っていました。樹液が出ないときは、早朝にしたイノシシの糞を吸うこともあります。塩分が欲しくて撮影している私の指に止まることもあります。

 全く撮影させてくれないクモガタヒョウモンとテングチョウとルリタテハを諦めてイノシシのヌタ場へ。もう大きな個体はいないと思ったのですが、私の手ぐらいの足跡があって驚きました。周りの木に泥が塗りつけられていますが、これを辿っていくと彼らの塒(ねぐら)に辿り着けるかも。

 妻女山展望台へ戻りました。最高気温が29.5度と暑い日ですが湿度が低く不快ではありません。しかし、この気温差に体がついていきません。奥に北アルプスの白馬三山。右手前に神話の山・虫倉山。その左手前に茶臼山。中腹に自然植物園とレッサーパンダで有名な動物園があります。尾根や中腹にも家が見られますが、ここは古代科野国の時代から朝廷の人々や渡来人が住んだ地なのです。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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ウラゴマダラシジミ初見と琥珀の赤ちゃんと白馬三山の夕影(妻女山里山通信)

2018-06-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年の梅雨は陽性なんですかね。雨量は少なめで気温は平年並みかやや高め。ぐずついた雨や曇りの後で晴れたので、陣場平へ帰化植物の様子を見に行きました。平地の気温はぐんぐん上がって25度でしたが、陣場平は22度。爽涼な風も少し吹いて快適でした。妻女山松代招魂社の前に車で行くと、ノスリの子供が小鳥を襲う最中。邪魔してしまいました。脇のヤマザクラに止まったので撮影したかったのですが、すぐに飛び立ってしまいました。
 陣場平へ車で登るとシジュウカラが先を飛んで道案内。キセキレイやヤマガラ、メジロなどもします。よく見ると先で虫をついばんでいます。車が来る振動で出てくる虫を食べているのでしょう。畑で耕耘をしているときも虫を求めて寄ってきます。実は道案内をしているわけではないのですが、可愛いです。

(左)陣場平へ行く前に、山椒の群生地で縮緬山椒にするために実を採りました。赤く色づき始めたのもあり、今季最後の採取です。陣場平は日差しが強くハレーションが起きるほどのコントラスト。クロメマトイが五月蝿いのでタオルを振り回しながら、出始めたハルジオンやオオブタクサを抜き取りました。下からおばさんが一人蕗を採りながら登ってきました。蕗もそろそろ終わりです。(右)昼は今は亡き友人のログハウスへ。仁科三山の鹿島槍ヶ岳は雲の中。左は爺ヶ岳。千曲川は少し増水し色も茶色く濁っています。手作りの弁当と淹れてきたマテ茶でまったりと昼食。クモガタヒョウモンやテングチョウが舞い、ゆっくりと時が流れていきます。

(左・右)ログハウスにある杉の中に樹脂が出ているものを発見。この中に昆虫が閉じ込められ、長い年月をかけて石化すると宝石の琥珀になるわけです。琥珀になれる確率はほとんどないでしょうが、琥珀の赤ちゃんともいえる樹脂です。しかし美しい。

(左)ヤブヘビイチゴの真っ赤な実があちこちに。無毒ですが、無味で美味しくはありません。ただ、熱や咳、喉の痛みや痔などに効く薬草です。抗がん活性作用もあるそうです。似ているヘビイチゴの実は艶がなく淡い色です。以前作った句。
「蟒蛇(うわばみ)の 喰う様可笑し 蛇苺」 林風
 蛇は食べませんけどね。
(右)ヤブヘビイチゴの花。ミツバツチグリ、キジムシロなど、春に咲くバラ科の黄色い花は似たものが多く、同定に苦慮します。

(左)カメムシとはすぐ分かりますが、特徴的な色や文様がないと結構同定が難しい。これはオオヘリカメムシかな。フキ、アザミ、モミジイチゴ、キジムシロなどの汁を吸います。頭部にタカラダニがついていますね。カメムシの駆除に、ネオニコチノイド系の農薬や殺虫剤を絶対に使ってはいけません。(右)コナラの大木から樹液が出始めました。ヒメスズメバチが来ました。その前には結構凶暴なチャイロスズメバチも。7月に入ると、オオムラサキやカブトムシ、アオカナブンなども訪れ、樹液バーは賑やかになります。

 用事があるので下ろうとすると、ウラゴマダラシジミを発見。今年の初見です。縞々の触覚と脚が可愛い。ゼフィルスの中では、やや大型の部類に入ります。幼虫の食草はイボタ類。成虫はイボタや栗で吸蜜します。今は林道脇などでイボタの白い小花がたくさん咲いています(3つ前の三峯山の記事に写真)。私は一眼レフもハイコンデジのTG-5も望遠マクロではなくマクロで撮影するので、レンズの先端から対象まで10センチとか1センチとかまで寄ります。どう逃げられない様にするかは企業秘密です(笑)。オオスズメバチに10センチとか、もう究極の撮影ですね。でもいいモデルになってくれたときには、撮影後に必ずありがとうねと言います。

 飛ぶのが速くなかなか止まらないので、撮影が難しいのですが、このときは何を探しているのか葉の表や裏を行ったり来たり。翅を開いてくれないかなと念じていたら、なんと開いてくれました。後翅の左右同じところが欠損しています。小さなニホンカナヘビとかに食いちぎられたのでしょうか。オオムラサキも、羽化したての頃は樹液が少ないので、地上に下りてイノシシの糞を吸ったりしますが、そういうときに襲われます。拙書ではコラムでそのことを組写真を載せて書いています。

 妻女山展望台から望む善光寺平と左に戸隠連峰と戸隠富士の別名をもつ高妻山。右に飯綱権現で謙信や信玄の尊崇を集めた飯縄山。間の手前の山は富士ノ塔山。山頂は、武田軍の川中島への侵略に備えた小田切氏の狼煙台ともいわれていますが不詳です。千曲川のヤナギやニセアカシアの緑も濃くなってきました。AC長野パルセイロのホームスタジアムからは、試合の日にはここまでチャントが聞こえてきますが、今日は静かです。

 東の松代城方面の眺め。左に大きな山体の奇妙山。拙書でも載せていますが人気の里山で、山頂は古い山城です。右奥は、菅平高原の上にそびえる根子岳(左)と四阿山(右)。これも拙書で詳しく歴史やコースを載せています。非常に人気が高く、首都圏からの登山者も非常に多い山です。四阿山は真田の山です。山頂には麓の山家神社の奥宮が二つあり、その間には原点となったといわれる小石祠がありますが、気づく人は少ないです。拙書では他では読めない四阿山と真田の歴史や由来を書いています。

 用事を済ませて夕方もう一度展望台を訪れました。茶臼山の左向こうに夕影の白馬三山。左から白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。茶臼山の右奥は、拙書でも載せている神話の山・虫倉山。あそこまでが松代藩の領地でした。神城断層地震で山頂の4割が崩落してしまいました。次に大地震が来たら山頂そのものがなくなってしまうかもしれません。梅雨ですし翌日が雨の予報なので燃えるような夕焼けではありませんが、淡い茜色から青みがかったねずみ色のグラデーションがなんとも美しい夕景色でした。
 ちなみにここは「信州のサンセットポイント100選」のひとつです。また、江戸時代は「川中島八景」のひとつで、「妻女山秋月」といわれました。観月の名所だったのです。ただこの妻女山は、本来の妻女山(斎場山)であったと思われます。当時展望台の場所は地元でも赤坂山と呼んでいましたから。残りの7つは、茶臼山暮雪、猫ヶ瀬落雁、八幡原夕照、勘助塚夜雨、典厩寺晩鐘、海津城晴嵐、千曲川帰帆です。
妻女山暮色、千曲川夕影。晩秋の北信濃。(妻女山里山通信):「川中島八景」の解説

(左)晴れた日曜日に再び帰化植物の除去に陣場平へ。陣場平へ向かう小道から林道を振り返ったところ。天城山から男性が下りてきました。(右)小道から陣場平を見たところ。林道から50mぐらい。第四次川中島合戦のときに上杉謙信が陣小屋を立てた場所と地元で言い伝えられてきたところです。現在は、貝母(編笠百合)の貴重な群生地として、我々妻女山里山デザイン・プロジェクトもメンバーで保全活動をしています。
 下山中に長坂峠で、以前茶臼山で出会った男性に邂逅。拙書を買ってくれたそうです。天城山林道から雨宮に下るコースを勧めました。楽しんでもらえたでしょうか。駐車場に下ると四駆に乗った小さな男の子を連れたお父さん。どちらの林道へ行こうか迷っていたようなので拙書を見せて説明。左の林道を推薦しました。根子岳に登ったことがあるそうで、拙書にも非常に興味を持ってくれたので、パンフレットを渡しブログも紹介しました。当ブログには、就学前の子供と登る際のノウハウや注意事項をまとめた「キッズ・トレッキングのアドバイス」という人気の記事があります。ぜひお読みください。
「キッズ・トレッキング」のアドバイス。(信州妻女山里山通信)

作業を終えて帰ろうと車に乗るとフロントグラスにカゲロウが。大きな眼が愛らしい。カゲロウは70種ぐらいいて同定は非常に困難です。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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日本最古の神明造りの国宝・仁科神明宮と、七色大カエデとカミツレの咲く大峰高原(妻女山里山通信)

2018-06-13 | 歴史・地理・雑学
 安曇野から善光寺平に戻るのですが、まず大町市にある国宝の仁科神明宮へと向かいました。千国街道(糸魚川街道:147号)を北上し、高瀬川を渡って池田町へ。51号を北上すると、右に仁科神明宮の大きな看板が見えてきます。案内に従って1キロほど登っていくと一の鳥居に着きます。
仁科神明宮 公式ホームページ
仁科神明宮|わが国で唯一の国宝の神明造の建築物|大町市
仁科神明宮(信濃大町だより):神明宮はもちろん、神仏習合の時代の仁科神宮寺についての記述が興味深い
仁科神明宮:wikipedia

(左)一ノ鳥居。笠木の下の貫(横木)が柱を突き抜けていないので伊勢系と分かります。広い駐車場は突き当りの右でトイレもあります。ペット同伴は禁止。(中・右)仁科神明宮の石碑を右に見て入ると左手に御神木の三本杉。中央の杉は、昭和54年に突風で倒れ、切り株が保存されています。また右の杉は参道方向に傾いていて鉄管で支えられていますが、かなり心もとない状態です。

(左)「示」祭神は、天照大神。(中)社叢(しゃそう:鎮守の森)の説明。杉・檜が主で、赤松・栗・小楢・栂・樅など。樹高50mを超える大杉もあるとか。社叢は793mの宮山に向かって逆漏斗状に伸びています。(右)国宝に指定されている本殿と中門(前殿)の説明。

(左)手水舎で口と手を清めます。(中)左を向くと二ノ鳥居。左に社務所(休憩所あり)、右に神苑内の池があります。参道を進み石段を登ると三ノ鳥居。(右)くぐって進むと神門。ひんやりとして厳かな雰囲気に包まれますが、あいにく工事の最中で、ガードする黄色い馬があるのが残念でした。

(左)左手にはたくさんの境内社。諏訪社や加茂社、九頭竜社もあります。(中)参拝の後、神門の右の石段を登ると、元の御神木。すごい巨木です。(右)社殿のご案内。

 日本最古の神明造りの本殿。左に拝殿の屋根が。この地は、土豪の仁科氏が平安時代から戦国時代まで約500年治めたところです。伊勢神宮の御厨(みくりや:神饌※を調理するための館)が、永承3年(1048)、後冷泉天皇の時代に建立された記事があるそうなので、創建もその頃かと思われます。御厨は、また荘園のことも意味します。
※神饌(しんせん)は、神に供える酒食(しゅし)のことで、御饌・御食(みけ)ともいいます。
大御食神社例大祭と日本最古の家系小町谷氏。立川音四郎種清の木彫。光前寺と熱田神社(妻女山里山通信)
 天正10年(1582)仁科氏が滅びてからは、松本藩主小笠原貞慶が治め、創建以来20年毎に伊勢神宮と同様の式年遷宮を行ってきたそうですが、寛永3年(1636)松本藩主・松平直政の式年選宮を最後として、その後は部分修理に移行。そのため、日本最古の神明造りとして国宝に指定されたわけです。
 光背の大杉は、折れる危険性があるのか補修されています。

(左)この位置からだと中門が見られます。中門は、本殿との間をつなぐ釣り門とともに国宝です。(中)左側から見る拝殿と本殿。(右)天満宮の旗。北野社、鹿島社、白山社など。境内社は数えたら16ありましたが、他にもあるかも知れません。明治政府の合祀令で一村一社が定められ、南方熊楠も猛反対しましたが、多くの神社が破壊され生物が豊かだった鎮守の森がたくさん消えました。

(左)神苑内の池。鯉が餌をもらえると思って寄ってきましたが、あいにく持っていません。社務所で、境内社は明治の合祀令で集められたものですかと聞いたら、恐らくそうでしょうと。勾玉のお守りがあったのですが、プラスチックだというので天然石のおみくじを買いました。何種類かありますが選べません。私のは金運・心願成就の虎目石でした。(中)入り口左にある神宮寺の標柱。明治政府による神仏判然令で、廃仏毀釈の愚行がなされるまでは、1000年以上神仏習合の時代が続いたのです。仁科神明宮には、昔は本殿に安置されていたと思われる御正体が16面残っています。伊勢内宮の天照大神の本地仏である大日如来がほとんどで、墨書銘などから鎌倉から室町のものといわれています。(右)駐車場から望む境内。駐車場の南には神明沢。参拝を終えて51号を南下、左折して274号へ。大峰高原へ向かいます。

(左)池田町広津北山自治会とある展望台。ヒカゲツツジで有名な大城と京ヶ倉。拙書でも載せています。(中)西方を見ると常念岳・燕岳・餓鬼岳が望めるそうです。(右)東は聖山から根子岳・四阿山・冠着山・大城・京ヶ倉・巌殿山・御鷹山・王ヶ頭・鉢伏山・高ボッチ山・長峰山などのパノラマが。眼下には犀川と生坂村。晴れの日に来たいですね。近くでホトトギスが許可局許可局と鳴いていました。

(左)274号から左に入って大峰高原へ。カミツレ研究所の横を通って登っていくとカミツレ(加密列:カモミール)の大きな畑がありました。ちょうど花期で、辺り一面にいい香りが充満していました。(中)七色大カエデ。紅葉の時期には4万人も訪れるそうです。(右)そして、生坂村の19号に下りるべく274号を下ったのですが、これがとんでもない山道でした。初めは200mすれ違い困難とかがたくさん現れ、その後500mが3回、600mが2回現れました。路面も荒れていて昼なお暗くて点灯が必要な箇所も。しかも途中に小さな集落があるらしく分岐もたくさん。幸い対向車もなく55号に出たときはホッとしました。信州の山道恐るべし。

 55号を下るとほどなく犀川と国道19号が見えてきます。三清路の展望台に登りましたが、手すりは壊れているし、道は泥濘状態で草ぼうぼうだし、展望台はミシミシ音がするし、大変なところでした。しかし、眺めは最高でした。

 三清路公園案内図。公園とありますが、とても公園と呼べる様なところではありません。金戸山(かなとこやま:766.5m)の登山道はよく整備されているようですが…。昔は交通の難所であったことがよく分かります。麻績川を遡って差切峡経由で坂北へ抜ける道は、度々通行止めになるので確認が必要です。

(左)大岡道の駅に寄っておやきを買ってからもどって12号で旧大岡村から麻績村へ。98年の長野冬季オリンピックの開会式に登場し、世界中の人々から熱狂的な歓迎を受けた北アルプス展望所にある芦ノ尻道祖神。麻績村から戸倉上山田へ。万葉温泉に入って帰路につきました。(中)妻女山の長坂峠に寄ると梅雨の花シモツケが咲いていました。MTBに乗った以前にも出会ったことがある男性に邂逅。(右)夕食は篠ノ井の紅日香で地獄辛味噌ラーメンを。辛さは10までありますが4で。味噌スープが非常に美味です。私も仲間と大豆を育て味噌を作っていますが、信州味噌は旨いんです。麹味噌がほとんどで、大豆の旨味だけでなく、麹の甘みと旨味とコクが加わります。ということで信州には美味しい味噌ラーメンの店がたくさんあります。それにしても非常に濃い一日でした。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。


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【信州ワインサミット in 松本 2018】と安曇野の古刹・法蔵寺(妻女山里山通信)

2018-06-11 | 男の料理・グルメ
 松本パルコ南側の花時計公園で開催中の「信州ワインサミット」に行ってきました。約50ワイナリーが参加。140種のワインが提供されていました。開場の11時からずっと大賑わいで、来場者も若い女性や子連れのファミリーから熟年と多彩。フードメニューも充実。ジャズの生演奏もあり非常に和やかなリラックスした雰囲気でした。
公式ホームページ
松本市公式観光情報 新まつもと物語

(左)少し早めに着いたので、春にできた信毎メディアガーデンへ。檜細工師・三浦宏氏の「江戸の町並みジオラマ展」。江戸の長屋の部屋の再現。小物までよく作られています。(中)寿司の屋台。当時の寿司は今の4倍ほどの大きさがありました。(右)会場へ向かう途中で、松本のサイクリストなら知らない人はいない岡田バイシクルへ。店頭に積んであるのは決してゴミではありません。残念ながらこの日はお留守でした。岡田バイシクルの紹介記事

(左)開場したてですが、もうたくさん来場していました。(右)まずは、重めの白ワイン2種。Kidoワイナリーのピノ・グリと、ワイナリーは忘れましたが定番のシャルドネ。つまみは、浜焼き海鮮居酒屋いざなみの白ワイン蒸し牡蠣。合いますねえ。個人的には、ソーセージやアイスバインとザワークラウトやアヒージョやピルピルのタパスをあてにでガッツリ食べてがぶ飲みもいいのですが、真っ昼間の酒はまわりが早いのでほどほどに。

(左)フードブースで、好きな料理を買います。インドネシア料理やラーメンも。(右)重めの赤ワイン2種。アルプスの塩尻カベルネソーヴィニヨン2015と同じくアルプスの塩尻シラー2016。matsumoto Mt.BARUの骨付き子羊ソテー。ちょっとピリ辛のオリーブのペーストとクスクスがつきます。非常に美味で赤ワインとよく合いました。私はグルメ関係の仕事もしていたので、オリジナルレシピ集 MORI MOPRI RECEPIもあるのですが、オッソブッコ(牛すね肉のトマト煮込み)は、重めの赤ワインに合いますね。

(左)エイワ穂高ブルワリーのアルトビール。カラメル麦芽の甘い香りにホップの苦味。コクもあって美味でした。(右)ペールエール。これもホップが効いて切れ味もいいビール。気に入ってお代わりしました。日本のビールは最近ホップの感じられないものが多い中で、こういうビールは貴重です。トラットリア ジアソーレのピザ・マルゲリータ。ビールも香りや味がよく分かる程度の冷え方なので、ピザとの相性も抜群でした。訪れる人もどんどん増えて大盛況でした。

(左)梅雨入り後なのに梅雨明けの様な晴天。子供達は噴水でびしょ濡れでした。(中)酔い覚ましに散歩へ。市街にはこんな水場があちこちに。(右)縄手通りへ。

(左)途中から北へ小路を歩きます。(中)暑さで猫もぐったり。(右)アイビーの絡まる小路を曲がって行くと綺麗な用水が。松本ホテル花月の前に出ます。左へ歩いて喫茶山雅を横目に見ながら縄手通りへ戻りました。

(左)焼鳥佐門でたこ焼きと生ビール。猫はボタンドールといって縄手通りのあるお店のタイの土産物です。車のキーホルダーにつけます。(中)帰りは橋を渡って松本駅へ。70年代にアンノン族に大人気だった珈琲まるも。松本民芸家具の並ぶノスタルジックな店内にはクラシックが流れています。珈琲とのセットがお勧め。(右)後ろは「丸茂旅館」。

(左)松本駅から大糸線に乗って豊科に向かいました。(中)豊科駅。(右)浄土宗 周岳山(しゅうがくさん) 信楽院(しんぎょういん) 法蔵寺へ。山門は長野県宝で、寛政元年(1789)に大隅流宮大工棟梁 伊藤(柴宮)長左衛門の作。代表作としては、私のブログでも紹介した諏訪大社下社春宮幣拝殿や、同じく記事を書いた戸倉町の水上布奈山(みずかみふなやま)神社本殿。
諏訪立川流の諏訪大社秋宮と大隅流の春宮の宮彫探訪(妻女山里山通信)
名宮大工棟梁・大隅流柴宮長左衛門矩重の木彫再訪。必見! 千曲市戸倉の水上布奈山神社(妻女山里山通信)

(左)山門には見事な木彫が。木鼻の鷹ではなくて、これは鳳凰でしょうか。(右)唐獅子。

(左)牡丹。(右)象。

(左)楓の新緑が美しい参道。秋の紅葉は見事でしょう。(中)同じく伊藤長佐衛門矩重の作の鐘楼門。阿吽の仁王像と大きな錫杖が。(右)本堂は明治4年の廃仏毀釈により破壊されました。長いこと復興できずにいましたが、昭和25年から9年の年月をかけて再建されました。御本尊は阿弥陀如来。

(左)本堂にも素晴らしい木彫が。唐獅子と貘(ばく)。目には何か象嵌してありますが、材質までは分かりません。(右)虹梁には左右に龍が。その上には天女。大隅流の流れを汲む宮彫り氏の作と思われますが…。

 本堂から振り返る夕日の逆光に浮かぶ美しいシルエットの鐘楼門。鐘楼は上層にあり、向かって左に階段があります。ここは元々は武田信玄が作らせた城郭だった説があり、館主は成相氏と想定されるとか。慶長16年(1611)に、吉野から法蔵寺が移転したと標柱にありました。
 温泉に入ってテイクアウトの餃子やら私の山菜料理と、ビールとスコッチのティーチャーズでハイボール。安曇野の夜は更けて行きました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。


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千曲市と麻績村に跨る三峯山へ。360度の大展望が魅力だが幼児でも登れる里山(妻女山里山通信)

2018-06-03 | アウトドア・ネイチャーフォト
 拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林では、千曲市側の大池からのコースと、聖湖からのコースを載せていますが、今回は幼児でも登れる後者を登りました。低山ですがほぼ360度の展望は素晴らしく、初心者や年配の方、家族連れにもおすすめです。反対側の、大河ドラマ『風林火山』のロケ地になった大池からのコースも初心者とファミリー向けでおすすめです。

 国道304号を登って聖湖畔へ。見上げる三峯山。登山口は右の電柱の少し右にあります。その左側には広い無料駐車場があります。コースは、広葉樹林や落葉松林のなかをつづら折れで登っていきます。山頂には展望台があります。今回は下る途中で鹿に出会いました。

(左)山頂直下。子供達に大人気のスライダーが見えます。登山口には20分とありますが、17分で登頂。拙書では初心者や年配の方のことを考慮して25分と記しています。普段歩き慣れていれば幼児でも登れます。(中)標高1131mの山頂。善光寺平方面の眺め。(右)北方の眼下には登山口の聖湖。へらぶな釣りで有名な自然湖です。

(左)西方にそびえる聖山。もちろん拙書でも紹介しています。聖山パノラマホテルからのコースは、旧スキー場のゲレンデを登りますが、花も多く魅力があります。左には麻績村の中心部が見えます。(右)南方には冠着山(姨捨山)。拙書では3つのコースを紹介しています。特に戸倉上山田温泉側から登る鳴海新道は、長く時間もかかり厳しいコースですが、経験者にはおすすめです。冠着山の鳥居平登山口までは、聖湖から古峠経由で車で行くことができます。

 善光寺平の眺め。千曲川は、眼下の塩崎で流れを北から東へと変えますが、それがよく分かります。北風が冷たかったの開いていた展望台の中で昼食をとりました。海苔弁に縮緬山椒、山椒味噌、山蕗と身欠き鰊の煮物。全部私の手作りです。

(左)下山すると聖博物館の庭にこんな風景があるのです。昔、麻績村が自衛隊の演習地を誘致しようとした名残とか聞いています。大岡村への別荘地の道は自衛隊が造ったとも。演習場は実現しなかったようですが。(中)ロッキードF-104スターファイター(1954-1975)。軍用機なんですが、機能に徹したフォルムは美しい。それが落とし穴かな。(右)D-51蒸気機関車。通称デコイチ。実際見ると、ああこんなに大きかったのかなあと思いました。

 403号を下って千曲川展望公園からの眺め。手前に千曲川。向こうに五一山脈。中央は有明山。左に一重山。その向こうは、鏡台山から続く戸神山脈の先端になる斎場山の尾根。

(左)下って姨捨駅へ。改装されてずいぶんと綺麗になりました。無人駅なのでホームまで入れます。全国から撮り鉄が訪れます。(中)珍しいスイッチバックの駅なので、線路は前方で行き止まりです。(右)ホーム越しに見る善光寺平。ここからの夜景はおすすめです。当ブログでも紹介していますが、雪の舞う冬景色もいい。

 更に下って四十八枚田(現在は四十三)。右に田毎観音。手前の田んぼは三畳もありません。苗が置いてありますが、もちろん手植えをするのでしょう。大量の化学肥料や農薬を使う大規模農業とは違う、安全で僅かな米を大事にする里人の想いを感じます。

(左)三峯山に登る前に寄った妻女山山系の花など。イボタノキの花。満開のイボタノキは、昆虫たちに大人気で、シジミチョウ、ヒョモンチョウ、コアオハナムグリ、コマルハナバチなどが訪れます。(中)クサフジ。(右)ナワシロイチゴ。

(左)スイカズラ。初めは白花で後に黄色くなります。冬でも葉があるため忍冬(にんどう)の別名もあります。甘い香りで蜜を持ちます。(中)ヤマホタルブクロ。(右)ソメイヨシノのさくらんぼ。虫が食べに来ています。

(左)オオムラサキの食草であるエノキの葉と、エノキハイボフシ。虫コブ(虫えい・ゴール・GALL)といって、フシダニ(ダニ目フシダニ科)の一種によって作られる不規則な形の袋状の虫えいです。体調は0.2ミリ以下のウジ虫状。また、エノキには先の尖ったエノキハトガリタマフシもできることがあります。(中)『夏は来ぬ』の卯の花、ウツギ(空木)の白い花。(右)天女の様なユキノシタの花。

(左)日曜は一反の畑に大豆の播種(はしゅ)作業。味噌を作ります。手前にはブラジル豆のフェジョンプレットも蒔きました。フェジョン・コズィードやフェイジョアーダは、ブラジル人のソウル・フードです。(中)最高気温30度! 日焼け止めと水分補給が欠かせません。飲むサラダといわれるアルゼンチンのマテ茶を持参しました。1日がかりと思った作業は、カッコウの鳴き声をBGMになんと午前11時前に終了。(右)お待ちかねの昼食は、K氏の手作り米の自家製おにぎりと、私が作った縮緬山椒、山蕗と身欠き鰊の煮物、ワラビの煮浸し。あいこ(ミヤマイラクサ)のお浸し。根曲がり竹と淡竹と鯖缶の味噌汁。鯖缶は氏が用意した鯖と塩だけの無添加のもの。地元の厚揚げと信州産コンニャクと天然ムキタケも入っています。
 さて、次は遅い田植えも待っています。陣場平で帰化植物の除去や掛かり木の処理の妻女山里山デザイン・プロジェクトの活動も。昼はパエリアやアヒージョなどをする予定。移動式ピザ窯を作るアイデアも出ました。楽しみです。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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