梅雨の晴れ間に上杉謙信の陣城跡と伝わる陣場平へ。貝母(編笠百合)の群生地に侵入してきたノイバラとヨシの地下茎の除去もほぼ終わりました(左)。樹冠からは、ホイホイホイというサンコウチョウの鳴き声が聞こえます。しかし、実際はクロメマトイが始終まとわりついて五月蝿いこと。貝母のさく果も枯れてきて種もこぼれだしました(中)。来年はヨシの根を除去したところにもたくさん生えてくれるといいのですが。信濃柿(豆柿)も今年は豊作の様です(右)。初見以降、オオムラサキを一頭も見ていないのが気掛かりです。ゼフィルスも見ますが少ないです。やはり昨年の空中散布の影響があるのかも知れません。ネオニコチノイド農薬、グリホサート系農薬は、生物を破滅させます。しかし、世界では規制が進んでいるというのに、政府は新たに規制を緩和するという暴挙に出ました。
そこから車を走らせて茶臼山へ。地滑りで崩壊した南峰の崖(左)。茶臼山山頂へは行かず、山布施の棚田へ。途中でなんと時候坊(ハナイグチ)を発見(中)。10月のキノコが狂い咲き。虫も入っていないので採りました。棚田への途中にあるヤマアジサイが咲き始めていました(右)。
昼は北アルプス展望台でおにぎりを。山布施の集落と青々とした棚田。北アルプスは見えませんでした。長閑な信州の里山の原風景が広がります。この展望台は友人たちが作ったのですが、本当にお気に入りです。晴れていれば白馬三山、仁科三山の北アルプスの絶景が見えます。もちろん拙書でも詳しく紹介しています。旗塚の駐車場から登れば標高差も100mもなく、歩き慣れていれば幼児でも高齢者でも登れます。もう少し北に下ると、反対側の善光寺平が一望できる展望台もあります。
ドクダミの群生地(左)。ドクダミは十薬という極めて優れた民間薬です。葉と花を酢に漬けたものを塗ると水虫が即治ります。また乾燥させてドクダミ茶を作るといいでしょう。効能はこちらを御覧ください。ここではなく、ドクダミ茶を作ろうと庭のドクダミを摘んでいたら地蜂に刺されました。即ポイズンリムーバーで毒抜き。僅かに腫れるだけで済みました。オオスズメバチとキロスズメバチには刺されたことはありませんが。アシナガバチ、ムモンホソアシナガバチ、ジバチには、子供の頃から何度も刺されています。幸いアナフィラキシー・ショックはありませんが、やはりポイズンリムーバーは必携です。拙書でも紹介しています。
ヤマホタルブクロ(中)。妻女山のものは既に咲き終わりました。やはり茶臼山の方が標高も高く遅いのです。山道にウツボグサの群生地があります(右)。
棚田の上から見る虫倉山。この棚田も数年前までは稲が植えられていたのですが、耕作放棄地となってしまいました。水が張られないため、マツモムシなどの水生昆虫はいなくなりました。シオカラトンボやミナミヒメヒラタアブやルリシジミなどは、相変わらず舞っています。
ウリカエデの翼果(左)。ヤマグリの花(中)。たくさんの虫が吸蜜に訪れ、羽音がします。ひっそりと佇む神社(右)。本殿の前に神楽殿があるこの辺りでは珍しい造りです。
帰りに千曲市のあんずの里に寄りました。今年は例年より早く収穫が始まった様です。あちこちの農園で、あんず狩りも始まっています。
集落の道路脇や歩道には落下したあんずがたくさん見られる場所もありました。うちの近所もそうですが、車で出る時に踏み潰さないと走れないところが各所にあります。つぶれたあんずは、甘酸っぱいあんずの実の香りを集落中にふりまきます。並木のあんずは、基本的に収穫されない様なのです。近隣の住民もあんずは腐るほどあるので採りません。もったいないですね。なんとか有効利用を考えて欲しいものです。
信州大実やハーゴットなどの生食用のあんずは実が非常に大きく美味ですが、在来種の酸味がやや強い小振りのものも私は好きです。焼酎漬け、シロップ漬け、紫蘇巻きあんず、干しあんず、アプリコットジャム、あんずエード、あんずワイン、あんずソフト、あんずアイス、あんずタルト、どれも美味です。今回もらったあんずは焼酎漬けにしました。砂糖は入れません。
帰りに撮影した岡地集落の上の有明山。高速道路の上の赤松が排気ガスでやられて全て枯れています。この辺りの松枯れ病の原因は、マツノマダラカミキリではなく排気ガスです。高速道路ができてから酷い松枯れが始まったと、亡くなった伯父も断言していました。
◉この8月11日は、初めての国民の祝日「山の日」となります。それに先立ち、7月の第4日曜日(今年は24日)が「信州山の日」で、色々な行事が行われます。私も関連でお仕事を頂きましたが、写真を使った記事や、講座・講演なども承ります。お気軽にお問い合わせ下さい。
妻女山展望台の南にある大きな駐車場の奥には、清野氏の鞍骨城への地図や、登山ノート、拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』の見本誌とパンフレットなどが置いてあります。お問い合わせやお仕事のお申し込みは、当ブログのメッセージを送るからお願いします。
◉「妻女山の位置と名称について」妻女山と赤坂山と斎場山について。『真田丸』で訪問者が激増中。
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