モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ダンコウバイ咲く春の妻女山里山デザイン・プロジェクトは椎茸の種駒打ち(妻女山里山通信)

2015-03-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今回の妻女山SDPは、昨年春に続いて椎茸のホダ木に種菌を打ち込みました。季節柄色々所要があったり、体調を崩したりして、玉切りと運び出しは私とN氏の二人きりとなりました。ここのところ毎日原稿書きや地図製作、写真の選定などに一日中追われるデスクワークが続いているので、アウトドアの作業はきつかったけれども爽快でした。

 まず、昨年の冬に伐採しておいたコナラとクヌギを、長さ90センチに玉切りします。今回は急斜面の上だったので、切った丸太は転がして林道まで落としました。昨年は一輪車で運んだので大変でしたが、今回は楽でした。軽トラックに載せて山を下ったのが10時過ぎ。ここで、体調不良を訴えていた遅出のK氏が到着。

 ドリルで次々に穴を開けていきます。そして私は種駒を打ち込んで行きます。結構細かい作業です。しかし、昨年の半分の量なので、意外に早く作業は進みました。次に杭に防虫防腐剤を塗って打ち込み、番線で縛り、杉の丸太を乗せ、これも番線でしっかりと結わえます。これで馬の完成。
 昨年の初冬に出始めたものの、冬の寒さで成長が止まっていた椎茸が、ここのところの雨で大きくなり始めました。これは一昨年前に種打ちしたものです。大きなものは傘の直径が、15センチぐらいになっていました。椎茸は駒打ちして2年目から発生し始めます。太いコナラだと10年ぐらいは出続けます。

 穴あけ作業が終わった二人も駒打ちに参加し、作業は順調に終了。ホダ木を横に積み上げてたっぷりと水をかけてブルーシートで覆います。いわゆる地伏せという作業です。たまに乾燥具合を見て水をかけに来ます。そして、梅雨明け頃に開けて、馬に立てかけるわけです。
 ブルーシートの向こうに見える白いビニールが見える丸太の山は、松枯れ病で長野森林組合の人が伐採した赤松です。農薬で燻蒸したものですが、生分解プラスチックを使っているのでしょう。役目が終わると自然に破れて土に戻っていく様です。
 麓には一日35000台が通過する上信越自動車道と、10000台以上が通過する国道403号線があり、その排気ガスで土壌が汚染され、共生関係にある松茸菌が衰退して栄養が不足するのです。つまり正常な共生関係が崩壊するわけです。結果、赤松ももろくなって、腐朽菌やら昆虫にやられ立ち枯れるということの様です。松葉のたまった腐葉土を見ると、昔は松茸の菌糸が5~10センチぐらいの厚さで見えたのですが、今はほとんど見られないものもあります。いくら排気ガスが綺麗になったといっても、一日に45000台以上もの車が吐き出す排気ガスの量は相当なものでしょう。枯れているのは赤松だけではありません。ヤマグリやネムノキ、ヤマグワ、ヤマザクラもあちこちで枯れています。
 この冬は、昨冬の様に豪雪がなかったにもかかわらず、赤松などの倒木が頻発しました。何か異常事態が始まっているのかと案じずにはいられません。今回、海外出張のために途中で帰った蝶の研究家のT氏によると、千曲市と坂城町による松枯れ病のネオニコチノイド系農薬の空中散布は、ゼフィルスの壊滅的な状況を引き起こしていると怒っていました。散布をしない長野市や上田市では、ゼフィルスは普通に見られるそうです。そんな千曲市は、千曲市の自然とか絶滅危惧種とか言って、千曲市の貴重な自然を守ろうとか言っているのですから本当に愚かです。いずれ多動性障害やうつ病、奇形児、発達障害などで市民に影響が出てくるでしょう。坂城町も。
 「松枯れ病とは」再掲
 金沢大学教授山田敏郎さんは、「ネオニコは、毒性が強く分解しにくく、『農薬』というより『農毒』に近い。このまま使い続け、ミツバチがいなくなれば農業だけでなく生態系に大きな影響を与える。ネオニコの危険性を多くの人に知ってもらいたい」と語っているのです。生態系には、もちろん人間も当然含まれます。
 群馬県前橋市で、松枯れ病対策としてネオニコチノイド系殺虫剤が使用されるようになった2003年以降、ネオニコチノイド系殺虫剤が原因と思われる頭痛、吐き気、めまい、物忘れなどの自覚症状や、頻脈・除脈等の心電図異常がみられる患者が急増しています。なんと日本のネオニコチノイド系農薬の残留基準は、欧米よりも緩い基準値(日本は、アメリカの10倍、欧州の100倍近い)。(青山内科小児科医院 青山美子医師)
 ネオニコチノイド剤の使用が増え始めた2006年頃から、農薬散布時に自覚症状を訴える患者が増加。中毒患者には、神経への毒性とみられる動悸、手の震え、物忘れ、うつ焦燥感等のほか、免疫系の異常によると考えられる喘息・じんましんなどのアレルギー性疾患、皮膚真菌症・風邪がこじれるなどの症状も多くみられます。日本では、果物の摂食、次いで茶飲料の摂取、農薬散布などの環境曝露と野菜からの摂取も多い。受診した患者では、果物やお茶の大量摂取群に頻脈が見られ、治療の一環で摂取を中止させると頻脈が消失します。(東京女子医科大学東医療センター麻酔科医師 平久美子氏)
 ネオニコチノイド系農薬の人体への影響として、空中散布や残留した食品の多量摂取による心機能不全や異常な興奮、衝動性、記憶障害など、急性ニコチン中毒に似た症状が報告されています。
また、ネオニコチノイド系は胎盤を通過して脳にも移行しやすいことから、胎児・小児などの脳の機能の発達を阻害する可能性が懸念されます。(東京都神経科学総合研究所 黒田洋一郎氏):ダイオキシン国際会議ニュースレターより抜粋

 
 あとから来たK氏の作業車です。電気工事の道具から、森林作業の道具、農作業の道具まで揃っています。これだけあれば大抵のことはできますね。今回は、チェーンソーと発電機が大活躍しました。

 作業が終わって昼食の用意。今回のメインは、K氏の提案で「海鮮中華おこわ」。アウトドアでやる様な料理じゃありませんね(笑)。案の定、K氏が持ってきたガスコンロでは火力が弱くて火が通りません。そこで、急遽N氏のロケットストーブの出番です。これで一気に炊き上げました。ホタテやカニ、ニンジンにゴボウ、緑色はのらぼう菜。我々が作った椎茸の干椎茸をもどして出汁を取り、隠し味に横浜中華街の中国貿易公司オリジナルのXO醤を入れました。なかなか美味しく出来上がりました。
 他には海鮮好きのN氏が、安全を確かめて買ってきたホタルイカの干物やカワハギの干物、ゲンゲの一夜干しなど。後から駆けつけたK医師の焼き鳥などなどを美味しくいただきました。私は、ジコボウやムキタケを味噌粕汁にして持って行きました。やっと暖かくなったのはいいのですが、スギ花粉が飛び始めて、私やS氏など花粉症の面々にはつらい季節の到来です。

 まだまだ枯葉ばかりの森ですが、黄色いダンコウバイの花が満開です。似た花のアブラチャンは、花柄が長いので区別がつきます。妻女山山系では、もう少し標高の高い所に行かないと自生していません。ダンコウバイの花は綺麗なんですが、葉が大きく株立ちが旺盛で、放っておくと森が暗くなってしまうので、適度に伐採しなければなりません。里では紅梅も咲き始めました。倉科の杉山では、セツブンソウも咲いているのではないでしょうか。暖かくなって蕗の花も開きました。
 ただ、まだ一日の気温差が10度ぐらいです。これが月末から4月に入ると最高気温が上がって、且つ最低気温はあまり上がらず。気温差が一気に20度ぐらいになります。そうすると自律神経失調症に襲われるのです。信州の春は、短く過激なんです。


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春だからハロプロとかさくら学院とかベビメタとかアイドルネタをやってみようか(妻女山里山通信)

2015-03-13 | BABYMETAL・LOVEBITES・XG・宮本佳林・ジャズ・クラシック
 なんでしょうね、この60年代を彷彿させるアメリカン・キャンディ・ポップの米植民地的チープさと懐かしさは、50代以上のおじさん達にはたまらないですね。うたちゃん初々しいなあ。アイドルというのは、そもそも米が自国民の愚民化のために生み出し、それを占領下の日本にも愚民化政策のために応用したものなのですが、日本だって江戸時代は幕府が庶民の不満のガス抜きのために利用した歴史があるのです。世界史においても、時の権力者は芸能人を利用するものなのです。それにしても、あざとくても最高に可愛い。

カントリー・ガールズ『愛おしくってごめんね』(Country Girls [I’m sorry for being so adorable])(Promotion Edit)


 彼女らのフォーメーションダンスは、それは見事ですが、こういうそうではないバリエーションもなかなかいいですね。新メンバーが入って、これからどう変貌するか楽しみです。中学の後輩の羽賀朱音ちゃんもいることですし。新曲のMVは新人の監督作ですが、制服の彼女らは珍しいですね。さくら学院かと思いました。でも、これが普段の彼女たちなんですよね。団地妻といわれるリーダーのフクちゃんなんか、こっちが日常の姿なんでしょうけど、ファンにとっては違和感があるでしょうね。そこがまた新鮮です。一押しは鞘師里保だったりします。彼女のダンスは見惚れます。

モーニング娘。'15『青春小僧が泣いている』(Morning Musume。'15)


 つんくの病状が気がかりですが、ハロプロの新たな時代が始まったようですね。う~む、中西可愛いぞ。

モー娘。'15&カントリー・ガールズ新曲MV公開!夏焼コーデ、中西ヘアアレンジ、Buono!、Berryz武道館 MC:鈴木愛理・森戸知沙希・島村嬉唄【ハロ!ステ#107】


 ℃-ute(キュート)は、さすがレベルが高い。カントリー・ガールズの「恋泥棒」MVは、思わず吹き出すほど可愛い。Berryz舞台裏は泣ける。矢島はとんでもない美人だが、ネジが1本外れている。そこがまたいい。

℃-ute&カントリー・ガールズ新曲MV公開!Berryz舞台裏、矢島ヘアアレンジ MC:工藤遥・浜浦彩乃【ハロ!ステ#108】


 今年は、ユイとモアがさくら学院を卒業で、彼女たちにとっては本当に特別な一年になるでしょう。ユイとモアが子供から大人の女性になりつつある様がいいですね。成長に伴って声も安定してきました。スウは、ますます磨きがかかってきましたね。美しいレイディになりつつあります。彼女たちは。今年は間違いなく世界的に大ブレイクするでしょう。BABYMETALに注目です。

BABYMETAL - Road of Resistance - Trailer


 この曲は、さくら学院の数ある曲の中でも、神曲だと思います。ダンスバージョンもいいのですが、山ガールテイストのMVは、最高の仕上がりじゃないでしょうか。彼岸への扉が森にはある。ただ実際に里山に通い詰めると、認識するのはファンタージーではなく、徹底したリアリズムですが。
 しかもこの曲は、昨年BABYMETALが、レディー・ガガの全米ツアーに帯同して五ヶ所を3000キロのバスの旅をした時の、ユイとモアのさくら学院に対する想いを歌詞にしたものだそうです。そう思って聴くと、また印象が違ったものになります。彼女たちの深いさくら学院愛が伝わって来ますね。

Sakura Gakuin - Heart no Hooch


 いいですね。ここにある種の狂気が入り込むと本物のロックになると思います。しかし、宮澤茉凛はもの凄い美人ですね。あの陰な怪しい透明感がいいです。でも、ジャニス・ジョプリンにならなくてもいいですよ。放射能で首都圏でバタバタ人が死に始めれば、間違いなく狂気は生まれます。実はアイバニーズのギブソンモデル持っているんですが、最近弾いてないなあ。「イクジナシ」いいですね。余裕と遊び心が出てくると、このグループは大化けするかもしれないと思います。

Desert of a moonlit night~月夜の砂漠~ LoVendoЯ


 太陽とシスコムーンのカバーなんですが、完全に彼女たちのものとしていますね。名曲。新曲のフレンチポップステイストの「Ça va ? Ça va ? 」も良曲。一押しはカナトモなんですが、この曲の主人公は高木さゆきちゃんですね。植村と宮崎の二人は歌が上手くなりましたね。まだまだ凄い伸びしろを感じさせるグループです。カリンちゃんがずいぶんと大人っぽくなってきました。楽しみです。

Magic of Love_Juice=Juice


 スマイレージ改めアンジュルムの『大器晩成』もいいですよ。この高揚感。新メンバー加入で間違いなくスケールアップしましたね。私の一押しは中西かななん。あのほんわかな優しさがいいですね。リーダーの美術と仏像は、以外にこのグループの武器になると思います。佐々木莉佳子の深い悲しみを秘めた踊りと歌は心に染み入ります。

アンジュルム『大器晩成』 (ANGERME[A Late Bloomer])


 今やアイドル界の実力ナンバーワンと同業者も認める彼女たち。新曲の『次の角を曲がれ』も秀曲。というか、彼女たちの美しさがマックスですね、このMVは。サビのコーラスも最高です。パリのル・シガールのライブの大盛況も今は昔。更なる躍進へ。矢島舞美さんは、デビューの頃から好きなんですが、nkskがここのところ非常に気になります(笑)。『女性中間管理職』。内容に比して彼女たちの年齢が若すぎる歌ですが、実際こういう状況にある女性は、身につまされる歌でしょうね。面白い歌です。『我武者LIFE』も歌詞はまさに彼女たちの歴史そのものでまさに良曲ですが、ただ印象としては普通かな。
 彼女達をアイドルグループと見るのは、既に時代遅れでしょう。世界にも通じる一流のダンス・ボーカル・ユニットと見るべきです。
℃-ute『次の角を曲がれ』(℃-ute[Turn the Next Corner])


 今は育児に追われているんでしょうね。私の大好きな女性のひとりです。アイドルの範疇に入れておくにはもったいない逸材。竹内まりやが、今の20代の歌手で一番上手いと言ったことも頷ける歌唱力。数あるカバー曲も、全て自分のものにしているところが凄い。あらためてデビュー当時の曲を聴いてみると、つんくはもの凄く難しい曲を彼女に歌わせていることに驚きます。それだけ実力を見抜いていたんでしょう。彼女が15歳でファクトリーライブの大人の観衆を黙らせた『ひこうき雲』は、既に伝説の域ですからね。

松浦亜弥 想いあふれて 「Maniac Live Vol.3」


 アイドルではないですけど、信州のあんずの里が産んだ歌姫。彼女の澄んだ歌声と想い溢れる歌詞は、どこまでも心に沁み入る。京王線や資生堂のコマーシャルでお馴染みですが、同じく信州出身の新海誠監督のアニメ『星を追う子供』は、本当に素晴らしい。そして、同監督の『雲の向こう、約束の場所』は、分裂必至な近未来の日本を暗示しているのかもしれません。大友克洋氏の『AKIRA』と共に、極めて衝撃的なアニメです。福一の放射能汚染は、あなたが考えているより遥かに深刻です。来年分かります。

熊木杏里 - [春隣] MV (DVDRip)

長野電鉄屋代線90年 24.4kmの思い出 ありがとう屋代線 熊木杏里」廃線になり、今は草が茂る夢の跡ですが、これで中学に通いました。思い出が詰まっています。サイクリングロードに生まれ変わる日を心待ちにしています。

 やはりアイドルではないですけど、ピアノ界のジャンヌ・ダルクと呼ばれる彼女。彼女の奏でるリストは本当に大好きです。『展覧会の絵』も必聴。

Liszt - La Campanella ― Alice Sara Ott


 少し前の『岩野村の伊勢講と仏恩講(ぶっとんこう)。戌の満水と廃仏毀釈』の記事を書いた際に、蔵書にあるのを見つけて読み始めたのですが、岩波新書の江戸時代シリーズで、『「おかげまいり」と「ええじゃないか」』藤谷俊雄著。これは面白い本です。江戸時代の人々の熱狂ぶりが伝わってきます。と共に、「ええじゃないか」が結局革命には至らなかった事もよく分かります。民俗学や文化人類学は本当に面白い。
 さて来週は久々の妻女山里山デザイン・プロジェクトの開催です。朝晩はまだ零下まで冷え込む信州ですが、やっと春めいてきて草の芽吹きも始まりました。月末にはセツブンソウも咲くでしょう。里山では、まずダンコウバイの黄色い花が最初に咲きます。そして梅。少し置いて4月に入り、アンズが咲くと、桜、桃、林檎と一気に咲いて、短い信州の春は開業した北陸新幹線の様に、猛スピードで過ぎ去っていきます。

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早春の天空の山城・鞍骨城跡へ。ビニールテープを回収しながら登る(妻女山里山通信)

2015-03-08 | アウトドア・ネイチャーフォト

 毎日の原稿書きでストレスがマックスになったので、週末久しぶりに鞍骨山に登りました。薄日が差すぐらいの天気で、そこそこ寒風もありましたが、鞍骨城跡のある山頂に着くと、風も止み長閑な昼餉を楽しむことができました。

 妻女山の駐車場に車を置き、まず仲間とやっている椎茸のホダ木を見に行きました。冬越しの椎茸が何個か出ています。どんこになりかかっているのもありましたが、まだ大きくなりそうなので放っておくことにして出発。林道を歩いて天城山(てしろやま)は巻き道を使い、二本松峠を越えて笹の道を行くと、大きな赤松の倒木。巻き添えになったヤマザクラの枝を、こんなこともあろうかと持ってきたのこぎりで切って道を開けました。
 進むと、駒留(こまどめ)と呼ばれる最初の深い堀切(左)。少し進むと明るい尾根に出て目指す鞍骨城跡が正面に見えます(中)。そこから尾根を200m位進むと、二条の堀切(右)。ここを越えると城内です。

 尾根の左右に馬場跡ともいわれる幅3、4mの帯状の平地が続いています(左)。残雪のある急斜面をガシガシ登って腰郭へ(中)。結構広い四の郭から本郭を見上げたところ(右)。ここからは南面へ回りこんで登ります。

 南面の大手から山頂へ。倉科のMさんが制作した天空の山城 鞍骨城跡の標柱と、鞍骨山の標柱(左)。本郭の西端から東を見たところ。東端には、少し高い土塁があります(中)。その土塁の上から東端を見たところ。手城砦のあった天城山が見えます(右)。

 昼にする前に、20mほど先にある二つの展望岩へ行ってみました。東の展望岩から見下ろす松代城跡。戦国時代は海津城。手前が松代小学校の校庭で、右に黒い瓦屋根の文武学校が見えます。その手前の山は、上に神社のある離山。城内が丸見えになるために、江戸時代は庶民が登ることを禁じられていました。その右に、象山の尾根の先が見えます。
 松代城跡の右上は、松代中学。世界的アコーディオン奏者のcobaさんと、モーニング娘。15の羽賀朱音ちゃんの母校。ついでに私の母校でもあります。松代駅の線路跡がみんな駐車場になってしまいましたね。ここはお堀だった場所で、復活の計画もあるとか。

 西の展望岩からは、登山口の妻女山が俯瞰できます(左)。右へ目をやると、完成したAC長野パルセイロのホームスタジアムが(中)。この15日に内覧会をやるそうです。試合当日は、ここまで歓声やチャントが聞こえるでしょう。ずっと左へ目をやると、昨年の神城断層の地震で、山頂が4割も崩落してしまった虫倉山が見えます(右)。手前は茶臼山。奇しくも両山とも山頂が崩壊した山です。虫倉山は、現在は登山禁止です(その後、不動滝コースは復旧)。一日も早く復旧して欲しいと願わずにはいられません。歴史ある本当にいい山ですから。
【信州の里山】虫倉山さるすべりコース2 Mt.Mushikura at Nakajo in Nagano 2



 鞍骨山頂からの景色。松代城下が俯瞰できます。Mウェーブが見えますね。明太子に自家製の松前漬けを挟んだおにぎりを食べながら、ボーっとこの風景を見ていました。右下の尾根は、象山です。ヒオドシチョウが舞って来て留まりましたが、活性が高く撮影できませんでした。春は確実に近づいて来ている様です。

 本郭の東端から何段にも重なる腰郭を見下ろしたところ(左)。二の郭から本郭を見上げたところ(中)。二の郭の石垣。綺麗に残っています(右)。

 午後になると結構寒風が酷くなり、下山中に冷えて股関節と膝が痛み出しました。ちょっと薄着過ぎた様です。陣場平へ寄りました(左)。貝母(編笠百合)が枯葉を押しのけて芽吹いていました。咲くのは4月下旬からゴールデン・ウィークにかけて。それは見事です。鮮やかな朱色のキノコ。ヒイロタケかシュタケでしょうか。ちょっと同定できませんね。

 今回、こんなこともあろうかと、スーパーの袋を二つ持参しました。このテーピングを回収するためです。こういう行為は、若い登山者はめったにしません。するのは環境問題に疎い高齢者です。
 テーピングがなぜいけないのか、その理由を説明しましょう。
◉環境破壊
 これらはみなケミカルな化学物質で、本来自然にはないものです。基本的に生分解しません(生分解性プラスチックもある)。ずっと以前に、奥多摩で死んだ鹿を解剖したら、胃の中から大量のすずらんテープやビニールテープが出てきて問題になったことがありました。野生動物が誤食するのです。また、粘着性のテープで巻かれた樹木は、そこから腐敗し枯れることもあります。
◉景観破壊
 山で写真を撮影して帰って見てみると、このテープが写っていて興ざめすることがあります。自然の中でヒラヒラ舞うピンクや金や赤のテープは、興ざめ以外の何物でもありません。山は歌舞伎町やTDLではありません。
◉林業従事者への迷惑
 林業関係者は、生分解性プラスチックテープなどを間伐や除伐の印に使うことがあります。これと混同すると、遭難の危険もありますし、林業関係者にも迷惑をかけることとなります。
 そもそもテーピングに、登山者の明確な共通認識があるわけでもなく、どこの誰が何の目的で付けたか分からないテープを頼りに山を登るなど狂気の沙汰です。実際、昔私も山梨の山でテープを頼りに下山して酷い目に遭ったことがあります。それ以降全く信頼しなくなりました。
 写真を見ても分かるように、既に矢印がある上に付けたり、複数付けたり、こうなるともう親切どころか自己顕示欲以外の何物でもないと分かります。こういう事をする人は、山は登山者だけのためにあるわけではない、ということが分かっていないんでしょう。自分の目印のために巻くのなら、帰りに全部回収すべきです。
               
 山は、本来自己責任で登るものです。地形図とコンパスを持ち、読図力を磨くべきなのです。それができない人は、たとえ里山でも、単独登山やバリエーションルートは、登る資格がないということです。
 加えて、標識やロープの樹木への結び方ですが、これも行政や山の会の人も必ずしも正しく理解していないのが現状です。樹木は思っている以上に早く大きくなります。針金やワイヤーで標識を樹木に巻くと、木が絞め殺されてしまう場合もあるのです。ですから、木が成長するのに合わせて緩むように取り付けなければなりません。
               
 また、標識には、絶対に石油系のペイントを使ってはいけません。7年前に帰郷したときに鏡台山へ登ったら、百瀬の分岐に新しい標識が立っていました。私は匂いを嗅いで、これは1年持たないだろうなと思いました、実際そうなりました。月の輪熊によって破壊されたのです。「猫にマタタビ、熊に石油」という事を、この標識を設置した人達は知らなかったのでしょう。昔、山梨県もそうでした。石油系のペイントを使った標識が、尽く破壊されました。現在は、間伐材を使って樹脂注入したものが共通で使われています。長野県も、各自治体でバラバラに設置しないで、山梨県の様に共通のデザインと素材で作ってくれると登山者も理解しやすいと思うのです。デザインも、ちやんとインフォメーション・デザイン(エンバイロメンタル・グラフィックス)が分かる人に頼みましょう。頼まれれば、私アート・ディレクターやりますけど。

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