関東甲信越地方が梅雨明けしました。しかしこの先の週間予報を見ても傘マークがずらり。天気図を見ても太平洋高気圧がありません。東高西低の様なおかしな気圧配置図。エルニーニョが終息していないのでしょうか。そんなで撮影もままならずストレスが溜まっていましたが、やっと3日ほど日中がそこそこ晴れたので撮影に没頭しました。そして目撃した衝撃のシーン。既に会得したと思っていたリテラシー(読解力)が、いとも簡単にひっくり返されることもあるのです。
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ウバユリが咲き始めました(左・中)。例年なら8月上旬の花なんですが咲き急いでいます。鏡台山や虫倉山で見られる高さ2mもあるオオウバユリに比べると、1.2mから1.5mで小振り。花の色も純白ではなくやや緑がかっています。若葉は山菜ですが、発芽してから開花まで7年もかかるので、私は採りません。
オトコエシを撮影したら、小さなマドガが吸蜜していました。黄色いオミナエシ(女郎花)に対し男郎花といわれます。花瓶に挿した時は、頻繁に水を取り替えないとうんこの臭いがします。
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全く見られなかったミヤマフキバッタが次々続々出てきました(左)。『次々続々』アンジュルム。オオムラサキもそうですが、季節の進行が早いので早い出現かと思ったら遅かったのが以外でした。でも安心しました。この個体は何かに襲われたのでしょうか、左の後ろ脚が欠損しています。でも大丈夫でしょう。
ゴミムシダマシの仲間のキマワリ(中)。成虫は枯れ木やキノコを、幼虫は朽木を餌にします。都市郊外の公園や雑木林でもよく見られます。トゲアリがオオムラサキのオスの翅を運んでいました(右)。このオオムラサキには何があったのでしょう。こんなものも餌になるのですね。ただ手伝ってくれる仲間が現れず(来たのですが帰って行きました)、相当苦労していました。餌としての価値は低いのかも知れません。
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樹形バーに到着(左)。オオムラサキ、オオスズメバチ、チャイロスズメバチ、コガタスズメバチ、アオカナブン、カナブンなどがお客さんです。樹液を吸うのに疲れたのか、オオスズメバチが休んでいました(中)。まぶたがないので、眠っているのかこっちが見えているのか分からないのが不気味。チャイロスズメバチが飛来しました(右)。盛んに後ろ脚を擦りあわせています。何があったのでしょう。キイロスズメバチと共にスズメバチの仲間ではかなり攻撃的な種類です。昨年は群れに襲われて車に避難しましたが、ウィンドウに体当りしガチガチ顎を鳴らしました。
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アオカナブンが吸汁しているところへやってきたオオスズメバチ。頭突きをしたのですが、アオカナブンは取り合いません。見ていると相当苛立っているのが分かります。結局激しく頭突きして落としました。そして、この50分後にその惨劇は起きました。同じ固体かは分かりませんが、胴体の模様を見ると違う個体の様です。
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始めはオオスズメバチがアオカナブンを追い落とそうとしていると思ったのですが、放しません。おかしいなと思いよく見るとどうも捕食しているようです。これには驚きました。樹木バーに来るオオスズメバチは樹液を吸いに来るのです。したがってアオカナブンが邪魔ならば頭突きで追い落とすのが普通です。もちろんオオスズメバチは肉食もします。セミやクモも食べます。色々な昆虫の幼虫も食べます。しかし、樹液がある季節に樹液バーでわざわざアオカナブンを襲って食べるのは初めて見ました。いったい何があったのでしょう。最後は肉団子にして持ち帰って行きました。
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蝶の研究家で昆虫にも詳しい友人も、この写真には驚いていました。上の左のカットで分かりますが、すぐ上では別のアオカナブンが交尾しながら吸汁していました。捕食されているアオカナブンは、頭がなくなっていましたが、脚はピクピク動いていました。捕食する直前の行動が見たかったですね。図鑑では得られない生態。自然の奥深さを感じます。
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ノコギリクワガタのオスが、吸汁中のメスに覆いかぶさって守っています(左)。交尾を終えるとカブトムシの仲間がする習性です。子孫を残すために時にはオスが犠牲になるのです。主な天敵はカラスやタヌキ、アオゲラやヘビなどです。
オオムラサキのオス(中)。翅が色あせていますが、これは翅そのものの色ではなく構造色。縄張り争いなどで構造体が傷むとこの様に色あせてきます。
吸汁中のオオムラサキ(右)。昆虫なのに四本脚に見えるのは、前脚が退化して胸にくっついているからです。
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交尾器のゲリタニアで下のメスを捕獲しようとしているオス(左)。ただ成功することはないようです。飛んでいるメスを追いかけて翅で叩き落としたりもしますが、これも成功しない様です。触覚を擦りあわせてからする通常の求愛行為がやはりもっとも成功する確率が高いのでしょう。普通はメスが受け入れて成立するのですが、オスが拒否する場合もあります。
カブトムシのメスですが、甲が傷だらけです(中)。何に襲われたのでしょうか。鋭い牙で咬まれた様な痕です。ヘビでしょうか。ノコギリクワガタの口のアップ(右)。匂いを感じる触覚と、オレンジのブラシの様なものは小顎で、普段は収納されていますが、これで樹液を舐めるのです。カブトムシの仲間は大きさに個体差がかなりありますが、これは幼虫時代に栄養が豊富だったかどうかで決まる様です。
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アオカナブンの団体さんが樹液バーを占拠していて、オオムラサキは様子見です。木漏れ日の具合が悪い時は、撮影は中止ですが、その間は生態観察をします。席順をめぐってのいざこざやヒエラルキーなど、見飽きません。今回の様にとんでもないことも起きますしね。しかし、オオスズメバチが飛び交う樹木バーは、大変危険なのも事実で、集中力と体力が必要です。そして、マクロ撮影では、撮影中に突然飛び立って顔に激突したり、撮影中に戻ってきて耳元で羽音が聞こえて、瞬時にしゃがんで退散したりと、緊張の連続です。撮影中は息も止めています。もちろん万が一の時のために、ポイズンリムーバーは必携です。
◉この8月11日は、初めての国民の祝日「山の日」となります。それに先立ち、7月の第4日曜日(今年は24日)が「信州山の日」でした。私も関連でお仕事を頂きましたが、写真を使った記事や、講座・講演なども承ります。お気軽にお問い合わせ下さい。
妻女山展望台の南にある大きな駐車場の奥には、清野氏の鞍骨城への地図や、登山ノート、拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』の見本誌とパンフレットなどが置いてあります。お問い合わせやお仕事のお申し込みは、当ブログのメッセージを送るからお願いします。
◉「妻女山の位置と名称について」妻女山と赤坂山と斎場山について。『真田丸』で訪問者が激増中。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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ウバユリが咲き始めました(左・中)。例年なら8月上旬の花なんですが咲き急いでいます。鏡台山や虫倉山で見られる高さ2mもあるオオウバユリに比べると、1.2mから1.5mで小振り。花の色も純白ではなくやや緑がかっています。若葉は山菜ですが、発芽してから開花まで7年もかかるので、私は採りません。
オトコエシを撮影したら、小さなマドガが吸蜜していました。黄色いオミナエシ(女郎花)に対し男郎花といわれます。花瓶に挿した時は、頻繁に水を取り替えないとうんこの臭いがします。
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全く見られなかったミヤマフキバッタが次々続々出てきました(左)。『次々続々』アンジュルム。オオムラサキもそうですが、季節の進行が早いので早い出現かと思ったら遅かったのが以外でした。でも安心しました。この個体は何かに襲われたのでしょうか、左の後ろ脚が欠損しています。でも大丈夫でしょう。
ゴミムシダマシの仲間のキマワリ(中)。成虫は枯れ木やキノコを、幼虫は朽木を餌にします。都市郊外の公園や雑木林でもよく見られます。トゲアリがオオムラサキのオスの翅を運んでいました(右)。このオオムラサキには何があったのでしょう。こんなものも餌になるのですね。ただ手伝ってくれる仲間が現れず(来たのですが帰って行きました)、相当苦労していました。餌としての価値は低いのかも知れません。
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樹形バーに到着(左)。オオムラサキ、オオスズメバチ、チャイロスズメバチ、コガタスズメバチ、アオカナブン、カナブンなどがお客さんです。樹液を吸うのに疲れたのか、オオスズメバチが休んでいました(中)。まぶたがないので、眠っているのかこっちが見えているのか分からないのが不気味。チャイロスズメバチが飛来しました(右)。盛んに後ろ脚を擦りあわせています。何があったのでしょう。キイロスズメバチと共にスズメバチの仲間ではかなり攻撃的な種類です。昨年は群れに襲われて車に避難しましたが、ウィンドウに体当りしガチガチ顎を鳴らしました。
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アオカナブンが吸汁しているところへやってきたオオスズメバチ。頭突きをしたのですが、アオカナブンは取り合いません。見ていると相当苛立っているのが分かります。結局激しく頭突きして落としました。そして、この50分後にその惨劇は起きました。同じ固体かは分かりませんが、胴体の模様を見ると違う個体の様です。
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始めはオオスズメバチがアオカナブンを追い落とそうとしていると思ったのですが、放しません。おかしいなと思いよく見るとどうも捕食しているようです。これには驚きました。樹木バーに来るオオスズメバチは樹液を吸いに来るのです。したがってアオカナブンが邪魔ならば頭突きで追い落とすのが普通です。もちろんオオスズメバチは肉食もします。セミやクモも食べます。色々な昆虫の幼虫も食べます。しかし、樹液がある季節に樹液バーでわざわざアオカナブンを襲って食べるのは初めて見ました。いったい何があったのでしょう。最後は肉団子にして持ち帰って行きました。
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蝶の研究家で昆虫にも詳しい友人も、この写真には驚いていました。上の左のカットで分かりますが、すぐ上では別のアオカナブンが交尾しながら吸汁していました。捕食されているアオカナブンは、頭がなくなっていましたが、脚はピクピク動いていました。捕食する直前の行動が見たかったですね。図鑑では得られない生態。自然の奥深さを感じます。
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ノコギリクワガタのオスが、吸汁中のメスに覆いかぶさって守っています(左)。交尾を終えるとカブトムシの仲間がする習性です。子孫を残すために時にはオスが犠牲になるのです。主な天敵はカラスやタヌキ、アオゲラやヘビなどです。
オオムラサキのオス(中)。翅が色あせていますが、これは翅そのものの色ではなく構造色。縄張り争いなどで構造体が傷むとこの様に色あせてきます。
吸汁中のオオムラサキ(右)。昆虫なのに四本脚に見えるのは、前脚が退化して胸にくっついているからです。
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交尾器のゲリタニアで下のメスを捕獲しようとしているオス(左)。ただ成功することはないようです。飛んでいるメスを追いかけて翅で叩き落としたりもしますが、これも成功しない様です。触覚を擦りあわせてからする通常の求愛行為がやはりもっとも成功する確率が高いのでしょう。普通はメスが受け入れて成立するのですが、オスが拒否する場合もあります。
カブトムシのメスですが、甲が傷だらけです(中)。何に襲われたのでしょうか。鋭い牙で咬まれた様な痕です。ヘビでしょうか。ノコギリクワガタの口のアップ(右)。匂いを感じる触覚と、オレンジのブラシの様なものは小顎で、普段は収納されていますが、これで樹液を舐めるのです。カブトムシの仲間は大きさに個体差がかなりありますが、これは幼虫時代に栄養が豊富だったかどうかで決まる様です。
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アオカナブンの団体さんが樹液バーを占拠していて、オオムラサキは様子見です。木漏れ日の具合が悪い時は、撮影は中止ですが、その間は生態観察をします。席順をめぐってのいざこざやヒエラルキーなど、見飽きません。今回の様にとんでもないことも起きますしね。しかし、オオスズメバチが飛び交う樹木バーは、大変危険なのも事実で、集中力と体力が必要です。そして、マクロ撮影では、撮影中に突然飛び立って顔に激突したり、撮影中に戻ってきて耳元で羽音が聞こえて、瞬時にしゃがんで退散したりと、緊張の連続です。撮影中は息も止めています。もちろん万が一の時のために、ポイズンリムーバーは必携です。
◉この8月11日は、初めての国民の祝日「山の日」となります。それに先立ち、7月の第4日曜日(今年は24日)が「信州山の日」でした。私も関連でお仕事を頂きましたが、写真を使った記事や、講座・講演なども承ります。お気軽にお問い合わせ下さい。
妻女山展望台の南にある大きな駐車場の奥には、清野氏の鞍骨城への地図や、登山ノート、拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』の見本誌とパンフレットなどが置いてあります。お問い合わせやお仕事のお申し込みは、当ブログのメッセージを送るからお願いします。
◉「妻女山の位置と名称について」妻女山と赤坂山と斎場山について。『真田丸』で訪問者が激増中。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
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