御岳山へ友人の家族に会いに行きました。といってもわが家のことですから、青梅線に乗ってケーブルカーで山頂へなんて行き方はしません。
現在の参道は北面の御岳駅ですが、江戸時代は南面の養沢が表参道でした。今でもその時代の石段や石垣が残っていて古道の趣を感じさせてくれます。
しかし、わが家が登ったのは、その古道でもないんです。御岳山から西にキューピー山とも呼ばれる大岳山がありますが、その途中に南に延びるサルギ尾根(高岩尾根)というのがあります。登山道はありません。もちろん標識も。昔からの木こり道が途中まであるだけです。
麓の養沢神社の裏から登るのですが、四つんばいになって登るような急登が何カ所かあり、岩場も適度にあって楽しいコースです。
養沢神社は、日本武尊が東征の折りにこの地で養生したことに由来する神社ですが、旅の神、客人神である「アラハバキ」を奉る神社でもあります。「アラハバキ」については民俗学者の柳田国男氏をはじめ多くの学者が研究をしたためています。興味のある方は、「アラハバキ」で検索してみてください。古代オリエントまで遡るダイナミックな日本の古代史に遭遇するはずです。また、神社には、昭和に寄進された新しい物ではありますが、狛犬ではなく龍の石像がある理由もそこにあると思われます。
今回は、まだ早春とあって花はまだわずかでしたが、四月になるとイワウチワやトウゴクミツバツツジ、シュンラン、スミレなどが咲いて、それはきれいです。なにより登山地図にも載っていないので、誰にも会わずに静かな山歩きができるのが魅力です。
それでもモリモリキッズで何度か紹介したせいかどうかは分からないのですが、以前よりずいぶんと踏み後がハッキリとしてきました。
特に気になったのは、コースを示す目印のために樹木に巻かれた赤いビニールテープの多さです。巻いた人は、他のハイカーが迷わないようにと親切のつもりなのでしょうが、美観を損ねるばかりか樹木にとっても悪影響を及ぼします。10センチ幅にも巻かれたテープの下はカビてしまいます。場合によっては腐朽菌やカビが、その木を枯らしてしまうこともあります。
踏み後はかなりハッキリしていますし、この尾根は枝尾根がないので、二万五千分の一の地形図を持っていれば迷うことはないはずです。テープの誘導が無ければ登れないような人は、そもそもこの尾根を登る資格は無いと思います。山はハイカーのためだけにあるのではないと認識して欲しいですね。
マーキングは分岐や迷いそうなところに最低限に、環境にダメージを与えないように。まだ林業関係者も使っているバイオ分解テープの方がいいと思います。ヤブ山歩きが好きな方には、そういう環境や美観への配慮もお願いしたいところです。
さて山頂では、友人家族と久しぶりに会うことができました。そして以前はいなかった新しい家族がいました。二歳四ヶ月になる女の子です。妻が手作りの小さなトートバックに手作りの桜クッキーとエプロンと私が選んだ絵本とを詰めてプレゼントしました。そのどれもとても喜んでもらえました。
山頂駅の食堂のテレビではちょうど日本-キューバ戦の真っ最中でした。時々戦況を確認に行きながら日溜まりでおしゃべりに興じ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
フォトルポは、後日
モリモリキッズでアップします。お楽しみに。