というわけで知る人ぞ知る「
おしぼりうどん」です。
北信州でも、松代、篠ノ井、千曲市、坂城と非常に限られた地域でしか食べられていない冬の郷土食なのです。
韓国の品種だと本には書いてあります。ねずみというのは、信州の真田十万国、上田の北の坂城町に、実際にそういう地名があるのです。ネズミの形に似ているからでもあります。
写真、左がおしぼりうどんに使うダイコン2種。他のサイトやお店では、左の辛味ダイコン(中之条大根・ねずみ大根)しか使いません。
左の辛味ダイコンは大きいなと思われるでしょうが、これは伝統野菜の地大根です。地大根は、本来辛味がるものなのです。しかも辛味だけでなくかなり甘みもあります。これを「あまもっくら」と表現します。
右が珍しい青ダイコン。別名中国ダイコン(江都青長)は、甘みの大変強いおろし(生食)専門のダイコンです。原産地は中国だそうです。
この2種類のダイコンのブレンドの具合は好みによります。子供は中国ダイコンのみ、私はほとんど辛味ダイコン。妻はその中間という配合です。辛味ダイコンに長ネギを入れたつゆは、むせるほど辛いのです。流通量は多くありませんが、冬の北信州では普通に売られているダイコンです。
で、右がわが家の製麺機です。すごいでしょう。こんなものがあるなんて。これは、埼玉県戸田市の(株)小野機械製造所の製麺機です。長野の吉沢金物店(026-243-1489)で買いました。売り出し時で、タイプにより違いますが20000~30000円します。もちろん手打ちでもいいのですが、わが家はうどんを常食としているので必要なのです。
それと重要なのは小麦粉なんですが、通常は、オレゴン(
柄木田製粉)か、ホームラン(
日穀製粉)を使用しています。ちょっと贅沢にというときは、柄木田製粉の地粉「ゆめせいき」を使います。この粉は美味しいです。
それと幻の小麦粉といわれる「
伊賀筑後オレゴン」、通称イガチク。信州の善光寺平から上田にいたる間の千曲川の沿岸で、大正時代から戦後まで作られた人気の小麦でした。 大正時代から作られて、日本で一番美味しいうどん粉といわれていました。戦前東京のうどん屋さんで一番喜ばれたのが、この伊賀筑後オレゴン種でした。現在は市販されていません。わが家も去年一度いただいて食したのみ。まさに幻です。
坂城町や千曲市、長野市南部の篠ノ井や松代にはおしぼりうどんが食べられる店があります。ぜひ召し上がってみてください。うどんへの概念が一変すると思います。