モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

アイコ求めて三滝登れば…(妻女山里山通信)

2010-05-31 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 千曲市倉科の最深部にある三滝は、鏡台山北峯の船ケ入を水源とする三滝川にあります。の沢へアイコを求めて訪れました。アイコは、ミヤマイラクサの別名でくせのない美味しい山菜です。但し蟻酸を含んだトゲが無数にあり、これに素手で触れるといつまでも痛みが残ります。

 そこでゴムや皮の手袋が必須です。イラクサ、アカソ、カラムシ、カメバヒキオコシなどの似た葉をもつものがあるので間違わないようにしないといけません。葉の大きさや生える場所、色合いなどが違うので一度覚えると間違うことはないと思いますが…。茎の下の方は茹でても固いので、下からしごいて柔らかそうなところからちぎります。

 食べ方は、お浸しが最もおすすめですが、和え物や炒めもの、天ぷらにしても美味です。それほど強い風味はないのですが、なんとなく後引きのする味わいです。今回はゆがいておかかと醤油でいただきました。

 同じ場所にはミズナと呼ばれるウワバミソウもたくさんあったので摘みました。アイコ以上にくせのない味です。他には大きくなったウバユリの葉や、これは食べられませんがヤグルマソウがありました。青紫の花が咲くヤグルマソウはヤグルマギクで、鯉のぼりの矢車に似ている葉のこちらが本当のヤグルマソウです。
 渓流沿いには、シロバナオドリコソウも咲き始めていました。

 帰りに林道を走ってコーナーを曲がると、目の前に小さな灰色の山羊がいました。よく見ると山羊ではなくてニホンカモシカの子供でした。去年生まれたのでしょうか、近くに母親はいませんでしたが、まだ独り立ちはしていないはずです。四肢を踏ん張ってこちらを興味深そうに見ていましたが、近づいていくと警戒音を発するでもなく突然森に飛び込んで逃げました。といっても少し逃げてはこちらを窺っています。やはり好奇心が旺盛なんですね。

 帰路にまわった森への林道に出ると、林道千曲坂城線は土砂崩れで通行止めになっていました。多分女陰の滝と開拓地の間の谷で土砂崩れが起きたのでしょう。よく道路の路肩が崩れて通行止めになる場所です。沢山の谷がひらけて、あんずの里・森の集落が見えると、遠くの山の上には夏ほど発達はしていませんでしたが、入道雲のような雲が涌いてもうすぐ来る夏の兆しを見せていました。山ではハルゼミ、エゾハルゼミも鳴き始めています。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。

★夏の三滝沢のトレッキングは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップしてあります。ご覧下さい。
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薄紫の花咲く黒柏木・鏡台山アップ!(妻女山里山通信)

2010-05-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 鏡台山は、旧埴科郡の中心にある山です。標高は1269mと低山ですが、北へ戸神山脈が妻女山・薬師山・象山へ。東へ鏡台山脈が保基谷岳から鏡台山を経て南は太郎山まで。西は五里ケ峯山脈が五里ケ峯で二手に分かれて葛尾山と北は一重山までと、幾筋もの長い山脈の中心にあり、山懐が深いのが特徴です。
 そのため、それぞれの山脈や谷筋で特徴的な植生を持ち、豊かな生態系を育んでいます。

 今回は、初めて坂城の和平高原から黒柏木(くろかしゃぎ)経由で鏡台山まで往復しました。長野市からは、千曲市森の林道更埴坂城線を使うと一番早く着きます。往復のコースをとりましたが、笹平へ下りて林道を和平高原へ戻ればループでコースを組むこともできます。「ステキさかき観光協会」の「坂城の里山を歩く」のコース地図では、登り2時間、下り1時間30分と書いてありますが、山に慣れた方ならその半分の時間で大丈夫だと思います。

 早春は黄色い花が多く咲きますが、五月になると薄紫の花が目に付くようになります。紫外線の強さと関係があるのでしょうか。まず目に付いたのは、和平高原の草原に咲いていたフデリンドウ(写真上二点)。ハルリンドウと似ていますが、ロゼット状の根生葉がありません。また、湿地を好むハルリンドウに対しフデリンドウは、明るい草原で見られます。

 撮影したフデリンドウでは、コアオハナムグリが吸蜜中。頭から花に突っ込んで盛んに蜜を吸っていました。よく家庭菜園のトマトに頭からかぶりついて穴をあけるギャングです。

 その次は、鏡台山山頂と途中でも見られたアカフケタチツボスミレです。漢字で書くと、赤斑毛立坪菫となります。葉に赤い斑入りの茎や葉に毛がはえた立坪菫です。この辺りの山域ではもっとも普通に見られるありふれたスミレです。山頂にはこのスミレの群生地があり、薄紫色の絨毯が敷かれたようでした。

 そして途中には、いわゆるスミレ。頭になんとかと付かないただのスミレも咲いていました。花の色は薄紫ではなく、ヴァイオレット。これもありふれたスミレなのですが、群生地を見つけるとなると案外ないものです。鏡台山系には、他にアケボノスミレ、マキノスミレなどもあります。

 千曲川を挟んで向かいの冠着山(姨捨山)が、北風がまともに吹き付けるため日本海側の植生なのに対し、鏡台山は太平洋側の植生が目立ち、ちょうどこの辺りが境界線となっているようです。地元では千曲川を挟んで西山、東山といういい方をするのですが、植生の違いがハッキリしていて、それを意識して見ながら両山に登ると面白いと思います。

 今回のコースは、北アルプスはもちろん、反対側には四阿山と根子岳が見えます。また、空気が澄んでいると鏡台山からは富士山も小さく見えます。

★このトレッキングは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップしてあります。こちらをクリックしてご覧下さい

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新緑の眩しい妻女山・鞍骨山・御姫山アップ!(妻女山里山通信)

2010-05-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 芽吹いたと思ったら日毎に色を増してゆき、アッという間に濃緑の山々になってしまうのが5月の里山です。芽吹き途中の山々は、樹種により微妙に色合いや濃淡が異なるのでもっとも美しい季節でもあります。そんな新緑の里山を、妻女山から鞍骨山、御姫山と歩いてみました。

 まずは、ヤマナラシ(山鳴らし)。尾根筋の南側にあります。菱形に裂けた特徴的な樹皮が目立ちます。山地の荒れ地などに最初に進入する先駆性植物です。ポプラの仲間で葉柄が長く、風が吹くと音を立てるので山鳴らしという名前がつきました。別名のハコヤナギは、材が柔らかく箱細工の材料となったため。菱形に割れ目の出来る樹皮の模様はなかなかお洒落で、一度見たら忘れないでしょう。

 次はシラカバ(白樺)。信州の高原を代表する樹木です。白樺というと高原のイメージで里山っぽくないと思われるかもしれませんが、北信濃では500m位の標高でも見られます。そんな標高の低いところでは、尾根筋の北側に多く見られます。やはり涼しいところが好きなんでしょうね。自ら裂けて古い樹皮を捨てていきます。燃えやすいのでお盆の送り火に使われます。排気ガスによる酸性雨に弱い木ですが、伐採地に最初に生えてくる木でもあります。

 冬の白樺は、氷点下10度以下の厳冬の間に凍結しないよう、水分を無くしてカラカラになっています。そして春になると、その枝々すべてに若葉を勢い良く芽吹かせるため、根が水分を地中から組み上げ、高さ10m以上の木のすべてに行き渡らせます。その幹に穴を開けると、組み上げた水分が流れ出してきます。これをボトルに集めたのが白樺水です。虫歯予防の成分キシリトールが多く含まれます。これでウォッカを割ると最高です。

 三番目は、ハウチワカエデ(羽団扇楓)。別名は、メイゲツカエデ(名月楓)。天狗の団扇のようなカエデで、非常に派手で鮮やかな紅葉が見られます。
 次はアケビ(木通・通草)。妻女山山系には、アケビよりも実が大きく食用に適したミツバアケビがよく見られます。ところが、このアケビが問題なのです。昔は木山(山仕事)で薪などを結束するのに使用したり、細工にも使ったのですが、近年は適度な伐採がされないため、山藤や葛とともに樹木を立ち枯れさせるつる植物のひとつとなっているのです。山藤や葛などと共に適度な除伐が必要です。

 最後は、ウワミズザクラ(上溝桜)。桜には見えないかもしれませんが、桜です。別名は、花が強い杏仁に似た香りがあるため杏仁子(あんにんご)といい、実は食べられます。果実酒にも。総状花序の下に葉がつきます。上溝とは、亀甲占いのために上溝桜に溝を掘って燃やし、亀甲のひび割れで占ったため上溝桜が転訛してウワミズザクラになったということです。妻女山山系には数少ない樹種のひとつです。

 鞍骨城跡は、近年ハイカーがたくさん訪れるようになりました。歴史ブームや、ガイドブックにも載ったためでしょうか。先日は聾唖者の家族が三人で下りてきました。子供は五歳ぐらいの男の子なので驚きました。えらいね、よく頑張ったねとほめるとミルキーをひとつくれました。ニホンカモシカにも出会えたそうです。倉科のMさん力作の新しい標識も立ちました。ひとつ東のヤセ尾根へ行くと川中島の絶景が見られます。妻女山駐車場から、歩いて約90~150分ぐらいです。個人差があるのであくまでも目安ですが。それと熊鈴はかならずつけてください。また、城跡の石垣をくずさないよう、矢印にそって登ってください。下りは南面に下りると容易です。

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倉科三滝の知られざる歴史(妻女山里山通信)

2010-05-22 | 歴史・地理・雑学
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 先日、ある山菜を採りに倉科の奥にある三滝上の谷へ行きましたが、たいへん驚きました。無数の杉の大木が倒れて谷を塞いでいるのです。今年の春は、強風の南風が何度か吹き荒れました、北信濃の山の樹木は北風には強いのですが、強い南風はあまり吹かないため弱いのだとか。そこは北向きの谷なのですが、おそらく尾根を越えた強風がダウンバーストように吹き降ろして、北に延びる尾根の西側斜面の大木をなぎ倒したのではないかと思われます(写真一番下のカット)。

 この三滝ですが、地元の人にもあまり知られていない不思議な歴史があるのです。キーワードは、「幻の県道・治助橋・甌穴(おうけつ) 」。この三つはそれぞれ深い因縁で結ばれています。
 
 幻の県道ですが、「長野県道392号白石千曲線」のことです。松代町豊栄字白石付近(旧地蔵峠近く)を起点とし、高遠山の北面を通り、三滝山北で戸神山脈を越え、倉科の百瀬を下って三滝へ下り、倉科からあんず街道を通り、千曲市(旧更埴市)小島の屋代駅前交差点とを結ぶ一般県道です。この県道は、結局途中で計画が頓挫し、現在起点から千曲市倉科三滝までは通行不能(不通区間)となっています。

 この不通区間について、「松代町側からは約2kmまで(林道山の神線)、千曲市側からは約1km(三滝付近)までは林道があるものの、その間の山中(直線距離にして3kmほど)には道が通じていない。」とWikiにありましたが、幻の県道の計画ルートかは分かりませんが、西条の稲葉を通じて戸神山脈の峠を越えて百瀬経由で林道芝平樽滝線へ下る道はあります。雨中雨後や積雪期でなければ四輪駆動の軽トラやオフロードバイクなら通れそうですが、林道芝平樽滝線から百瀬へ上がる道は県有林の作業道のため一般車通行止めです。確かめたいかたはマウンテンバイクか歩いてどうぞ。

 甌穴とは河底や河岸の岩石面上にできた円形の穴で、かめ穴ともいいます。英語ではポットホール(pot hole)。穴の直径、深さとも数cmのものから数mのものまであり、中には底に穴を形成した磨耗した小石が残っているものもあります。長野県で有名なのは木曽郡上松町の寝覚の床(ねざめのとこ)。上高地や姨捨山、天竜峡、光前寺庭園と共に長野県に5箇所ある国指定の名勝で、浦島太郎伝説の地です。
 この三滝の甌穴ですが、明治の倉科村村誌には「二の滝、高四丈三尺、幅一丈七尺、是に龍の劍摺石と唱うる石ありて、自然の穴七ツあり、俗に摺鉢と称す」とあります。

 旧長野県庁舎は、1913(大正2年)に建てられた木造2階建てで、現在は飯縄高原に移築されていますが、1948年(昭和23年)に、一部が焼失しました。その庁舎建設の折りに倉科・西条の山林の木材を使用したようです。その際に松代町豊栄白石から高遠山の南面を通って戸神山脈を越え倉科の百瀬から三滝へ通じる山道を広げ県道に格上げしてもらったらしいのです。

 その時に林業関係の親方をしていた治助さんが、県道を造るにあたり、三滝の下から道を広げ、現在遊歩道となっている三滝東側の道を切り開き、橋を渡って西の谷から尾根への道を造ったわけです。その橋が「治助橋」です。その道を造る際に、岩場を切り崩すためにダイナマイトで破壊したのですが、その岩が大量に三滝の二の滝下に落ちて摺鉢といわれた七つの甌穴と龍の劍摺石といわれた大石を隠してしまったというのです。最初のカットの円の中辺りがそうです。
 その規模からいって国指定名勝地ほどではないとしても、県の名勝地はなったであろう甌穴と龍の劍摺石が埋没してしまったのは本当に残念なことです。
 
 この幻の県道ですが、治助橋を渡って崖を巻いた谷の奥で消滅しています。古い地形図を見ると、そこから三滝上の尾根へ山道が続いています。この尾根道は昨年の夏に息子達と下っています。ここが県道とはとても思えないような急峻な尾根です。実際はどこをどう通そうとしたのでしょうか。

 ところで明治の埴科郡誌の倉科村の項には、傍陽(そえひ)街道として倉科から真田町の傍陽へ越える街道のことが書いてあります。
【傍陽街道】三等道路に属し、本村酉の方本郡森村境より、三瀧山を経て辰の方、小県郡傍陽村に至る。長三里十六町、幅九尺、険路なり。
 幅九尺といえば約2.7m。かなりの広さの山道です。この正確なルートを知りたいと思っています。この道は、松代町西条から坂城町の日名へ越える通称「猿飛越」と戸神山脈の上で交差していました。これは武田別働隊が斎場山の上杉軍を背後から急襲するために越えた山道かもしれないからです。

★フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】には、今回の三滝や三滝山などのトレッキングルポがあります。
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野菜の植え付け終了(妻女山里山通信)

2010-05-20 | 男の料理・グルメ
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 畑ではあちこちで野菜の植え付け作業が行われています。出荷するものはもちろんですが、自家用の野菜も同様です。耕耘して種まきをし、あるいは苗を植え付けます。写真は、斎場山をバックに咲き誇るケールの花です。ケールといえばキャベツの原種に近く、日本では青汁の原料として有名になってしまいましたが、欧米では家庭菜園などで作り、サラダや炒めもので食べられる一般的な野菜のひとつです。ブラジルでは、コーヴェ(Couve)といってベーコン、ニンニク、タマネギと塩コショウで炒めてフェイジョアーダのつけ合わせにします。おすすめはケール餃子にケールのポタージュスープ。野草に近いため丈夫で栽培も簡単です。

 息子が送ってくれた種で植えた多摩五日市の伝統野菜ノラボウナ(野良坊菜)は、当地でもすくすく育ち、評判も上々で種を採って分けることになりました。ケールも種を採ろうととう立ちをそのままにしておいたものです。菜花はみな同じアブラナ科なので近くに植えると交雑する可能性があるので離します。

 今回は、ナスピーマントマトシシトウトウガラシゴーヤスイカなどはもちろんですが、ズッキーニ(黄色)、ルッコラ、サラダ菜ミックス、春菊、紅白二十日大根、空芯菜、アンデスのペピーノフルーツなどなどを植えました。写真には他にニラ、ノビル、コシアブラ、ブルーベリー、サンショウ、アスパラガス、アピオス、イチゴなどが写っているんですが…。終わりましたが、フキ、ウドもあります。畑の隅には柿の木とイチジクも。それと今年はまだ食べられませんが、アーティチョークを植えました。そのうちバジルも勝手に生えてくるでしょう。

 山では、山蕗、三つ葉通草(アケビ)、ノカンゾウ(夏の青い蕾を食べます)、ナツグミ、ヤマブドウなど。アケビは「アケビのブルーチーズ入りミソバーグ 」はオリジナルレシピです。山の幸を和風フレンチで。ナツグミには、市販のサクランボにはない野趣豊かな甘みと渋みがあります。去年挿し木に失敗したので、今年は新しく出た枝をU字に地中に埋めておきました。こうして根付いたらそこから切断して鉢植えにして夏ぐみの盆栽にしようと思っています。

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樹液酵母のコロニー発見!(妻女山里山通信)

2010-05-18 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 蕗を採った帰りのことです。冬に切った山藤の切り口にオレンジ色の物体が発生しているのを発見しました。一瞬大きく成長した粘菌(変形菌)かと思いましたが、近づくとすぐにそうではない、これは樹液酵母のコロニーだと分かりました。こんなに大きなものを見たのは、数年前に調布市の野川公園自然植物園の切り株で見た以来でした。

 樹液酵母とは、樹木の切り株や樹幹の傷などから流れ出た樹液(主に糖分の多いカエデやミズナラなどの広葉樹)に天然の酵母が繁殖して発酵。そこにフザリウム属の赤カビが付着して繁殖しコロニーを形成したものです。酵母が発酵したものですから、天然のお酒ができることもあるわけですし、赤カビに毒性がなければ食用にすることもできるわけです。樹液酵母を使って天然酵母のパンを焼いたり、樹液酵母のビールなどもすでに商品化されているようです。

 というわけで、今回の樹液酵母は山藤についたもの。山藤は花も実も食べられます。花は甘い強烈な香りがあるので樹液も甘いはずと、この樹液酵母をすこし舐めてみました。見た目は気持ち悪いと思うかもしれませんが、ピザのとろけるチーズの熱くないものと思えばそう抵抗はありません。

 触感は、表面は以外にしっかりしていて弾力があります。乾いた皮を破ると中は白くトロトロの状態。食べ頃のカマンベールチーズというところでしょうか。香りは思ったほど発酵している感じではなく強烈な匂いもしません。いわゆる樹液の匂いです。舐めたのは、中の白いところをほんの少し。いわゆる樹液の木の香りがする味で、わずかに甘いという程度。まだまだ発酵途中なのでしょうか。

 真ん中の写真ですが、小さなタマバチかコマユバチかコバチでしょうか。観察すると、どうも食べているようです。糖分の多い樹液が発酵したものですから栄養はたっぷりでしょう。酔っぱらったりはしないのでしょうか。妻女山のクヌギの樹液酒場には、カブトムシやクワガタ、オオスズメバチやカナブンなどが集まりますが、この樹液酵母バーにはあんまりお客が来ないようです。ちょっと開店休業の状態。発酵が進めば集まるのでしょうか。また、しばらくして訪れて観察してみようと思います。

 蕗はそろそろ終わりなのでアイコ(ミヤマイラクサ)と独活(ウド)を採りにいきました。遅出のタラノメとウバユリ、アザミも採れました。アイコはくせがなく、お浸しにすると美味です。最後のコシアブラとアクの強いハンゴンソウも少し採って帰路に就きました。

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コナラの木にリンゴをならすハチ!(妻女山里山通信)

2010-05-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 枯れ木に花を咲かせましょうとは、御伽話の花咲爺さんですが、自然界にはなんとコナラの木にリンゴをならす蜂がいるんです。新緑が眩しい五月の森を歩いていると、木楢(コナラ)の幼木に小さなリンゴがなっています。これは不思議と触ってみるとやや固いスポンジ、あるいはマシュマロのような感触。すぐに虫コブだとわかりました。コナラにリンゴがなるわけがないですから。

 楢芽林檎五倍子(ならめりんごふし)というナラリンゴタマバチによって作られた虫コブ(虫えい・ゴール)です。ナラメリンゴタマバチ(雌)が交尾後、コナラの根に楢根玉五倍子(ナラネタマフシ)を作ります。そこから冬に羽化した雌が単性生殖でコナラの冬芽に産卵し、それがこのような五倍子(フシ)を形成するのです。一番上のカット、小さな穴があいていますが、成虫が出ていった跡でしょうか。形成されたフシは卵の揺りかごであり幼虫になっては餌となります。コナラの冬芽をこんな風に変形させてしまうのですから恐るべしかなナラリンゴタマバチ。タマバチのタマとは、このリンゴ状のフシのことです。

 虫コブは古くから利用されてきました。マタタビはマタタビミミタマバエの作る虫コブができて初めて価値あるマタタビ酒になります。また、ヌルデ(白膠木)の若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(ヌルデミミフシ)は、お歯黒、染め物、薬、インク、占いなどに使われてきました。特に染料は、空五倍子色という伝統色で、古代より(正倉院にあり)珍重されてきました。
 
 虫コブは、物理的刺激や植物の生長を促進する物質(植物ホルモンやアミノ酸など)により形成されますが、現在は人工的に虫コブを作る研究もされているようです。しかもフシはなにも虫だけによってつくられるのではなく、ダニ類、線虫類、細菌、菌類によっても作られます。ですから虫コブや虫えいよりは、英語のGALL(ゴール)といった方が適切かもしれません。もっとも、植物寄生菌類の多くは果樹や野菜に多大被害をもたらすものばかりですが…。
 現在、日本では1400種以上のゴールが見つかっています。実に奥が深い世界です。

 コナラリンゴは、この時期里山のあちこちで見られます。山歩きの際はちょっと気にしてみてください。しかし、見た目は美味しそうでも中には虫がうじゃうじゃ入っているので食べない方がいいと思います。

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伽羅蕗のほのかな苦味(妻女山里山通信)

2010-05-14 | 男の料理・グルメ
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 最高気温がいきなり真夏日と思ったら、連日の寒さ。遅霜の心配される信州ですが、山蕗(沢蕗)は順調に大きくなっていました。やや風が強い日の日中、妻女山の奥へ山蕗を採りに行きました。辺り一帯に一面の山蕗が葉を広げています。ここだけでなく、この下の沢にも、この上の林道にも大量の山蕗が葉を広げています。

 取り方は、掴んで引き抜くと株から抜けてしまうので、人差し指中指親指で挟んで前に折ります。こうすると速く採れます。プロは葉毎採って後で分けますが、私は葉はほとんど食べないのでその場で葉をちぎります。山の物は山に返すというところでしょうか。とはいえ山蕗の採取は根気仕事です。大風の日だったので、蕗の葉には毛虫やガガンボなどたくさんの昆虫たちが風を避けて避難していました。小一時間で大鍋いっぱい分の山蕗を採りました。といっても写真は採った後ですが、まだまだ充分にあります。

 伽羅蕗は、本来保存食なので醤油で伽羅色になるまで煮詰めますが、私は山蕗本来の味を活かすため薄味にします。採ってきたばかりの山蕗のあく抜きは、一度茹でこぼすだけで充分。あとはカツオ・昆布・干し椎茸の出汁、酒、味醂、砂糖(ザラメ)、醤油、山椒の若葉(木の芽)を入れて沸騰させたらコトコト一時間ほど煮るだけです。味醂、砂糖、醤油は、最初に全量入れずに途中で味を見ながら追加します。ときどき全体をやさしく返します。変わったところでは、「蕨と山蕗の煮物」もいけます。

 蕗の栽培は古く、平安時代から行われています。もちろんそれ以前も食べていたのでしょうが、採取が主だったのでしょう。古名を布々岐(ふふき)といい『本草和名』や『新選字鏡』に登場します。また、『延喜式』(927)にも栽培の記録などが載っています。苳、款冬、菜蕗とも書きますが、蕗は中国では本来甘草のことだとか。誤用か意図的かは分かりませんが、日本ではフキに使われることになりました。冬に黄色い花を咲かせることから冬黄(ふゆき)。それが転訛して蕗になったともいわれていますが定かではありません。

 そして山椒の若葉も摘みました。「山椒味噌」にします。酒の肴にもってこい。ひとくち含んで日本酒をすすると新緑の山の香りが口中に広がります。もちろん熱々ご飯にのせてもいいし、焼き魚に塗っても美味です。そして、一番旨いのが焼きおにぎり。これは絶品です。青い実がついたら「ちりめん山椒」を作ります。私のオリジナルレシピはジンが隠し味。ジュニパーベリーを数粒加えてもOKです。ひと味違う痺れる大人のちりめん山椒になります。

小林一茶も蕗の句を詠んでいます。いずれも山里の情景が目に浮かびます。
「蕗の葉に 酒飯くるむ 時雨哉」
「蕗の葉に 片足かけて 鳴く蛙」
「蕗の葉に とんで引くり かへる哉」
「蕗の葉に 引つつんでも ほたるかな」

「伽羅蕗を 送る帰りに 風の森」 林風

 妻女山は白い花の季節。写真の三番目のカットからコバノガマズミ、マルバアオダモ、ツクバネウツギ。ツツジの紅が映えて山は新緑の中に紅白の彩り。まもなくウツギの白い花が咲き乱れます。

★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りソーセージもお薦めです。山菜料理も豊富です。豆料理もたくさんあります。

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銀蘭の群生地発見!(妻女山里山通信)

2010-05-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 群生地といってもわずか12本ですが…。昨年たった一本だけ林道脇に出ていたギンランを探して歩いたのですが、どこにも見あたりません。道端という環境の変化が激しい場所なので、厳しいかなとは思っていたのですが、ないとなるとやはり気落ちしました。

 近年、雑木林や里山の減少や荒廃に加えて、野生ランブームでの乱獲にによって減少しているとされるキンランとギンランです。園芸店には売られていることもありますが、育ちません。運が良ければ二年ぐらいはもつかもしれませんんが、そこまでです。これを売っている園芸店は、相当悪質な店と考えていいでしょう。野草には毒草が多く、ヤマトリカブトはもちろん、レンゲツツジ、スズラン、フクジュソウ、貝母、仙人草、マムシグサなども植えるべきではありません。毎年の様に事故が起きています。当人は危険性を知っていても、亡くなった後に事故が起きる可能性もあります。やはり野に置け蓮華草。

 それは、ラン科植物はラン菌根と呼ばれる独特の菌根を形成して、菌根から栄養分を摂取するからですが、樹木の根に外菌根を形成し共生している菌、外菌根菌が必須だからなのです。よって鉢植えでは絶対に育ちません。共生相手である特定種の樹木が必要なのです。ですから、育ててみようと採取してくることは、まず100パーセント無駄なわけです。

 ただ、ギンラン、菌根菌、菌根性樹木が揃えば育つわけで、そんなことから都市の公園の中にも群生があったりするのです。そのシステムは非常に複雑でデリケートのようで、人工栽培の方法は確立していません。キンランは30~70センチほどにもなりますが、ギンランは、10センチから大きくてもせいぜい30センチぐらいまで。今回のものは20センチ足らずでした。その上、蕾のように見える白花は実はこれでせいいっぱい咲いているのです。

 地味な花ですから、野生の蘭に興味のないに人はまず見えないだろうと思います。そんなところが野生蘭愛好家にはたまらないのでしょう。今回のギンランも乱獲が心配なところですが、まず人が立ち入らない場所なので、ひっそりと咲き続けることでしょう。

 「銀蘭の 母は地中に 父は巨樹」 林風
 
★妻女山の真実について、詳しくは、本当の妻女山について研究した私の特集ページ「妻女山の位置と名称について」をご覧ください。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、地衣類、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
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オーパ! 松代城址ロゲイニング(妻女山里山通信)

2010-05-09 | 歴史・地理・雑学


 初めてメールをいただいた時に、ロゲイニング?????とはてなマークが私の頭の上を飛び交いました。なんですかそれはという感じで、かいもく見当がつきませんでした。なんでも私のサイト・フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS】をチェックポイントを作成する際に参考にされたとか。非常に役に立ちましたと感謝の言葉を頂き、招かれましたので、どんなものでしょうと5時間コースのスタートと、10時間コースのゴールと表彰式を見学させていただきました。

 お話を伺うと決められたコースを回るのではなく、予め決められたチェックポイントを時間内に上手く回って証拠写真を撮り帰ってくるというものです。チェックポイントには点差があり、制限時間内にルートをどう組むかが勝敗の分かれ目でもあります。ポイントは史跡も多く、回るだけで旧埴科郡のかなりの数を見学できます。

 しかし、高得点のチェックポイントは標高の高い山にあり、走って上り下りしなければなりません。選手には地形図が配られますが、当然読図力が要求されます。迷いやすい場所や危険箇所、廃道などは記載されていますが、純粋に登山地図として見た場合でも縮尺が大きすぎて、これを頼りに山に登るにはかなりの経験が必要です。山には登山道だけでなく作業道や獣道もたくさんあるからです。また、標識をひとつ見落としただけでも相当なタイムロスになるか、場合によっては危険も伴います。

 というと、かなり高度な訓練をした人しか参加できないように思われますが、そうではないんです。ルートを選べるので、自分たちに合ったコース取りをすればいいのです。つまり、高得点の山頂をいくつも踏破するハイレベルのチームもあれば、里のポイントをせっせとかせぐチームもあるわけです。ファミリーでの参加も可能なわけです。どおりで小学生を含んだファミリーチームもたくさん出場していました。

 とはいえ10時間コース男子優勝チームのルートの取り方とその距離は想像を絶するものでした。とても常人には10時間で回れるコースではありません。写真の地図のオレンジの線がそうですが、南は五里ケ峯から鏡台山。松代から行って帰ってくるだけでも軽く20キロ以上あります。その上かなりの標高差とアップダウンがあります。私は、その体力もですがルート取りの上手さに感心しました。ロゲイニングは、体力も必要ですが、かなり頭脳を使うスポーツでもあるのです。

 5時間コーススタートの後、用があって妻女山のわが家の山から陣場平まで旧道を登ったのですが、背後から枯葉を踏み近づく足音が、ハッとして振り向くとロゲイニング参加者の男女でした。彼らは私を追い越し、私が昨年作ったばかりの山道を「踏み跡がある」といって陣場平へと駆け上がって行きました。ついて行くと陣場平を横切り林道へ、その後は天城山方面へ向かったのでしょうか。そのコース探索の鋭さには驚きました。地形図と方向を見て近道と判断したのでしょうね。さすがだと思いました。ただ、熊鈴は必ずつけてくださいね。熊は走っているものを追いかける性質があります。遭遇したら普通の登山者より襲われる確立は高いし、どんな速い人でも熊のスピードにはかないませんから。

 ゴールでは、最後までねばって近場のポイントを回る人、ヘロヘロになって帰ってくる人、余裕の表情の人、色々でしたが、いずれも充実感に溢れた表情でした。なかなか奥が深いスポーツです。埴科の山々は自然も歴史も豊かです。競技ではなく、ゆっくりと味わいながら、今回行けなかったところなども含めてもう一度歩いてみても面白いと思います。ロゲイニングについて、今回の大会結果や詳細は、TORECNAOをご覧下さい。

★フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】には、今回のチェックポイントにもなった、妻女山、天城山、鞍骨城、尼厳城、鷲尾城、葛尾城、唐崎城、東山城、森将軍塚古墳、倉科将軍塚古墳、土口将軍塚古墳、清滝、三滝などのトレッキングルポがあります。

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シナノタンポポの憂鬱(妻女山里山通信)

2010-05-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 妻女山は山桜が散り葉桜になって、山全体の緑が日に日に濃くなっています。芽吹き前は遠くから見えたニホンカモシカもかなり近くでないと発見できません。同様に月の輪熊も見えにくくなるので、春は熊鈴をつけなかった私もつけるようになりました。その緑濃い林道脇には鮮やかな黄色のシナノタンポポ(信濃蒲公英)が今を盛りと咲いています。

 首都圏から来た方は、信州のタンポポを見ると「なんだか異常に大きくないか?」と思われるかもしれません。写真のタンポポは、花の直径が6センチもあります。このシナノタンポポは、在来種カントウタンポポの亜種で、ともに染色体数が2倍体なので受粉しないと種子ができません。外見上は、写真のように総苞片全体の大きさが太く、外総苞片と内総苞片の先端の小角突起とが全く無く、緑色した外総苞片と内総苞片の色の濃さが薄いなどの特徴があります。妻女山で見られるタンポポの多くはこれです。

 ただこれも純粋にシナノタンポポかというと分かりません。草高が高すぎるような気がします。周りのタンポポはこんなに高くなかったので…。交雑しているかどうかは遺伝子レベルで調べないと正確には分からないからです。全国的にも問題になっていますが、車が通る林道脇などには苞片が水平に開いた外来種との雑種も見られます。車が種を運んでくると思っていました。ところが、連休中に鞍骨城跡に登ったときに、林道からかなり入った山中で西洋タンポポとの交雑種を見つけたのです。

 もちろん車は入れないし、オフロードバイクやマウンテンバイクも入らない場所です。ということは人の靴に種がついてきたのでしょうか。あるいは、里の種が風で巻き上げられて飛んできたのでしょうか。西洋タンポポの進出で在来種が全て淘汰されてしまうことはないようですが、交雑種の数が増えているのは間違いないようです。

 専門的なことは、難解で調査も大変なことのようですが、【タンポポのくらし 雑種も交えて観察してみよう 】という記事がとても詳しく分かりやすいので紹介しておきます。また、「タンポポ 交雑種」で検索すると色々と分かります。なんでもない道端の足元にも複雑な生態系のドラマがあります。

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コシアブラ三昧(妻女山里山通信)

2010-05-06 | 男の料理・グルメ
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 異常に寒かった春から初夏の兆しと思ったら、最高気温がいきなり真夏日。なかなか芽吹かなかったコシアブラも芽吹いたと思ったらアッという間に葉が開いてしまいました。タラの芽が山菜の王様ならば、コシアブラは女王として近年人気が鰻登りです。その辺りの山にいくらでもあるのに、昔は誰も食べなかったのですから大変不思議です。まあ、妻女山山系には、ありませんが。

 ブームといってもタラの芽のように刺があり、日当たりの良い林道脇に出て、他の木々が芽吹く前に出るという誰でも見分けができる山菜と違い、コシアブラは写真のように他の木々が芽吹くのと同時で、しかもヤブ山の中にあるのできちんと覚えるまで見分けが難しいのが難点です。採れる時期が短いのも難点。

 それでもあるところにはあるもので、私が行く場所にはグルッと見渡した範囲だけで百本以上のコシアブラがあります。初心者は2~4mの小さい木から採るのですが、私は5m以上の大きな木を見つけて上の方を採るようにしています。それにはちょっとした手作りの道具が必須です。

 ハリギリやタラノメなどの幼木は、ニホンカモシカの餌になるので採りません。コシアブラは食べているか不明です。ハリギリなどは、袴の上から引きちぎるように食べてあるのでニホンカモシカだと分かります。コシアブラは妻女山山系にはないので、まだ食痕を見たことがありませんが、二ホンジカは食べるかもしれません。ですから、背の低いものは彼らのために残しておくのです。

 食べ方は、やはり天ぷらが一番でしょう。塩味で食べて、飽きたら天つゆで、七味をきかせても美味です。おすすめは「炊き込みご飯」。作り方は、私のオリジナルレシピをご覧下さい。これもオリジナルレシピですが「コシアブラの味噌ハンバーグ」。これは和風ですが、ブルーチーズを加えても美味です。

 コシアブラは、美味しいだけでなく抗酸化作用があり、老化防止にもいいそうです。タラの芽は、山のバターと呼ばれますが、コシアブラも漉油と書くように栄養価が非常に高い山菜です。また、幹を傷つけたときに得られる樹脂は「金漆(ごんぜつ)」と呼ばれる黄金色に輝く塗料になり、古くから珍重されました。

★新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りソーセージもお薦めです。山菜料理も豊富です。豆料理もたくさんあります。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
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冠着山・鳴海新道を踏破!(妻女山里山通信)

2010-05-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 別名の姥捨山の方がある意味では有名かもしれませんが、千曲市にある冠着山は川中島の人にとってとても馴染みのある山です。冠着山に雲がかかると天気が崩れるといわれているからです。この冠着山には登山道がいくつかあるのですが、最近は車で山頂直下の鳥居原か坊城平まで行って30~40分で登るのが一般的になってしまいました。

 ところが昔は、色々な尾根の先端や谷から山頂へのルートがありました。そのひとつが今回の鳴海新道です。地元の古老から昔は登山道があったと聞いた坂城在住の鳴海さんが、なんと20回以上も通い詰めて灌木を切り払い、苦労の末に昔のルートを開通させたのです。そこで、今回トレッキングのお誘いがあったので参加しました。

 参加した理由は、実は高校一年の遠足でこのルートを下ったことがあるからです。当時は学生服にナップザック、ズックという出で立ちで、冠着駅下車で麻績から冠着山へ登り、帰路は「ぼこだき岩」横を下りて今回の尾根を下り、麓の佐良志奈神社で解散というものでした。当時の記憶が蘇るだろうかという期待もありました。また、母が昭和16年に女学校で同じルートを歩いたというのです。「ぼこだき岩」の横は大変な崖とガレ場で、とんでもなく怖いところを下りてきたので記憶が鮮明に残っているのだそうです。

 このルートは4つのピークを越えなければなりません。標高差は880mぐらいあり、急登続きのハードなコースです。予定時間は3時間半。上田から参加の方達と松代から参加の方達で総勢十数名での山行となりました。

 ひと言でいうと本当に急登続きです。そして長い。五里ケ峯山脈や戸神山脈ほどではないのですが、とにかく急です。それでも、まばらではありますが、ずっとカタクリが咲いていて心を和ませてくれました。中間点には正城城跡もあります。また鳴海さんが作った展望台が4箇所あり、北アルプス、戸隠連峰、蓼科山などのパノラマが堪能できます。

 山頂直下の「ぼこだき岩」は、母親がぼこ(赤ん坊)を抱いているように見えることからの命名ですが、松代地震で上半分とぼこが落ちてしまいました。ぼこは下に斜めになって立っています。この「ぼこだき岩」の左手から鎖場を経て山頂に向かうルートがあったのですが、今は廃道になっています。

 他には北の冠着神社一の鳥居から久露滝経由で登る冠着神社(表参道)コース。現在も遠足で使われている冠着駅からのコースがあります。今回の鳴海新道も、佐良志奈神社コースとして復活しました。ハードですが、なかなか味のあるコースなので、多くの人が登るようになるといいなと思います。人が歩かないと10年もすれば道は消えてしまいます。ハードということを除外すれば、特に危険な箇所はありません。体力にある程度自信があれば充分に楽しめるコースだと思います。




★このトレッキングは、フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップしました。ぜひご高覧ください。

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