今年の夏は異常に台風が多く、長野市では8月前半だけでも最大瞬間風速が10mを超えた日が7日もありました。そのため、妻女山の赤松が突風で何本も折れてしまったのです。その内の一本が、妻女山へ登る舗装路の崖の上に倒れました。発見したのは、8月19日でしたが、生い茂る草木で状況が分からず、とりあえず折れた部分が繋がっているので、当分道路に落ちる心配はないだろうと様子を見ることにしました。
妻女山里山デザイン・プロジェクトの活動も、今年はこれが最後になりそうです。今年は冬枯れが遅く、なかなか草木が枯れません。思ったよりも崖の様子が見えません。とりあえずこの日は、連休で観光客やハイカーも大勢来るので、作業はせずに、いつどう処理するか皆で相談しました。結論は、降雪期に入るので観光客も来なくなるということで、春の雪解けまで放置することにしました。その後、作業で使用する予定のハーネスをKさんが用意してくれたので、その装着と実際に斜面を下りるシミュレーションをしました。大変危険を伴う作業になるので、事前の準備は非常に大事です。
その後、昨年急逝した山仲間のKさんのログハウスへ。ちょうどKさんの弟さん親子が来て作業をしていました。一周忌を迎えた彼の慰霊碑に皆でお参りしてから、隣の山林でコナラの伐倒をしました。彼が亡くなってから、もう一年が過ぎたことが信じられません。伐倒したコナラは、来春まで放置して、春に玉切りと、シイタケ菌の種駒を打ち込みます。
そして、昼餉の準備です。今回はN氏が、自作したロケットストーブを持参。なかなか良く出来ています。非常に燃焼効率がよく、火力が強いのが特徴です。これは、災害時用にひとつ欲しいですね。信州の大北地域で大地震がありました。心よりお見舞い申し上げます。長野市も相当揺れ、被害も出ました。積雪期が迫っているので、政府や県には早急な復旧をお願いしたい。
料理は、Kさんの奥さんが張り切って作ってくれたという鶏肉のチャーシュー、煮玉子、サラダ、小川村の手作りコンニャクなど。そして私は、ワカサギとニシンのアヒージョを作って行きました。S氏は、幻の小麦、イガチクオレゴンで焼いたパン。K氏はイガチクの手打ちうどん。これを私が持参したムラサキシメジ、長ネギにKさんの奥さんの鶏チャーシューや煮玉子、更にS氏の作ってきた鶏団子を入れて、茹でて水で締めたうどんにかけて頂きました。蕎麦つゆを入れたので、若干甘目になりましたが、ムラサキシメジの出汁が効いた美味しいうどんができました。
右は、ニシンのアヒージョ。いわゆるニシンのオリーブ油煮です。これをバゲットやイガチクのパンに乗せて食べると馬鹿旨です。今回もリンクのレシピの様に、ジュニパーベリーとジンも使いました。ニシン特有の臭みも消え、非常に上品な白身魚になります。
ロケットストーブで、今秋採れた直径18センチのお化け椎茸を蒸し焼きにしています。これが好評で、我々が栽培しているホダ木から採れ採れの椎茸をもぎ取ってきて、更に焼きました。正に山のアワビです。
真ん中は、ムラサキシメジのうどんつゆ。見るからに美味そうです。実際美味しいんです。自然の滋味というのは本当に力があります。そしてイガチクうどん。幻の小麦粉といわれる「伊賀筑後オレゴン」、通称イガチク。信州の善光寺平から上田にいたる間の千曲川の沿岸で、大正時代から戦後まで作られた人気の小麦でした。 わが家でも父が昭和30年代半ばまで作っていました。60俵も収穫していたそうですが、イガチクは小麦の粒がこぼれやすく面積あたりの収量も少なかったので、新品種に取って代わられたということです。うどん通垂涎の、幻の小麦です。
「伊賀筑後オレゴン種」は、 三重県伊賀上野市の農林省関西試験場が、筑後平野で作っている小麦と、アメリカ西部のオレゴン州の小麦を交配して作った硬質小麦です。日本の小麦は、軟質小麦。アメリカのオレゴン種はグルテンが多い硬質小麦です。この二つを交配して作られたのが伊賀筑後オレゴン種で、準強力粉です。大正時代から作られて、日本で一番美味しいうどん粉といわれていました。戦前東京のうどん屋さんで一番喜ばれたのが、この伊賀筑後オレゴン種でした。
薬味には、うちの畑で栽培した飯綱青大根を大根おろしにして。中まで綺麗な緑色。元は、江都青長という生食用の中国大根です。今年は、「おしぼりうどん」用に、ねずみ大根、灰原辛味大根、戸隠地大根、飯綱青大根、小田切赤首大根と5種類の辛味大根を作りました。中でもねずみ大根は激辛ですが、甘み旨味もかなりあります。これにおむすびッシュ大根、総太りと木曽赤カブ、聖護院カブも作ったので、この冬は大根&カブ三昧です。
そこへ、山からお爺さんと、私のサイトも見たというWさん夫妻が下りてきました。これも何かの縁と、アヒージョやキノコうどんを振る舞いました。参加資格は、里山が好きであること。里山を大切にする人であること。これだけです。後から自転車でTさんも到着し、賑やかになりました。この日は、共通の知人がいる猟師の人たちが、猪刈りに山に入っていましたが、獲物は捕れたのでしょうか。今年は熊の被害も多いのですが、猪の被害も凄まじく、我が家のとうもろこしはほぼ全滅でした。
この日は、正に小春日和、インディアンサマーの穏やかな日で、ノンアルコールビールや私が汲んできた縄文の名水でKさんが入れてくれたコーヒーを飲みながら、よもやま話に花を咲かせたのでした。
妻女山展望台裏の東屋からの茶臼山と北アルプス。千曲川河川敷の柳がまだあんなに青々としているのが驚きです。早い年は、10月下旬や11月上旬に初雪が舞う善光寺平ですが、天気予報では今後一週間、傘マークはあっても雪マークはありません。今年はカマキリの巣が低いから大雪は無いなというN氏に、科学的根拠は無いみたいよとS氏が突っ込んでいましたが、さてどうなるのでしょう。でも、昨冬の様なドカ雪は勘弁して欲しいです。ただ、太陽の勢いが衰え、地球は戦国時代の様な寒冷期に向かっているということなので(CO2による地球温暖化は、原発マフィアの嘘)、アメリカでは、大寒波で死者も出ています。アメリカの大部分の気温が平均を摂氏8~19度も下回っているとか。通常は北極の付近を循環している大気が南下し、アメリカの東側3分の2を覆っているためだそうです。現在の日本の暖冬もこれとリンクしているのは間違いないでしょう。