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モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

梅雨の晴れ間に、万葉集に艶めかしくうたわれたネムノキの花。ヤマアジサイの涼やかな花。ムギワラトンボ舞う(妻女山里山通信)

2024-06-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 約2週間ぶりの梅雨の晴れ間。前日はかなり雨が降りました。遠くからネムノキの花が咲いているのが見えたので、まずそこへ向かいました。

 ネムノキ(合歓木、合歓の木)マメ科ネムノキ亜科の落葉高木。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことで眠る木といいます。
 ネムノキは高さ10m以上になります。花は葉の上に咲くので、下からはよく見えません。ここは林道下の斜面に根本があるので間近で見られます。化粧の刷毛の様でもあり、線香花火の様でもあり。繊細な花です。なんとも形容し難いかすかに甘い香りがします。赤松と同様に排気ガスには弱く、我が家の山の大木は高速道路ができたら数年で枯れました。葉は合歓皮(ごうかんひ)といって漢方薬です。利尿、強壮、鎮痛、腰痛、打ち身、腫れ物、水虫、手荒れ、精神安定などに効くそうです。貝原益軒は「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安じ、気をやわらげる」と記しています。

「昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ」 紀女郎(きのいらつめ) 『万葉集』巻八1461
(昼に咲いて、夜には恋しい想いを抱いて寝るという合歓の花を私だけに見させないで。君もここに来て見なさいな):紀女郎が大伴家持に贈った歌ですが、紀女郎は年上の人妻で、戯奴というのは目下の人を呼びかける言葉です。人妻が若者をからかったのか、誘ったのか。背景を知ると、なんとも意味深な歌です。
「合歓咲く 七つ下りの 茶菓子売り」小林一茶
 江戸の八丁堀の合歓の木が咲く小腹が空く午後4時頃に、茶菓子売りの声が聞こえる様。どんな茶菓子だったのでしょう。茶饅頭か、夏だから水菓子かな。

「象潟(きさかた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」松尾芭蕉
 西施は、中国の春秋時代の呉を滅ぼした傾国の美女。その越に滅ぼされた呉のエリートたちが日本に渡来して弥生時代を作ったのです。その後、越も滅ぼされ、また日本に渡来します。詳しくは下のリンク記事を。
中国正史の書を読む梅雨空の好日。『中国正史 倭人・倭国伝全釈』『中国正史の倭国九州説 扶桑国は関西にあった』『西暦535年の大噴火』(妻女山里山通信

 ヤマアジサイ(山紫陽花)。別名は、サワアジサイ。周辺は装飾花で、中心部は両性花。ガクアジサイに比べると、花の色が色々あります。

「言問はぬ木すら味狭藍(紫陽花) 諸弟(もろと)らが練の村戸(むらと)にあざむかえけり」(大伴家持 巻4 773)
  (恋を語らない木ですら、紫陽花のように移ろいやすい。巧みな言葉に私は騙されてしまいました。)
「味狭藍(紫陽花)の 八重咲く如 やつ代にを いませわが背子 見つつ思はむ(しのはむ)」(橘諸兄 巻20 4448)
  (紫陽花が八重に咲くように、ますます長い年月を生きてください。紫陽花を見ながらあなたをお慕いします。)

 ムギワラトンボ(麦藁蜻蛉)。シオカラトンボのメス。オスも未熟な時はメスと同様な色合いをしています。まだ羽化直後なのでしょうか、翅がよれて眼も青くありません。ルリシジミらしきものを見かけました。

 陣場平へ登る途中。落葉松の倒木を処理しようと思ったら、誰かが切ってくれていました。有り難い。道路にはみ出ていたつるを片付けました。丸太は梅雨明けにメンバーと処理しましょう。

 陣場平。気温は20度ですが、前日の大雨のために湿度は100%近く。この湿度ではゼフィルスは樹冠を舞っていて下りてはきません。

 貝母(ばいも・編笠百合)は全部倒れました。実はまだ弾けていません。種が飛び出すのは梅雨明けごろ。

 ザトウムシ(座頭虫)。節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目で日本には80種類ぐらいいます。アメリカでは足長伯父さん(Daddy Longlegs)と呼ばれています。「千と千尋の神隠し」の釜爺(かまじい)のモデルであり、また「新世紀エヴァンゲリオン」のマトリエルのモデルとなっています。

 ミヤマフキバッタの幼体か。ヒメギスの幼体にしては触覚が短すぎるし後ろ脚がねています。

 陣場平の中央にあるクマノミズキ。花が咲いているものと結実したものが見られます。

 堂平大塚古墳へ。濃緑(こみどり)の里山の向こうに晴れていれば北アルプスが見えるのですが。中腹が見えていますね。

 ハハコグサ(母子草)キク科ハハコグサ属の越年草。春の七草のひとつです。里山にあると野草ですが、畑にあるとかわいそうですが雑草です。

 イチヤクソウ(一薬草)。別名は 鹿蹄草(ろくていそう)といい生薬。 薬効は急性腎炎、膀胱炎、妊娠時のむくみなど。妻女山山系では貴重な花です。

 葉を巻く昆虫は、オトシブミ科のオトシブミ(落し文)やハマキガ科のハマキムシ(葉巻虫)です。巻いた葉は揺籃といいます。これはどちらでしょう。後者かな。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。前翅がかなり傷んでいます。飛ぶのに問題はありません。

 妻女山展望台から茶臼山と右奥に虫倉山。

 飯縄山の山頂は雲の中。千曲川は大雨のために増水して濁っています。南長野運動公園。右はAC長野パルセイロのホームスタジアム。今日行われた信州ダービーは、松本1-1長野でした。信州ダービーは本当に面白い。盛り上がります。

 北アルプスは雲の中。夏色の空。明日からまた梅雨空に戻りそうです。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。講演は一人1000円✕10人、60分が最低基準です。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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オオミドリシジミの激しい占有行動や卍巴飛翔。休憩中を撮影。ウラゴマダラシジミとも邂逅。梅雨入り前の夏めく善光寺平。キタアカシジミ?(妻女山里山通信)

2024-06-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 前日は羽化したての綺麗なオオミドリシジミがいたのですが、強風で下におりてきませんでした。翌日登りましたが前夜に雨が降ったので湿度が高くおりてこない可能性もありました。着いてみると下草に雨露は残っていましたが、湿度は低くオオミドリシジミの占有行動や卍巴飛翔(まんじともえひしょう)も始まっていました。卍巴飛翔は占有行動のひとつで、2、3頭で激しく高速でクルクル回ること。時間は数秒から十数秒で、終えると近くの日当たりの良い葉に止まって見張るように占有行動をします。

 占有行動の激しいバトルが終わると日当たりの良い葉の上で休憩。森の宝石とも呼ばれます。
 オオミドリシジミ(大緑小灰蝶:Favonius orientalis)は、チョウ目シジミチョウ科ミドリシジミ亜科に属するチョウ。オスの翅は、青緑に輝き非常に美しい蝶です。メスの翅は灰褐色。幼虫の食樹はブナ科のコナラ・クヌギ・ナラガシワ・カシワ・ミズナラなど。

 美しい翅の表の色は鱗粉の色ではなく、オオムラサキと同様に構造色です。

 構造色なので見る角度により色味が少し変わります。それもまた美しい。

 葉に止まってから近づくと逃げます。そこで止まるであろう葉を特定して、そのそばで待ちます。

 まるでエメラルドかアクアマリンの様。森の宝石です。テリトリーの占有行動や卍巴飛翔は、晴れの日の朝から始まり午前9時半から10時半頃に突然終了します。雨や曇の日には行いません。太陽が大好きなゼフィルスです。

 ミドリシジミとつくものは他に、ミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、フジミドリシジミ、ミヤマカラスシジミ、メスアカミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、アイノミドリシジミなどがいますが、このエリアでは最後の三種も見られます。

 シジミチョウの多くは、この時期に羽化して産卵するため、農薬散布をすると簡単に絶滅してしまうのです。同時期に林道脇などの除草もされますが、食草であるイボタノキやクヌギやヤマザクラ、カシワの幼木や若木が切られると、大量の卵が死んでしまいます。

 月末までは占有行動のバトルが見られそうです。

 占有行動が終わったので陣場平へ。貝母(編笠百合)は実が大きくなり後は枯れて弾けて種を飛ばすだけです。日本でここだけの大きな群生地。花の見頃は4月10〜20日頃です。

 ウラゴマダラシジミ。シジミチョウ科 シジミチョウ亜科のシジミチョウで、幼虫の食草はイボタノキ。成虫もイボタノキやクリで吸蜜するので、その近くで見られることが多い蝶です。イボタノキの花が散ってしまったので今は栗の木の花で吸蜜していると思います。

 やや大型のシジミチョウで、翅の裏の縁に沿って二列の黒胡麻状の紋があり、それが名前の由来です。

 堂平大塚古墳で除草した後で下山。妻女山展望台から。西の茶臼山。右奥に虫倉山。両山とも拙書で紹介。茶臼山は幼児でも登れます。

 北に飯縄山。手前は南長野運動公園の野球場と屋内プールにサッカースタジアム。その手前に千曲川。

 北東にホワイトリングとエムウェーブ。右奥に高社山。拙書でも載せていますが、歴史のある非常に面白い里山です。

 東に松代の城下町。奥に大きな奇妙山。本来は帰命山で、本名を仏師岳(仏師ガ岳)といい古代は修験の山で、戦国時代以前の山城の跡もあります。ハイカーに人気の里山で、拙書でも紹介しています。

 4日後、再び現場に。朝8時半にはすでに激しい卍巴飛翔が森のあちこちで繰り広げられていました。しかし、なかなか下りてきません。やっと山椒の葉に止まったところを撮影。

 前回に比べると3倍ぐらいに数は増えています。午後は激しい夕立になりました。大雨で翌日の撮影は難しそうです。眼の黒い線は、触覚の影です。

 あちこちでコムラサキ(小紫)の花が咲き始めました。

「鴨ロースと淡竹のピラフ」旬の淡竹に鴨のロース、新玉葱、インゲン、エリンギをコンソメパウダーとエキストラ・ヴァージン・オリーブオイル、胡椒で炊き込みます。鴨ロースの脂が行き渡って美味。淡竹は鯖水煮缶汁や天ぷらなど和風が多いのですが、洋風や中華風も合います。淡竹に海老団子や鶏ひき肉を詰めてフライも美味。豚の角煮と中華風炊き込みご飯もお勧め。淡竹の季節も終わりなので、それ目当ての子連れの熊も来なくなるでしょう。

 2年前に妻女山山系で撮影したシジミチョウ。最初アカシジミと思ったのですが、帰って拡大してみると違う。ひょっとしてキタアカシジミ(カシワアカシジミ)か? ネットで群馬のアカシジミと北海道のキタアカシジミを画像で比較しているサイトがあったので比較してみました。どちらでもないというか両方の特徴が見られる。キタアカシジミで画像検索すると、そちらに近い様な。で、「キタアカシジミ 長野県」で検索すると、キタアカシジミが絶滅危惧Ⅱ類. Vulnerable (VU).になっていました。生息する様です。信州には東信などにはアカシジミも生息します。不思議です。どういう分布なのでしょう。私が発見し撮影したナミルリモンハナバチ(ブルービー)も全く生息分布が分かっていません。
 基本的に厳密な生物の同定というのは、DNAレベルまで調べないと分からないのです。動物に限らず植物でも菌類でも粘菌でさえそうです。それらをすべて調べるほどの機関も人員も予算も時間も無いというのが現状です。

梅雨の森の宝石オオミドリシジミ。ウラゴマダラシジミ、ミズイロオナガシジミ。枯れ始めた貝母の実。熟れた実が匂うあんずの里(妻女山里山通信):羽化したての鮮やかなオオミドリシジミです。

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イボタノキで吸蜜するコマルハナバチ。羽化したてのミズイロオナガシジミ。光るヒメウラナミジャノメ。淡竹のおやき。コミスジ、オオミドリシジミ(妻女山里山通信)

2024-06-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が29度の予報の中、妻女山へ。そろそろゼフィルスに出会えるかもと。なんと羽化したてのミズイロオナガシジミに邂逅しました。アカシジミとクジャクチョウも目撃。信州の里山は、梅雨と真夏に向けてどんどん賑やかになって行きます。

 イボタノキで吸蜜するコマルハナバチ。花が小さく蜜が少ないのか次々と花を替えるので撮影に難儀しました。逆光に光る毛が美しい。長い口吻が目立ちます。

 オスのコマルハナバチ。とにかく動きが速い。毛深くて花粉が付きやすいので果実の受粉を助ける優秀な昆虫なのです。

 スポットライトを浴びたようにヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。前翅の付け根の青と緑の毛が美しく光っています。草の上を跳ねるようにフワフワと飛ぶので遠目でも分かります。

 蝶の撮影に来ていた顔見知りの女性から羽化したばかりのミズイロオナガシジミ(水色尾長小灰蝶)がいると教えてもらいました。なんでも羽化の瞬間を目撃したとか。羽化したてなので綺麗です。私は鳥にはあまり詳しくはないのですが、彼女によるとガビチョウが増えた。ヒヨドリ、シジュウカラはたくさんいるけど、サンショウクイやクロツグミもいると。

 羽化したばかりで動きがぎこちない。舞い上がったと思ったら小さな草につかまって逆さまになってしまいました。食樹は、ブナ科のコナラやクヌギなど。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)アゲハチョウ上科タテハチョウ科。幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラやタニウツギ、ヤブウツギなど。妻女山山系のものは、オレンジ色の斑紋があります。

 キバネツノトンボの卵塊を見に行きました。この茎には三か所に産み付けられています。孵化が楽しみです。蛹化や羽化も見てみたい。孵化の後は茎の上部に集まり3日以内には落下して散らばっていくそうですが。その後どこで暮らすのでしょう。

 ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)。イチゴはそれ自体は偽果で痩果(そうか)。本当の果実は表面の粒々。無毒ですが無味無臭。中国では、ジャモ(蛇苺)といい全草を熱、咳、のど、痔の薬。抗がん活性作用もあるらしい。

 ヤマホタルブクロ(山蛍袋)キキョウ科ホタルブクロ属。昔、ホタルを入れて遊んだからの名前だそうですが、本当かなと思っていたら、生前父が子供の頃そうやって遊んだと言っていたと聞いて、へえ!って納得しました。

 オカトラノオ(丘虎乃尾)の蕾。サクラソウ科オカトラノオ属。花は穂の下の方から咲いていきます。群生地では、花穂(かすい)の波うつ様子がまるで波の文様の青海波(せいがいは)のように見えます。

 林道倉科坂線から松代方面。左に拙書でも紹介の奇妙山。山頂は古い山城です。右奥に根子岳が霞んでいます。

 翌日は曇り。キバネツノトンボの卵塊は気になったのですが温泉へ。帰りにJAのスーパーに寄ったら東北フェアでなんとホヤの刺し身が売られていました。大好物です。しかし普通は信州では、生のナマコ(海鼠)と同様にお目にかかることはありません。初めて食べたのは恐らくアマゾンから帰ってブラジルで出会った友人を訪ねて青森に行った時。はまって在京時代は生のホヤを買って自分でさばいていました。久しぶりの美味を堪能。お酒が進みます。

「淡竹と鴨・合挽肉・ビタミンちくわのおやき」旬の淡竹に鴨のロース、合挽肉、信州人のソウルフード・スギヨのビタミンちくわ、新玉葱の中華風おやき。皮はまぼろしの小麦粉・伊賀筑後オレゴンにとろろを少し。具の味付けは、手作り信州糀味噌、昆布鰹出汁顆粒、牡蠣ソース、五香粉、豆板醤、XO醤、ジャンツォンジャン、ラー油、胡椒。鴨の脂が淡竹と合わさってこくのあるいい味を出します。皿はオールド・ノリタケのBROOKVALEです。

 コミスジ。ボディの七色が美しい。

 枯れ葉の中でもがいていたミズイロオナガシジミ。羽化不全でしょうか。

 森の宝石、本命のオオミドリシジミ。強風で専有行動も少なく下に来ません。次の機会を待ちます。

「フェジョン・コズィード」ブラジルのほぼ毎日食べる料理。フェジョン・プレット(黒いんげん豆)を茹でて、ひき肉、ウインナーソーセージをニンニクでコンソメ味で炒め煮したもの。ファリーニャ・デ・マンジョーカの粉と辛いピメンタをかけて食べます。ブラジル旅行中は毎日食べていました。ブラジル人のソウルフード。臓物が色々入るとフェイジョアーダ。付け合せはガーリックライス。バックの布は。昔アマゾン川の中流の街サンタレンの生地屋で買ったもの。

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キバネツノトンボの産卵。突然のアクシデントであたふたも。無事産卵を終えることができました。9つの卵塊を発見(妻女山里山通信)

2024-06-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 そろそろゼフィルスの季節と晴天の妻女山山系へ登ったのですが、目にしたのはキバネツノトンボの産卵でした。昨年が異常なくらいに春が早く初夏も暑かったのです。16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少なキバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)。交尾期は早々と終えてオスは姿を消しました。2匹の産卵を確認しました。

 産卵するメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)を探して飛び回るキバネツノトンボのメスを発見。3分ほど飛び回ってやっとお気に入りのメリケンカルカヤを見つけました。トンボといいますが、実はアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫。大きな目のその愛くるしい姿は、一度見たら忘れられません。絶滅危惧種ですが、長野県ではあちこちに生息地がある様です。

 20個ほど産んだところでそのアクシデントは起きました。マクロレンズのフードの先がキバネツノトンボから5〜10センチで撮影しているのですが、なんと腕にかけていたカメラのストラップが派手に落ちてしまったのです。なんという大失態。キバネツノトンボは驚いて飛び去ってしまいました。申し訳ない!

 それで2分ほど飛び回って新しいメリケンカルカヤの茎に掴まりました。同じところには戻らないというか、どこだったか覚えていないのでしょう。すぐに産卵を再開しました。やれやれ。良かった。

 左右交互に産み付けて行きます。

 5月下旬の頃と違い、メリケンカルカヤは豪雨や強風もあったので倒れています。

 かなり疲れるのでしょうか。5月のメスは10分ぐらいで60個ぐらいを産んだのですが、時々5〜10秒ほど休みます。

 卵には茎に接着するための粘液がコーティングされています。

 お腹を曲げて産み付けていきます。

 もうお腹が曲がれなくなったので、少し茎をよじ登ります。ついでに休憩しています。かなり産んだのでお腹も痩せてきました。

 最後の産卵です。

 終わった様です。だらんとぶら下がりました。結局ブランクを除いても産卵には20分ほどかかりました。前回の2倍の時間です。

 突然羽ばたいて飛び去っていきました。撮影中は息を止めているので私も疲れました。

 休憩しようと堂平大塚古墳のログハウスへ行こうとしたらなんということでしょう~。入り口の手前に大きなクヌギの倒木が。進めません。Uターンもできません。仕方なく200mほどをバックで登り返しました。やれやれ。梅雨明けの作業で処理しましょうか。

 陣場平へ。貝母は実がついたものはまだ倒れていません。ガビチョウがやかましい。ウスバシロチョウが2頭いるだけでした。イボタノキにもウラゴマダラシジミはいません。下山します。

 もう撮影するものは今日はないかなと思ったら別のメスが産卵を始めていました。

 右は別のメスが産んだ卵塊です。観察すると、メリケンカルカヤはたくさんあるのですが、産卵に適した太さや場所があるようで。それはそう多くない様なのです。それで同じ茎に産卵することが起きるのでしょう。こういう茎が3本ありました。

 これは5月23日か24日に産み付けられた卵塊。色が変わって中で幼虫が育っている様です。最終的に9つの卵塊を見つけました。

 今年はヤマホタルブクロが例年よりたくさん咲いています。

 妻女山展望台後ろの四阿から茶臼山と右奥に虫倉山。北アルプスの白馬三山は雲の中です。お昼のチャイムが鳴ったので帰ります。鞍骨山へ何人か登っている様です。淡竹の筍を求めて子連れの熊が下りてくる頃なので、登山ノートに気をつける様に書いておきました。今年は例年の1.8倍の熊の出現数で県から注意報が出ました。

キバネツノトンボの産卵 vol.03 *オリジナルは4kで重いので無料動画圧縮サイトVEEDで軽くしてインスタグラムに載せています。


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