2011年11月、期間限定女性アイドルグループ、さくら学院の重音部として「アイドルとメタルの融合」を掲げて活動を開始した美少女三人組がBABYMETAL(ベビーメタル)。iTunes Storeにおいて7ヵ国のロックアルバムチャートでベスト10に入り、アメリカのビルボードでは6部門に、イギリスのオフィシャルチャートでは2部門にランクインしました。海外では、「KAWAII METAL」とも呼ばれているわけです。メタルでお馴染みのメロイックサインではなく、彼女達の誤解から生まれたというフォックスサインであることも特筆。プロデューサーはKOBAMETAL。振り付けは、MIKIKOMETAL。
まあ実際はヘヴィメタルは古いわけで、反権力、反権威を象徴するアナーキーな音楽だったわけですが、人間ず~っと怒っているって難しいのです。怒り疲れてしまう。演奏者も表現に行き詰まるわけです。血の雨降らせたり自傷行為に走ったりと大変なんです。観る方も疲れますわ。でBABYMETALの登場。可愛いメタルなんて言われますが、実は言うことは言うハッピーメタル。ここが肝でしょうね。可愛い子が「寝てんじゃねえよ!」「鬱屈してんじゃねえよ!」「愛する人を守るために戦えよ!(戦争しろってことじゃないですよ)」と激しく楽しく可愛く歌っているわけです。本当の敵は誰か見分けろと。世界を寡占しようと企むやつらから身を守れと。それがメタルの本質のはず。アップの動画は消えることもあります。その際は検索してください。
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今年の7月から、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本を巡るワールドツアーを開始。『Sonisphere Festival UK』にも三番手で出演し、6万人の大観衆を魅了。レディー・ガガが、彼女達の大ファンで、彼女のツアーのオープニング・アクトに参加。ロンドンのO2アカデミー・ブリクストンでの公演では海外ワンマンライブとしてはデビュー以来最多となる約5000人を動員しました。また、この公演で「メタルレジスタンス第2章」の完結が宣言され、ドラゴンフォースとコラボレーションした新曲『THE ONE(仮題)』(正式タイトルは『Road of Resistance』に決定)の初披露をもって「メタルレジスタンス第3章」の開始が宣言されたわけですが、この新曲、既にファンの間では神曲などとも言われています。更に来年5月、アメリカの【ROCK ON THE RANGE 2015】に出演が決定。ジューダス・プリースト、スリップノット、マリリン・マンソンらと共演するということです。これは凄い。
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英語ではなく日本語で歌っているにも関わらず、日本より海外での方が遥かに評価が高い。生演奏の時のバックの「神バンド」の評価も非常に高い。ギターの大村神、藤岡神、Leda神、ベースのBOH神ももちろんですが、ツインバスドラムを自在に操る青山神と前田神に私は悶える。個人的には、神バンドのソロパートをもう少し増やした曲も欲しいし、バリエーションも欲しい。ファン層が、子供から往年の70代のメタルファンまでと広いのが特徴。英国のある音楽評論家は、プロモーションが上手く行けば、ビートルズやマイケル・ジャクソンクラスまで行くかもしれないとまで言っています。それは、商業主義的な成功の話なので、どうでもいいですが。しかし、日本語の歌でビルボードのヒットチャートにのるなんていうのは、坂本九の「スキヤキソング」以来じゃないでしょうか。
この記事のタイトルは、かなり煽っている感があると思われるかも知れませんが、そうではありません。先人の辛苦があったからこそ、今の彼女達があるのです。私はヒッキーも大好きです。『Automatic』を初めて聴いた時の衝撃は忘れません。それだからこそ、ベビーメタルの躍進に賛辞を惜しまず、さらなる躍進を期待するのです。
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私も学生時代は、『国分寺・国立70Sグラフィティ』というブログをやっているように、作家村上春樹さんのジャズ喫茶でアルバイトをしていたのでジャズマニアでしたが、家に帰るとハードロックもよく聴いたものです。ザ・ローリングストーンズから始まり、ジャニス・ジョプリン、ジミー・ヘンドリックス、クロスビー・スティルス、ナッシュ&ヤング、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、エマーソン・レイク&パーマー、ザ・バンド等々。
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当時は、プログレッシブ・ロック(プログレ)とか、ヘビー(へヴィ)・メタルとかジャズ・ロックとか色々あって、クラウト・ロック(ジャーマン・プログレ)のクラフトワークからアンビエント・ミュージックのトーキング・ヘッズ、ブライアン・イーノ、トムトム・クラブからペンギン・カフェ・オーケストラからテクノへ。ボブ・マーリーやブラック・ウフルーなどのレゲエからジャヴァンなどのブラジルの音楽やディープ・フォレストなどのワールド・ミュージックへと好きな音楽は全てジャンル関係なく無節操に聴いていたのです。もちろんクラシックも聴きます。好きなピアニストは、マルタ・アルゲリッチとアリス=紗良・オット。ジャズの好きなアルバムや演奏家は、『国分寺・国立70Sグラフィティ』のエッセイの中でたくさん紹介しています。
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1979年に江ノ島で開催された伝説のコンサート「Japan Jam '79(ジャパン・ジャム79)」へは男女の友人達を誘って行った思い出があります。売れ始めたサザン・オールスターズが最初で、TKO、Firefall、Heartと続き、トリが春樹さんの小説にも登場するBeach Boys だった。さすがに当時でももう懐メロでしたけれどね。ちょうど横須賀に米軍の空母が入港していたとかで、若い米兵やヤンキー・ギャルで溢れていました。米兵が吸う草の匂いが会場中に溢れていました。今思うともの凄いコンサートでした。
◆Heart - Crazy On You (音量小さめなのでアップして)
◆個人的に大好きな曲。「二度と会えないけれど・・。絶望さえも光になる」こんなに哀しく美しい曲はない。
BABYMETAL - NO RAIN, NO RAINBOW 【Live Blu-ray/DVD 「LEGEND - S - BAPTISM XX -」】
◆インディーズ・デビュー曲。ユイとモアは、なんと小学5年生ですよ。3人のダンスがキレッキレ。日常は、ランドセルを背負った、史上初のヘビーメタル・ミュージシャン!
BABYMETAL - "Doki Doki Morning" in TOKYO IDOL FESTIVAL 2011 Performed 28/08/11