モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

真夏の樹液バーに集まるオオムラサキ その1 on Youtube(妻女山里山通信)

2011-11-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 この7月、8月に妻女山山系で撮影したオオムラサキの写真を三部作のスライドショーにしました。その第一部です。樹液バー(樹液酒場)に集まって吸汁するオオムラサキと同じ目線になるために、レンズを3-10センチまで近づけて撮影。普通なら当然逃げてしまいます。それを逃げない様に接近する術を会得するのが大変でした。気まぐれなオオムラサキは、たくさん集まる事もあれば、待てど暮らせど現れない事もあります。

 そして、それ以上に厄介だったのが、その樹液バーに集まる凶暴?な客。一番強い傍若無人な客はカブトムシなのですが、これは人を襲いません。一番危険な客は、オオスズメバチです。樹液バーに近寄る相手を頭突きで追い出し、頭を穴に突っ込んで削岩機のように激しく降りながら樹液を吸います。いや食べるといった方が適切かもしれません。

 樹液バーとか樹液酒場というのには、理由があります。ボクトウガやカミキリの幼虫が開けた穴や、人間が伐採してできた切り口などからしみ出した樹液は、酵母によりすぐに発酵します。そのため、体の大きな人間には感じられないほどのアルコール分があるわけです。コナラの樹液は、非常に糖分が高く、舐めるとガムシロップほどの甘さがあります。

 オオスズメバチは、たいてい数匹で訪れ、時には共同で訪れたミヤマカミキリなどを追い落とします。オオムラサキに関しては普段はオオスズメバチの方が優位なのですが、先にメスの大きなオオムラサキがいた場合等は、激しく羽ばたいてオオスズメバチを追い払うこともあります。

 オオスズメバチが夢中で吸汁している時が撮影のチャンスです。しかし、吸い終わって巣に戻るために頭をもたげた時が危ない。飛び立つ巣の方向を塞いでいたら即刺されます。しかも、酔っぱらってクルクル回ってから一瞬違う方向へ飛び立ったりもするので、気が抜けません。一度はしつこいミヤマカミキリに煩わされて機嫌が悪かったのか、約80mも追いかけられました。まあ、そんな苦労も逆光に透けるオオムラサキの美しい吸汁シーンが撮れると、吹き飛ぶのですが。

 BGMですが、今回はGarageBandでアンビエント・ミュージック風のオリジナル曲を作曲してみました。まだ充分に使いこなせていないので満足な出来映えとはいきませんが、それなりに形にはなったかなと思っています・・。まあ今後に期待してください。なかなか楽しいソフトです。その気になればビッグバンドやオーケストラもできます。

Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 1of3



Omurasaki[Sasakia charonda], the Great purple emperor, is a species of butterflies in the family Nymphalidae and the national butterfly of Japan.Adults feeds on sap of oaks.Wingspan of male: 50mm, female: 65mm.
I took these photos in July and August of 2011 at Mt.Saijo in Nagano Japan.
For more, please visit http://www41.tok2.com/home/capino/mori/index.html

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★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。
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サマータイムブルース & FRYING DUTCHMAN humanERROR(反原発通信)

2011-11-28 | 歴史・地理・雑学
FRYING DUTCHMAN humanERROR


RCサクセション サマータイムブルース~LOVE ME TENDER


■日本の農水産物輸出は放射能汚染により各国より輸入を禁止・規制され崩壊状態。 さらに中古車も高い線量が検出され、返送される例も。中国は日本からの農産物の輸入を解禁したが、高濃度汚染地域は未だ禁止。長野県も同様。「原発事故にともなう日本産農林水産物・食品への安全性検査等規制の動向」JETRO

■日本政府は、1kgあたり8,000ベクレル以下であれば瓦礫の焼却を認めている。この数値は、アメリカであれば放射性廃棄物として地中深く何千年も埋めておかなければならないレベル。政府は全国民を被曝させるつもり。すでに品川の線量は高い。しかも、東京都が受け入れた汚染瓦礫の焼却処理は、東京電力グループ会社1社が単独で請け負っているという驚愕の事実。さらに、移動できる震災瓦礫は100Bq/キロ以下、米等は500Bq/キロ以下。瓦礫よりも放射能汚染度の高い米を食べさせられる驚愕の事実。
瓦礫焼却で放射能再拡散!」 ガンダーセン博士

長野県松本市「広報まつもと」 (12月号)「原子力災害と放射線被ばく」 ~チェルノブイリ事故医療支援の経験を通じて~ 菅谷昭松本市長。

【みんなのカルテ保管庫】すでに各地で色々な症例が出ている。 チェルノブイリより発症が早い。

1号機水素爆発-住民には知らせず逃げた町議会の人々 無知と無関心、安全性バイアス、多数派同調バイアスは悲劇を生む。選んだのは住民だ。

【放射線】数値が高く出ることに怯えた文科省は、線量計の数値が低く出るよう仕様変更することを強硬に要求 国民を守る気がない。

【汚染】放射性セシウムは山脈の地形に沿う形で地表に降り積もっている(3D汚染マップ) 地上数百メートルを移動して雨に当たると落ちた。一部は上昇気流に乗り山脈も超えている。グレーの部分は、ゼロというわけではない。

溶融した核燃料は今、どこに!? 東電、11月30日に見解発表 どこへ行ったか分からないのに安全? すでに地下数十mとも。地下水脈に触れたら爆発。海に出て太平洋は死海になる。

■「東京はキエフと同じようなもの。安全圏ではない。」ドイツ放射線防護協会会長 キエフでなにが起きたかは次の記事を。

チェルノブイリ事故発生から25年間の健康被害まとめ 必見!労作。同じ道を辿る日本。

閲覧注意【チェルノブイリの惨劇:外表奇形】 奇形は感染症・環境ホルモン・化学物質(薬剤・農薬等)・染色体異常等でも起きるが、放射線の影響は著しく強いとされる。

ノルウェーの研究チームにより、新たに福島第一原発事故で大気中に放出された放射性物質の総量が計算され、政府が6月に発表した推定放出量よりもずっと多いという報告があった。Nature 3月15日夜から16日未明にかけて雨が降った栃木県と群馬県の山間部では、土壌から比較的高濃度の放射性物質が検出された。一方、首都圏では、高濃度の放射性物質が上空を通過したときに、たまたま雨が降らなかったことが幸いした。しかし、21日から22日にかけても放射性物質が南関東に流れ込んだ。このときは、雨が降っていたため、南関東でも高濃度に汚染された地域がでた。

宇宙に167日間滞在した古川聡さん、被曝量は100年分 こういう事実は、マスコミは伝えようとしない。宇宙は死の世界。

■864年:富士山噴火/868年:播磨国地震(阪神)/869年:貞観地震・貞観津波(東北)/871年:鳥海山噴火/874年:開聞岳噴火/878年:相模・武蔵地震(関東)M 7.4/887年:仁和地震(東海・南海地震:M 8.0~8.5)。大地震は必ず来る。原発は必ず壊れる。六ヶ所村が壊れたら日本だけでなく世界が終わる。それだけの使用済み核燃料がある。

グローバリズムの行き着く先は? 全てがこの通りに行くとは思えないが、絶えず戦争に明け暮れた現代史を観ると絶対あり得ないとはいえない。

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「キッズ・トレッキング」のアドバイス。(信州妻女山里山通信)

2011-11-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 低山トレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS】を訪問してくれる人の中に、度々検索で「キッズ トレッキング」とか「ファミリー ハイキング」、「子供 登山」などで来られる方がいます。掲載は2000年からですが、実は息子二人とも歩き始めてすぐに山歩きを始めています。子供達を自然に親しませたいと考える親は多いようですが、どんなことに気をつけたらいいかなど、意外な盲点もあります。今回は、そんなことを書いてみようと思います。10歳以下、特に小学校入学前の児童について詳しく記します。
 遠足は別の効用があるので否定するつもりはありませんが、人数が多いため子供が自然と向き合う、または包まれる、対話する形になりません。なるべく少人数の方が、緊張感や子供なりの責任感や、自然と対峙する気持ちが育ちます。慣れて来ると、親が無理に教えなくとも子供なりに自然の中での溶込み方や楽しみ方を見つけられる様になります。

  長男次男とも初登山は、歩き始めた1歳時の信州の妻女山(川中島合戦で上杉謙信が布陣したところ)でした。 今では笑いぐさですが、次男が初めて高尾山の稲荷山コースを登ったのが2歳半の時。上下紺のジャージのもじもじ君スタイルに、ミスタードーナッツでもらった小さなリュック。追い抜くおばさんトレッカーに「まあかわいい。その中には何が入ってるのかなあ?お菓子かなあ」なんて言われつつ登ったものですが、入っていたのは紙おむつ1個。稲荷山の休憩所では、アメリカ人のおばさんに「まだベイビーじゃないの」と言われ、普通1時間半位で登れるコースを3時間もかけて登りました。頂上直下では10mおきに小休止して麦チョコで栄養補給。但し、これは2歳半としてはかなり異例。次男は毎日保育園まで1キロを歩いて通っていたという経験があったためで、毎日長距離を歩いていない子供には無理。その子にあった無理のない山を選びましょう。有名な山である必要はありませんが、無名の山は登山道が整備されておらず、作業道がたくさんあり、北アルプスより道迷いしやすい場合が多々あります。(以下リンク自由、出典記せばコピペも自由、誤記あれば修正)

■プライオリティ(優先順位)をはっきりさせる。
もっとも大事な事は、怪我や病気もなく元気に帰還すること。命が一番大事。
そのための方策を第一とする。そして楽しく。
自然は子供相手でも手加減をしてくれない。理不尽もある。想定外も想定内に。山での基本は、子供であれ自分の事はまず自分で守る。そして、子供自身がアウトドア体験を通して、生きる上でのプライオリティを言葉だけではなく経験や直感で会得していくことが大事。
ここでは、亜高山ではなく、低山(今回の場合は1500m以下)が前提。岩場の技術や亜高山以上は別のサイトを。


■予定
●午後2時には下山。(携帯電話を過信しない。繋がらない場合もある)
 これは万が一怪我や病気で動けなくなったり不測の事態が起きた時に、下まで救援を頼みに行き明るいうちに戻って来れることを想定。早発早帰が基本。
 山の日暮れは早い。特に早春や晩秋は3時過ぎると森は薄暗くなる。山は早出早帰が基本。
●初めは標高差100mぐらい、片道30分位から。徐々に伸ばして行く。いきなり富士山に行かない。都内ならまず高尾山へケーブルカーで。
 その後、慣れたら徐々に高尾山を麓から登り、次に高尾山から見える山に登ってみる。東京の例:子仏城山・景信山・陣場山等。
 長野市周辺なら、妻女山・茶臼山・旭山など。遠足で低学年が登る山。
●万が一の時のエスケープルートがたくさんあり、本当は頂上まで車でも行ける山(例:高尾山)が最初にはいい。
 都近郊の高尾山や子仏城山・景信山・陣場山等のように茶店がある山を選ぶのも万が一のためにいい(但し閉まっている場合も)。
●地形図や登山地図を子供と見てシミュレーションする。慣れると3Dでルートを頭の中に描ける様になる。
 登山地図の所要時間は成人男子の平均なので、子供の場合は年齢や経験により1.5倍か2倍と見る。一度登ればだいたいペースがつかめるはず。
 Googleマップの写真を見ると山の植生が分かる。針葉樹林と広葉樹林の区域等地図に書込んでおくと目安になる。他のサイトで情報を得る。
●普段から親子とも歩く。エレベーターやエスカレーターを使わない。体調が悪ければ中止する。

■服装・装備・食料
●登山地図・コンパス・地形図。(注意:地形図の破線は旧道で消滅しているものもある)
●下着・上着共撥水性の高い化学繊維がいい。木綿は汗を吸うが発散しないので冷える。ブランド品である必要はない。素材が大事。脱ぎ着し易い伸縮性のあるものを重ね着。子供は汗かきなので着替えを持つ。アルミがラミネートされたエマージェンシーシートも必須(100~500円位)。α線β線も遮断できる(γ線は突き抜ける)。
●靴は足首まである子供用のトレッキングシューズを。最近は安価でいいものがネット等でも買えるが、これだけは当たり外れがあるし足に合わないとだめ。ブランド品がいいとは限らない。18センチ以下はほとんどないので店で探すしかない。足首まであり、底の型がビブラム擬でやや厚めのもの。やや厚めの化繊の靴下を履かせる。
●雨具は必須。防水性があれば安くてもいい。山の天気は低山でも変わり易い。晴天でも雨具を。手袋(季節に応じたもの)・帽子(あごひも付)。
●2、3歳以下の場合は、万一のためにアルミの背負子(ベビーキャリア)、それ以上はおんぶ紐になるものがあるといい。疲れたり足をくじいて歩行不能になった時の用意。ザイルでもいい。
●靴ひもが切れたり、靴底が加水分解して剥がれた時の為に、靴ひもの替えと布ガムテープ。
●救急用具とトイレットペーパー。ゴミ袋。タオル。手ぬぐい。輪ゴム。
 救急絆創膏、消毒剤はもちろんだが、清潔な手ぬぐいを何枚か持つと便利。包帯や止血に使える。虫刺されに軟膏。
●最初は、おやつ程度が入った小さめのリュックを背負わせる。おにぎりや飲み物は親が持つ。慣れて来たら徐々に増やす。擦りむいたりした時に傷口を洗える様に、真水か日本茶があるといい。
●春秋の肌寒い日は、魔法瓶に熱湯を入れ、マルコメの即席生味噌汁が重宝した。おすすめは豚汁。バーナーと水を持って即席ラーメンを作るのも温まる。

●【重要!】 4歳以下の子供は疲労を感じるセンサーが未発達。よって歩けないと言ったときは既に限界。絶対に無理をさせてはいけない。子供に合わせる。登頂したら褒める!
 しかし、小休止(5分)と行動食(飴・チョコ・クッキー等)、水分補給ですぐ復活。大人以上に小休止をこま目に。

●水分補給を頻繁に。最低500cc。夏場は二倍以上必要と考える。真夏は凍らせたものもあると便利。
 子供は、老人と同様脱水症状になりやすい。
●スポーツゼリーは、吸収が早くエネルギーの補給に最適。
●蜂除けに黒い色の服や帽子は避ける。刺された時のために、毒を吸い取る「ポイズンリムーバー」があるといい。1000円ぐらいからある。
●子供の場合、おにぎりは小さめを複数用意する。腐り易いものは避ける。
●飴・チョコ・クッキー・ミントタブレットなど。ミント系は虫除けになるが、イチゴ・バナナ味などは虫を引きつける。化粧品は無香料を。
●夏場は、蚊除けスプレー(ハーブで自作が安全)。クマ除け鈴・ホイッスル。クマ、イノシシには注意。高尾山にも出没。
 他に毒虫や毒草もたくさんある。むやみやたらに口にしない(いるんだこういう人が)。
 ニリンソウとヤマトリカブト、セリとドクゼリ、秋冬の赤い実はほとんど毒等。毒キノコに注意。(自然には食べたら命に関わるものが多数ある。図鑑で判別は危険)
●オオスズメバチの威嚇。近くでホバリングしながらカチカチと顎を鳴らす。巣が近い証拠。速やかに去る。巣に近い場合頭に体当たりされる。石を投げられたくらい痛い。速やかに去る。悲鳴をあげたり手で払ったりしない。それでも不用意に巣に接近し巣を踏んだ場合。刺されまくって・・天国。
●初夏から夏は日射病、熱中症。春秋は低体温症に注意。
●藪山の場合は、サングラスやゴーグルを。放射性物質の吸引防止に、場合によってはマスク。
●万が一の場合に備えて懐中電灯。ヘッドランプならベスト。ラジオもあるといい。但し装備は軽く。

■山登り
●まず準備体操。動的ストレッチを入念にやる。特に脚の裏の筋をよく伸ばしておく。
●基本は、子供を1、2m位前を歩かせる。(危険を注意でき、回避し易い。安全な所以外で走り出したら制止する。怒るのではなく理由を説明する)
 少々の崖登りなども、後ろから支えられる。前を歩かせることで、子供に先導者としての責任感も生まれるかも。熊が棲む山ではちょっと勇気も要る。
 子供はペースをつかめない。初めに駆け出したりしがち。怪我のもと、後半必ずバテる。それをきちんと話して説明する。それを聞くかどうかは普段の親子関係。
●例外は、急な下りの場合。転落防止のため後ろを歩かせる。本当に危険な箇所は、抱くか腕をつかんで補助。手をつなぐはだめ。高尾山でもそういう場所はある。
●必ずしもピークハント(登頂)をしなくてもいい。天候の急変(雷雨)など、危険を察知したら迷わず引き返す。エスケープルートを頭に入れておく。
 例えば人気の高尾山から陣場山までの縦走の場合、明王峠で相模湖駅へ下りるとか。
●登る以外になにか、山を楽しむことをする。
 写真・絵画・昆虫採種・植物採種・探鳥・山菜採り・キノコ狩り・工作の材料集め・石採種・化石・山座同定等々。帰ってからも楽しめる。
●地形図・コンパスを携行し、子供と現在位置を確認しながら読図法を覚える。
●道に迷ったら、分かる所まで引き返す。地形図や下界や鉄塔を見て位置を把握する。基本は尾根に乗る(下らない)。
●ハイカーとすれ違ったら元気よく挨拶。しかし、団体さんと出会うと挨拶地獄になり、息子が転んだことがある。ほどほどに。
●福島第一原発の事故により、山によってはかなりの放射性物質が沈着しているところがある。事前に調べて高線量の山は避ける。
 落ち葉や草に直接座らない。木製のベンチも同様。枯葉等の埃を吸わない様に気をつける。これらは特に若い女性も同様。
●日帰り山行のトイレは、登る前に済ませるのが基本。山頂に茶店のトイレや公衆トイレがある場合はそこで。雉撃ち(小用)、熊撃ち(大)は、非常時と考えるが、我慢は禁物。登山道の真ん中でしていたおばさんがいたが、言語道断!
●山のマナーについては、登り優先とかあるが、年配の人等にはお先どうぞと言われる事も少なくない。基本は下界と一緒だが、山特有の危険を回避したり、環境のためにしてはいけないことや、しなければいけないこともある。これらについては、各自で勉強されたし。
子供がやりがちなこと。石を投げる。石を落とす。不用意に枯れ木に寄りかかる。脇見して木に激突。ほどけた靴ひもを踏んで転ぶ。渓流に落ちる。もらす。
●ゴミは全て持ち帰る。
●山のブランド信仰を持たない。いい山は自分で見つける。
●山は登る為にだけあるのではない。特に低山は、暮らしや歴史が山の自然と密接な関係にある。それを学ぶべし。
●無地帰還したら万歳をする。(これは信州人だけか・・)

 それでは、よい山登りを! 例は、低山トレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS】をご笑覧ください。小学生以下には、2005年以前が参考になると思います。

「プライオリティ(優先順位)をはっきりさせる」ということは、地震や原発事故でも同様。「多数派同調バイアス」と「正常性バイアス」にかからないように、常に心の訓練が必要。「津波てんでんこ」は、語感が可愛いが、「津波が来たら、取るものも取らず、肉親にも構わずに、各自てんでんばらばらに一人で高台へと逃げろ」、「自分の命は自分で守れ」ということ。また、自分自身は助かり他人を助けられなかったとしてもそれを非難しない、という不文律にもなっている。--- という村の全滅を防ぐためには、道徳的規範を一時的に捨てなければならないという厳しい言葉。(wiki) 信州の「戌の満水」や「善光寺地震の鉄砲水」では、むしろ山際の人が多く犠牲になった。いつでも逃げられると慢心して避難が遅れたためといわれている。先祖もふたり犠牲になった。
福島第一原発の事故により、東北関東の山は場所によりかなり放射性物質で汚染されています。事前に情報を集め、危険な山には登らないように。また、山菜やキノコも汚染されています。低い汚染地帯での除染は、キノコの除染については、【信州の里山】キノコの放射能汚染と除染についてをご覧ください。

次男が小学一年生の時に登った五日市市養沢の養沢神社裏のサルギ尾根から御岳山へ登った記録です。現在はコースが整備された様ですが、当時は標識もはっきりした道もなく、完全なバリエーションルートでした。当日の気温は1度と寒い日でした。親の少し前を歩かせると、危険を察知しやすいのと指示ができます。下りは親が前を行った方がいい場合もあります。危険な箇所では止めて、どう登ったらいいか考えなと言います。本当に危険な場合は、細かく指示を出しますが、経験を積むと答えを出せるようになります。しかし、それでもコースを間違えることがあるのが里山です。作業道や獣道があちこちにあるからです。


◉ここからは2015年7月の追加記事になります。
『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が発売中。ファミリーにも登れる山もあります。長野市や松本市、上田市などの平安堂書店さんでお求め頂けます。蔦屋書店さんにも。東京は銀座の長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO しあわせ信州シェアスペース」にも置かれるそうです。最近は、首都圏から信州の里山に登りに来る人も多いですから。こちらのAmazonのページからも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいと思っています。

 表紙カバーは、青木村の子檀嶺岳(こまゆみだけ)です。ルビがないととても読めない山名ですが、その由来や歴史についても本文では詳しく書いています。単なる山登りのガイドではなく、生態系や歴史、里人のその山に対する想いなどについても記しています。それを抜きにしては里山の魅力は半減します。豊富な写真と合わせて、観ても読んでも面白い本になっていると思います。最近増えている山ガールや女性のハイカーにも楽しんでもらえるように、可愛いイラストを入れたり、美しい山野草の花のマクロ写真もたくさん入れました。もちろん、ベテランの藪山好き男性にもきっと満足していただける変態コースも入れてあります(笑)。
 扉は、千曲市倉科の三滝の最上部にある三の滝。真夏でも水温が10度と低く、爽風が吹き、気持ちのいい谷です。ここから三滝沢を詰めて、鏡台山まで約2時間半。標識も整備された登山道があります。冬は、条件が揃えば美しい氷爆が見られます。

 目次のパノラマ写真は、長野市南部の妻女山展望台からのもの。本文中には、特殊な技法で写真を6~10枚つないだパノラマ写真が、何枚も掲載してあります。目次に掲載された山は、38座。山名索引には78座載っています。コースは74と豊富です。ファミリーを含めた超初心者向けのコースから、一般向け、経験者向け、あるいはバリエーションルートが好きな藪山好き向け、体力の要るロングコースと、バリエーションも豊富です。
 各山の紹介は、まず歴史から始まり、自然の生態系へ。コースの紹介でも、歴史や生態系などにも触れています。ハイカーだけでなく、歴史好き、山野草好き、昆虫好き、サイクリストやトレランの人たちにも役に立つ本だと思います。また、山へは登れないけれども山が好きな人、山に登れない日などに読んでいただけると幸いです。

 地図は、国土地理院の承認を得て私が描き起こしました。コースは縮尺の関係上、必ずしも厳密ではありませんが、必要以上に情報を入れ過ぎると、重要なポイントを見落とす恐れがあるので、できるだけシンプルにを心がけました。よって、所要時間は基本的には、登りのみを記しています。また、車で行かれる人が多いので、駐車スペースを必ず記しています。山名については、自然地名は貴重な文化財産との考えから、できるだけ記するようにしました。山名というのは、必ずしもひとつではないので、可能な限りそれらも本文中に記しました。
 本文中には、私が撮影した様々な写真が豊富です(なんと668点)。パノラマ写真だけでなく、花(145点)や蝶などの昆虫、野生動物や地衣類、菌類から粘菌まで。コースの重要なポイントの写真を載せているのも特徴です。コース写真などは、本文と記号でリンクしているので、照らしあわせて読んで頂くと状況が分かりやすいと思います。もちろん季節によって変わりますが。

 コラムは、10本入れていますが、実はこれが結構肝なんです。いずれもこのブログで非常にアクセスの多いものを再構成してリライトしたものです。意外な驚きや発見があると思います。
「怪しくも美しい粘菌も宇宙船地球号の乗組員(上の写真)」「みすずかる信濃の国の鉄バクテリアがずくを出す」「イカリモンガってなにもんだ」「猫にマタタビ、熊に石油」「「森の哲人」ニホンカモシカの好奇心」「オオムラサキの悲劇」などなど。長野県シニア大学の講座でも反応や評判がよかった話です。ホームページでは、ホール・マウンテン・カタログと記していますが、隅から隅まで里山の魅力が、ぎっしりと詰まった本に仕上がったと思っています。
 来週の月曜日と金曜日には、松本でシニア大学で2時間の講座をしますが、そこでも里山の素晴らしさと共に危機を、そしてこの本の紹介もさせていただきます。里山ブームですが、里山を総体的に記したビジュアル豊富な本というのは、ありませんでした。そう言う意味でも多くの人達にお読みいただきたいと思っています。

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晩秋ににほふ紫の乙女は葉隠れの術を使う(妻女山里山通信)

2011-11-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 晩秋のキノコといえば、信州では紫占地。フランスではピエ・ブルー(pieds bleus)といって栽培もされている高級食材です。本当に美しい藤色をしています。焦茶色ばかりの濡れ落ち葉の中にたたずむ乙女というところでしょうか。ただこの乙女は生で食べると中毒します。おまけに乙女は成菌になると必ずといっていいほどお腹にウジ虫を飼っています。ショウジョウバエや小さな甲虫の幼虫などですが、紫占地にはよく頭の尖ったオレンジ色の幼虫がいます。食べても害はないのですが、塩水に浸けて取り除きます。東京や神奈川の山のものに比べると信州のそれは虫がかなり少ないのが特徴です。おそらく発生する時期の気温や地温の低さが関係しているのかもしれません。

 野生のキノコの場合、虫はつきものなので、絶対にいやだという人は食べないほかありません。また、この乙女は華奢で壊れやすいため優しく扱わなければなりません。乱暴に扱うと傘はすぐにバラバラになります。実に面倒な乙女です。成長して大きく傘を張った姿は森の貴婦人。菌輪といって輪や弧をなして並んでいる様は、まるで森の舞踏会。英語では "fairy ring"、"fairy circle"、"elf circle"、"pixie ring" など「妖精の輪」と表現されます。但し、落葉が進むと落ち葉に隠れて見つけにくくなります。足下にあっても、いわゆる「キノコ目」がないと見えて来ないのです。「晩秋ににほふ紫の乙女は葉隠れの術を使う」とはそういう意味です。古語においては、「かをる」は匂いに、「にほふ」は色彩に重きを置いた言葉とされています。梅は薫るもの、桜は匂うものといいます。藤紫の色は、雨に遭うと抜けます。さらに朝露に濡れたり雨に遭うと落ち葉が傘にべったりとついて、色も映り枯葉臭くなります。あっという間に乙女が老婆になってしまうのです。採り時がポイントです。

 落葉分解菌なので原木栽培はできませんが、わりと簡単に増やす事ができます。わが家の森では紫占地のシロを蒔いて発生させています。かなり厚めの落ち葉の層が必要で、風雨で流され表土が露出するような場所だと出ません。また、日陰か半日陰の湿った場所を好みます。紫占地は、落ち葉の下に純白からやがて薄紫色の奇麗な菌糸の膜を張り、いわゆるシロを形成します。薄く紫色の膜が張ったシロは、それだけでも大変美しいもので、森の中の神秘のヴェール。大きな菌輪を作るので、大発生すると紫色の大きな輪ができます。その美しさは、まさに"fairy ring"、「妖精の輪」。

 腐生菌なのでセシウムは菌根菌に比べるとあまり含有しませんが、虫出しを兼ねて濃いめの塩水に半日ほど浸けて除染をしましょう。さらに茹でこぼせばもっと効果的です。チェルノブイリ事故の経験から約9割のセシウムを除去できるとされています。もっとも最初の汚染度が高ければ食べられないのは言うまでもない事ですが。除染といいますが、無くなる訳ではないので、正確には移染です。洗ったり茹でこぼした湯水は下水に流れて行く訳ですから、下水処理場では高濃度の汚泥がでるのは当たり前です。地方で下水のない所では、汚水の溜まる場所に濃縮するので要注意です。川や海に流せば、いずれ生物濃縮して還ってきます。市販の栽培キノコの除染も同様に塩水に浸ける、茹でこぼすで行ってください。栽培キノコはほとんどが腐生菌なので、極端に高い線量は出ないと思いますが、栽培のおがくずや原木は福島が主な産地です。心配な方は、メーカーに直接問い合わせるのがベストです。

 最も紫占地の旨味を堪能できる料理は、豆腐とのおすまし。あとは鍋物や炊き込みご飯に。油と味噌で炒めておやきにも。おすすめは、味噌バター炒めにして味噌ラーメンのトッピング。そして、フレンチで使われるくらいですから、乳製品との相性も抜群です。バターソテー、グラタン、エビやホタテとブロッコリーのクリームパスタ、シチューやスープに。パスタ料理や茹でてから生魚とマリネしても美味です。また、カリウム、リン、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどが含まれる栄養食品でもあるのです。但し、繰り返しますが、生食は厳禁です。中毒します。

 ところで、キノコ狩りにはゴーグルが必須です。私はポリカーボネート製の透明な花粉用メガネをしていきます。初秋はとにかく喧しいクロメマトイ(ハエ目ショウジョウバエ科マダラメマトイ、オオマダラメマトイ、ヒゲブトコバエ科クロメマトイ等十数種)対策に。晩秋は、細かに砕けた枯葉が目に入るのを防ぐため(これが結構厄介)。また、共に小枝で目を突かないためです。目を狙うスズメバチ対策にもなります。

 落葉松の黄色い葉の雨が降り始めると、秋も終わりです。紫占地と入れ替わる様に、霜降占地(銀茸)と榎茸が出始めます。今秋も最初の榎茸が採れました。白馬三山はすでに真っ白。志賀高原や菅平は白くなり始めました。そろそろ冬の匂いが漂い始めた信州です。

【信州の里山】キノコの汚染と除染について Radioactive contamination and decontamination for the mushroom 野生キノコの種類による汚染と除染の仕方についてまとめたスライドショーです。より詳細に言及したブログ記事はこちら
「キノコの叫び」より
 地球の年齢は46億年です。訳39億年前に海ができて原始生物が誕生しても、地球は太陽や宇宙からの放射線や宇宙線が降り注ぎ、陸上で生物が棲める環境ではありませんでした。誤解を恐れずに言えば、太陽は最も巨大な原発であり原爆なのです。
 5.5億年前に海藻が酸素を大量に作り始め、オゾン層ができて、やっと陸上で生物が生きられる環境が整いました。
 そして、人類が誕生したのがわずか450万年前。地球の歴史を1年とすると、人類の歴史はたった8時間余り。その人類が、膨大な時間をかけてやっと生物が棲める様になった地球を、自ら放射能で汚しています。原発=原爆=核は、生物学的には、最も反動的なものなのです。

 前の記事で書いたとおり、今回の東北沖太平洋地震は、約1000年前の平安時代に起きた貞観地震と酷似しています。そして、貞観地震は20年ほどの間に次々と噴火や大地震を併発しました。今回も必ず起きるとみて間違いないでしょう。もう一度震度6以上の大地震は必ずやってきます。そして、原発は必ず壊れます。その時は、間違いなく日本の終わりです。あなたは黙ってその日を待ちますか?

原発情報リンク集(妻女山里山通信編集)最新情報は、ブログの記事中やツイッターで流しています。

肥田舜太郎氏&岩上安身氏(文字起こし) 労作。これは必見必読です。低線量被曝の恐ろしさ。
「風評被害」と言ってはいけない 消費者を無視する最低の言葉:小山真人(静岡大学防災総合センター教授) 無批判に垂れ流すマスメディアは猛省を! 風評被害ではなく実害かデマ。実害なら東電に賠償請求するのが筋。
■TPP関連 巨大種子企業モンサントに立ち向かうカナダの一農民 農民の権利と種子の未来とは? 違反行為の監視や訴訟を武器にした農民への脅し。インドでは何万人もの自殺者。南米でも被害。耐性菌の出現でさらに悪化。

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★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。「キノコの汚染と除染について」 アクセスが増えています!
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気象庁・専門家とも大地震を予測。貞観地震から仁和地震に至る年表再掲。(妻女山里山通信)

2011-11-20 | 歴史・地理・雑学
■巨大余震「M7級」…1カ月以内に起きる可能性は、約15%。(気象庁:11月18日発表)

 気象庁は18日、東日本大震災で今後1カ月間にマグニチュード(M)7以上の余震が起きる確率を約15%と算出し、地震予知連絡会(島崎邦彦会長)で報告した。
 余震の回数は減ってきているが、同庁や予知連は、引き続き余震に対する注意を呼びかけている。
 気象庁は11月15日から12月14日の30日間に余震が起きる確率を計算。M7以上の地震が1回起こる可能性は13・9%、2回起こる可能性は1・1%だった。
 気象庁によると、過去約10年のデータをもとに、周辺でM7以上の地震が起こる確率を計算すると約2%で、今回の数字は6~7倍に相当するという。[引用元:zakzak]

■大震災“的中”の博士「関東近海でM9」と警告! その恐るべき根拠
 「4月からの積算で、すでに20万分を超えている。マグニチュードが9レベル、震度だと最も強い揺れ(震度7)が発生する危険性を示している。海域なら大津波の発生もある」北海道大地震火山研究観測センターの研究支援推進員、理学博士の森谷武男氏
 詳しくは元記事を参照してください。

■貞観・仁和大地震から予想される重大なこと。

 今回の「東北太平洋沖地震」は、約1000年前に起きた貞観地震と酷似しているといわれています。貞観地震の時にも、地震や津波以外に、火山の噴火やさらなる大地震に三度も見舞われました。今回も、これで終わりとは到底思えません。すでに警告されていますが、充分な心構えと準備が必要です。以前の記事で掲載したものを再編集してアップします。地球46億年の年齢からすれば、1000年なんて瞬きの一瞬。ましてや富士山噴火から貞観地震、仁和地震までの23年なんて何をか言わんや。

■貞観地震から仁和地震年表(日本三代実録興味のある方は、左のサイトを参照されたし。漢文ですが、よく見て行くと官位授与の記述が多いので、それを除くと地震頻発が分かります。

貞観(じょうがん)859年-877年。清和天皇、陽成天皇。
元慶(がんぎょう、げんけい)877年-885年。陽成天皇、光孝天皇。
仁和(にんな)885年-889年。光孝天皇、宇多天皇。

•貞観6年(864年)富士山噴火(貞観大噴火)
•貞観10年(868年)7月8日、播磨国(兵庫)で地震。
 官舎、諸寺堂塔ことごとく頽倒の記述。前年から引き続き、毎月のように地震があった。
•貞観11年(869年)貞観地震(東北)と貞観津波が発生。
•貞観13年(871年)鳥海山噴火。
•貞観16年(874年)開聞岳噴火。
•元慶2年(878年)相模・武蔵地震(関東地方)伊勢原断層の活動によるM 7.4の大地震
•仁和3年(887年)仁和地震(南海地震、M 8.0~8.5。東海・東南海との連動説も)。
 八ヶ岳が突然水蒸気爆発をおこし崩壊。千曲川・相木川を堰き止めて“大海(南牧湖)”や“小海湖”を造った。
 天狗岳と硫黄岳の東側斜面が大きく崩れた跡が今でも見られる。
•仁和4年(888年)大海が決壊し、善光寺平までその被害は及んだ。


 富士山噴火に始まり、阪神大地震、翌年東北大地震と大津波。噴火が続いて、阪神大地震から9年後に関東大地震。9年おいて南海・東南海大地震と続きました。約20年の間に大地震や大噴火が連発したわけです。特に東北大地震の後に関東大地震が起きたのが気になるところです。今回もそれが予想されています。さらには東海・東南海・南海大地震につながる可能性もあるわけです。このような状況のなかで原発を稼働するのは、狂気の沙汰としか思えません。日本が滅亡します。

●写真は、妻女山(旧赤坂山)展望台側にある善光寺地震〔弘化4年(1847)〕の供養塔で、善光寺平を見渡す場所にあります。ちょうど善光寺の御開帳で賑わっていたこともあり、死者総数は8600人余り。新潟の高田から長野、松本まで広範囲に甚大な被害をもたらしました。石碑は嘉永二年(1849)建立。文字は松代長国寺住職、圭白師。なぜ善光寺から遠くここに供養塔があるかというと、松代藩はここが古代からの神聖な斎場であったことを知っていたからと町史には記されています。
 この妻女山一帯は、古代科野国の古墳・土口将軍塚古墳や斎場山古墳(旧妻女山山頂の円墳)・堂平積石塚古墳群などがあり、斎(いつき)なる場、ゆにわともいうように祭祀を行う神聖な場所だったのです。この供養塔がある場所も、土口村誌には赤坂山古墳と記されています。謙信の布陣はずっと後のことです。

 11月になっても暖かく雨量が多いのでキノコが出ています。明後日はムラサキシメジの話をアップします。キノコの汚染と除染の話も再掲予定。栽培キノコについても。

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★妻女山(斎場山)について研究した私の特集ページ「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」など。このブログでも右下で「妻女山」でブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。
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「七度の飢饉より一度の戦」戦国時代の凄まじい実態 (妻女山里山通信)

2011-11-18 | 歴史・地理・雑学
「七度の飢饉より一度の戦」とは、戦国時代の古文書で、庶民の気持ちを綴ったものの中にある言葉です。戦国時代は、ちょうど地球の寒冷期にあたり飢饉が多かった時代なのですが、その飢饉よりも戦の方がいやだと言っているわけです。『飢餓と戦争の戦国を行く』藤木久志著の中に「七度の餓死に遇うとも、一度の戦いに遇うな」という言葉が出てきます。飢饉も餓死者が大量に出て凄まじいものだが、一度の戦争は七度の飢饉に相当するほど惨禍や被害が凄まじいということです。

 戦国時代の合戦においては、濫妨狼藉(らんぼうろうぜき)による「乱獲り」が当然のこととして行われました。掠奪、放火、強姦、拉致などです。その主人公は主に百姓達で、犠牲者もまた百姓達でした。上杉謙信は、冬が来ると関東に攻め込み、春に帰還することを何度も繰り返していましたが、それは足軽のさらに下の地家人と呼ばれる百姓達を食べさせるための掠奪の戦でもあったのです。いわゆる公共事業の側面があったのです。謙信や信玄といえども絶対的な権力があったわけでもなく、民を飢えさせれば即崩壊する危険性を抱えていたのです。宣教師が記していますが、戦が終わるとすぐに泥棒市や奴隷市がたち、商人で溢れかえったということです。遊女も現れました。戦はまた最大の稼ぐ場でもあったのです。その宣教師こそが奴隷商人だったことは知られていません。戦国時代の日本は世界有数の奴隷輸出国であったという事実は、学校の歴史では絶対に教えません。その首謀者は実はイエズス会の宣教師でした。約50万人もの日本人を海外へ売り払ったのです。東南アジアやスペインなどには、その子孫がいます。

紀州本 川中島合戦図屏風』には、上杉方中条越前の小荷駄隊が百姓たちに襲撃されるシーンが屏風絵に残されています。襲いかかる百姓たちは手に手に弓や槍を持っています。彼らは、信州の篠ノ井は塩崎辺りの百姓たちで、武田方という訳でもないのです。とりあえず名だたる武将の首を打ち取れば大手柄なのですが、無手勝流の百姓達がそう簡単に武将の首を打ち取れたわけもないと思われます。それでも多勢に無勢。うまく首を打ち取れば手柄になる他、武具を売り払って金に換えることもできます。まさに下克上の乱世。戦が終わると地家人や百姓による略奪が始まり、泥棒市、奴隷市がたち、女子供が売られました。豪農が大金を払って家族を買い戻したという話も残っています。

 我が一族最も古い墓は、旧長野電鉄屋代線の土口トンネルの上にあります。最も古い墓は天正10年3月10日没の林采女というもの。采女(うねめ)は官職ですが、戦国当時の侍が好んで付けたものです。そういう習わしがありました。佐久間象山は修理です。采女は皇室の女官を束ねる職です。しかし、残る墓のスタイルは戦国時代のものではなく幕末のものです。おそらく名主を務めた先祖が古文書を元に作ったものでしょう。この地の松代や清野、岩野、土口などの旧家は、戦国時代以降に住み着いたものがほとんどです。我が一族も松本の林城麓の林集落の出とか、小笠原長時の家来だったとか、その後松代藩に仕えたとか、残っています。まさに混沌の歴史です。

 前記したように寒冷期だったため、戦場はいつも飢餓ぎりぎりの状態であったようで、腹が減っては戦はできぬという通り、戦に参加したものには一日白米6合、塩10人で1合、味噌10人に2合という記述があります。(雑兵物語)そのほか兵糧丸(ひょうろうがん)という携行保存食がありました。これは穀物や豆類の粉に魚粉や薬草を混ぜ、蜂蜜、酒類、油で練り固めたもので、主に間者・忍者達が携行しました。今のカロリーメイトのようなものでしょう。その他には、野生の動物や山菜、キノコ、蛙や蛇なども手当たり次第食べた様です。松の木の皮の食べ方などもあるほど。モミジガサは、別名トウキチロウとも言いますが、豊臣秀吉の好物だったそうです。無関係ですが、突然「とよ、とみ、ひで、よし四姉妹」というギャグを思い出しました。司馬遼太郎の小説の様な英雄史観では、真実は決して見えてきません。

 戦国時代は、応仁の乱から120年ぐらいをいいますが、本当に厳しい時代だったのだと思います。しかし、現在の地球が放射能で汚染されてしまった時代が、戦国時代よりましだとは、とても言えない状況になってきました。東京の汚染度は、ウクライナのキエフとほぼ同等です。その現実を受け止めなければならない時が、やがて来ます。しかも、その東京で汚染されている瓦礫を燃やし始めています。都が1億、東電の子会社の東京臨界リサイクルパワーが140億もらう仕組み。泥鰌総理がいくらもうビジネスも大丈夫ですよと言っても決めるのは海外の人々。自国民も守れない国にだれが来るでしょうか。
これから子供達に起きる事:コンスタンチン・ロガノフスキー(キエフと同程度の汚染の東京圏)
被爆 500ベクレルの食品で国民が突然死する国
『子どもだけでも避難を』 いまだ下がらない放射線量 福島市渡利地区(住民の声を全く聞き入れない国と自治体)完全に棄民政策。
【一日も早く原発国民投票を。】署名できます。
■ツイッターをやりましょう! ハッシュタグ#genpatsuで最新の原発情報が、#okfoodで、安全・危険な食品や店の最新情報が流れてきます。

●戦国時代参考図書(英雄史観ではなく、実証歴史主義の書籍を読むことをお勧めします)
『絵解き 雑兵足軽たちの戦い』東郷 隆(講談社文庫)イラスト付きで、食・排泄・医療・博打・盗み・掠奪・女と商売人など面白く読める。
『百姓から見た戦国大名』黒田基樹(ちくま新書)乱世のパワーバランス。視点を変えると、こうも見方が変わるものか。
『戦国の村を行く』 『 【新版】 雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り』 『飢餓と戦争の戦国を行く』藤木久志(朝日選書)藤木三部作。雑兵たちから見る戦国の乱世。

●ウクライナ・キエフから
『誕生前の死』二神淑子 (「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク)
---抜粋---
「チェルノブイリから4年後、キエフは本当に変わってしまったのです。昔と同じように花が咲き、河は流れ、自然は豊かで美しく見えたのですが、人々に会って話を聞けば聞くほど、事態の深刻さを知らされ心は重くなるばかりでした。」
「キエフはチェルノブイリから約100キロ離れていますが、今も汚染地域には指定されていないのです。人口約250万人のこの首都を汚染地域にすると、経済的破綻を招きかねません。市民は脱出したくても、自由に居住地を定める事ができないのです」
「毎日の食事が苦痛に変わった。飲み水も最小限しか利用しません。食べ物に関してもあらゆる情報を参考にしていました。とにかく目に見えない放射能汚染におびえて暮らす毎日なのです。新生児の数が減った、病気の子供が増えた、死亡する人が増えた。」
「そういったことが口コミで広がっていきます。あの陽気だったキエフの人達がまったく変わってしまったことにショックを受けました。住民の精神的苦痛は非常に大きい。皆自分の娘達のために移住を希望していました。明日の命の保障がないからです。」

 まさに今は平成の乱世。
★内部被曝を外部被曝と同じ様にとらえてはいませんか? 
内部被曝について:「体内の0.2マイクロシーベルトは100ミリシーベルトの外部被曝に相当する」という情報を、以前、文部科学省自体が作成しています。50万倍のリスクがあるのにマスコミはどこも伝えませんね。内部被曝の方が遥かに危険です。暫定基準値の500ベクレル/kgは、数年で致死量になる値。恐ろしいのは癌だけではなく、セシウムが心筋に直接作用すること。免疫力が落ち。ありとあらゆる疾病にかかり易くなり悪化し易いこと。そして原発事故が原因と推定はできても科学的に証明はできないこと。米国も自国の軍隊の被曝さえ認めていません。であるからこそ、何か症状が出たらまず被曝を疑ってみる必要があるのです。
★原発推進派は、自然界にも放射線はあると言っていますが、問題は「自然放射線と人工放射線の違い」ではなく「自然放射線核種と人工放射線核種の違い。詳しくはこちらのサイトを。さらに、広島長崎以降、2053回に及ぶ核実験が行われ、大量の放射性物質が地球上にすでにまき散らされていることも忘れてはなりません。
放射性セシウムの除去が困難な理由 大規模に安価に除染する実用的技術は、まだひとつもない。高圧洗浄機での除染は拡散して危険。
★最新の原発事故関連情報・放射能関連情報は、ツイッターで呟いています。ページ上部のTwitterアイコンをクリック! Twilogでも見られます。

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★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。「キノコの汚染と除染」をアップしました。
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三峯山トレッキングをYoutubeにアップしました。(妻女山里山通信)

2011-11-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
 三峯山トレッキングを、Youtubeにアップしました。晴天の日に一人で同じコースを登ったものと、友人達と秋雨の中登ったものと合わせてスライドショーにしました。BGMは、中に登場する白ヘルメットのK氏のオリジナルで、なんと約30年前の録音です。懐かしきフォークの調べと共にご覧ください。
 右下のYoutubeをクリックしてYoutubeのページを開き、その画面の右下の360pを480pか720pにするとハイビジョンでご覧頂けます。

 三峯山は、北側の国道304号線沿いにある聖湖から登ると約30分。リフトを使ってスカイライダーで下ることもできます。低山ですが、北アルプスから戸隠連峰、志賀高原から四阿山、浅間山。蓼科山から八ヶ岳連峰、美ヶ原と360度の大パノラマが堪能できます。信州へ立ち寄った折にちょっと登ってみるのもいいでしょう。おすすめは今回のルート。千曲市市民の森にある大池から登るコースで、約1時間で山頂です。登山道はよく整備されていますし、危険な箇所もありません。初心者や小さな子供でも大丈夫。

 大池は、大河ドラマ『風林火山』のロケが行われた溜め池で、キャンプ場があります。千曲市が委託管理するバンガローも4000円とリーズナブル。フィールドアスレチックやフットサルコートもあります。




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★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。チョウの写真はこちらにたくさんあります。
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姨捨棚田上の三峯山へ。秋雨の中、幽玄の森を歩く。(妻女山里山通信)

2011-11-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 棄老伝説で有名な姥捨山は、一般的には冠着山(姥捨山)のことですが、天保5年(1834)刊の『信濃奇勝録』では、姥捨山と描かれているのが、この三峯山です。予定では、鏡台山を三滝から登る予定でしたが、生憎の秋雨。しかも、午後の方が雨脚が強くなるとの予報だったので、とりあえず三滝まで行ってみたのですが、無理と判断して急遽登る山を変更したのです。

 姥捨山の上にある大池は、姨捨の棚田に水を供給する溜め池です。周りは千曲市のキャンプ場として整備され、とても美しい所。大河ドラマの『風林火山』のロケでも使われました。善光寺平から車で15分ほどなのに、冠着山の坊城平と同様、以外と知られていないような気がします。大池キャンプ場の駐車場から山頂までは、約1時間。登山道はよく整備されていて初心者や子供でも安心して登れます。三峯山は、北側の国道304号線の聖湖から登るかリフトで上がるのが一般的ですが、あまりに呆気ないのでたまには大池から登る事をおすすめします。

 大池の縁を歩いてキャンプ場を横切り、竪穴式住居のような小屋が登山道入り口。丸太で組まれた急な階段を登り、まずは風越山を目指します。風越山直下で尾根に乗り、後は尾根伝いにコブをひとつ超えたら三峯山山頂。登るほどに雨脚が強くなりましたが、雨に煙る落葉松林は幽玄の趣。キノコはほとんどありませんが、尾根に乗る手前で甘い香りが森中に充満している場所がありました。みな知らない様でしたが、桂の樹の香りです。秋の桂はカラメルの匂いを放つのです。

 息子達が小さい頃、よく山梨県上野原市の三国山へ登りましたが、登山口の軍刀利神社の奥社には御神木の大桂があり、秋には谷中に芳香を振りまいていました。息子達はケーキ屋さんの匂いといって親しんでいました。桂は、香りが出るという香出(かづ)が転訛してカツラになったという説があります。

「黄葉する 時になるらし 月人の 桂の枝の 色づく見れば」万葉集

 桂は、古代中国では月にある高い理想を表す樹で、木犀(モクセイ)のことらしいのですが、渡来して桂になったようです。中国原産の木犀が当時の日本にはなく、同様に香りの強い桂がその代わりになったのかも知れません。月人は、かぐや姫の伝説も同様に古いので、月に住む高貴な殿上人を表すのでしょう。日本最古の物語が宇宙人?との交流というのも面白いものです。

『万葉集』巻十六の第三七九一歌には、「竹取の翁」が天女を詠んだという長歌があります。
(序)
昔有老翁 号曰竹取翁也 此翁季春之月登丘遠望 忽値煮羮之九箇女子也 百嬌無儔花容無止 于時娘子等呼老翁嗤曰 叔父来乎 吹此燭火也 於是翁曰唯<々> 漸T徐行著接座上 良久娘子等皆共含咲相推譲之曰 阿誰呼此翁哉尓乃竹取翁謝之曰 非慮之外偶逢神仙 迷惑之心無敢所禁 近狎之罪希贖以歌 即作歌一首
(序訳)
昔、竹取の翁がいて春の月に丘に登って遠くを眺めていると、若菜煮をしている九人の娘に出会った。娘達は愛嬌に満ちて花のような美しさは比類もないほど。その時娘らは翁をからかって言った。爺様こっちへ来て火を吹いてくださいな。翁は歩み寄って火の前に座った。しばらくすると娘らは微笑して、互いに譲りあいながら だれがこの翁を呼んだのか と言った。竹取の翁は詫びて言った。思いもかけず仙女様に出逢い、なれなれしくお側まで参りました罪は、歌で償いたいと願います。そこで作った歌一首。
(集歌3791訓読)とこの後さらに歌が続きます。

 三峯山山頂へ着いた頃は大雨。北アルプスや眼下の善光寺平はもちろん、すぐ眼下にある出発地点の大池や反対側の聖湖さえ見えません。おまけに展望台は閉まっていて入れず。仕方なく二階のテラスで昼食にしました。N氏が事前に立ち寄った鏡台山の縄文の名水でインスタントラーメンを作ってくれました。寒空の下でビールで乾杯。すると、聖山と冠着山の雲がするすると解けました。

 雲上の宴会は一時間足らずでお開き。そそくさと下って湖畔を散歩した後は、男根と女陰の大きな石像が祀られた奥津神社に立寄り、巨大な御神体を拝んでから万葉温泉で温まりました。性器信仰は世界中にあり、日本でも縄文時代からその痕跡は残っています。それだけ出産は無から有を生む神秘的なものであり、且つ危険を伴うものであると同時に、集落や一族の滅亡にも繋がりかねない重大なことだったわけです。子供を大事にしない国に未来はありません。

 今回のトレッキング中には、友人が持つガイガーカウンターで、何カ所か計測しながら登りました。機種や計測方法等が正確性に欠けるので参考程度ですが、地上5センチで0.031から0.125マイクロシーベルト毎時でした。高めだったのは、山上よりも駐車場などでした。千曲市、長野市南部は、比較的低めに出ます。3月に放射性物質が飛散した時に、そのタイミングで降雨がなかったことが幸いしたと思います。長野市北西部や上田市以南はやや高めです。




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東日本大震災も福島第一原発事故も知らないニホンカモシカ(妻女山里山通信)

2011-11-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 棄老伝説で有名な姥捨山は、観月の名所。鏡台山に月が昇る様は古代より詠われ、広重の浮世絵『信濃 更科田毎月 鏡台山』は、江戸後期の名作です。その鏡台山から北に延びる戸神山脈の一端が、第四次川中島合戦の折に上杉謙信が本陣としたと伝わる妻女山。現在の妻女山は旧赤坂山で、本来の妻女山はその上の斎場山なのですが、その斎場山から謙信が陣城を築いたと伝わる陣場平を経由して天城山(手城山・てしろやま)を中心に十字に尾根が延びています。

 今回は、久しぶりにフィールドワークを兼ねて鞍骨城跡手前まで辿ってみました。今秋は異常に暖かい日が続き、里山の紅葉は遅れています。そのためか地温がまだ高めで霜もおりていないため、羽虫の発生が凄くブユに刺されまくりです。鞍骨山への途中で、ムラサキシメジのシロへ立ち寄ってみました。数日前の雨でたくさん出ているかと思えば、小さいものが数本あっただけでした。ムキタケとシイタケのポイントへ行くと、何かが齧(かじ)った跡が。ニホンカモシカです。

 ニホンカモシカの食べるものは、非常に多岐に渡っていて、草本や木の葉はもちろん、木の芽、樹皮から、冬は枯葉やシダ類も食べます。キノコは、妻女山山系にあるものは、ムキタケとシイタケ以外にはヒラタケにも食痕が見られます。ムラサキシメジとクリタケ、ジコボウ(ハナイグチ)には、今まで食痕を見た事がありません。山菜は、フキとタラノメは食べますが、ハリギリやコシアブラを食べた痕跡はまだ見ていません。彼らにとって有毒なものが含まれているのかもしれません。食べられる物はなにか、母親の真似をして覚えて行くのでしょう。

 尾根筋に出ると珊瑚のような紅色のものが一面に落ちています。クマノミズキの紺色の実がついた小枝です。房状の真っ赤な実は、有毒のマムシグサ。ヒヨドリジョウゴ、ヒョウタンボクなど、秋の赤い実は有毒のものが多いので要注意です。もちろんニホンカモシカも食べません。

 鞍骨城跡手前の二条の堀切から林道へ下ります。近くには水の平といって、水が染み出る場所があり、イノシシやクマのヌタ場(泥浴場)となっています。20分ほどで林道に下ると、小尾根を回るカーブに黒い物体が見えました。ニホンカモシカです。微動だにせずこちらをジッと見ています。15mほどで、クロだと分かりました。妻女山山系をテリトリートする母子三頭の子供の一頭です。主に妻女山から天城山の東の斜面を縄張りとし、もう一頭の子シロは西側を縄張りとしています。母親は更に奥の方へ移ったようですが、鞍骨城跡一帯を縄張りとしていた父親と見られるオスは、遺骸の目撃情報があることから、数年前に死んだようです。

 ゆっくりと10m位まで近づいても反応がありません。こちらをジッと見ています。そして気がつきました。その時、いつもと違いサングラスのゴーグルをしていたことに。相手からはこちらの目が見えないのです。ニホンカモシカは大変好奇心が強いので、なんじゃありゃ!?状態だったのでしょう。何度も出会っているので私の事は覚えているのかもしれません。だから逃げないのでしょうが、やはり様子がおかしいと思っているのでしょうか。

 6m位まで近づいて立ち止まりました。これくらいが限界距離。写真を撮ると、なんだあんたか、とでもいうように左へ行きかけました。「ちょっと待って!」と声をかけると止まります。しばらくすると向きを変え、そのままゆっくりと下へ消えて行きました。この山系は放射性物質の汚染がほとんどないと思われるので大丈夫でしょうが、群馬県境のニホンカモシカは、高濃度汚染のものを食べて、人知れず亡くなっていく個体もいるのかも知れません。

 林道を進むと、日溜まりにたくさんチョウが舞っていました。イカリモンガという蛾の仲間でした。アワコガネギクで盛んに吸蜜していました。そこへ、ひとまわり大きなチョウが飛来して林道に留まりました。皇帝と呼ばれるルリタテハです。

 ルリタテハは、瑠璃立羽と書く様に、群青の翅に瑠璃色の帯があるタテハチョウ科の美しい蝶です。翅の裏は樹皮模様で、木の枝に留まると擬態で見えなくなることもあります。ルリタテハは、成虫で越冬するため、早春から明るい森の縁や林道上を飛び始めます。幼虫の食草はサルトリイバラ科のサルトリイバラ、ユリ科のホトトギス類、ユリ類などで、成虫は腐果や樹液など。夏の樹液バーで、オオムラサキやカブトムシと一緒に樹液を吸うのがよく見られます。英名は、Blue Admral(青い提督)ですが、留まっている時に胸を反らして威張る様に見えるからでしょうか。このリンクの最後のカットを見るとなるほど思えるかもしれません。今日見たチョウは、このまま越冬し春を迎えます。

 クマノミズキの紺色の実に続いて見つけたのは、やはり紺色のアオツヅラフジ(青葛藤)の実。「山がつの 垣ほに延える アオツヅラ 人はくれども ことづてもなし」と古今集に詠われたように、その薬効から古くから利用されていたようです。但し名称には異論もあり、カミエビ(神の海老蔓)が本名で、アオツヅラフジは誤りだとする説もあるようです(by牧野富太郎博士)。これは神経痛の薬になるので薬酒に入れます。
 半袖でいいような暖かい日が続いたので虫達も活性が高く、まるで夏の林道のようでしたが、まもなく霜が降りて木々は落葉し山は静かになります。







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黄昏の茶臼山でやっとムキタケをゲットも想いは原発…。(妻女山里山通信)

2011-11-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 鏡台山、三峯山と登り、クリタケモドキ1本しか採れない足で茶臼山へと登りました。秋の日はつるべ落とし。山の日暮れは早く、3時を過ぎると、かなり陽が傾いてしまい、森の中も暗くなるので、キノコも見えずらくなります。といってもシロを知っているので、効率よく回ったのですが、ない。なんにもないのです。一周間前はあんなに出ていたのに。まあそれがキノコです。キノコは菌の状態で安定していると子実体(キノコ)になりません。刺激が必要なのです。雷の後はキノコが出るは、あながち間違いではないのです。

 いやこれは坊主で帰ることになるかなと覚悟しました。当然山道の近くは既にキノコ狩りの人が入っているだろうと、モミジイチゴの薮の中のポイントをつぶさに見て行きました。しかし、暮れ始めた真横からの光では、コントラストが強すぎてキノコが見えません。逆光の部分は暗くてなにがあるかも分かりません。既にふたつも山を登ってあちこち探しているので疲労感もあり、足が前に進みません。まあ仕方がないかと暮れなずむ北アルプス展望台で休憩。

 北アルプスのスカイラインがシルエットになって墨絵のよう。虫倉山の左奥に白馬三山。山里からは幾筋もの野焼きの煙がなびいていました。先週は、ハウチワカエデの紅葉は始まったばかりで、まだ紅と緑が混在していましたが、既に黄色と紅のみに変わり、錦秋の最中に入った趣。里山の見頃は今週末辺りでしょう。有名な観光地ばかりでなく、虫倉山や鏡台山など里山の紅葉狩りもおすすめです。落葉松林に風が吹くと、黄金色の雨が音をたてて降り注ぎます。

 最後に帰る途中ですが、灯台下暗しであそこなら皆気がつかないだろうという場所に行ってみました。するとやっと山桜の伐採木にムキタケの一群を見つけました。小さな袋をいっぱいにして戻ると、夕日が向こうの山に落ちて行くところでした。茶臼山を下りて行く道すがらはリンゴ畑です。秋の陽を受けて真っ赤に熟したリンゴが艶々と輝いていました。リンゴに含まれるペクチンは、セシウムを体外に排出する働きがあります。しかし、それ以前に体内に取り入れない努力の方が重要です。また、一般的にはチェルノブイリ後の経験から、キノコに限らず塩漬けや塩水に浸けることが除染に有効とされています。浸透圧で排出を促すわけです。酢やクエン酸を加えるのも有効とされています。

 こんな美しい風景を見ていると、この日本が放射性物質で汚染されているとはとても思えなくなります。放射性物質の恐い所は、まさにそこなのです。見えない、臭わない、感じない。3月の東京のように見えたり、臭ったりしたら相当に危険な状態です。放射性物質を恐れるには知識と想像力と忍耐が常に必要なのです。永遠に神経戦を迫られるのです。ですから、そんなものに手を出してはいけないのです。

スギ花粉の季節を前に林野庁は11月からスギ花粉のセシウムを調査。文科省の6月の調査ではスギの生葉の最高値は、なんと17万6000ベクレル/kg。葉から花粉への移行率は今の所全く予測が付かないといいます。高濃度に汚染された奥多摩の杉から花粉が東京を襲う。奥多摩は、また東京・横浜の水源地でもあるのです。水道水が高濃度に汚染されたら、首都圏の機能は完全に麻痺するでしょう。なのに相変わらずファッションやグルメにうつつを抜かし、バラエティ番組を流し続ける東京のマスコミ。現在の日本は戦時下と同じで、静かな内戦状態にあります。そんなことにも気づかない日本を、海外は冷ややかな目で見ています。
「子供を被曝させた東電は謝れ」 福島のカアちゃんたちがデモかけた

 善光寺平・川中島の展望は、長野自動車道姨捨SAとその上の姨捨駅のホームが有名ですが、国道403号線の千曲川展望台もおすすめです。下のふたつよりさらに高い位置にあるので、より迫力のあるパノラマが望めます。錦秋の茶臼山ルポはこちらをご覧ください。

 煙のたなびく黄昏の善光寺平を見ながら考えました。10月22日の記事下部に書いた様に、約1000年前の貞観地震から仁和地震への経過を考えると、必ず大地震はまた来ます。そして、再び原発は間違いなく壊れるでしょう。我々は本当に、この美しい日本を永久に失ってしまうかもしれない・・・と。

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【10月に入ってから東京都・千葉・神奈川の水道水にヨウ素やセシウムが検出され始めたのはなぜか】高濃度に汚染された群馬・栃木山間部や奥多摩の汚染水が流れて来たためか。半減期8日のヨウ素が検出されるのはなぜか。4号機の再臨界は続いているのか。羽村市では、セシウム134・137計23Bq/kg、ヨウ素131が7.7Bq/kg。政府の高い暫定基準値以下とはいえ、毎日飲むもの。積算値が問題。◆セシウム除去には、逆浸透膜型の浄水器が必要です。日本では10~20万円で販売されていますが、米では同じ物が2万円ほどです。安価な日本製を一刻も早く作って欲しい。
【4号機爆発は、想定外の核爆発だった!:岩田 清氏】これは海外では定説になっているらしい。再び大地震は、必ず起きます(10月22日の記事下部・貞観地震から仁和地震の年表参照)。4号機の建家が崩壊して使用済み核燃料のプールが壊れたら、東京圏は終わりです。全原発即時停止・廃炉以外日本には道がありません。全世界の原発も同様に! 子孫に最終処分の技術もない大量の核廃棄物を残すべきではありません。いずれにせよ50億年後、地球は赤色巨星化した太陽に飲み込まれ蒸発して終わるのですが・・。
■メルトスルーしてしまった原発から核燃料を取り出す技術は、まだどこも持っていないし、やったこともないという事実。東電の冷温停止など絵に描いた餅にすらなりません。海外にはメルトスルーと発表しながら、国内にはメルトダウンで核燃料は炉内にあるとして復旧作業を続ける愚。計画は、いずれ破綻します。隠蔽と捏造を繰り返す国際的犯罪企業東電を強制捜査もせずに野放しにしている異常な状態。一刻も早く東電を解体し、作業を国と国際的な組織に移管すべきです。発送電分離で、電力の自由化を。
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★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。ニホンカモシカや粘菌、森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。◆キノコの放射能汚染と除染についても。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。オオムラサキとスミナガシの写真はこちらにたくさんあります。
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