8月2日の朝、昼食用のサンドイッチを買おうとローソンに寄ったときに見付けたのが本書です。
前に書いた佐野眞一さんの「津波と原発」は私にとってルポルタージュの教科書であり、事実の細部を見つめたり、その時々のにおいを感じさせる流行り物を散りばめたりと、大変興味深く読めました。ただ、不満を言ってしまうと、外部の人が被災者の暮らしを覗きに来たという枠組みであることは否定できません。でも、間違いなく、津波で家を流された元オカマや自衛隊員に救出されたために自衛隊に対して違憲などと文句を言うことを止め、救出時に与えられた毛布の温もりを今もって大切にしている元共産党幹部などの生々しいエピソードは現場を訪れた筆者しか知りようもなく、読者の関心をぐいぐいと引き付けてくれます。
この「福島で生きる!」は田舎暮らしの取材を通じてその魅力に圧倒され福島県の旧・都路村に定住することとなった山本一典さんの東日本大震災や原発事故以降の毎日の生活が克明に書かれています。正確に言うと、震災以前の都路村との出会い等も最初のほうに記されています。佐野さんとは違い、現場の内部に住む庶民の視点です。本当にそこら辺に住む普通のおじちゃん、おばちゃん、おにいちゃん、おねえちゃんの記録です。役場の防災無線の様子や品不足のときのリオン・ドール(←地元のスーパーマーケットです。)やガソリンスタンドの様子、原発事故で避難勧告が出た話などが克明に書かれていて、これはその土地にずっと住んでいなければ分からない情報が満載です。私の住む福島市とは少々状況が違っても、確かにあの頃はこんなことで困っていたなぁといろいろと思い出しながら読み進めることができました。
前に書いた佐野眞一さんの「津波と原発」は私にとってルポルタージュの教科書であり、事実の細部を見つめたり、その時々のにおいを感じさせる流行り物を散りばめたりと、大変興味深く読めました。ただ、不満を言ってしまうと、外部の人が被災者の暮らしを覗きに来たという枠組みであることは否定できません。でも、間違いなく、津波で家を流された元オカマや自衛隊員に救出されたために自衛隊に対して違憲などと文句を言うことを止め、救出時に与えられた毛布の温もりを今もって大切にしている元共産党幹部などの生々しいエピソードは現場を訪れた筆者しか知りようもなく、読者の関心をぐいぐいと引き付けてくれます。
この「福島で生きる!」は田舎暮らしの取材を通じてその魅力に圧倒され福島県の旧・都路村に定住することとなった山本一典さんの東日本大震災や原発事故以降の毎日の生活が克明に書かれています。正確に言うと、震災以前の都路村との出会い等も最初のほうに記されています。佐野さんとは違い、現場の内部に住む庶民の視点です。本当にそこら辺に住む普通のおじちゃん、おばちゃん、おにいちゃん、おねえちゃんの記録です。役場の防災無線の様子や品不足のときのリオン・ドール(←地元のスーパーマーケットです。)やガソリンスタンドの様子、原発事故で避難勧告が出た話などが克明に書かれていて、これはその土地にずっと住んでいなければ分からない情報が満載です。私の住む福島市とは少々状況が違っても、確かにあの頃はこんなことで困っていたなぁといろいろと思い出しながら読み進めることができました。