普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

授業時間10%増加を教育再生会議提言

2007-01-16 21:56:30 | 韓国

 政府の教育再生会議(野依良治座長)は1月下旬にまとめる第1次報告に、「ゆとり教育の見直し」とともに「公立学校の授業時間数の10%増加」を盛り込む方針を固めた。政府筋が15日、明らかにした。
 授業時間数の増加は「ゆとり教育の見直し」を具体化するもので、子供に基礎学力を身につけさせ、学力向上につなげる狙いだ。
 小中学校の授業時間は、詰め込み教育の反省から、70年代前半以降、約10年に1度のペースで学習指導要領の改定に合わせて減り続けてきた。現在の小中学校の授業時間数は、完全週5日制が始まった2002年度から続いているもので、提言は01年度以前の水準に戻すことを求める方向だ。授業時間数では、小中高校で週2回(1回は45~50分)程度増えることになる
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20070116ur02.htm
(2007年1月16日  読売新聞)

<<土曜日の活動への教師の参加>>
小中学校の授業時間の10% の増加は、ほんの僅かなもので、過去の政策の非を認めたくない、文科省のとの折衝によってこれだけの数字になったのであろうが、全然進歩しないよりは当面のこととして認めなくてはならないのだろうか。
然し、ゆとり教育の見直しで、再生会議に是非検討して貰いたいのは、ゆとり活用の目的で設けられたとされる、土曜日の活動に是非現役の教師の参加を義務づけて貰いたいものだ。
なにかの報道で、再生会議の委員の一人が、教師が出ないなら、地域の人やボランティアを投入すれば良いと言っていたのを聞いたか読んだかした記憶があるが、学力不足が言われている現在、教師の土曜日の生徒の活動に参加しないのは、教師の教育責任の放棄といわれても仕方がないだろう。

<<休日だらけの教師>>
教師は、夏休み、冬休み、春の休みと長い休日があるのに、会社員なみに土曜日まで休むとは今の時代に通らないと思う。
教師達は休みと言っても、学校または家庭で拘束されていると言うだろうが、それは表向きだけで、私の知り合いの教師の話しを聞くと、少なくとも授業している時よりより遥かにのんびり過ごしているようだ。
土曜日の出勤にそれでも反対するなら、その分だけ長期休みのうち土曜日に出た分だけは全く拘束のない完全な休日にしても良いのではないか。

週5日制がスタートしてしばらくのテレビの討論番組の中で、日教組の地方の幹部が、週5日制は我々が文部省との闘争の結果勝ち得た我々の権利だと言っていた。
私の勘繰りだが、それ以来、今まで犬猿の間だった当時の文部省と日教組の関係が落ち着いてきたようだ。そして、日教組の人達が、教科書反対の時以外は、テレビ等の公の場に顔を殆ど見せなくなった。
何故なら日教組は今までの長い休みに加えて、おいしい週5日制を勝ち取ったのだから。

<<教育格差の取り組み>>
教育中央審議会や、教育再生会議の報告でも、日教組の名は何故か出ないようだ。
再生会議では是非この教育の問題に大きく関わっている教職員組合の問題にも是非討議して貰いたいものだ。
孫の通っている公立高校では、既に土曜日や長い夏、冬休みの間にも授業を行っているようだ。
教育格差の解消のためにも、希望する生徒には、公立少、中、高校でも私立校に負けないほどの授業時間を確保して貰いたいものだ

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ


「美しい国」の夢と現実と進む方向

2007-01-16 07:25:49 | 政策、社会情勢

安倍さんが就任の所信方針演説で唱える「美しい国」の理想像と、現在の状況と考えられている国の対策を纏めてみた。
国を構成する家庭、社会、学校、企業ごとの理想については、演説では詳細に語られていないので、私が考える理想をキャッチ・コピーの形で書いてみた。
これは当然異論はあると思うが、このブログを読まれる方は自分の理想像を頭に置いて、現実とその対策の問題点を考えて頂きたい。

家庭
 夢へのキャッチ・コピー:家族揃って団欒、親の背中を見て育つ子供、
 現実:企業膨張に伴う核家族化、単身赴任、長時間残業で親子が顔を逢わせる時がない、共働きにより母親まで子供との接触の機会の減少、離婚、家庭内暴力や家族間殺傷事件の増大、学校の荒廃の原因となる躾け欠如、自由、権利、義務を履き違えた父兄の発生、少子化による子供社会の縮小または学校以外での消失
 対策:教育基本法の改定、とくに教育に対するかての役割の明記、しかし生涯学習などの案だけあるが具体案なし

社会
 夢へのキャッチ・コピー:コミュニティーの助け合い、向こう三軒両隣(アパートで言えば同じ階、階段の並び家庭との助け合い)
 現実:家庭間の孤立、孤独死、凶悪事件の増大、少年の非行、自殺の増大、格差社会の増大、ニートの発生、ホームレスの増大、
 対策:教育基本法の改定、ただし個々の対策ばかりで、特に目立った基本対策はなし、働く女性の支援策不十分

学校
 夢へのキャッチ・コピー:良く学び良く遊ぶ、元気な良い子
 現実:学級荒廃、いじめとそれに伴う自殺、学力低下、異常行動を起こす教師、教育格差の増大傾向、判らぬ父兄の対応に手を取られる、教育予算の削減、特定の思想を持つ教師集団の活動、事務量の増大、教師の孤立化
 対策:教育基本法の改定、教師の再試験、バウチャー制度などによる学校当局への圧力の強化により自主的な再生、それより教師にいかに良い教育環境を与えるのが先決と思うが

企業
 夢へのキャッチ・コピー:家族的経営、企業活動を通じて社会貢献、国際競争力
  現実:企業膨張に伴う転勤により核家族化を促進、長時間残業、単身赴任などによる父母を家族から引きはなし、金儲け主義により社会に拝金思想を拡大、派遣労働者法による格差社会の発生、中国、インドなど膨大に人口を持つ国の台頭
 方向:成果主義導入という名の残業代カット、主要社員の管理の放棄、日本企業にさらに競争力を付けさせる

<<社会環境劣化の責任者>>
以上並べて見ると、直ぐに気がつくのは、また考えて見れば直ぐ判ることであるが、企業活動がいかに家庭を破壊し、社会の環境悪化に大きな役を買っているか、そして、それに対する改善策はないと言って良い。
後は企業の経営者のモラルや、企業の倫理観にまつしかないが、今までの行き方を見れば全く期待出来ない。
安倍さんの所信表明演説の揚げ足を取る言い方になるが、企業の競争力がつけるのが、日本を「美しい国」にする道の一つだと言ったが、今までの企業の拡大が社会環境の劣化を来したことを見ると、少なくともそれだけ良いのだろうか。

<<親の教育の重要性と困難さ>>
次には、教育基本法改定の目的であり、私の兼ねてからの主張のように、日本人の価値観を無視した教育が偏った考えの子供を生み、それが親になりまた子供を産むと言う悪循環の輪を断つ必要のある事が判る。
然し、一番の問題はその親達をいかに再教育するかの対策が基本法から殆ど抜けている。
これは実質的に非常に難しい問題であると思うが何とかせねば、「国家の品格」の著者の藤原さんの言うように、今の親の再教育は完全に諦めて、今の子供を教育し直しそれが親になるのを待つしか無い事になる。

<<企業の経営者の責任>>
しかし、その間に企業が(今までのように悪意ではないが)、国際競争力の強化の名で、社会環境を今まで以上に悪くするのは間違いないだろう。
そしてその企業の代表が自分の経営者としての社会環境劣化の責任も考えずに、教育再生会議で、(勿論、善意から)自分の教育論をぶっているのだから、一体どうなっているのだろう。

企業の経営者にお願い
中国やインド相手に競って行くのは大変でしょうが、どうかお宅の企業倫理を忘れずに、社会環境改善、安倍さんの「美しい国」の形成に是非応援して下さい。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
人気ブログランキングへ