普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

高齢者の犯罪の激増

2008-11-16 12:12:00 | 少子高齢化

  朝日新聞が今年の犯罪白書に関して社説高齢者の犯罪―孤立させない手助けをを発表している。
[高齢者犯罪増加の原因](以下青字:引用文、黒字:私の考え)
・経済問題
 お金と住む家に事欠いて、盗みに走る高齢者がいる。
 お年寄りは、働きたくてもなかなか雇ってもらえず、アパートも借りにくい。

 核家族化など社会情勢の変化と年金制度の充実に伴い、子供が老後の親と共に住んだり、仕送りで親の生活の援助をすると言う考えが希薄になるか、またはなくなった。
 私の住む団地の人達の殆ど大部分はもと大企業の従業員で、今問題になっているが年金で贅沢は出来ないが、それなりの生活を送っている。
 然し中にはもと中小企業の従業員だった人は少ない年金の足しに、パートで働く人、自営業で働いていたが立ち行かなくなり、タクシーの運転手として働いている初老の人もいる。
 これは特別の事情のある人たちを除いて、一般的に言えば中小企業の中では厚生年金制度が完全に護られてないこと、自営業の人達の老後に対しては国民年金を設けたが(厚生年金は会社が半分負担する)などその運用は自己責任として放置された結果だ。
 この人達は小泉さんや竹中さんの言う自己責任だと言えばお終いだが、それだけ済まされない大きな問題だ。

 80歳を越した私の経験から言えば、少なくもとも70歳までは充分に働ける体力も気力も持った人達が多くいる。
 そして唯今現在は経済の悪化で情勢が変わっているが、日本は基本的には人材不足で外国人100万人導入を主張する人達もいる。
 仕事の内容で考えれば高齢者でできることはいくらでもある。(リサイクルの為の携帯、テレビ、パソコンなどの解体などは適例だ)
 給与についても本人には年金があるので、最低賃金でもなんとか凌げる。(会社にとってもコスト節減になる)
 問題は企業の考え方一つだと言う事と、それに対する政府の指導だ。
 私は某テレビで「刑務所なら寝床と食事と仕事がある」と言った初老の人の言葉が忘れられない。
 その人は仕事を通じて世の中に役立つことで、自分の生き甲斐を持ちたいのだ。
 企業も政府もこんな気持ちのある人達の希望に応えてやるべきだ。

・社会からの孤立
 罪を重ねた高齢者ほど独り身の割合が高く、親族との音信も途絶えがちだという。  家族や地域とのつながりを失った高齢者は、追いつめられやすい。
 困ったことがあっても、だれにも相談できない。
 刑務所を出て所持金が底をついたとき、「福祉に頼ろうとしても、どこに相談したらいいのかわからない」と盗みをした人。

 少子化が進み家族自体が縮小して子供に見て貰うことが出来なくなった。
 経済発展に伴う地方への働き場所の拡大に伴う核家族化は致し方ないことだが、これに伴って起こる諸問題の対策が放置されてきた。
 日本古来の互いに助け合い、人を思いやる気風の減少と、悪い意味での個人主義の考え方の浸透でコミュニティーが崩壊がかなり進んでいる。
 私の団地の例で言えばそれに加えて、高齢化の進行で病気になる人が増えたが、他人に迷惑をかけたくないとか、多分、中には病気で取り込んでいるときに近所の人の見舞いなどの対応が煩わしいなどの理由で疎遠に成り、遂には近所ともあまり付き合いの無い儘に独りで住んでいる人もかなりいる。
 増して金に困っているなど絶対に他人には知られたくないことだ。

[高齢者犯罪の防止策]
・刑務所と医療・福祉関係者との緊密な連携。
 受刑中から出所後の住まいや生活手段について、もっと手厚く相談に乗らねばならない。福祉担当者も加わって、職探しを手伝い、身よりがない人には老人ホームや更生保護施設を探してほしい。
・地域社会でもできること
 民生委員だけでなく、住民もお年寄りが孤立しないよう目配りする。生活に困っていないか声をかけ、生活保護など福祉への橋渡しをする。
・NPOの力を借りる手もある。

 私の意見は「高齢者犯罪増加の原因」の所で書いたことで明らかだが次のことが考えられる。
・年金や保険制度の整備→その為の必要なら増税をする
・企業の高齢者採用の促進
・家族制度のあり方を改めて見直して見る
・少子化の傾向を天災のように諦めずに具体的対策の積極的な実施
・コミュニティーの再生、特に孤独な老人が他の人達の訪問を避けることのないように民生委員などの独り住まいの老人達の訪問を当然のことのように習慣化する。
  
 朝日の社説は冒頭に
・昨年、交通事故を除く刑法犯罪で検挙された約37万人のうち、65歳以上の人は約4万8600人だった。10年間で4倍近くに跳ね上がった。お年寄りの人口の伸びをはるかに上回っている。
と言っている。
 この意味は高齢化より遥かに早いスピードで、加速度的に世の中の歪みの問題が大きくなっていることを示している。
 世の中の指導者やこれらの問題について早急に対策を講じなければ、朝日の言うように
 犯罪は社会を不安にする。犯罪が増えれば、それだけ多くの被害者が生まれる。受刑者の更生にかけるコストも膨らむ。
 塀の中の高齢化は、本人にとっても社会にとっても不幸なことだ。

と言うことに成りかねない。

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