[自民党若手議員の申し入れ]
昨日のテレビで安倍さんを含む松村派など麻生さん擁護で団結しようと言う動きの一方、塩崎恭久さん、茂木敏充さん、渡辺喜美さんなどが2次補正提出の早期提出で麻生さんに反旗を翻したと報道が流れた。
その動きは読売新聞の、自民・若手24人が2次補正提出要請…反麻生の震源地に?によると概略次のようなことだそうだ。
自民党の塩崎恭久・元官房長官、茂木敏充・前行政改革相、渡辺喜美・元行革相ら中堅・若手議員24人が21日、「速やかな政策実現を求める有志議員の会」を結成した。
同会の代表者が、河村官房長官に対し、2008年度第2次補正予算案を今国会に提出するよう申し入れたが、麻生首相は通常国会に提出を先送りする方針だ。同会のメンバーには麻生首相と距離を置く議員が多く、「反麻生」の震源地となる可能性も指摘されている。
首相や党執行部が2次補正案への今国会提出は見送り、来年1月召集の通常国会で処理する方針をとるのは、今国会に提出しても、民主党の攻勢で立ち往生しかねないとの判断からだ。
この点について同会は、「年内成立の担保を民主党から得るよう、自民党執行部が努力をすべきだ」と主張するなど、執行部とは見解を異にしている。官房長官への申し入れ後、渡辺氏は「首相自身が『政局よりも政策』と言った。解散もせず、政策も先送りするのか」と執行部の方針を強く批判した。
[自民党の消極的な対応と支持率の低下?]
私は政治の裏話など判らないが、自民党若手の主張は正論だと思う。
然し読売の指摘したように執行部が2次補正案を今国会提出しても、民主党の攻勢で立ち往生するかも知れないことも良く判る。
しかも08年度の新規国債の発行額が05年度以来、3年ぶりに30兆円を超えることが確実視されているなど、補正案に対する予算の裏付けも大変だ。
然し、麻生さんは、「今日本には100年に1度の暴風雨が荒れている」、「今回の経済対策は、国民の生活の安全保障のための、国民の経済対策で、ポイントはスピードだ」と言った。
これは何時もの失言でも迷言でもなくて正論だ。
麻生さんの言うように、経済環境とくに金融関係は気分によって大きく左右されるものらしい。
・20日の平均株価は約3週間ぶりに7500円を割り込んだ。
・今米国発の金融危機の影響がじわりとそして確実に日本経済に大きな影響をあたえている。
・今朝の新聞は全国で地価上昇なし、大都市圏は急激に下落を報じている。
・非正規従業員の契約解除はますます進み、ますます日本社会に悪い影響を与えるだろう。
麻生政権にとっても、補正予算案をこのまま握り込んでいる間に、その支持率の上昇の見込みは全く無いどころか、下がる可能性のほが大きいような気がする。
そして肝心なのは、いま自民党への支持ががなんとか民主党を上回っているのは、小沢さんへの支持率が麻生さんのそれより遥かに下回っていることだ。
そして麻生さんの一連の失言や発言の振れでその支持率が落ち、小沢さんとの差が縮まる可能性が大きい。
唯一の希望は最近良く行われている、対外的な会議で麻生さんの存在感を示すことだろうが、焼け石に水くらいの効果くらいしか期待出来ないような気がする。
一方の民主党の主張する2次予算案の提出を早くしろと言うのは、その内心はとにかく表向きは正論だからその主張をごり押しして来るだろう。
これでは麻生さんや自民党が考えるように、1月の通常国会に予算案を提出する前に、選挙戦を戦えない程、支持率が落ちてしまう可能性もあることだ。
そして通常国会でどれほど民主党の攻撃に耐えられるほどの予算案ができるかの保証は全くない。
当然予想される攻撃の的となる悪評高い定額給付金は今更取り下げる訳には行かない。
もう一つ厳しいのは補正予算案に含まれる、中小企業が年を越すための金融機能強化法法案の審議が遅れたらまた自民党政権に大きな禍根を残すことになることだ。
[戦う自民党へ]
私は麻生さんが2次補正予算案を来年送りにしてもだめ、年内の審議も多難を予想されるとなれば、万難を排して年末までに間に合うように、国会にかけるべきだと思う。
当然同案に対しての攻撃をされ、返答に窮することもあるかもしれない。
ここで思い出して貰いたいのは、麻生内閣発足時の民主党と戦う姿勢だ。
民主党からの攻撃には、政府案の対案としての民主党のマニフェストの関係部分の不備を徹底的に追求する一方、民主党の提案の良い所はそのフランクに受け入れことだ。
それは予算案そのものの改善だけでなく、予想される衆院選での有権者の判断材料になるだろう。
そして自民党には申し訳ないが、その論議により民主党がそのマニフェストを見直すことは、万一民主党が勝ったときに麻生内閣のように、中途半端な政策のまま、今の世界的な金融危機に伴う日本経済の諸問題にいきなり対処する弊害を除くことになるのは日本の為には良い事だ。
そして補正予算案がもし不成立になって諸問題が起これば、その責任は政府だけでなくその提出をよちうきゅうしてきた民主党も負わねばならない。
この様に考えると自民党の若手議員の提案も前向きにそして充分に検討の余地があると思う。
麻生さんの決断に期待したいものだ。
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