私の尊敬するブロガーの一人である「中韓を知り過ぎた男」さんが民主党の東アジア共同体構想反対の議論を展開されています。
それで気になってネット上から鳩山さんの考え方を調べて見ますと、産経の鳩山代表ぶら下がり記事の中で韓国訪問前の会見の報道がありました。
<東アジア共同体>
・李大統領との会談で、友愛外交の1つとして『東アジア共同体』の建設について踏み込んだ話をする考えはあるか
・できればそういう議論をしたい。EUの成立のように、フランスとドイツが戦争を何回も行って、これ以上ヨーロッパで戦争やってはならないという思想のなかで、最終的にEUという機構まで作られた。それには自分の言う根底は友愛の思想があった。
然し価値観となると、すべてのアジアの国々が同じとは思わない。しかしそれを乗り越えて、なんらかの形の、東アジア共同体というものができることは、大変望ましいことだ。このアジアから、いわゆるいさかいというものを取り除く大変大きな試みだ。経済的な協力を深めるということは非常に意義のあることだ。但し行く前にお話したら行く意味がなくなるから、これぐらいに留めておきたい。
[私の考え]
・EUの成立の目的
超大国の米国、ロシヤを中心とする社会主義陣営、そして経済発展に伴い発言権が強く成り始めた日本の台頭で地盤沈下を心配した西欧諸国が、
域内の国境障壁を取り払った地域の創設、経済・社会の結合の強化、最終的には単一通貨の創設を目指す経済通貨統合の実行による、経済・社会の発展と高度な雇用を促進し、また均衡の取れた持続可能な開発を実現する。
先進的な共通防衛政策を含む共通外交・安全保障政策(相手は勿論ソ連・ロシヤ)の実施により、国際社会における連合体のアイデンティティを確立する。 (wikipediaによる)
を目的としてEUが成立したそうです。
つまり、鳩山さんの言う様に、友愛精神より先ず経済的な理由と、西欧諸国の安全保障を確実にするためのEUを作ったのです。
それで歴史的に見ても、EUは(共産主義を放棄した)ロシヤの勢力と一線を引き、アメリカ合衆国を中心としたアメリカ・ヨーロッパ諸国によって結成された軍事同盟である、北大西洋条約機構(NATO)を作りました。
EUの発展に対して、ロシヤの勢力から脱したい国のEU参加の動きに対してロシヤは強く反発しています。
東アジア共同体に関して言えば、今やアジアの強国として、無視できない中国は今でも共産主義を信奉する独裁国家。
民主主義国ならその動きはある程度予測できても、政権の都合によっては激変するかも知れない独裁国家と丸裸で付き合うのは、余りにも無防備に過ぎます。
経済的にはある程度考えられても、安全保障の面から共同体を作るなど論外です。
この面で考えれば、今まで遵守してきた日米同盟、そして中国を仮想敵国て言えないまでも、警戒すべと国としている同盟をどうするかまで議論を深める必要があります。
・価値観の違い
価値観の違いに触れていますが、EUは共産主義を放棄したロシヤさえ排除しています。
中国は共産主義独裁の国です。
民主主義の国日本が中国と組んでも水と油の関係になるのは明らかです。
まして中国や韓国は反日教育を国の統一の手段としている国です。
これらと友愛精神で付き合うなど余りにもお人良しすぎると思います。
・統一通貨
共同体の象徴である通貨の統一を考えても、今までの各国の自由化要求に対して、中国の頑な元の操作を考えてみても、円中心や中国の自由にならない通貨の新設など考えられもしないと思います。
まして独裁国家の管理下にある元の共通貨化など論外です。
残るのは経済的な結びつきだけと思いますが、鳩山さんが どのような経済的な結びつきを考えているか全く判りません。
・歴史に学べ
中国は日本がかって目指していた「富国強兵」のためには何でもする国です。
日本はその富国強兵政策で(それを卒業したばかりの)諸外国の信用を失ったと言う辛い過去を背負っています。
そんな国をどの国が信用するのでしょうか。 (東シナ海油田開発、ITノウハウの公開要求、限りない兵力増強などなどがその現れです。)
日本は米国追随一本槍で、車間距離を取るのを怠ったために、米国の急ブレーキで追突をしてしまいました。
米国の方針変更で今まで追随になれてきた日本はしばしば戸惑ってきました。
私は日本はどの方向に進むか判らない、中国と付き合うには米国以上の車間距離をとる必要があると思うのですが。 (北朝鮮の暴走に対する中国の不可解な対応を見て下さい。)
言い換えれば、中国とは相手の出方次第で、是々非々主義で付き合うしかないと思います。
・なんにも判らない鳩山さんの考え
鳩山さんは、前記のぶら下がりの会見でその友愛精神の現れである、「在日外国人の地方参政権付与問題について、次期衆院選マニフェストに書き込むか否かで党内で意見が割れているが」という質問に対してさえ、
私の考え方は前から述べたとおりだが、代表の考えと党全体の考えは集約すべきだ。今、マニフェストの検討準備委員会でこの議論をし貰う積りだ。その結論を選挙の前にしっかりと出していきたい。
と言って態度をはっきりさせていません。
その他にも、同じ友愛精神の現れである、人権擁護法案、自虐史観を法的に定着させると批判されている、恒久平和調査局設置法案などどうするかも、選挙直前の今になっても判りません。
まして東アジア共同体について具体的に何を考えているのか全く判りません。
鳩山さんが韓国に行って話しするそうなので、韓国と共同体を組むつもりは判りますが中国とはどうするのか、北朝鮮、ミャンマー、東南アジアの国など範囲に入れるのかいれないのか、そして経済、共通通貨、安全保障などどの範囲で協力するのか肝心の所は全く判りません。、
・マスコミと自民党の役割
マスコミは次期政権を取る可能性が大きくなった民主党の政策にもっと追求して行くべきだと思います。
形勢が危うくなった自民党は鳩山さんの資金問題追求のプロゼクトを立ち上げると言われていますが、それより仮に下野しても民主党の[東アジア共同体]を含む民主党の政策の拙い点を追求して、その不具合点を直させ、(村山発言のように後世に亙っても)国民に大きな迷惑をかけないようにするのが政治家の国民に対する務めだと思うのですが。
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