【私、まっちゃん的には苦手な記事。でも桜の花は必ず散る。】
もう何度も書くが、私が生まれて育ち、
今も暮らしているのは、紀州、和歌山の片田舎である。
幼稚園から小学6年生まで8年間全員同じクラス。
そう、一学年一クラスだったのである。
前回のクラス会で恩師から
「一クラスの場合は、同窓会でなく、同級会である。」と
発せられた言葉が今も強烈に耳に残っている。
そう、私達のクラスは皆、仲が良かった。
ベタベタという感じではなく、ちょっと距離を置いた、
みんな客観的に物事を考えると言う
絵に描いたようなクラスだった。
これは私だけが思っているだけでなく
小学5・6年の担任だった恩師もそう感じているらしく
同級会でいつも発せられる言葉からも推測できるのだ。
「わしも、老いぼれたので死ぬまで隔年に同級会を
開いて欲しい。」が口癖で順番制の幹事は忠実にそれを
守り、来年1月3日に同級会の開催が計画されている。
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今度の幹事から「まっちゃん、小学校の校歌のカラオケ
作ってよ。」と1ケ月前に電話があった。
みんなで歌ってCDにして残しておこうという計画らしい。
私は即「簡単なこと、作っておくよ。」と答えた。
私達のクラスはみんな50まで全員元気だったが、
芸術に造詣の深いN君が、韓国で誰にみとられることも無く
数年前に亡くなった。お盆に彼の仏前に全員でお参りした。
1人欠けると何か、皆、心細くなりクラス会で
みんなの無事を喜びあうのも楽しみとなった。
今回の幹事から「今度の日曜日、まっちゃんとこへ行く」と
電話があった。その日、私はある人から同級生のT君が
亡くなったと聞かされていた。
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T君の家は子どもの頃から裕福で、みんなの憧れの家庭だった。
大学も出て、家業を継いでそれをさらに大きくし
実業家として成功した。幸せな結婚もし子どもも授かり
何不自由もなく、幸せな人生だと、羨ましくもあった。
しかしバブル崩壊後、徐々に彼の人生には翳りが見え
倒産・離婚、そして病気で入退院の繰り返しであった。
おまけに、両親も介護が必要になり
最近は、全ての面で相当苦しかったようだ。
同じ町に住みながら、彼の死はほとんどの人が知らない。
屋根を修理していて落下したということだ。
救急車で運ばれたらしいのだが、、、。
お葬式もしたとか、しなかったとか、、、。
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それを知ったのも今度の幹事が色んなところへ尋ね回り
知った事実である。突然の幕切れである。
彼のことで、同級会が開かれるかどうかは微妙だ。
しかし、全国に散らばり、会に参加できない人のためにも
同級生が歌う校歌とメッセージをCDにして送付しようと
考える幹事の温かい心。
今度の日曜の夜、彼とじっくり話してみよう。
そして、T君が眠るであろうお墓に花を手向けよう。
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【人生の幕切れは突然やってくる。だからこそ、今を生きるのだ。】