波風立男氏の願いは、心静かな老後。だから、44年間身を置いた業界のことも考えないように努力している。だが、今朝の新聞(12/7朝日一面)の『教員 時間外「月45時間」まで』には唖然とした。「月45時間」では絶対に終わらない、真っ当な学力育成、いじめや貧困問題、保護者や地域住民との共同は、いったい全体誰がどうするのだ?
「月45時間」が実際に始まったら、先生どうしと、管理職と先生たちがギクシャクし始める。子どもたちに何一つ良いことはない。こういう非現実的な施策に背面服従(これを「表向きのおつきあい」という)でなく、真面目に数値報告するようにでもなったら世も末。
教員の労働条件は子どもの教育条件。勤務時間の減は、対子どもあたりの指導時間減だが、大変な子どもはどんどん増えている。日本の教師はずうっと前から、給料や勤務時間より、先生を増やして欲しいが第一の願いだった。こんなこと、世界的にも無い。だいぶ前から、どこの学校の職員室でも空き時間の先生が居なくなり比例して休む先生が増えた。
学校週5日制以後、授業の科目も時数も増やし、間違った学力向上をすすめ、当然にもそんな施策は破綻するわけだがその責任を先生たちのせいにする狡さ。そんなブラック業界でも「子どもをよくしたい」と努力している先生たちに、なんという冷たさだろう。給料も上げない、先生の数も増やさない、早く帰れ…だとお。
話をしに遊びに来てくれた若者。努力して正採用になったが苦しんでいる先生、職場の人間関係で苦しんでいる力のある先生、進路を考えている臨時の先生…こんな記事を見る余裕も無いのだろうなあ。かわいそうだ。